やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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戸塚編です。
今度こそ戸塚編です。


戸塚彩希

昼休み。私はベストプレイスで自分で作ったお弁当を食べる。

「あれ? ヒッキーじゃん。何してんだ?」

由比ヶ浜が現れた。ヒッキー呼びをやめろと言っても聞かないので諦めた。

「見てわかるでしょ?」

「……弁当食ってる?」

「そうよ」

「なんでこんなとこで? 教室で食えよ」

察しなさいよ。一人で教室で食べてみなさい。『あいつ一人で食べてる。寂しそ~』とか思われんでしょ。好きで一人で食べてるのにうるさいよ。

すると由比ヶ浜が私の弁当を覗き言う。

「へぇ、ヒッキーのお母さんって料理上手なのか?」

「いんや、仕事一筋で全然だけど?」

「え? じゃあその弁当……ああ、お父さんか弟君か」

「……なんで私が作ったって発想がないのかね?」

「え……? ヒッキー……料理できたの?」

「この間作ってやったクッキー、旨いって食べなかったっけ?」

「え!? マジでその弁当ヒッキーが作ったの!?」

さっきからそう言っているのに……そんなに私が料理上手だとおかしいのか?……って、あれ?

「そういえばなんで私に弟がいること知ってるの? 言ったっけ?」

「え!? ああ、おう! 言った言った!? 言いまくった!」

言いまくってはいないでしょ。まあいいか……

「あんたこそ、何しに来たわけ?」

「ああ、罰ゲームでさ」

「私と話すことが?」

「ちげーよ!? 罰ゲームはジュースの買い出しだ! 雪斗とジャンケンで負けてよ」

「雪ノ下が? そんな下らなそうな事すんの?」

「まあ、最初はノリ気じゃなかったんだけどよ。『勝つ自信ねーんだ?』っていったら簡単に乗ってきた」

ああ、なるほど。ものすごく納得がいったよ。

「……内輪ノリってやつね……」

「んだよ? 内輪ノリ嫌いか?」

「内輪ウケとか内輪ノリとか嫌いに決まってんでしょ。あ、でも内輪モメは好きよ。理由は私は内輪に入っていないから」

「卑屈すぎだろ!? つーか、内輪ノリならいっつも部室で雪斗としてんだろ? よく俺は二人の内輪に入れなくて困るんだが……」

「それは不可抗力よ」

「不可抗力……?」

「『人の力ではどうにも逆らうことのできない力や事態』って意味よ。ごめんなさいね、難しい言葉つかって」

「意味くらい知っとるわ!? 俺だって入試うけて総武高入ったんだぞ!? って、ああ、そういやさ……」

由比ヶ浜が話を変えた。

「入試って言えば入学式の事ヒッキーは覚えてんのか?」

「入学式? まあね、私その日に交通事故にあってるからね」

「交通事故?」

「ええ、入学式に柄にもなく浮かれて早めに登校しようと自転車こいでたら犬が向かってきて避けようとしたら車道に出ちゃって車に引かれそうになったらバランス崩して轢かれちゃって全治2週間。入学ぼっちが確定したね」

「そ、そうなのか……?」

「まあ、轢いた車の人が結構な金持ちで治療費を出してくれたし、犬のリードを離しちゃった飼い主もそれこそ不可抗力なわけだし今さら気にしてもいないけど……」

「え? それじゃあ、その犬の飼い主の顔とか覚えてないのか?」

「ないね。しいて言えばその犬がダックスフントだったくらいと男だったって事くらいしか」

「そ、そうなのか……」

どうしたんだろ? なんか雰囲気が悪くなったけど……

すると……

「あ、由比ヶ浜、比企谷さん」

ジャージ姿のテニスラケットもったイケメン男子が話しかけてきた。

「おー、サイキ。練習か?」

由比ヶ浜は知っているようだった。

「うん、まーね。うちのテニス部弱いから昼休みも練習してるわけよ」

「ほぉ~、授業でもテニスしんてのに昼休みも練習か、大変だな」

「あっはは、まあね、好きでやってることだし。てかうちの部人数も少なくて困っててさ~、あ、比企谷さんってテニス上手かったよね?」

「え? そうなのか?」

「ああ、フォームがすごく綺麗でさ」

「そうなんだ?」

由比ヶ浜とサイキって呼ばれたイケメンが言う。

「あはは、いや~、で、誰?」

由比ヶ浜は驚いた顔で言う。

「はああ!? クラスメイトだろ!? 体育も一緒だろ!?」

「いや、体育は男女別でしょ?」

するとサイキは……

「あははっ……あたしってやっぱしそういうイメージだよね。あたし……女子生徒よ」

………はい?

「ほら」

サイキ……さんが私の手を取って自分の胸に当てる――って!? ちょっとおお!?

 

むにゅん

 

や、柔らかい……それにスポーツブラの感触が……

「……マジで?」

「改めて、戸塚彩希(とつかサイキ)です。よろしくね、比企谷さん」

すると由比ヶ浜が……

「あー、ごほん。そういうことは男子のいないときに頼みます」

ウブな反応を見せていた。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

選択体育。私はいつも通りに壁打ちを――

「ねえ! 比企谷さん」

――しようとしたらいきなり話しかけられた。相手は……戸塚さん?

「いつも組んでる相手が休みなのよ。相手してくれない?」

「う、うん……」

女とは言え見た目はイケメンなので少し戸惑ってしまう……

私は戸塚さんとうちあう。

 

ポーン、ポーン、ポーン

 

うん、結構続くね。戸塚さんも私にあわせてくれてるみたい。

そう思っているうちに体育が終わる。

「やっぱり上手ね」

「そ、そう?」

「そうよ、ねえ、良かったらテニス部に入らない?」

「……はい?」




女版戸塚はイケメン女子。

イメージは『月刊少女野崎くん』の鹿島君です。

次回はテニス対決編。男版三浦登場。

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