やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換) 作:Wiiが欲しいと思わない。
仕事忙しかった。
肝試しから帰宅までで雪ノ下兄貴2度目の登場。
肝試しがはじまった。
とりあえず例の鶴見君のグループまでは普通かつ特に怖くもない肝試しを行う。
「ぐわおー! 食べちゃうぞー!」
「あっはっはっ! だっせー!」
アホな脅かし方している狼男の衣装(どう見ても犬の着ぐるみ)を着た由比ヶ浜は笑い者になっている。
「ねぇ~……お嬢ちゃ~ん……今、どんなパンツ履いてるの~……(裏声)」
「ギャー!? 変質者ー!?」
とりあえず河童っぽく皿をのせていた海老名君が冗談に(だと思う)驚かすが、反応通りそれは肝試しの怖さじゃない。
そんな事をしていると、鶴見君達のグループ5人の番になった。
『あーあ、なんかめんどくせー』
『肝試しなのに全然怖くねーし』
さて、出番だよ。
鶴見君達のグループの前に三浦、葉山、戸部が現れる。
『なんだぁ? 』
『衣装すら着てねーじゃん、ダッセー』
小学生達は言う。
ここからが本番だよ……
『あぁ!? おいこら、ガキ共。さっきからいーきになりやがって。俺らは年上だぞ?』
『え!? あ、ご、ごめんなさい……』
『謝ればいーとでも、思ってんのか?あぁ!』
三浦が拳を作りながら言う。小学生達はビビってすくむ。
『だ、大丈夫だって……殴られたりは……』
『あぁ!? 舐めてんのか!? あぁ!?』
ガッ!
三浦は小学生の一人…………………の後ろの木を殴る。
『ひっ!? ま、マジで殴ってきた!?』
『な、なんだよ……ちょっと悪く言っただけで……』
『はぁ? ちょっと? うちらはメッチャキレてんですけど~』
戸部も言う。そして葉山が……
『君達は私たちを怒らせた。だけどね、君達だって悪いのよ。よってあなた達の中から3人、ここに残って貰うわ』
『な、お、俺達をリンチする気かよ!?』
『さあね? それじゃあ、誰が残るか決めなさい』
小学生達は怖がりながらも……
『お、おい! 鶴見! お前、残れよ!』
真っ先に鶴見君が残る奴に任命。問題はここからね……
『……あと二人よ……』
『お、おい! コーヘー! お前行けよ!』
『は!? な、何でだよ!?』
『お、お前が鶴見行けよっつったんだ! だったらお前も行けよ!』
『な、なら、最後の一人はタケシでいいよな!?』
『はぁ!? んなわけねぇだろ!? ヨシヤ行けよ!』
鶴見以外の四人は言い合いになる。
これでいい。あとは葉山がカウントダウンでもしてくれれば……
『のこり、10秒。それで決められなかったら全員残って貰うわ』
『ひっ!? わ、悪かったよ!? ごめんなさい!』
『謝って欲しいわけじゃないのよ』
『早美~、もう全員やっちまおうぜ』
『それだわ~』
葉山はカウントダウンに入る。
『9……8………7………6………』
小学生達は怯える。
『や、やっぱしコーヘーとタケシでいいよな!?』
『わけねーだろ!? ヨシヤとコーヘーだ!』
『な、なら間をとってタケシとヨシヤで……』
葉山はカウントを続ける。
『5……4……3……2…』
あとはカウントが0になったときに『どっきり大成功』とでも言って私たちが出ていけば……
『1……ぜ』
ガッ!
『――ってえ!?』
葉山がカウントを終わらそうとした瞬間、鶴見君が、三浦の足を蹴った。
『こっちだ!!』
『え!? お、おう!?』
鶴見君は全員に呼び掛けて、全員逃げたのだった。
……。
…………。
………………。
あのあと、戻ってきた鶴見君達の5人は平塚先生に包み隠さずに葉山達がしたことを話して葉山、戸部、三浦と私の4人は平塚先生にこっぴどく怒られた。どうして私も?
そして今はキャンプファイヤー。
「比企谷。お前な……」
「なんです? お説教なら終わりましたよね?」
「ああ、終わったな。教師と生徒という立場上のはな。ここからは君達についてのお説教だ。お前、折角今回のキャンプで料理上手やらなんやら葉山達の評価が上がったかと思えば、今回の件でいっきに落ちたぞ?」
「……別に、そこまで仲良くしたいなんて思ってないですし……」
「別に仲良くしろとは言わん。だが人との関係を三歩進んで二歩下がるくらいにはとどめておけ、今回は三歩進んで五歩は下がったぞ」
「それが今回の目的ですか?」
「ああ、雪ノ下もお前もな……」
平塚先生は行く……今度は葉山が来た。
「いいかしら?」
「……別に」
「凄く嫌そうね」
「ヤな役引き受けてくれてありがとね……」
「別にそれは気にしてないわ。結果的には鶴見君が自分でみんなを助けた形になったし……」
葉山は言葉を置いて言う。
「……もしも、ヒキタニさんが私と同じ小学校に通っていたら、どうなってたのかしら?」
「ぼっちが一人増えるだけよ」
「私は、そうは思わないわ。でもね――――――」
葉山は言った。
「――私はそれでも、やっぱり比企谷さんとは仲良くなれなかったと思うわ」
と、私は……
「驚いた……」
「ああ、ごめんなさい」
「葉山って私の名前、わかってたのね?」
「え!? そこ!?」
「は? そこしかないでしょ? 私とあんたが仲良くなれないなんてわかりきってることじゃないの」
「酷い! このキャンプで私はちょっとは仲良くできるかなとか思ってたのに!?(ガタッ‼)」
何を言っているのやら……すると葉山がつまずき、私の近くにあったキャンプファイヤーの火消し用に用意したバケツが……
ドバァッン!
……ひっくり返り、私に水がかかった。かなりおもいっきり……
「ご、ごめんなさい!? だ、大丈夫!?」
「ヒッキー! なんだ? 今……なに……が……↓」
「比企谷。いったい何を……↓」
音に気づいて雪ノ下と由比ヶ浜が来た。そして二人の視線が顔から下へ下がる。
この時、私は忘れていた。このTシャツの下に着ているのが、例の水着だと言うことを……
「ぶ……ぶい……」
「黒……」
私は………
「いっ………いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?(ゴッ! パァッンッ!)」
この日、私は生まれて初めて、男子を全力で殴ったのだった。
……。
…………。
………………。
翌日の昼。私達は地元……というか学校で解散となった。
「気を付けて帰れよ。家に帰るまでが合宿だ」
私は秋太と共にどこかでお昼ご飯を食べてから夕飯の買い出しをして帰ろうと考えていると――
「うおーっい! ゆーきとくーん!」
……少し聞き覚えのある雪ノ下を呼ぶ声がした。
「……兄貴……」
「全く、連絡しても全然返事無いから心配したぞ~、ってどうしたんだ? そのバンソーコー。しかも両頬に……」
今、雪ノ下にはバンソーコーが二つ貼られている。一つは三浦が、もう一つは……………私だ。
「……兄貴には関係ない」
「え~、あ! わかった。比企谷ちゃんと一緒のところから察するになんかエロい事でもしようとしてビンタされたんだろ~」
うわぁっ、合っているような……まちがっているような……
「あ、あれ? もしかしてマジで!? まさか雪斗君と比企谷ちゃん、もうそんな関係に!?」
「ち、違いますよ! 雪斗とヒッキーはそんな関係じゃ……」
「ん? 君は?」
「あ、お、俺は雪斗とは友達で……」
「へぇ、雪斗君に友達ねぇ。これからもよろしくしてやってくれよ~」
「は、はい!」
「あ、でも比企谷ちゃん取っちゃダメだぜ~、彼女は雪斗君のだからな~」
「「違う!」」
私と雪ノ下の声がハモった。
「陽斗……そこまでにしてやれ……」
「おー、静也。おひさ~」
「その呼び方ヤメロ」
ん? 静也?
「先生、知り合いですか?」
「卒業生だ。かつての教え子だよ」
「ん? つまりは静也の活動とかに行ってたのか?」
「ああ、連絡せずにすまん」
「そっかー、なら、仕方ないかぁ。んじゃ雪斗。親父達待ってるぞ」
雪ノ下さんは、そう言って近くに停車してあったリムジンに雪ノ下を乗せる…………って、あのリムジンは……
「んじゃ、比企谷ちゃん。またね」
雪ノ下兄弟は去っていった。
「ヒッキー……今のリムジンって……まさか……」
私は、こう答えるしかなかった。
「さあね?」
次回は夏休みエピソードで好きな話を二、三話していきます。
いつになるかわかりませんが、頑張ります。