やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換) 作:Wiiが欲しいと思わない。
文化祭のスローガンにいちゃもんがついたらしい。ちなみにそのスローガンというのが……
『面白い! 面白すぎる! ~潮風の音が聞こえます。総武高校文化祭~』
うん、ダメだね。埼玉のパクりだし……そしてそれを決めるための会議が開かれる。葉山、雪ノ下兄も参加。サボりがちな相模も当然参加。
ひとまず、紙に書いて考えて、提出してボードに書き意見を出して決めると言う方法をとる。
『友情・努力・勝利』
これまたパクり。何に勝つのよ………『孤高・才能・圧勝』の方がまだ新しいし現実味があるわよ……
『ワン・フォー・オール』
私の隣の葉山が反応する。
「いいわね、私ああいうの好きなのよ。一人はみんなの為に。いい言葉よね」
「はぁ? そんなの簡単じゃない」
「え?」
「一人に傷を追わせて排除する。一人はみんなの為に。よくやってるじゃない」
今の状況なんてまさにそれね。あとこの言葉と対をなす『オール・フォー・ワン』みんなは一人の為に。みんなで一人を潰して排除する。これまたひどい言葉ね……
私の言葉が聞こえていたのか、周りも反応が微妙に……
『八絋一宇』
書きそうな人に心当たりが……
続いて相模が提案。
『絆 ~ともに助け合う文化祭~』
「うっわぁぁ~」
なにそれ? バカなの?
どうやら私のため息は相模にも聞こえていたらしい。
「何か文句あるのか?」
「まあ、別に」
「……意見あるなら、出してくれるか?」
「ふむ……では……」
私は前に出てホワイトボードに書いてやった。
『完全一欠 ~90%の人が楽しいと思えばそれで成功の文化祭~』
「これでいいのでは?」
しーんと会議室が静になり……
「ぷ、ぶあっはっはっはっはっはっ! あ、アホだ! アホがいる!! ひいぃぃぃぃぃぃいひひひひひっ!! ぷーくすくすくすっ!」
「陽斗。笑いすぎだ。あと、比企谷。説明をなぜ100%じゃないんだ?」
雪ノ下兄が爆笑し、平塚先生が言う。まあそうだよね。
「まぁ、例えばですよ。『人』と言う字は人と人が支え合って出来ている。なんて言いますけど、あの例えって片方楽して寄りかかってるじゃないですか? そういう風に少数である10%を犠牲にして成り立っているというのがこの文化祭、文化祭実行委員会には相応しいのでは無いんですかね?」
「犠牲とは具体的に誰を指す?」
「私とか超犠牲でしょ? ばかみたいに仕事させられてるし、てか他人の仕事まで押し付けられてますし。それともこの60%がなまけて、30%が普通に働き、10%が激務して犠牲となる。まるで働き蟻の法則のような文実の状況が実行委員長の言うところの『ともに助け合う』ってことなんですかね? 私は助け合った事が無いのでよく知りませんけど……」
これを私が説明し終えると……
ダンッ!
雪ノ下が机に顔を伏せた。そしてぷるぷる震えている……そして数秒後。
「比企谷」
雪ノ下は笑顔で言い放つ。
「却下」
私は自分の席に戻る。
「委員長。日を改めよう。このままでは言い案が出るとは思えん」
「へ? ああ、おう、では今日はここまで」
会議は終わり、何時もの仕事へと戻った。
……。
…………。
………………。
後日。スローガンが決まった。
『千葉の名物、踊りと祭り! 同じ阿呆なら踊らにゃsing a song!!』
良いの? これで……まあ時間もないし仕方ないけど……
そうと決まり私は自分の仕事に専念する。
「やあやあやあ、しっかりと仕事しておるかね?」
私の席の近くに雪ノ下兄が来た。
「ふむ、しっかりとはしていないようだね?」
どこがですか。めっちゃ仕事してるでしょ?
「おや、不満そうだね? 別に仕事をしてないとは言ってないよ。だけどこの仕事には比企谷ちゃんの功績がないだろう?」
雪ノ下兄はさらに言う。
「さて比企谷ちゃん。集団をもっとも効率よく団結させるにはどうしたら良いでしょう?」
「脅迫や恐喝による恐怖による屈伏ですか?」
「またまた、知ってるくせに~。正解は明確な『敵』の存在だよ。まあ、敵がちょっと小者だけどね?」
ほっといてくださいよ。てか一番の敵になったのは貴方でしょう? 大物過ぎて誰も逆らおうとしなかったけど……
「いいんだよ、君みたいに悪役がしっかりとするから正義が成り立つ。争いこそが技術を発展させたのであ~る」
はいはいそうですか……
「雑務、仕事しろ」
「お、俺もやろうか?」
「兄貴は邪魔だ帰れ」
……。
…………。
………………。
文化祭前日を迎え、文化祭実行委員会の仕事を何とか片付け、クラス方は盛り上がっていた。
「美味しくなぁれ♥ 萌え萌えきゅん♥」
「ちがーう! もっと心を込めろ! あと恥じらいは捨てろ!」
2Fのメイド喫茶は実践練習中だった。ちなみに川崎はIHでひたすらお絵描きパンケーキ練習用を焼いている。すると私に聞いてきた。
「なぁ、どうやってもこのパッケージみたいに分厚くならないんだが、どうすればいいんだ?」
「あー、それはねまず生地の3分の2を数秒焼いて、残り3分の1を円を描くように上に乗せてからひっくり返すと……ほら」
「「「おおー」」」 パチパチパチ
「なるほど。そうすりゃいいのか……サンキュー」
『ヒキタニさん、マジで料理上手だったのかよ……』
『海老名君がノリで言ってるだけかと……』
『……俺は、葉山さんの料理が絶望的だったことの方がショックだよ……ヒキタニさんの料理スキルだけ葉山さんに移せないかな……』
クラス男子は何やら話しているが無視だ。
「な~、やっぱヒキタニさん、出ない?」
メイド服を構えた海老名君がよってきた……
「いや、当日は見回りの仕事があるから……」
「あ、なら宣伝も兼ねてこれ着て見回りしてよ! 見回りと宣伝の文実とクラスの両方の仕事を同時に出来てまさに一石二鳥」
ギャー墓穴を掘ってしまったぁぁ……どうすれば……
「そ、そんな格好で見回りしてたら雪ノ下に罵倒されるわよ……」
「いやいや、雪ノ下君はマサッキ同様にムッツリっぽいから案外ヒキタニさんのおっぱいに――ゲフゥッ!? グホッ!?」
「お前はもう少しスケベを隠せ!?」
「誰がムッツリだ!?」
海老名君の発言に三浦と川崎が同時にツッコミを入れる。
「あ、あはは、で、でもメイド服着て見回りは良い案かもな……相模はどう思う?」
「……あ? あ、ああ、問題ない」
相模はまるで興味無さそうに言う。そりゃ無いでしょうね。
「許可がおりた!? よっしゃ! ヒキタニさん、当日はメイド服で見回――」
「やりません!」
私は力強く言った。
次回は文化祭二日間を一気にやりたいです。
というか早く男版一色と折本を出したい!
でも体育祭と修学旅行もちゃんとやりたい! この作品ならではのネタも用意してるし!