レミリアと響也が眠りについた頃‥‥
響也の部屋の前にはとある人物が立っていた。
「ふふふ、お邪魔します♪」
ある人物は音も立てずに響也の部屋に入るとベッドの横まで歩み寄る。
そして‥‥
時は進み日が昇る頃。
「んっ‥‥もう、朝か‥‥」
響也は目を覚ます。
ここで響也は漸く気づいた。
「う、動けない‥‥」
響也は悟った。
動けない理由はごく単純なものだった。
動かせる左手で布団を捲るとそこには!
響也に抱きついて寝ている咲夜がいたのだ。
「ちょっ‥‥なんで‥‥咲夜が?」
あまりにも突然のことにどうしていいのか分からなくなる響也、それと同時にこの場面は見られてはいけないと思っていた。
「レミィに見られたらまずいことに‥‥」
すると‥‥
「んっ‥‥」
咲夜が目を覚ました。
しかし相も変わらず抱きついたままである。
「おはやう咲夜、早速だけどこれはどういうことか説明してくれ」
「‥‥?どういうことって、夜這いですよ♪よ・ば・い♡」
「夜這い!?てかどういう流れで夜這いなんかけしかけてんだよ!」
「あら嫌ですねぇ、最初にこうやって抱きしめたのは響也さんですよ?」
「ふぁっ!?」
「覚えてないのですか?あれはあなたが怪我をして手当てした時ですよ?」
響也の頭の中ではその時の記憶が濁流のように溢れかえる。その中から正確な記憶は‥‥もちろん覚えていた。
「でも、こんなところレミィにでも見られたら‥‥」
「見られたらどうなるのかしら?}
背中に戦慄が走る。
ロボットのようにカクカクした動きで首を入り口の方に向けると寝間着姿のレミリアが立っていた。
「お嬢様おはようございます」
「おはよう咲夜、で、どうしてこうなってるわけ?」
「えっとだな、簡潔に言うと咲夜に夜這いされた」
「あらそう、まぁ、いいわ。それよりも今日のやつは大丈夫なの?」
「まあいいって‥‥、とりあえずは考えてある。ただそれでちゃんと解決できるかというとなんとも言えないな」
響也はあやふやな答えを言うもレミリアは頷いて部屋をあとにした。
いっぽう咲夜はというといつの間にか布団から居なくなっていた。
「はぁ、今日か‥‥」
響也は夜のことを考えてみるもののはっきりとイメージが出来ている訳では無い。だからどうしても迷うことはあるのだ。
「俺、ちゃんと話できるかなぁ」
「まだそんなことでくよくよしてたの?」
そこへ現れたのはなんと霊夢だった。
霊夢曰く夜の件で訪ねてきたところたまたま一人ブツブツ喋ってたから反応したそうな。
霊夢はベッドの方へ歩み寄ると響也の横へと座った。
「大丈夫よ、あなたの気持ちを素直に伝えればいいんだからね」
「そうだな、なんか余計なこと考えてたのかもな。ありがとう霊夢」
「礼には及ばないわよ」
そう言って霊夢はベッドから立ち上がると笑を浮かべて部屋をあとにする。彼女はレミリアの元へと向かうのだった。
そして時間は流れることその夜‥‥
いよいよ運命の時がやってくるのだった。
本編四十二話投稿完了
というわけでだいぶ遅れながらも本編進みましたね
とりあえず頑張ってこのあとの話も続けて行きたいと思います