次の日·····
いつもの様に目を覚ました響也だがその横には三人の姿はなくただ一人部屋に残っていた。
「あれ?三人とも今日は起きるの早いんだな」
そう呟きながら着替えを始める。
「さて、今日はどうしようか、この前欲しかった服見に行ってみるか」
響也は人里へと向かうことにした。
紅魔館を出てのんびり人里へ向かう彼の前に人影が現れる。
「あなたは食べてもいい人間なのかしら?」
「あぁ、食べてもいいけど後が怖いぞ?」
「あらあら、それは嫌ねぇ」
「ん!?
目の前に現れたのがルーミアだと思っていた響也だったがその容姿は彼の知るルーミアとは全く別人の様だった。
それもそうだろう。なんせ彼女の見た目は大人の女性そのもの、髪の長さも腰の辺りまで伸びていて人目見ただけでは分からないだろう。
「え!?誰!?」
「あら、私の事も知ってると思っていたんだけど」
「まさか、ルーミア!?」
「ふふっ♪正解よ」
開いた口が塞がらない響也だったがその容姿を見れば誰だってそう思う。だいたい子供の姿が一般的なのだから。
「その姿はいったいどういうことなんだ?」
「あら?私は元からこの姿なのよ?」
「お、おぅ、そうなのか」
しかし話をするうちに響也にはなんとなく理解が出来た。
なぜならフランの件があるからだ。
彼女は狂気に蝕まれていて情緒不安定だったはずがそんなことは全くなく至って普通、いや正確には普通以上に素直でこれと言った問題点など皆目見当もつかない程だ。
つまりこれは響也の知っている原作とは違う幻想郷であると推測できる。響也も薄々気付いていたが確証はなかった。だがルーミアを見てその推測は確証に変わっていた。
「ふむ、どうやら俺の知ってるルーミアではないがルーミアであると言うことは間違いないということか」
「うーんよく分からない解釈だけどあなたの知っている私はどんな感じなのかしらね」
「まぁ簡単に言うと幼い姿でちょっとおバカさんなんだわ、それがこうも容姿端麗のお姉さんになってるとは誰も思わないだろ」
「随分違うみたいね〜まぁいいわとりあえずよろしくね♪」
「あぁよろしくな」
そう言って響也はルーミアと別れるのだった。
その後は何も無く人里へと到着した。
「さてさて、あの服屋はこっちだったな」
前回訪れた服屋へ入り服を探していると前見なかった服が増えていた。
「お!この服前見た時なかったやつ!」
「その服気に入った様だね」
店の奥から店主の親父が出てきてそういった。
「この服兄ちゃんなら似合うだろうよ」
「でもこのデザインだと高いんじゃないの?」
「前に見てた服の半額でどうだ?」
「まじ!?でもどうして?」
「こういう服はあまり着る人が少なくてなぁ、でも兄ちゃんなら若いし着慣れてるだろうからな」
「じゃあおっちゃんこれ買うわ!」
こうして俺は当初目的の服ではなく新入荷の服を買うことにした。
早速着てみるとなんとも着心地のよい服でデザインもいい。
着替えを済まし店を出て次は何をしようかと考えていると女の子たちに声をかけられた。
「あ、あの·····すいません、響也さんですよね?」
「ん?」
「あの、えっと·····その·····」
「ほら、頑張れ♪」
「この後何か予定とかありますか?」
「いや、何もないよ」
「もし良かったら私たちとご飯でもどうですか?」
(ふむ、つまりこれはお誘いって事だよな。まぁ暇だしお腹も空いてきたからたまにはいいか)
「よし、それじゃあ行こうか」
「ありがとうございます!」
こうして響也は女の子たちと人里の食事処へと向かうのだった。