服を買った後店の前で声をかけられた響也は今食事処にいた。
「それで、どうして俺と飯食べたいって思ったの?」
「えっとですね、それは、最近噂になっているからです」
どうやら話を聞くと最近やけに人里である人が来るとみんな注目しているらしくそれが響也だということだ。
それもそうだろう。なにせあの吸血鬼姉妹と七色の人形使いの三人と人里へ来ているからだ。普段なかなかお目にかかる事の無い三人と一緒にいれば噂になるのも無理はない。
「なるほどね、それで気になって偶然見かけた俺に声をかけたってことでいいのかな?」
「そうです」
それにしても人里だとそんなに注目されているのかと内心少し嬉しくなった響也だった。
「あ、自己紹介まだしてなかったですね。私は稗田阿求です」
「私は、鈴奈庵の本居小鈴.......です」
「夢乃響也だ、二人ともよろしくな」
ここで簡単だが彼女たちについて少し解説をしようと思う。
稗田阿求、彼女は人里の由緒ある家系、稗田家の当主だ。普段お目にかかれることなんてなかなかないから少し驚いている。幻想郷縁起というものを書いている。これは幻想郷のあらゆる出来事を書き記してあるもので百年くらいに一冊発刊されるらしい。そして阿求は転生を繰り返していて彼女自身で九代目だそうだ。
本居小鈴、彼女は人里でも有名な鈴奈庵の店番。因みに鈴奈庵とは貸本屋。本の販売や印刷、発刊なども少ししている。先程話した幻想郷縁起も鈴奈庵で発刊されている。彼女自身かなり人見知りしやすいのか普段話をしない相手と話したりする時に歯切れが悪くなったりする。阿求とは親しい仲で二人で人里を見て回ったりもしている。
とまあこんな感じ。
響也は誰に向かって解説をしているのだろうか。
それはさておき話を戻そう。
自己紹介を済ませた三人はそれぞれ注文をして少し待っていた。
「そう言えば阿求は幻想郷縁起を書いているんだよな?」
「えぇ、そうですね。やはり響也さんはなんでも知ってらっしゃるんですね」
「まぁ、だが俺にも分からないことだって色々あるぞ?」
「それでも私たちのことやほかの皆さんのことよーくご存知じゃないですか」
「そこら辺のことはもうブン屋から聞いてるんでしょ?」
「はい、まさかとは思いましたがあの八雲紫がそう言っていたのでこれは信用深いと感じましたから」
「なるほどね〜」
なんて話をしているうちに注文した料理が出てきた。
のんびり料理を楽しみながら他愛のない話をしていた。
お会計を済ませて出てきた響也達はこの後について話をしていた。
「ご飯食べるだけで良かったのか?」
「私はそろそろ屋敷に戻らないと行けないので先にお暇しますね」
「気をつけてな」
そう言って阿求を見送る。
一方小鈴は今日非番らしく予定がないと言う事だった。
「あの、響也さんはこの後どうされるんですか?」
「うーん俺も予定はないから博麗神社にでも顔出しに行こうかと思ってるんだけど一緒に行く?」
「いいんですか?」
「もちろん、それじゃ行こっか」
こうして次の行き先も決まったので二人は博麗神社へと向かうのだった。