異世界転生の特典はメガンテでした 作:連鎖爆撃
【それを売るなんて】ヒキヲタをドラクエの世界に転生させたら太陽の石を売り払いやがったwww【とんでもない】
(続き)
127 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
久しぶりに初代の世界を覗いていたら、大変なことになっていてワロタwww
128 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
マジだヤベェwww
129 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
今北産業
130 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
>129
女僧侶がローラ姫
竜王六魔将がまさかの噛ませ
初代世界ではぐれ狩り
131 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
メタルの間違いだと思ったらマジではぐれでコーヒー吹いた
132 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
はぐれじゃないかどうしてここに自力で脱出を
133 名前:以下、名無しにかわりまして神様がお送りします
>132
バイオハザードだから脱出と言えなくもない
今ならわかる。
おっさんが俺にまず、《疾風突き》を教えた理由。
武器屋のおやじが《鋼の剣》ではなく、《どくばり》を渡してきた理由。
おっさんの、早熟と言って差し支えないカンストの理由。
迫り来る炎の壁を脇に飛んで避ける。
当たれば一発でお陀仏だ。
でも、おっさんに比べれば速いことなんて無い。
強いて言えば
敵が使ってきているのは、《ベギラゴン》だ。
着地と共に、前方に駆ける。
「ウオォォォ!」
気合一閃。右手の《鋼の剣》を《叩きつける》。
中ボスっぽいのすら一撃で切り捨てたのだ。今の俺は相当な筋力があるはず!
カキン、と小気味よい音とともに《鋼の剣》が根本から逝った。
……ハッハッハッ。ご冗談を。
敵の繰り出す至近距離からの《ベギラゴン》をギリギリでかわし、全力で逃走を試みる。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!
今のは半分死んでた!絶対死んでた!
待て待て待て!《メガンテ》効かない敵がなんで居るんだよ!
どうして“はぐれメタル”が居るんだよ!
全力で洞窟の中を走り抜けながら、心のなかで悪態を吐く。
今俺が居るのは“初代勇者の工房”。
岩山を繰り抜いて作られたそれは、擬似“ロンダルキアへの洞窟”の様相を成していた。
……マジでシルバーデビル出てこないよな?
◆ ◆ ◆ ◆
本来ならば、《ロトのしるし》さえ手に入ればメルキドに長居する理由はない。
だが、俺はおっさんと竜王の城攻略の計画を練る途中で1つの問題に突き当たっていた。
俺のレベルの問題だ。
おっさん曰く、「相性を抜きにしても、俺が10人いて、初めてタメだ」が竜王の評価らしい。
ん?
ん?
俺はおっさんがこの世界最強の存在と信じて疑わないところがあったので、その説明を受け入れるのに少々時間を要した。
でも考えてみれば、おっさんは竜王と正面戦闘を避けてきた節がある。
さらに、ラダトームの軍備についても。
問題なく“ゲームの強さ程度の竜王”なら、一方的に蹂躙できるだけの軍隊が揃っているのだ。
さらに言えば、チート勇者と奥義の応酬を繰り広げたらしい竜王。
……まさかHP4100超え、パーティ討伐前提・裏ボスクラスの強さ、とかそんなんじゃ……
そしてその予想はあながち間違いじゃないはずなのだ。
この世界には初代には無かったものが多すぎる。
ボスだって、4とか5とかの強さが基準になっていたってなんらおかしくはない。
おそらく、神はこの世界をデザインをする際、初代以降の設定を盛り込んだのだろう。
かなり今さらの話になるわけだが。
……でも、俺の強さって初代基準ですよね?
レベルカンストしても足元に及ぶかどうか……
はい、詰んだ―!今詰んだ―!
やっぱ、あれしか無いか……なんて、考えを巡らせ始めた時。
「……実はあるぞ、短期間で爆発的に強くなる方法」
おっさんがその言葉を口にしたのだ。
「俺にもできたんだ」
「お前にもできるさ……多分」
………いやに歯切れが悪いな。
◆ ◆ ◆ ◆
できるかぁぁぁぁぁ!
今俺は、はぐれメタルの群れに囲まれていた。
総数6匹。
その全員が魔力を練って、今にも《ベギラゴン》を繰りだそうとしている。
破れかぶれになった俺は、正面の一体に《どくばり》による、《疾風突き》を繰り出していた。
くそ、もうどうにでもなれだ!
―――――スルリと、剣尖がはぐれの中に潜り込んだ。
「ピギ?」
……え?
コツンと、はぐれの中の硬い部分にどくばりが当たる。
はぐれメタルが、銀色の液体となって、周囲に飛び散った。
降り注ぐ液体に恐れをなし、逃げ出すはぐれの群れ。
残った一体の《ベギラゴン》を横っ飛びに躱しつつ、俺は確信していた。
ピロピロピロ―
勇者 Lv.35 ♂
HP/MP:145/144
現在装備
頭:なし
胴:洋服の上に鋲のついた皮の鎧
武器:どくばり
盾:なし
特技:《ギラ》《メガンテ》《ホイミ》《レミーラ》《リレミト》《疾風突き》《トラマナ》《燕返し》《ゾンビ斬り》《ベギラマ》《連続攻撃》《雄叫び》《魔人斬り》
ピロピロピロ―
勇者 Lv.36 ♂
HP/MP:150/148
現在装備
頭:なし
胴:洋服の上に鋲のついた皮の鎧
武器:どくばり
盾:なし
特技:《ギラ》《メガンテ》《ホイミ》《レミーラ》《リレミト》《疾風突き》《トラマナ》《燕返し》《ゾンビ斬り》《ベギラマ》《連続攻撃》《雄叫び》《魔人斬り》
これは、おっさんからの無茶ぶりなんかじゃない。
“ボーナスタイム”だ。
◆ ◆ ◆ ◆
種がわかってしまえば簡単な話だ。
相手の意識の隙を突く《疾風突き》
相手の防御、体力に関係なく確率で即死攻撃をかます《どくばり》
恐ろしく速く、恐ろしく硬いはぐれメタルを狩るのに、こんなに適した組み合わせは無いだろう。
あいつらの速さは人間の比じゃない。
おそらくおっさんでも、素の速さでは追い切れないだろう。
だから、《疾風突き》。
なるほど、“重要なのは速さじゃない”わけだ。速さで勝負したら奴らにかなうわけが無いのだから。
ここまで来たら、馬鹿でもわかるぜ……
おっさん、メタル狩りでカンストしてたのかよ!
汚い!やっぱ大人は汚い!
◆ ◆ ◆ ◆
異世界転生してからおよそ、13ヶ月。
女僧侶と竜王の婚礼まで、あと一週間。
勇者 Lv.92 ♂
HP/MP:473/450
現在装備
頭:なし
胴:洋服の上に鋲のついた皮の鎧
腰:ドラゴンベルト
武器:どくばり&オリハルコンソード
盾:なし
特技:《ギラ》《メガンテ》《ホイミ》《レミーラ》《リレミト》《疾風突き》《トラマナ》《燕返し》《ゾンビ斬り》《ベギラマ》《連続攻撃》《雄叫び》《魔人斬り》《ベギラゴン》《刃の防御》《スライム叩き》《悪魔斬り》《五月雨斬り》《身を守る》
特典スキル:
ザオラルガード(ザオラル系の呪文への完全耐性、蘇生アイテムも効かない)
メガンテマスター:メガンテを使っても必ず一回瀕死になる。
俺は、未だメルキドの宿屋に逗留していた。
勿論のこと、今から竜王の城に向かおうとしても、とてもじゃないが婚礼の日に間に合うことはない。
だから、俺は信じて待っていた。
そして、メルキドの街に
「《ギガスラーッシュッッッ》!」
轟音。
街全体が沸いた。
俺は門までその人物を迎えに行く。
その人物は“青い鎧”を纏い、メルキド製の剣を突き立て、ゴーレムの屍の上に立っていた。
兵隊長 Lv.99★ ♂
HP/MP:410/0
現在装備
頭:なし
胴:ロトの鎧
武器:兵隊長の剣
盾:なし
特技:《真空斬り》《火炎斬り》《疾風突き》《大切断》《ゾンビ斬り》《連続攻撃》《燕返し》《ギガスラッシュ》
(※レベル差のため、これ以上は閲覧不可)
スキル:
(※レベル差のため、これ以上は閲覧不可)
……おせぇぞ、おっさん。
「カカカ、許せ!」
「
俺がギリギリまでレベル上げに専念出来た理由。
おっさんがリムルダールからメルキドまで、時期を合わせて直に向かってきていたのである。
こんな離れ業、おっさん以外の人類には到底ムリな話だ。
「右手を出せ!すぐに飛ぶぞ!」
おっさんが《キメラの翼》を振っているのが目に入った。
おいバカやめろ!
暴発して帰還しちまうかもしんねーだろ!
本編で触れられない設定
29.初代勇者の工房
岩山を削って作られた洞窟。一番奥に星降の祠が存在する。
どうやら初代勇者はここでDQMシリーズばりの研究を繰り広げていたようである。
主が消えて久しいこの場所ではモンスターが野生化し、新たに自然交配を繰り返しながら、生態系がさらにカオスなことになっていっている。
はぐれメタルもかなりの頻度で出るが、もっと危ない奴もたまに出る。
実は竜王の城よりも危険度の高いダンジョンである。
30.はぐれメタル
初出はⅡ。おなじみ経験値の塊。
すぐ逃げ出すため、長生きしている個体が多く人生(?)経験豊富なため経験値が高いとされる。堂々のメタルボディ持ち。