次の日‥‥
先に目を覚ましたのは響也だった。
彼は横を見るとまだこいしとさとりがすやすやと小さな寝息を立てながら寝ている。
「なんだかんだ妖怪と言っても普通の少女と何ら変わらないんだよな。全くこんなにかわいい子達を嫌いになるなんてどんな神経してんだか」
ぼそっと独り言を言っているとさとりが目を覚ました。
「んっ‥‥あら、響也さんもう起きていたのですね」
「おはようございますさとりさん」
「おはようございます、あとずっと気になっていたのですが私には敬語使ってるんですね」
「いや、なんと言いますかさとりさんは地霊殿の主、つまり目上の人ですからね」
「そんなこと気にしなくてもいいのですよ、私は常にこの喋り方なので変えませんがあなたはいつも通り接してもらえればいいのです」
「さとりさんがそう言うなら‥‥とりあえず起きようか」
えぇと言ってさとりは先にベッドから降りる。響也もそのあと一緒にベッドから降りそれぞれ身支度を始める。
響也が着替えている途中ベッドで寝ていたこいしがようやく目を覚ました。
「んっ‥‥ふぁ〜ぁ。あれ、お兄ちゃんおはよう♪」
「こいしちゃんおはよう、よく眠ってたね〜」
「お兄ちゃんと一緒だったからかなぁ安心して眠れたよ〜♪」
そうかと言ってこいしの頭を撫でると花が咲いたように笑顔になる。
彼は相変わらずかわいいなぁと思っていた。
「そう言えばお兄ちゃん今日はどうするの?」
「今日は帰るよ。さすがに買い物途中で何も言わずに抜けてここ来ちゃったし他のみんながだいぶ心配してるだろうから」
「じゃあ私もついていく!元はと言えば私のせいだし謝りにも行かないとね」
「わかった。それじゃこいしちゃんも準備してきな、さとりはもう準備始めてるからさ」
「わかった〜♪」
こいしはルンルンで部屋を出て行った。
一人になった響也は少し考え事をしていた。
「うーん、レミリア達相当怒ってるだろうなぁ、しかもさとり達を連れていったらどうなる事やら、でも面識はあるんだよな?もしそうならまだなんとかなる気がするぞ」
ブツブツ言いながらも出発の準備を整えた響也は地霊殿の入口へと向かった。
まだこいしとさとりは来ていないようだった。
そして待つこと数分‥‥
「お待たせしました、あら、こいしも一緒に行くの?」
「うん♪響也もいいって言ってくれたから」
「よし、それじゃぁ行こっか」
こうして響也達は地霊殿を後にして紅魔館へと向かうのだった。
旧都を通る途中パルスィ達にあった。
キスメは何やらニヤニヤしていたがパルスィはなんともジェラシー全開だった。事の成り行きを話したところ納得して響也達を見送ってくれた。
そしてついに三人は地上へと降り立つ。
「地上に出るのは宴会以来ですね」
「宴会って俺が幻想郷に来てからすぐにやったやつだよね、結構経ってるね」
「えぇ、普段は地底からはほとんど出ないので」
「そう言ってたね、まぁのんびり行こう」
そして響也達は紅魔館へと歩みを進めた。