やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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平塚先生とのラーメン屋回です。
この話は大好きなのにアニメになかったので、悲しいです。



平塚 静也

今日は、秋太が友達と共に受験勉強をしにお泊まり会に行って家に居らず、私は一人だった。

冷蔵庫の中は珍しく空っぽなのでお昼は外でラーメンでも食べて、夕飯の買い出しに出掛ける。

自転車をこいでいると、近くの教会で結婚式が行われているようだ。

私はちょっとちらっと見ると………

 

どす黒いオーラを纏った。見知った一人の男性がいた。

 

その男性の周りの声に耳をすましてみると『あんたは何時になったら』『この人いいと思わない?』『すぐにできるって』『職場にはいい人いないのか?』などという声が聞こえた。

私は大人しくその場を去ろうかと思い自転車をこぎ直そうとすると――

「あ! ひ、比企谷!? あそこに問題児が! し、仕事だからな!」

そう言って、私の方へ向かって平塚先生が走ってきた。私は自転車を全力でこぐ!

「おいこら!? 待て!? 比企谷! いや、待ってくれ! 頼むから!」

私は仕方なく、自転車を停める。

「なんですか?」

「あーいや、何とかしてあの場から逃げたかったんだが、口実がなくてな。すまん」

「なら、もういいですね。では――」

「まてまて、そんなに俺といるのが嫌か?」

「普通に嫌ですね。そんな風にスーツ着こなした男性と一緒にいて変な噂たったら嫌ですし」

「少しはオブラートに包め!?」

そんなことを言われても……

「そもそもお前はこんなところで何をしている?」

「ここの近くに私の行きつけのラーメン屋さんがあるので、食べてから夕飯の買い物をしようかと……」

すると平塚先生は……

「ほぅ、ラーメンか……俺もいいか?」

「え!? でも結婚式に出席中じゃ……」

「いーんだよ。あれは従兄弟のだから出席者は親戚ばっかで俺の目当てにすべき出逢いはねーからな……」

「二次会とか……」

「それこそいーんだよ。酒飲みすぎとか怒られるだけだしな……」

なら自重してくださいよ……

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

というわけで私と平塚先生は、私の行きつけのラーメン屋さんに来た。

「ギタギタで」

「うお、女の癖によくそんなの食えるな……俺もギタギタで……」

先生も食べてるじゃないですか……

「女は大抵、ダイエットとか考えてあっさり系を選ぶと思っていたが……偏見だったな」

「……まぁ、私は少なくともその辺は考えませんし……まあ百キロくらい太ったら流石に気にするとは思いますけど……」

「そうか……「へい、お待ち」……お、もう来たか……」

 

ズルズルズルッ!×2

 

「うん、旨い」

それには同感ですね。このドロッとした感じがいい。

「やっぱしラーメンのスープはこういったこってりしたのがいいな……まあ最近はあっさり系も許せるようになってはきたが……」

それは年老いてこってり系がきつくなったのでは? 等と思ったが言わないでおいた。

「そういえば、雪ノ下とは連絡していないのか?」

「ええ、全く」

「まあ、実家へ戻って色々あるんだろうが、お前から少しは何かしてやれ」

「いえ、そもそも連絡先知りませんから……」

「は? まだ知らなかったのか?」

「聞く必要性も感じないので……」

「全く……なら由比ヶ浜とはどうだ?」

「さあ? たまーに宿題教えてとかメールが来ますが、適当に流してます」

「……とりあえず返信はしてやれよ?」

「してますよ。『ごめん、寝てた』とか『電源切れてた』とか」

「それは返信しているとは言わん!? 弄んでいると言うんだ!!」

まあそれはどうでもいいとして……

「そういえば、先生から見て雪ノ下兄はどうなんですか? 親しそうですけど……」

「ん? 陽斗か……あいつは弟とは違い表向きは皆の人気者だったな……」

表向きは、ですか……

「その実、裏では腹黒い一面があり、それを他者には悟らせない」

そりゃそうかもね……

「そこを考えると弟の方が素直と言えるな……」

たしかに……

「だが、雪ノ下弟は兄の背中を追いすぎとも思える。あいつは陽斗とは違うから自分を見失わないか心配だ。だからお前にも期待したんだがな……」

私?

「お前と関わってどうにかならんかとな……」

どういう意味ですか……

とりあえず先生は話をそこで区切り、ラーメンを食べる。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「ありがとうございました」

食べ終わり、私と先生は店を出た。先生はつまようじをくわえて歯をかいている。

「ふー、なかなか旨かったな。お前は味を見る目あるぞ」

「そりゃどうも……」

「そうだな……今度は俺の行きつけに連れていってやろう。俺は結構なラーメン通だぞ」

「あ、いえ、場所だけ教えてください。先生はいいので」

「そう遠慮するな。そうだな……じゃあ世間体もあるからお前が卒業してからだな。楽しみにしておけよ」

こうして私は卒業してからも平塚先生と交流することになったのだった。

当時になったら忘れたふりをしよう。




次回は予備校編。
川崎兄妹登場です。

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