やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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肝試し準備編です。


準備

私は着替えてまた川へ来ると、近くにあの少年、鶴見塁がいた。

「あんたは泳がねぇの?」

「……まともな水着が無いのよ」

ためしにあの水着も来てみたが、サイズはあっていた。だが、誰にも見られたくないので、とりあえず水着の上に『iLOVE千葉』とかかれたTシャツと私服のスカートを着た。

「ふーん、八千代はさ」

「呼び捨てかい」

「あ? 八千代だろ?」

そうですが……年上にはさんくらいつけなさいよ……

「んで、八千代って小学校の時、友達っていたか?」

「いないね、と言うより小学校からずっと友達を続ける方が少数派よ」

「いや、違うだろ!?」

話していると、由比ヶ浜と雪ノ下がやって来た。

「それはヒッキーだからだろ!? 小学校から交流ある友達くらい誰だって……」

「俺もいないが?」

由比ヶ浜が一瞬固まった。

「……塁君、この二人が特殊なだけだからな……」

「別に特殊で良いじゃない。英語で言えばスペシャルよ。なんか他より優れてるっぽいじゃないの」

「ふむ。日本語も妙だな」

「いや、雪斗。納得するなよ……」

「まあ、なによ? 別に友達がいないことは問題じゃないわ。友達がいないことを問題にするのが問題よ。一人でいても困らないなら別に良いじゃない?」

すると鶴見君は……

「……確かにそうだよ。だけどかーさんやとーさんは納得しない。友達がいないだけで心配して色々と変なとこから口だそうとしてくる。それも嫌だから……」

それには同感だ。うちの両親もほとんど家にいないで家事を私にやらせているくせに、それを理由に交流を持たないと変に気を聞かせて夕飯の予定やゴミだしプランを狂わせてくる……

「……それは、どこの親もそうだ。誰だってそれは経験する。問題点はそれをどうするかだ。友達をつくっているアピールをするでも、別の事で結果を出すでもすれば良い」

雪ノ下の案は間違っていない。しかし、誰もができることではない。

「……だよな……でも……周りから惨めに思われるのが一番嫌だ」

「変われない、でも惨めなのは嫌?」

「ああ」

「あっそ……私行くね」

「あっ! おい! ヒッキー!」

鶴見君の問題点は友達をつくる事じゃない。今の状況を変えることだ。なら答えは簡単だね………

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「これは……」

肝試しの準備で全員戻ってきて、そのための衣装を見たがどう見ても肝試しではなくハロウィンの衣装なのであった。

「魔法使いってお化けなの?」

「広い意味ではそうなんじゃない?」

「これ、怖いか?」

ハロウィンと胆試しでは共通?のお化けである吸血鬼の衣装を着た三浦が聞いてきた。

正直、雪ノ下と言い合いをしているときの顔の方が怖いとさえ思う……

「しかし、塁君の事、どうする?」

由比ヶ浜が言うとシーンとなった。

「やっぱり皆と話す場をもうけましょう。皆、根は優しい子だと思うし」

「無理だな。むしろそれが原因でさらに数を増やして悪化する可能性の方が高い」

「なら、一人ずつ……」

「おんなじだよ早美ちゃん。小学生男子はそこまで大人じゃない。注意や話し合いでなんとかできるほど人間性も出来てないよ」

海老名君も葉山の意見には反対のようだ。さて……私の出番か……

「ねえ、私に一つ考えがあるんだけど?」

全員私に注目。

「せっかく肝試しをやるんだから、これを利用しましょう」

すると由比ヶ浜は……

「ああ、なるほど、スパシーバ効果か」

「たぶん、プラシーボ効果って言いたかったのね……」

「それ以前に吊り橋効果だと思うがな……」

葉山、雪ノ下と否定していく。

まあ、肝試しならそう思うでしょうね。

「まあ、それもあるけど違うわ」

「え? 違うのか?」

「さっき海老名君が行った通り、小学生男子はそこまで人間性も出来てない。逆に言えば皆ドングリの背比べ程度の差しかない。身体も精神も、皆そのわずかな差で自分が上だと思いたくて勝手な脳内ランキングをつくって弱いと思う人をいじめやハブりにする。それが今の鶴見君の現状よね?」

「ああ、だからそれをどうするかを……」

「だったら、そのドングリの背比べしかない差……ランキングを全員最底辺にしちゃえばいいのよ。全員ぼっちになれば争いもおこらないわ」

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

私の作戦を話して皆の反応は……

「うわぁ~、えげつない……」

「というより平塚先生にバレたら反省文じゃすまんぞ?」

「かも知れないわね。でもそれは同時に止めなかった先生の監督不行届でプラマイマイナスくらいにはなるわ」

「……結局マイナスかよ……」

「でも、それじゃあ問題は解決しないんじゃない?」

「確かにね。でも、問題は解消できる。鶴見君の望む関係は作れないけど、望まない関係に終止符は撃てるわ」

「なるほど……彼が貴方を気にかける理由がわかったような気がするわ」

……彼?

「まあ、この作戦の重要な役目は私達奉仕部の面々でやれば本当に顧問の平塚先生の責任問題にできるから……葉山さん達はなにも知らなかったふりを――」

「まって。その役目、私達にやらせて」

葉山が驚くことを言った。

「ヒキタニさんのアイディアは確かに問題になりかねないけど、まかせっぱなしじゃよくないと思うの、それに私は信じてみたい。塁君達が皆で協力して状況を打破する方に……」

私たちは肝試しと作戦の準備を進めた。




次回は作戦決行。
どうなるのか……

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