やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換) 作:Wiiが欲しいと思わない。
仕事が忙しくて……
月曜日の6月18日。
放課後になり、部室へ行くと由比ヶ浜が部室の前で何やら深呼吸をしていた。
「何してんの?」
「うおっ!? ひ、ヒッキー」
だからなぜそこまで驚くのよ……
「さっさと中に入んなさいよ」
「お、おう」
部室のドアを開けると雪ノ下は既にいる。
「由比ヶ浜。来てくれたんだな」
「お、おう、雪斗とヒッキーの事で話があるんだよな?」
「ああ、だが、正確には俺達の今後の事で、だ」
「いやー、流石に驚きはしたがまあ、いいと思うぜ。うん」
ん? なにやら、話が繋がっていないような……
「ビックリはしたが、お似合いだよ。うん」
やっぱり……
「……由比ヶ浜。あんた、勘違いしてる……」
「ほえ?」
……。
…………。
………………。
「んあ!? なら、付き合う事になった報告じゃねえのか!?」
「わけないでしょ……」
「俺でも怒るぞ」
私と雪ノ下がカップルとかありえないから……
「全く、これでは折角用意したケーキが台無しだ」
「ヘ? なんでケーキが?」
「今日は君の誕生日だろう?」
由比ヶ浜は自分でも忘れていたのか……
「うえ!? 俺、教えたっけ!?」
「あんたが自分で言ったんでしょう……『アドレスは普通ローマ字の名前に最後に誕生日』って」
「あ! マジか! そのためにケーキ用意してくれたのか! サンキュー!」
「ケーキだけではない」
「まさかプレゼントまで!?」
「俺だけでは無いがな」
雪ノ下が言うと、由比ヶ浜はこっちを向いた。
「あ、あははは、ひ、ヒッキーがプレゼント用意とか……ま……かーちゃん以外の女からプレゼントなんてはじめてだよ」
今、こいつ、一瞬『ママ』と言いそうにならなかった? まあ、それは置いておいて……
「まあ、あれよ。今まで気を使わせた分よ。前にも言ったけど、リード放しちゃったのはあんたの不可抗力だし、治療費も家は特にかかってないし。あんたが私を気にして話しかける必要はもう無いわ。これでチャラにしましょう」
すると由比ヶ浜は……
「なあ、なんで、そんな風に言うんだよ。俺はヒッキーがあのとき事故った女だって知ってはいたが、だからって罪滅ぼしとか、そんなことは考えたこともねーよ」
なら、会ってすぐに謝りに来なさいよ。てか入院中にお見舞いに来なさいよ。なのに謝りもせずに来たら気を使ってるって思うわよ。
「んあー! もっと簡単な事だと思ってたんだがな! なんでこんな難しい事になったんだよ~」
「別に難しい問題ではないだろう。比企谷の言うように互いに勘違いしていた事を終わりにするのはそれでいいと思うが?」
「けどよ……」
「そして、また始めればいい。お前らは互いに勘違いしていたなら、それを只してまた始めればいい。お前らにはできるはずだ」
雪ノ下はまるで自分にはできないみたいに言う。
「俺は、平塚先生に部員補充の報告にいく。少し席を外すぞ」
雪ノ下は部室を出ていった。
由比ヶ浜は……
「プレゼント……開けてみていいか?」
「え? うん」
由比ヶ浜は開ける。
「ふお、かっこいいじゃん。どうだ?」
由比ヶ浜は私のプレゼントを腕につけていた……
「……由比ヶ浜……それ、ブレスレットじゃなくて犬の首輪」
「え!? うおい!? はじめての女からの贈り物がペットグッズって!?」
「え、だめ? 私も弟以外の男子へのプレゼントはじめてだったから……」
「へ? あ、あははは、そ、そうなのか……」
そのあと、雪ノ下と平塚先生まで部室に来て、それなりの誕生日会となった。
次回から夏休み編。
つまりは男版ルミルミ登場です。
たぶん読者がある意味楽しみにしていた男版海老名も!
頑張ります。