やはり私の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル全キャラ性転換) 作:Wiiが欲しいと思わない。
川崎編後半です。
川崎志都美の依頼を受けた私達はひとまず本人にストレートに聞いてみることにした。
ということで、ここはフレンドリーな由比ヶ浜の出番だ。
授業間の時間。
「おーい! 川崎ぃ~!」
「……なんだ?」
「今日の放課後、カラオケ行こうかと思ってんだけど川崎もいかね? いつもの人はみんな、用事あってさ~、んで前々から川崎とは話して見たかったな~って、思ってよ~!」
「……すまんが俺も放課後は用事がある」
ここまでは予想通り。由比ヶ浜……何をしてるのかナチュラリズムに聞き出してよ……
「えー、そうなのか~、ちなみに用事って? 家の?」
「……お前には関係ない」
「えー、教えてくれてもいいじゃーん! なに? 彼女とデートとか?」
すると川崎は……
「……お前には、関係ない……」
そう言ってそっぽ向いてしまった。しかし、由比ヶ浜は諦めず追求する。
「そんなこと言わずにさ~、なーなー」
すると川崎は……
「うるせぇよ、お前には関係ねぇっつってんだろ!」
キレた……
由比ヶ浜はしぶしぶ戻ってきた……
……。
…………。
………………。
放課後。本人に聞いても教えてもらえそうにないので、川崎妹が塾の友達から聞いたと言っていた『※※組』の建物を探して調べることになった。
「調べたところ『組』の看板の建物は2件見つかった」
「な、なぁ……雪斗? まさかその建物ってヤクザとかじゃないよな?」
「1つはヤクザだ」
「マジかよ!? え!? なに!? 俺らでヤクザに乗り込むの!?」
「何をいっている? そっちは後回しだ。もう一件の方へ俺らは向かう」
「だ、だよな……」
あたりまえでしょうよ……
私達は『田中組』という大工店へ向かった。
……。
…………。
………………。
私達が来た『田中組』はヤクザっぽい建物だがちゃんとした大工さんの工務店だった。今、従業員は皆出ていて社長の奥さんが出てきた。そして雪ノ下が聞き出して調べたところ……
「……ビンゴだ。川崎について聞いてみたら最近日雇いのバイトに入ってるらしい……若い人材が入ってくれて大助かりだそうだ……今日も現場に向かったらしい……」
「マジか!?」
「なるほど」
つまり川崎はバイトをしていたと言うことになる。だけどなんで家族にも内緒で? しかも高校生のバイトならそんなに遅くならなくてもできるはずなのに……
私達はそれを川崎に聞き出すために、その現場の場所を聞いたが、結構遠いので、戻ってくる時間にまた来ることにした。
……。
…………。
………………。
夜10時5分前。高校生はこのくらいの時間帯までしか働けないはずだから来てみた。
「ん? ……由比ヶ浜……と雪ノ下? ……と……誰?」
「よ、よお……」
私は覚えられていないのね……
「高校生がずいぶんと勤務しているな?」
「そうか……ばれたか……」
「お前の妹さんとそこの比企谷の弟君が相談してきたんだ。心配していたぞ?」
「あいつら……だが、俺はバイトを辞める気は無いぞ?」
「ふん、辞めさせようと思えば辞めさせられる。だが、それではまた別のところでお前は同じことをするだろう?」
そう、川崎は年齢を偽り、深夜にバイトをしている。つまりバイト先の人にそれを言えば辞めさせる事はできるけど、それでは解決はしない。
「ケッ、雪ノ下のお坊っちゃんには俺の苦労なんてわかんねーだろうな。自己満足で人の家の問題に口出すなっての」
「おい! 雪斗の家は関係ねーだろ!」
「なら、俺の家の事も関係ねーだろ? だからほっといてくれ」
なるほど、たぶん川崎が年齢を偽ってまでバイトをする理由は……
「……わかったよ。この場は私達は帰る。けど、悪いけど明日の早朝にあそこのマックに来てくれない? それくらいはいいでしょ?」
「? ああ、それくらいなら……」
「ほら、雪ノ下、由比ヶ浜、帰るよ。明日、丸く納めて見せるから……」
私達は、帰った。
……。
…………。
………………。
翌日。
「おい! なんで志都美が居るんだよ!?」
「兄さんこそ、どこで何をしてたのよ!」
私は秋太に頼み、志都美ちゃんにも来てもらった。
「はいはい、二人とも今、説明するから。まず志都美ちゃん。お兄さんが二年になってから変わったことはなかった?」
「え? いえ、私が塾に通うようになったくらいで……」
「そう、妹さんが塾に通うようになった。つまりはお金がかかるようになった」
「……まさか兄さん」
「早とちりしないの、君が塾に今も通ってる時点で君の学費問題は解決してるのよ。……でもさ、お金が必要なのは君だけじゃないよね?」
「あ!」
志都美ちゃんは気がついた。
「……君が塾に通うようになった理由は高校受験。そしてそれが終わったら次は兄の大学受験がすぐに来る。つまり川崎のバイトの理由はその辺よね?」
川崎は……
「ち、そうだよ。お前の学費問題でも結構親父達は頭を抱えてたんだ。なら、俺の時まで頭抱えさせられるか、俺は大学行く気だし、バイトを辞めるつもりもねぇ、そしてお前は心配するな!」
「で、でも!」
「でもじゃない」
すると今度は……
「あの~、ちょっといいっすか?」
秋太が言い出した。
「家も両親共働きなんですがね。やっぱり兄妹でも姉弟でも上が下の子、心配するように下も上の子心配しちゃうんすよ、だから心配するなって言われても、無理だと思うっすよ? 家族なんだから……」
「そう、だから川崎。あんたに一つ家族に心配かけずに大学受験の準備もできるいい方法があるんだけど?」
「あ? んな都合の良い方法があるかよ」
「川崎。あんた、スカラシップって知ってる? 予備校で成績が良いと授業料をタダにしてくれる制度なんだけど?」
「はぁ!? んな制度あるのか!?」
やっぱり知らなかったか……
「あんたのバイト代の使い道は当然予備校に通うための授業料も入ってるでしょ? スカラシップを取れればそれがタダになる。それを取るために家で勉強しつつ、バイトを土日祝日か放課後二、三時間程度にすれば大学受験のための学費を稼ぎつつ、予備校にも通えるわ。今まで通り年齢を偽ってまでバイトをして遅刻を繰り返して家族に心配まで欠けて内申点落とすかどっちがいいか……わかるわよね?」
「…………」
……。
…………。
………………。
川崎の問題は解決した。
その場で全員解散。
ひとまず私と秋太はモーニングセットのあるお店に入り、朝食とした。
「そういや、ねーちゃん、会えたんだな。事故のときの犬の飼い主さん……由比ヶ浜さんに」
「…………はい?」
「あれ? ねーちゃん知らなかったか?」
「知らないよ? あんたも覚えてないっていったよね?」
「いや~、直接あって思いだした」
由比ヶ浜が……あの事故の時の犬の飼い主……?
ああ、そうか……そういうことか……
無理矢理間が強くなってしまいました……
次回は直場見学から買い物編、男版陽乃登場予定!