やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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由比ヶ浜の依頼……男女が違って全然違うものに……キャラ崩壊が……


由比ヶ浜優

「し、失礼しまーす」

放課後、奉仕部に私が入部して始めての依頼人が来た。

「って、おい!? なんでヒッキーがいるんだよ!?」

は? ヒッキー? 誰? 私のこと?

「いや、私、ここの部員だし……」

「2年F組、由比ヶ浜優(ゆいがはまユウ)君だな? 依頼か? そこに座れよ」

「え? ああ、うん、ちょっとな……」

ん? なにやら歯切れが悪くなったような……すると雪ノ下は言う。

「比企谷。飲み物を買ってきてくれないか?」

「は? あんたがお願いって熱でもあるの? それともパシる気?」

「いや、そうじゃなくてだな……」

ああ、なるほど。女子の前だと話しづらい話ってわけね。

「わかった。行ってくるね」

私は部室を出た。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

数分後。私は部室に戻ってきた。とりあえず自分のMAXコーヒーと適当に飲み物を2本。そして部室に入ると……

 

ガラッ

 

「ん?」

「あ」

由比ヶ浜が上着を脱いでいた。

「…………」

「なんか反応しろよ!?」

「いや、女子の着替えを男子が覗いたならわかるけど、男子の着替えを女子が覗いてどう反応しろと?」

「ごもっともだな」

「てかなんで脱いでるの? 露出狂?」

「ちげーよ!?」

なにやら由比ヶ浜が言い訳を考えていると雪ノ下が言う。

「由比ヶ浜君の依頼だ。なんでも『モテる男になりたい』だそうだ」

「ちょっ!? なんで言うんだよ!?」

モテる男になりたいって……

「いや、違うんだよ!? 折角の高校生活だし彼女のいるリア充生活したいじゃん? 具体的にはお弁当作ってきて貰えるみたいな……そんなゲームみたいな青春したいじゃん? だからそんな感じになりたいなぁ……と」

「……それを人に頼って成し遂げようとしたらダメでしょ」

「う!? く、まさかヒッキーにそんなこと言われるなんて……教室じゃ全然しゃべらないくせに……」

「由比ヶ浜君。それは彼女が教室にしゃべる友達がいないからだ」

「うっさいよ。本当のことだけど。てかその依頼と上着を脱いでいた事と何が関係あるの?」

「よくわからんが俺は体を鍛えてから女子にいいよられる事が多くなったからな……彼にもそれと同じ事をさせればいいかと思ってな……」

つまり体を鍛えてからモテ始めたわけね……

「うぅ~、やっぱ俺ってモテないのかな……色々とファッションセンス磨こうと高校デビュー的な事も試したりとかしたけど結果ダメだったし……才能ねーのかな……」

まあ、確かにファッションセンスはいいとは言いがたいね……少なくとも私はこんなチャラチャラした男は好みじゃないし……

「才能どうこういうのはそれに見合う努力をしてからの話だ。俺はよく知らんがモテる男にも種類があるだろ。色々と試したとは言っていたが今の説明を聞くと由比ヶ浜君は外見しか磨いてないように思えるぞ? 人はもっと内面を磨くべきだ」

何て言うと……

「カッケェ……」

は?

「建前とか言わねぇんだ? よし、なら他の事をやってみよう!」

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「で、なんで調理室?」

「料理男子ってモテそうじゃん?」

え? そうなの? なら弟にも言ってやろ。そんで夕飯作らせてやろう……

「あ、ヒッキーは調理器具触んなよ。ヒッキーは目玉焼きもまともに作れないような料理ベタが目に見えるから……」

「だな、レンジやオーブンのスイッチを押した瞬間爆発しそうだ」

二人揃って失礼な……

「私は料理は得意だよ。毎日共働きの両親に変わって弟にご飯作ってるほどの家庭科女子だっての……」

すると二人は……

「ヒッキー……見え透いた嘘はよくないぞ……」

「ふん、ここまで来たら見栄ではなく妄想だな……」

全く信じてもらえませんでした……ひどいな……

なにはともあれレッツクッキング……

 

数分後。

 

「なにこれ? 木炭?」

「えっと……クッキー……?」

「なぜあそこまでミスを重ねられる……」

「料理男子を目指すのはやめた方がいいね」

「食べてもいないのにそれか!?」

食べなくてもわかりますから……

「てかさ、モテるようになりたいでなんで体鍛えたり何かに挑戦したりしようとしてんの?」

「は?」

「女子……というか私から言わせてもらえば女子なんて顔さえ良ければ結構単純にひかれるよ? 由比ヶ浜は結構顔立ちもいいし、人によってはモテるんじゃない?」

「え!? そ、そうか……?」

「ま、でも、モテる男を彼氏にしたいかどうかは別だね。女子は結構独占欲強いからモテすぎる彼氏は敬遠しがちだし、そこそこでいいと思うけど……」

「そんなもんかな……」

「そんなもんよ、女子ってのは『みんなのいい人』でも『かっこいい人』でもなくて『自分を特別視してくれる人』に惚れるもんだよ。少なくとも私はね」

「へぇ、ヒッキーはそうなのか……まあ、わかったよ。自分で頑張ってみる」

由比ヶ浜はそう言って調理室を出ていった。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

翌日。

「やっはろー!」

なに?その挨拶? 由比ヶ浜が部室にきた。

「おう、やっぱし自分で頑張ってみる事にしたわ。んで髪型とかいじって見たんだけどどうかな?」

え? 変わったの? どこが?

雪ノ下はちょっと苦い顔をして……

「ま、まあ、いいんじゃないか……?」

あ、こいつ絶対にどこが変わったかわかってないな……

「え、マジ! よっしゃ、サンキューゆきと!」

「おい、いきなり名前で呼ぶな……」

「えー、いいじゃんゆきとぉ~」

はあ、うるさいことになった、あ、そうだ……

「そうだ。あんたらが疑うから作ってきてあげたよ……」

私は鞄から包みを出す。

「……私の手作りクッキー」

「え!? マジ!? うっわうまそー!」

「ふん、既製品を手作りと言うとは……実は見栄っ張りか?」

雪ノ下はとことん信じない気だ。

この日から由比ヶ浜は部室を度々訪れるようになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒッキーが女なら家庭科女子になりそうという願望がにじみ出てしまいました……

次回は女版材木座登場。

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