やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換)   作:Wiiが欲しいと思わない。

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サブタイトルは海老名君になっていますが、特に活躍するわけではありません。


海老名 日向

夕飯時……

私たちは全員、カレーに手をあまりつけていなかった。不味いわけではない。というか私が作って不味いはずがない。

原因は、鶴見君の事だろう。

「なんだ? この雰囲気は?」

「いえ、その……ちょっと孤立しちゃってる子がいて……」

いや、違うから……問題なのは孤立『させられている』事だから。問題を葉山は理解していないな……

「……そうか、なら、君達はどうしたい?」

「ほっとけないわ。可能な限りでなんとかしてあげたい」

この葉山の意見に雪ノ下が……

「お前では無理だ。そうだっただろう」

「あのときとは違うわ」

あのとき? それを聞く人はいなかった。そして雪ノ下は先生に聞く。

「……このボランティアは奉仕部の合宿も兼任しているとの事ですが……?」

「ああ」

「ならば彼が助けを求めるなら協力します」

「助けを求められているのか?」

「それは……」

「……求めたくても求められないんだと思います」

雪ノ下が、言い淀むと、由比ヶ浜が言った。

「彼は、自分も似たような事をしたとか言っていて……だから助けを求めたくても出来ないのだと思います」

由比ヶ浜の意見は最もだね。鶴見君も同じ穴のムジナなら、助けを求めづらいでしょうね。

「まあ、なんだ。雪ノ下の意見に反対の者は?」

…………手を上げる者は居なかった。

「なら、どうしたらいいか考えろ。俺は酒飲んで、寝る」

そして先生は丸投げした。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「つーかよ! フツーに話しかけりゃいいだけじゃねーか? アイツらが嫌なら別のグループに行きゃぁいいだけだろ? ラクショーじゃねーか?」

「それだわー、ユージ冴えてるわ~」

三浦と戸部は何を言っているのやら……

「そりゃ、勇志だからできるんだよ……」

「きっかけを作るって意味なら間違ってないと思うわ……けど、あの子の場合、まず話しかけることから難しいと思うわ……」

今度は海老名君が言う。ヤダ、なんか嫌な予感しかしない。

「中途半端に無口だからダメなんだよ。いっそ悪口でも毒舌でも文句でも何でも言いたいことを全てハッキリと口にして言うべだと思うぜ?」

あれ? 意外とまともな―――

「俺はエロにオープンになることで友達ができましたー!! 人類皆エロに忠実に!! 俺はおっぱいが好k――ぐほっ!?」

「――すまん、ちょっと日向をシバいてくる」

海老名君に三浦がラリアットを喰らわして、連れていく。それを止めた者は居なかった……

そして葉山は―――

「どうにかして、皆仲良くする方法は無いかしら……」

皆仲良く……そもそもそれが夢物語だと思うけど……

「そんな方法は無い。一欠片も可能性がない」

雪ノ下がハッキリと言った。

今度は海老名君をシバいていた三浦が言う。

「なぁ、雪ノ下。お前さぁ、もう少し空気読めよ。せっかく早美が仲良くする方法を考えてんのに、なんでそう否定ばっかすんだよ? おらぁな、テメーの事、好きじゃねぇが、折角の楽しいキャンプだからっつー事で我慢してんだぞ」

「まぁまぁ、勇志。落ち着け……」

「ほぅ、意外と好評価だったようだな。俺はお前の事嫌いだがな」

「あぁ!?」

「ゆ、雪斗も押さえて……」

由比ヶ浜が二人を止めるが……

「おい、優」

「君はどちらの見方なんだ?」

あーあ、こうなった。そして秋太は……

「まあ、塁君、プライド高そうだし、溶け込むのは難しそうっすね」

「ケッ、プライド高けぇ、つーか見下してんだろ? どっかの誰かさんみたいに」

「それは被害妄想だ。自身に劣っている自覚があるからそう思うのだろう」

「ああっ!?」

あーあ、また二人の言い合いに………

「勇志、やめなさい」

「チッ!」

葉山が止め、翌日に持ち越しとなった。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

私はとりあえずお風呂にした。正直泊まりだと思っておらず、荷物も日帰りの最低限の物しか持っていなかったが、秋太が色々と勝手に持ってきた。

主に着替え。

ここ数日の干した洗濯物をやけに積極的に取り込んでくれると思ったらそういう魂胆があったようだ。

とりあえず服を脱いでお風呂に入る。

 

 カポーン

 

私はとりあえず髪を洗っていると、他の面子が入ってきた。

「あー、八千代先入ってたんだ?」

戸塚さんだった。後ろに葉山、戸部も。

こういうときは『お先でーす』とでも言えば良いのだろうか……等と考えて髪を洗っていると、また料理の時のように注目を集めていた………

「あ、あの……恥ずかしいんだけど……」

「ああ、ご、ごめん。だけど八千代って着やせするって言うか、スタイルいいね」

いや、背も高くてスレンダーで腰も括れている人達に言われても……?

「いやー、ヒキタニさん、まじおっぱいだわー」

「うううう……ヒキタニさん……どうやったらそこまで大きくなるの……」

自分の平たい胸に手を当てて葉山は聞いてくる。いや、どうやればって……

「いや、特に……だらだらだらしない生活してたら……」

「いやいや、そんなハズはないでしょ~?」

戸部が言ってくるが、いや、実際そうだし……

「んじゃ、先に上がるね」

「いやいや、ヒキタニさん! 折角裸の付き合いしてんだからもっと話そーよー」

いや、話すことなんて無いから……私はほぼ無理矢理に湯船に入らされた。

「好きな人の話しよ」

「パス」

いや、お風呂でする話?

すると戸部が一番に爆弾発言をした。

「うちね、海老名君ちょっといーかなって思ってんよ」

「マジで!?」

珍しく声をあげてしまった。だってあの変態を?

「いや、確かに変態なとこはあんよ? けどさそれって素直って事にもなるっしょ? うち、隠し事とか嫌いでさ~」

ああ、なるほど。浮気とか隠せ無さそうって事ね……

「早美ちゃんは~、いないってこと無いっしょ? イニシャルだけでいーからー」

葉山が言いたくなさそうにしていたので私は……

「のぼせそうだから、上がるね……」

「あ、なら、あたしも」

戸塚も来て、葉山は……

「イニシャルはY」

……それが誰なのかは誰も聞く気はなかった。




次回のサブタイトルも、特に活躍するキャラでは無いと思います。

さて、次回はキャンプファイヤー&肝試しです。

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