やはり俺が炎術士なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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更新が更に不定期になりました。
出来るだけ早くしますね。





第22話 葉山の依頼

 

 

材木座の依頼も無事に終わり、平和な数日が過ぎていった。あれ以来、痴女に襲われることは無くなったそうだ。「次こそは返り討ちにしてくれる」と、材木座は息巻いていた。

 

 

平塚先生に呼び出された俺は、進路指導室に向かっていた。なんで俺が呼び出されたかわからないが、もしかしたら新しい忍者話でも聞けるのかもしれない。そう思うとオラ、ワクワクすっぞ!と気分もハイになってくる。姫に少し部活に遅れると連絡を入れて、進路指導室に入っていった。

 

 

 

「失礼します。平塚先生、呼び出しって何でしょうか?」

 

 

「あー、まずはそこのソファへ座りたまえ。」

 

 

 

俺はソファに座ると、少し感触を確かめると平塚先生へと視線を移した。

 

 

「君は共通の趣味を持つ同志ではあるが、私も教職の身だ。立場がある以上、君を指導せねばならんのだよ。」

 

 

「はぁ、つまりどういう事でしょうか?」

 

 

「これを見たまえ。君の職場見学調査票だ。」

 

 

 

何もおかしいところなど無かったはずだが?

第一希望、姫の自宅

第二希望、伊賀の里

第三希望、やっぱり姫の自宅

姫の警護をするのは、忍である俺の責務だ。となると、職場とは姫の自宅になる。もちろん、勉強する時も、風呂に入る時も、寝る時も側にいなければ!べ、別に邪な気持ちなんてないんだからねっ!やべ、俺って気持ち悪い。

 

 

 

「だいたいの意味合いは解るが、さすがに現代日本で高校生である以上、そんなボディーガード紛いの職種は認められん。もう一度やり直してこい。」

 

 

 

 

チッ!やはり通らなかったか。

 

 

「わかりました。再提出ですね。それじゃ、俺は部活に行ってきますね。」

 

 

 

 

そして俺は進路指導室を後にした。

今日も部活が始まる。

 

 

「うっす。」

 

 

「こんにちは、八幡くん。」

 

「やっはろー♪ヒッキー!」

 

 

 

姫の紅茶は美味しく、俺達は個々の時間を過ごしていた。そして、下校時間が近づいてきた。

 

 

「今日は誰も来ないでしょうし、そろそろ終わりにしましょう。」

 

 

 

姫のその言葉を皮切りに、帰り支度を始める。その時、部室のドアをノックする音が響いた。こんな時間に誰だ?まさか、影法師か!?

 

 

 

「どうぞ。」

 

 

「やぁ、お邪魔するよ。部活の時間でどうしてもこの時間になってしまってね。すまない。」

 

 

 

ニコニコ顔で入ってきたそいつは、我がクラスのトップカーストの葉山隼人だった。思えば、テニスの時はこいつだけ俺に優しかった気がする…。

 

 

「それで、何の用かしら?葉山隼人くん。」

 

 

「ハッハッハッ。帰るところだったのかい?時間の都合が悪かったのなら、日を改めるけど、いいかな?」

 

 

「だから、何の用かしら?と聞いているのだけれど。」

 

 

「ハッハッハッ。折り入って頼みがあるんだけど、いいかな?」

 

 

「だ、か、ら!何の用なのよ!もう!早く言いなさいよ!」

 

 

「ハハハッ。ヒキタニくん、例のアレまたやってくれないかな?赤っ!一本っ!」

 

 

 

姫は葉山に対して嫌悪感があるようだ。昔、何かあったのだろうか?葉山もメンタルが強いというか、太いな。『ザ・ゾーン』にブレがない。さすがイケメンリア充だ!

 

 

 

「ハハッ、じつはこのメールなんどけど……。」

 

 

 

そう言うと葉山は俺達にメールの内容を見せてきた。内容はクラスメイト?を悪く言っている内容らしい。らしいと言うのは、俺がクラスメイトを知らないからだ。忍(ボッチ)は孤高だからな。

 

 

 

「あー!これ、あたしもきたよ!なんか嫌だよね、こーゆーの。」

 

 

 

葉山が調べたところ、クラスの全員に届いているらしい。俺は少し(かなり)嬉しそうにスマホを開いてみた。……Amazonと材木座しかメールは無かった。(姫は別フォルダ)

 

 

 

「ハハハッ。まぁ友達が悪く言われるのは、あんまり気分がいいもんじゃないからね。このチェーンメールを止めさせたいんだが、お願い出来るかな?」

 

 

「チェーンメールのような非道な行いは許せないわね。犯人を特定したあとはどうすればいいのかしら?」

 

 

「ハハハッ。それは止めさせてくれるだけでいい。大事にしたくないからね。」

 

 

 

葉山は俺達にチェーンメールの撲滅だけを依頼してきた。後で聞いたが、姫は犯人に裁きを与えたかったらしい。過去に何かあったのだろうか?

 

 

「ハハッ。それじゃ、ヨロシク頼んだよ。ヒキタニくん、またアレ、やろうな。白っ!一本っ!!」

 

 

そして、言いたい事だけ言って帰りやがった。なんてマイペースな奴なんだ。さすがトップカーストのリア充!恐るべし………!

 

 

 

「なんてゆーか、マイペースな奴だったな。テニスの時もそうだったけど。」

 

 

「隼人くんはクラスでも、ああだからねー。や、悪い意味じゃないよ?」

 

 

「…私は嫌いだわ!昔からの知り合いなのだけれど、何も変わっていないのね。いつもあの調子なのよ?私は聖人君主ではないわ。」

 

 

 

姫がめっちゃヒートアップしてた!あの温厚な姫を怒らせるとは、葉山隼人、恐るべし!個人的には嫌いになれないんだがなぁ。

 

 

そして、チェーンメール撲滅作戦が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はチェーンメール撲滅回になります。



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