夜になりとある一室に響也とレミリア、それから霊夢はいた。
「来てくれるかなぁ」
「心配しなくても声掛けてあるから大丈夫よ」
「そうね、霊夢の言う通りだわ」
響也は心配していた。しかしふたりの言葉に励まされ不安は少し消えていた。
しばらく待ってること数分‥‥
コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「入っていいわよ」
ドアが開きアリスとフランのふたりが部屋へ入ってくる。
それと同時に霊夢とレミリアは席を外した。
アリスとフランのふたりがイスに座ったのを見て響也が話を切り出す。
「いきなり呼び出して悪かったな、どうしても話がしたくてさ」
「話ってなに?」
「まぁ、なんて言うかふたりの気持ちを聞かせて欲しいんだ」
「気持ち?」
「そう、正直に言ってほしい、前はなにも喋ってくれなかったし、真実が知りたいんだよ」
そう言うとアリスは頷き口を開いた。
「あの日‥‥私とフランのやったこと、そしてそのあとの行方、全て話すわ。
あのあと私とフランは人里に居る慧音のところにお世話になってたの‥‥もちろん慧音には居ることを黙っててもらう代わりになにがあったのかを全て説明した。
慧音はとても驚いていたけど私たちを追い出そうとはしなかったの」
「そっか、前にレミリアと人里に行ったんだけど慧音は二人のことを詳しく言わなかったから知らなかったよ」
響也は少し納得していた。
だがまだ引っかかるものがあるためそれをふたりに聞いてみた。
「あのさ、今更こういうのもなんだけど俺のことどう思ってる?」
ふたりは少し下を向いたがすぐに顔を上げて答えた。
「私もフランも考えてるのは同じ、ずっとあなたのことを忘れられずに葛藤してた。でもあなたにしてしまったことは謝罪だけじゃ済むことじゃないし、かと言って私たちはどうしたらいいのか分からなかったの‥‥本当にごめんなさい‥‥」
「なるほどね、わかった。じゃあ質問を変えよう。今後のことだけどどうしたい?」
「どうしたいってのは‥‥?」
「このまま別れて関係も最悪なままでいるのか、それともやり直したいのか、本当の気持ちを教えて欲しい」
「それは私もフランも後者の考えよ!あなたのいない生活なんてもう嫌なの‥‥大切な人を失うってどれほど辛いかわかったし、素直になれていなかった部分もあってあの結果になってしまったけど‥‥でも、やり直せるのならもう一度チャンスがほしい!」
それを聞いて響也は笑を浮かべた。
心のモヤモヤがスッキリと取れて完全に納得したからだ。
「それが答えだな。てことだからいいよな?」
誰に返事を求めてるのか分からないアリス達、すると部屋の入口が開きレミリアが入ってきた。
「えぇ、構わないわ。嫉妬は誰の心にもある。でも嫉妬が怒りに変わってあらぬ事をしてしまうのま間違ってるわ。だから響也も言ってたけど平等に愛すって言葉は響也だけの言葉じゃないのよ?私たちにも当てはまるんだからこれからはみんなで助け合っていかないとね♪」
「分かったわレミリア」
「お姉様の言う通りだね」
ふたりとも納得してくれてよかったとホッと胸を撫で下ろした響也。
一方部屋の外では‥‥
「流石ってところね、まぁ、あの二人の気持ちも変わらなかったんだから当然の結果なのかしらね」
外で聞いていた霊夢は一言呟くと少し笑いながら紅魔館を後にした。