やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換) 作:Wiiが欲しいと思わない。
川崎兄妹再登場。
予備校。大学受験に置いて、誰もがほぼ必ずお世話になる勉強の場であり、下手したら受験料や学費よりも場合によってはお金がかかる所だけど、私は予定通り、スカラシップを取ることに成功した。
お陰でお財布はほくほく、さらに講義も受けれる。しかもここは本当に勉強が目的の場所だから教室だとうるさいリア充共も予備校では静かだし、いいことだらけ……
「……ん? お、よぉ……」
「……ん、ああ、ん」
青みがかかった髪の長身の少しゴツい男子がこっちを向いて言ってきた……誰だっけ? 確か……クラスの……川……川越? 違うな……えっと……
「お前もここの予備校だったんだな……って、お前が教えてくれたとこだから当たり前だな……」
ああ、そうだ。川崎 正輝だ。んで妹さんは秋太と同じ塾の友達の志都美ちゃんだ。
「妹さん、元気?」
「ああ、そういやよ……」
川崎の表情が変わった。なんか怖い感じに……
「……うちの妹、お前の弟と付き合ってんのか?」
どす黒い声で聞く……怖いよ。
「さ、さあ? あんたの依頼を受けたときにはただの友達って、言ってたけど?」
「そうか……」
さてはこいつシスコンだな……
「な、なにかあったの?」
「いや、夏休み前になぜかうきうきしながら水着買いに行っていたからな……一緒に行く約束でもしてるのかと思ってな……」
あー、それ私のだー。ついでに自分のも買ったのかな?
「……まあ、少なくとも私には関係ない話だね」
「そうか……んじゃな」
川崎は少し離れた席に座った。
そして講義が始まった。
……。
…………。
………………。
講義が終わり、帰ろうとすると――
「おい、ちょっといいか?」
――川崎が話しかけてきた。
「え? なに? これから夕飯の買い出しに行かなきゃなんだけど?」
「ん? でもお前の弟がうちの妹と相談があるから駅前のサイゼまでつれてこいって……そっちは連絡来てないのか?」
川崎に言われてスマホを確認する。
すると秋太からメールが届いていた。
――――――――――――――――――――――
差出人 秋太
件名 来い!
予備校の講義が終わったら駅前のサイゼまで志都美ちゃんのお兄さんと一緒に来ること!
(*`Д´)ノ!!!
来なかったら志都美ちゃんとそのお兄さんにねーちゃんのあることないことしゃべります!
┐(´д`)┌
――――――――――――――――――――――
……秋太君。いったい何をしゃべる気よ……
ともあれ、しゃべられたら困るので、川崎と共にサイゼへ向かった。
……。
…………。
………………。
「お久しぶりです。お姉様!」
「いや、だからお姉様言わないでくれる? あんたのお兄さんがメッチャうちの弟睨んでるんだけど?」
「ちょっ!? 兄さん!!」
「あ?」
「いえいえ、俺は別に……志都美ちゃんとは『ただの友達』ですから安心してください。志都美ちゃんのお兄さん」
ショボーンという効果音が志都美ちゃんから見える。
秋太は志都美ちゃんからどう思われているのかわかっててやっているのだろうか?
「んで、なんのようなのよ……」
「ねーちゃんは志都美ちゃんの相談、俺は志都美ちゃんのお兄さんからそれぞれ総武高について聞こうと思ってさ、志望校だし」
ん? 秋太が総武志望なのは知ってたけど、志都美ちゃんもなんだ?
「はい、だから兄さんだけでなく、お姉様にも意見を聞きたいなって……」
だからお姉様言わないで……私たちはとりあえずドリンクバーを頼んで席に着く。
私は志都美ちゃんの質問にざっくりと答えた。秋太もいくつか川崎に質問して川崎もざっくりと答えていた。
「へぇ、文化祭が終わったらすぐに体育祭があるんですか」
そんな感じの学校行事の話をしているうちに、飲み物が無くなった。
「あ、なくなりましたね。俺、取りに行きますよ」
「……なら、俺も行こう」
秋太と川崎兄が席を外した。
すると……
「あ、あの……一ついいですか?」
「ん? なに?」
「あ、あああ、あの! 秋太君が前に教えてくれた服や下着のサイズはリアルですか!?」
うわー……いやな事思い出したぁ……
「ん、まあ、君が買ってきた水着はサイズはあっていたよ……」
「ふえぇ、ほ、本当なんだ……」
志都美ちゃんは自分の胸に手を当てて言う……少なくとも葉山よりはあると思う。
「ど、どうしたらそんなスタイルになれますか!?」
「へ? いや、特に……」
「聞き方変えます。普段どんな生活してますか?」
「え? 朝起きたらシャワー浴びて、朝ごはんとお弁当作って、学校行って、帰りに夕飯の買い物して作って、お風呂は入って寝てるけど?」
「……休日は?」
「朝起きたら、日朝の特撮とアニメ見て朝ごはん作って、シャワー浴びて、お昼まで掃除と洗濯してお昼ごはん作って、あとは夕飯作る時間までボケーとダラダラしてるけど……?」
「……あんまりうちの兄さんと変わらない……いや、最近はバイトとかしてるけど……」
志都美ちゃんはなにやら小声で言う……なんだろう? まあいいか、私も文句を言っておこう。
「あと、志都美ちゃん? あの水着はセンス的にどうなの?」
「え? お姉様のスタイルなら絶対に似合うと思って!」
「いや、恥ずかしいからね」
「な、なら、今度一緒にお姉様の好みの水着を買いに行きましょう! そして一緒にプールへ行きましょう! 私とお姉様と兄さんと秋太君で!」
うわー、面倒な事になったぁ……
「おー、いいねぇ、プール。志都美ちゃんのお兄さんはどうです?」
「……悪いが、夏休みは結構予備校と短期バイトいれたから無理だな。というか、そもそもお前らは受験生だろ。そんな暇あるのか?」
「あうう……」
よかった。この話はなくなりそう……
「大丈夫だよ、俺と違って志都美ちゃんは模試判定Aだし」
ほう、意外と勉強できるんだ? ちなみに秋太はC判定。もう少し頑張りなさいよ……
「あ! なら受験が終わったら行こーよ」
「いや、その時期は冬だよ」
「温水プールでもいいじゃん」
いや、それ以前に冬に水着姿になりたくないから……
「まあ、合格したら合格祝いに旅行へ行くのも良いかもな……」
「よっしゃ、極り! 俺と志都美ちゃんが総武校に合格したらみんなで温水プールのあるところへ行こう! みんなで!」
秋太はみんなの部分を強調して言う。
「それはどちらかが落ちたら行かないって意味だけどね」
「ねーちゃん、空気読め!」
「だ、大丈夫よ秋太君。私も少し教えるから……」
「うう、志都美ちゃん、ありがとう。俺は志都美ちゃんと友達になれてよかったよ。これからもずっと『友達』でいてくれ! ずっと『友達』で!」
ぐはっ!? という効果音が志都美ちゃんから聞こえた。
「うううぅ~、お姉様~、私、脈なしなんでしょうか?」
「あー、うん、無いっぽいね。だから私をお姉様と呼ぶことはないと思うよ」
「いいえ! たとえそっちが無理でもお姉様をお姉様と呼ぶ関係になることは可能です」
どうやって?
「ところで志都美ちゃんのお兄さん。うちのねーちゃん、実は結構巨乳ですよ?」
「はぁ!? いきなりなに言ってんだよ!?」
「え? だって兄さん巨乳好きでしょ? 隠してるグラビア雑誌とか巨乳物ばっかだし」
「うおいっ!? いきなりぶっちゃけるな!? てかなんで知ってるんだ!?」
「お姉様、お姉様は兄さんと愛称良さそうなので『仲良く』してください」
ああ、そういうことね……
「ないね、それはない」
「おいこら! どういう意味だ!?」
なんであんたが怒るのよ……
「秋太君!」
「志都美ちゃん!」
ガシッ!と二人は握手して妙な協定が結ばれたのだった。
このあと、私は夕飯に秋太の嫌いなピーマンをたっぷり使ったチンジャオロースを作ってやったのだった。
次回は由比ヶ浜家ワンちゃんと花火大会編予定。
頑張ります。