やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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文化祭当日はオープニングとエンディングで2話にわけました。


文化祭 オープニング

「開始10秒前、9、8、7……」

開演までのカウントダウン。体育館でオープニングセレモニー。私はタイムキープのカンペを用意。そしてMC担当の生徒がステージで準備。

「……3、2、1……0!」

「お前ら、文化してるかー!?」

『『『うおおおおおおおお!』』』

「千葉の名物、踊りと―――――!?」

『『『祭りいいいいいいい!』』』

「同じ阿呆なら、踊らにゃ―――!?」

『『『シンガッソ―――!?』』』

……うわー、バカだなー、うちの学校。叫んでる意味不明だし……

インカムからPAから曲をあけると連絡が入り、相模がスタンバイすると連絡が入る。

「では、続いて文化祭実行委員長よりご挨拶です」

相模がステージに上がる。そして誰でもわかるように緊張している。あーあ、ロクに練習にも参加しないから……そして――

 

キ―――――――――ン!

 

――何か言おうとしてマイクがハウリングを起こした。

相模が動揺してしまい。

『比企谷。巻くように指示を出せ』

「もうやってるわよ」

『ならなぜ巻かない?』

「見えてないからじゃないの?」

『く、人選ミスか……』

「そうね、どうせあんたもどこに私がいるのかわからないとか言うんでしょ」

『御二人とも、全員に聞こえてます……』

こうしてオープニングセレモニーは前途多難な幕開けとなった……

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

見回りの時間まで時間があるのでクラスの方に顔を出す。

「美味しくなぁれ♥ 萌え萌えきゅん♥」

「パンケーキにお絵描きいたしますね~♥ ホイップかチョコレート。どちらでお描きいたしましょう~♥」

海老名君の洗脳――もとい指導により恥じらいを捨て去ったメイド女子達が接客をしていた。

「あ、ヒキタニさん来たー! 接客していになよ! ユー!」

「え、いやだ」

「あー、なら、受付手伝って~、優もいるからやりやすいっしょ?」

なぜ由比ヶ浜と一緒なら私がやりやすくなるのだろうか? まあ、私はとりあえず受付をすることにした。

「いらっしゃいま――」

「違う違う。『お帰りなさいませ』だ。ヒッキー……」

え? マジでそれやるの?

「ほい、これ差し入れ。隣のクラスで売ってるハニトー」

箱を空けて見ると……ただの生クリームがついた食パンだった。

「いや、そこまでまじまじと見なくても……ヒッキーだってハニトーくらい食べるだろ?」

「いんや、食べたことないけど?」

「え? カラオケとかでフツーにあるじゃ――あ、悪い」

はいはい、そうですよ。私はカラオケには行きませんよ。行ったとしても頼みませんよ。

「と、とにかく食おうぜ」

食べてみた。味がパンに染みてない。これは本当にただの食パンだね。

「ん~、なかなか……」

「ご馳走さま。んで、いくら?」

「え? いや、差し入れだしいいよ。俺の奢りだ」

「私は奢られるのも奢るのも嫌いなのよ。いくらなの?」

「なんでだよ……じゃあこんど一緒にちゃんとしたの食いにいこうぜ。そのときに奢ってくれよ」

「ん~、わかった……覚えてたらね……」

私がこれを言うと、由比ヶ浜は小さく『うっし!』とガッツポーズをしていた。あっ! こいつ、あきらかにこれより高いの奢らせる気ね!

だから私は奢られるのも奢るのも嫌いなのよ……

「そういえば、あの後、雪ノ下の家で何かあったの?」

「いんや、ただヒッキーの作ったお粥食って雑談しただけだ」

「そう……」

由比ヶ浜は語り出す。

「俺さ、雪斗を待つことにした。雪斗は話そう、近づこうってしてるから……だから待つ」

由比ヶ浜らしいね。自分から歩みよってきた奴だからね……

「だが、待っててもどうしようもねーなら待たない。こっちから行く」

その由比ヶ浜の言葉は私にはどくりときた……

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

文化祭初日には以外にも何事もなく終わり、二日目。

文実の見回りの仕事は基本的に男女二人一組で行われる。理由は男子しか入れない場所や女子しか入れない場所でトラブルが起こった場合のためだそうだ。そして私は組める人が誰もいなかったため、雪ノ下とペアを組むことになった。

「んで、なんだ? その格好は。ふざけているのか?」

「く、クラス代表の指示です……」

そして私は雪ノ下から説教を受けていた。理由は簡単。

……私がメイド服を着て『実行委員』の腕章をつけているからだ……

言い訳をすると、文実の仕事に向かおうとすると『パンケーキの事でわからないことがある』と由比ヶ浜から言われてクラスに顔を出したら女子一同に捕まり、着替えさせられた。女子達いわく『一人だけ恥ずかしい格好せずにすむと思うなよ』らしい……

「はぁ、まあ、クラスの宣伝もしなくてはいけないと言うことで仕方ない。だが、こちらの仕事もちゃんとしろ。いいな」

「はいはい……」

ということで私と雪ノ下は見回りをする。

「まて、あと……だな……」

「ん?」

「それは……着るもの1枚……足りなくないのか……?」

着るもの……?

雪ノ下の視線は…………………………私の胸元?

「っ!? 千葉村の時のをもう一発くらいたいの……」

「……さっさと行くぞ!……」

流された……ともあれ私達は見回りに向かう。

すると……

「うぃーっす、ねーちゃ………ん?」

文化祭に来ていた秋太と会った。

「ちょっと、秋太くん? おねーちゃんになに疑問つけてるの? そんなに私は認識しづらいかしら?」

「いや、ねーちゃんがメイド服着て、雪斗さんとデートしてるとは……」

「いや、デートじゃないから……仕事だから」

「ふーん、で、なにしてんの?」

この愚弟は話を聞いてなかったのだろうか?

「いや、たった今言ったわよね? 仕事よ」

「ふーん、で、なにしてんの?」

「どうしよう、ついに秋太が壊れたわ……」

「だってねーちゃんが仕事なんて珍しいし……」

「普段、家で家事をしているのは誰だっけ?」

「家事は仕事じゃなくて業務だろ?」

私たちの会話を聞いていた雪ノ下は……

「仕事なのは事実だ。俺はともかくこいつは使いっぱしりのようなものだ」

「ああ、なるほど」

それで納得しないでほしいけど事実だから言い返せない……

「でもなんでメイド服?」

「うちのクラスの出し物よ。宣伝と一石二鳥だからって……」

「ああ、なるほど。てかならその虚ろな表情をもっと柔らかくしろよ。たぶん客足減るぞ」

ちょっと、あんたまで雪ノ下みたいな事言わないでちょうだい。

「んじゃ、俺は色々見てくっから、またな」

「う、うん……」

秋太は去っていく……

「……やはりお前の所は姉弟仲がいいな……」

雪ノ下は自身の兄の事を考えてか、言う。

「ま、あんたらの所はまさに特殊でしょ……てか、あんたはクラスの出し物はいいの? えーと国際科は……ファッションショー?」

「……それに出るくらいなら仕事をしてる方がましだ」

なるほど。イケメンの雪ノ下は客足は伸びそうだけど本人が嫌がりそうね……

「む? あそこの出し物、申請書類と違うぞ?」

「え? そう?」

私はパンフを見てみるとそのクラスの出し物は『トロッコロッコ』ジオラマをトロッコに乗って見るというものだったハズだけど……

中から『ワーッ!』だの『キャーッ!』だの聞こえる。どうやらジェットコースター見たいに変更しているようだった。

「このクラスの代表はいるか? 申請と違う物を出しているようだが?」

するとクラスの人達は『やっべ!?』『そっこーでバレた!?』『こうなりゃ勢いだ!? そいつをトロッコに乗せろ!』と雪ノ下に掴みかかり、雪ノ下をトロッコに乗せた。私は巻き込まれないように――

『なぁ、あれも文実じゃね?』

『え? あのメイドも!?』

『腕章つけてるぞ!』

『なら、一緒に乗せろ!』

――したら私も囲まれてトロッコに乗せられてしまった……雪ノ下と密着してしまい……

「ちょっ!? ヤメ!? (むにゅっん)ひゃう!?」

ちょっ!? 私のおっぱい触って来たんですけど!?

そして私と雪ノ下を乗せたトロッコは……

 

ギャ―――――――――――っ!!!?

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「どうでした!? うちの出し物は!? なかなかスリリングでしょう!?」

「スリリングだろうとなんだろうと申請と違うものにするのは困る」

「ちょっとだけ現場の判断で変えただけ! お客も満足してるしさ~」

「なら追加の申請書類の提出、お客への細かな説明、看板に説明文の設置を追加してください」

「は、はい、それくらいなら……」

そのクラスの代表とはそれでなんとかなった。

「ところで雪ノ下。トロッコに乗ってたとき私のむ――」

「さぁ、もうそろそろエンディングセレモニーの準備だ。行くぞ!」

「ちょっと待ちなさい!? 今度は流させないわよ!?」

とはいえ、エンディングセレモニーの準備が迫っているのは事実なので私たちは体育館へ向かった。




次回はエンディング編です。

八千代と勇の運命はいかに!?

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