デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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タイトル通りのクリスマス回です。


番外編 クリスマス

「士道君、準備はおーけぇ?」

「ん。帽子を被れば準備は完了だな。よっと」

 

12月25日 午前零時。

つい数時間前まではクリスマスパーティをしていてみんなで騒いでいた。本来なら今日は疲れたから寝たいところではあるが、俺には重大な使命があり、今から出るところだった――

 

「士道君、なかなかみんなが寝ないせいで時間押してるから、モノローグは手短にねぇ」

「あぁ、勝手に人の考えてることを読むなよ・・・さて行くか」

「うん、皆のプレゼントは随時その袋に転送するからぁ」

 

千花はいつもの調子でそう言うと、千花特性の袋(話では、この袋の中に座標を固定して合って皆のプレゼントが転送できるとか)を手渡されたので、受け取って立ち上がる。

俺の今の恰好は赤と白の服にブーツ、革ベルト、頭には赤と白の帽子といったサンタ装備だった。クリスマスパーティの時にサンタの話が持ち上がり、いつの間にかにサンタが来る雰囲気になってしまっていて、これで起きた時に何も無ければまずいと<ラタトスク>が判断したため、俺にこんな役回りが回って来た。で、千花はそのサポート。千花も精霊なのだからプレゼントされる立場なはずだが、<ラタトスク>は信用しないとか言って千花が拒否したためだったりする。

 

「あ、士道君。その恰好似合ってるからねぇ。あと、非常事態の時は袋とか服に付けてる秘密兵器でなんとかしちゃってねぇ。じゃ、私は片づけしてるからぁ。もう、皆片づけしないで寝たり帰ったりするなんてぇ、もぉ」

「それは、千花のウイスキーボンボンのせいだからな」

 

千花はそんなことをぶつぶつ言いながら、精霊荘に戻っていくので、俺も早速動き出し外に出て一人目のもとに向かう。

 

 

 

~☆~

 

 

 

家を出て約一分、最初の目的地の精霊荘に着いた。理由は近いから。ここには折紙、二亜、琴里を除く精霊の皆がいる。美九に関しては精霊荘に泊まっていって、二亜は原稿がー、とか言いながら帰っていき、折紙はよくわからんが、なにかあるとか言って帰って行った。

 

「まぁ、上の奥から順番に行くか」

 

階段を登りながら、どの順番でプレゼントを置くか悩むが、まぁ、あまり変わらないからいいか。

そんでもって、早速ついた八舞姉妹の部屋。電気は消えているし、二人とももう寝ているみたいだし、起こさないように手早く済ますかな。

すると、俺が着いたことで八舞姉妹のプレゼントが袋に転送されていた。どういう原理だろ?とか、どうやって皆の欲しいものを知ったのだろ?とか疑問が尽きない。たぶん事前に調査でもしてたんだろうけど。

 

『士道、そういうことは考えない方がいいですよ。訳の分からない話を聞かされるだけですから』

「もしかして、すでに千花に聞いたのか?」

『ええ、そしたら小一時間説明されましたよ』

「なるほど、じゃぁ、聞かないでおくか」

 

鞠亜の話を聞いて、原理を聞くのを止めると部屋に入る。

分かっていたが、二人ともぐっすりなようで、少しの音なら起きなさそうだった。

袋の中からプレゼントを出すと、それは最近発売したゲーム機だった。二人らしいものだけど、これでいいのかな?

(ゴソゴソ)

あ、起きそうだしさっさか退散するか。袋の中から大き目の靴下型袋を出してその中に入れると、ベッドのそばにかけて部屋を出た。起きたら追いかけまわされそうだし起きなくてよかった・・・。

 

 

 

次に来たのは十香の部屋な訳だが・・・

 

「おぉ、シドーどうかしたのか?そんな恰好をして」

「むん?どうかしたのか主様?似合ってるのじゃ」

「士道さん、どうかしましたの?」

 

なんで二人とも起きてるんだよ!あと、狂三はどこから入って来た?確かパーティの後は帰ったよな?しかも十香の部屋に六喰までいるし。まさか、チョコが効かなかったのか?すると、机を囲んでいた三人は何食わぬ顔で手にしていた携帯ゲーム機を置いたのだった。そんでもって、十香は俺の恰好を見て理解したようだった。

 

「あぁ、今日はサンタシステムを忘れていたぞ。たしか、サンタを捕縛すれば無限の富が手に入るのであったな」

「なにそのシステム?サンタってそんなだったか?」

「主様はわかっていないのか?サンタとは人の家に不法侵入している犯罪者ではないか。だから捕縛して警察に突き出せば、それなりの報酬が手に入るじゃろ?」

「そうではないか、あの袋さえあればなんでも出し放題ではないか!」

「やめて!子供の夢を壊すことは言わないで!あと、サンタの袋は四次元ポケットでも取り寄せバックでもないからな」

「そうですわよ、二人とも――」

 

二人はサンタを曲解した方向で考えており、そんな調子で言う。

俺がツッコミを入れると、狂三も同調しそう言った。狂三はちゃんと理解しているようだし、ここは二人にちゃんと説明をしてもらおう。

 

「サンタを甘く見てはいけませんわ」

 

ん?なんだろこの発言おかしい気がするんだけど・・・

 

「サンタが何故赤い服を着ているのか分かっていませんのね。あれは襲いかかってきた者を返り討ちにした際の返り血で染まったせいですのよ」

「「なんと!」」

 

おかしいな。サンタにそんな設定はないよな・・・軌道修正をしないと。

 

「二人とも――」

「つまり、サンタの捕縛は無理ですわ。返り討ちにあってしまいますわ」

「むん?むくたちがサンタに負けると言うのか?」

「ああ、私たちはサンタには遅れを取らぬぞ」

「分かっていませんわね。サンタ一人なら造作も無いでしょうが、トナカイは危険ですわ。奴は空を飛ぶほどの実力故、かなりの強敵ですわ」

「で、いつまでホラ話をするんだ?サンタがそんなだったら怖すぎだろ」

「だから、いい子のもとにしか来ないんですのよ」

 

狂三のホラ話を聞きながらツッコむと、狂三はそんなことを言う。

なんか、狂三面白がってないか?

 

「さて、そろそろそんなホラ話は止めないか?一応クリスマスとサンタについては知っているぞ」

「うむ、むくもじゃ」

 

二人はネタ晴らしをすると、俺は何だと安堵する。というかもっと早くに言ってほしかった。

 

「なんだ。ちゃんとわかってたのか。で、なんでこんな時間にゲームをやってるんだ?夜更かしは身体に悪いぞ」

「仕方ないだろ、千花の持って来たチョコのせいで眠くないのだから」

「そうなのじゃ、ウイスキーボンボンで睡眠を早くさせようとしたのはよいが、そこで寝なかったらカカオのせいで眠気が飛んだのじゃ」

「あー、なるほどな。で、今に至ると」

「「うむ(なのじゃ)」」

「まぁ、わたくしの場合はあんなのでは酔わないのでいつも通りなのですけどね。それで、暇だからゲームをしようと誘われただけですわよ」

 

理由はわかったが、それで今に至るのはどうかと思う。というか何時からやってたんだろ?

 

「と言う訳で、主様。むくもプレゼントが欲しいのじゃ」

「話の繋がりねー。起きてる悪い子にはプレゼントは無いぞ」

「そうか、ならばこちらもそれなりの対応を取らせてもらうぞ」

「ええ、そうですわね」

 

三人はムクッと立ち上がると、俺に迫って来る。何をするつもりかわからないので後退ると、いきなり狂三の分身に影の中から足を掴まれ転倒する。ほんとに何されるんだよ!と思っていると、ひょいっと、袋を三人は手に取って中身の物色を始める。もう色々突っ込みたいが、なんか面倒になった。この三人を相手に何言っても普通に返されて終わりな訳だし・・・。

 

「おお、きな粉パン抱き枕がやっと手に入ったのだ!生産は中止されていたからもう諦めていたがよかったぞ!」

「むくのは新しい服なのじゃな」

「わたくしのは腕時計ですわね」

 

 

 

そんでもって、三人にプレゼントを奪われ、最後にやってきたのは七罪の部屋に来たわけだが、ここはここで、これはどういう状況なんだ?

 

「ううぅ・・・」

「ん、ん・・・」

「ふわぁー」

 

部屋に入ると何故か七罪の部屋に美九と四糸乃もいた。四糸乃がいるのに関しては時々一緒に寝てることもあるらしいからいいのだが、美九までいる理由はわからなかった。たぶん、勝手に潜り込んだんだろうな。七罪と四糸乃が美九の抱き枕にされて苦しそうだけど・・・。

 

「いらっしゃーい、士道君サンタさん」

「ん?なんでよしのんは起きてるんだ?」

「だって、あのチョコ食べてないしねー。動物にチョコはだめだし」

 

ベッドの一角に突っ伏している、よしのんは顔を上げると、俺が来ることが分かっていたかのような口調でそう言った。動物にチョコを食べさしちゃいけない訳で、よしのんが起きているのは仕方ない・・・のか?まぁ、足音とかで起きた可能性もあるけど。

 

「さてと、三人が起きないうちにプレゼントを置くとするかな。というか、なんで美九までいるんだ?」

「ああ、それは、美九ちゃんが寝ぼけ眼で部屋を間違えて入ってきたからねー。隣の部屋を使うはずだったし」

「そういうことか。さて、この原理不明の袋に転送されてるし、早速・・・」

 

袋を開けてプレゼントを出すと、まず出てきたのは大きさの違うマフラーと手袋だった。見た感じ四糸乃の欲しい物のようで、小さい方はよしのんの分だった。小さい方の手袋は四つあり、ウサギのよしのんの足にはフィットしそうな形になっていた。どこに売ってるんだろ?とりあえず、机の上に置いて、次のプレゼントを取り出すと、小型のバックが出てきた。たぶん化粧品とかが入ってる感じだし七罪のっぽいな。で、美九の分は・・・“目覚まし時計―士道ボイス”と書かれた箱が出てきた。中身が入っており、それなりの重量感だが、俺はボイス収録をした覚えが無いんだが?

 

「士道君、考えるのは後にしなよー。二人とも苦しそうだし、いつ起きるかわからないよー」

「だな。どうせなら助けたいけど、どうすればいいのやら?」

「美九ちゃんはそんなに力が強くないから平気だと思うよー。危なかったら、僕が何とかするからさー」

「そっか、じゃお願いな」

 

プレゼントを靴下型袋に入れると、机の上に置いておく。誰がどれかに関しては袋の色がそれぞれのイメージカラー的なものだから平気だろうし。

これで、この部屋での用事は済んだのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

精霊荘を出て折紙のマンションに着いたのだが、困ったことになっていた。

 

『あー、あー、てすてす』

「それやるの、流行ってるのか?まぁ、いいや。とりあえず折紙のマンションに着いたわけだが、オートロックでいきなり入れないんだけど・・・」

『りょうかーい。じゃ、とりあえず、パネルに触れてぇ』

 

よくわからないが千花に言われた通り、マンションの操作パネルに触れてみる。しかし、ここの住人ではないので、入ることはできない訳でパスワード認証などが必要となる。どうやって開ければいいんだろ?折紙を起こさずにはいる方法とかないと思うけど・・・。

 

「触れたけど、入れないよな。いつもは折紙に入れてもらってるわけだし・・・」

『わかってるよぉ。そこで、秘密道具パート1の出番だよぉ。と言う訳で、右ポケットに入ってるのをパネルに触れさせてみてぇ』

「えーと・・・これか。USB?まぁいいや」

 

用途はわからないがポケットの中から取り出したUSB端子?をパネルに触れさせてみることにする。これで何が起きるのやら?

 

『セキュリティー解除。ロック解除。士道マンションの権限を一時確保しました。これで入れます』

「鞠亜、普通に犯罪だろ、これは」

『士道――』

『士道君――』

『『ばれなきゃ犯罪じゃない(ですよ)(よぉ)』』

 

すると、二人は声をそろえてそう言い切った。どこのニャルラトホテプだろ?まぁ、気にしたら負けだし、さっさか終らすか。

無事?ロックが解除されたドアを通り、折紙の部屋に行く。ドアに手をかけると、当たり前だが鍵はかかっていた。

 

『やっぱり、鍵がかかってるねぇ。士道君、秘密兵器パート――』

「えっと、合鍵がここにあるからこれで開けて・・・(カチャッ)よし、入るか」

『士道君、士道君。いつの間に合鍵を手に入れてたのぉ?』

「それはノーコメントで。んと、そろそろ折紙の分を転送してくれ」

『うん、りょうかーい。てんそーう』

 

面倒になりそうな鍵のくだりを端折ると、千花もすんなり諦めてくれて、手に持っていた袋に重量感が加わる。なにが送られてくるのか聞いていない為、ある意味怖いんだけど・・・折紙だし・・・。

そう思いながら慎重に歩を進め、折紙はもう寝ていた。ウイスキーボンボンを食べた時は平気そうだったが、眠気は来ていたようだった。

慎重に袋からプレゼントを出し・・・なんだ?“士道写真集”って?

 

『士道君、プレゼントを見てツッコまないようにねぇ。起きちゃうよぉ』

 

ツッコミを入れようとしたら千花が先読みしていたようでくぎを刺す。それでも納得はいかない訳で・・・

 

『緊急事態です。あと数秒で折紙が起きます。おそらく士道の存在を感じ取ったようです!』

「(なにそれー)」

 

内心でツッコみながら、慌てた手つきで本を置くと折紙の部屋を後にしようと、音をたてないように慎重に歩き・・・(カチッ)・・・ん?

いきなり何か嫌な音がした気がするんだが・・・

その直後壁から俺目掛けて針のようなものが飛んでくる。おそらくは防犯用の物で睡眠作用とかが付いているのだろうけど、当たったらアウトだろうから、ギリギリ腰を低めて回避する。その際に袋を落してしまい拾おうとするが、時間をロスしたことで・・・

 

「誰?」

 

折紙は起きてしまった。まぁ、回避した針が飛んだ音だの床に落ちた音だのしてるから起きるだろうけど。

今の俺の恰好とこの暗さからまだ俺だとはばれていないが、不審者だと判断されたら、迎撃に動こうとするわけで、寝間着姿の折紙は、布団からガバッと起きると、一気に床を蹴って接近して来て、(ズデーンッ)今さっき落した袋に足をとられて盛大に転んだ。寝ぼけ眼だったことでそのまま意識を手放したようで、地面に突っ伏して眠ってしまう。

 

「んと、大丈夫か?」

「ん、ん、すー」

「とりあえず怪我は袋が下敷きになったおかげでして無さそうだな。よいしょ」

 

とりあえず、このまま放置もできないので折紙を抱っこするとベットに寝かせて布団をかける。おそらくはもう、朝になるまでは起き無さそうだし、プレゼントも置けたので後にする。

 

 

 

~☆~

 

 

 

次に来たのは二亜の住むマンションで折紙の時同様ロックを解除してドアに手をかけると、何故か鍵は開いていた

訳が分からず首をかしげながら、音をたてないようにしながら中に入ると、二亜の作業部屋の電気がついていた。どうやら、本当に原稿がやばいらしい。そんでもって、なぜか袋には二亜のプレゼントは転送されていなかった。

 

「なぁ、千花。なんで二亜の分は転送しないんだ?」

『んとねぇ、二亜ちゃんへのプレゼントは士道君だよぉ』

「ん?どういうことなんだ?ちゃんとせ――」

「だれー?そこにいるのー?」

 

千花に説明を求めようとしたら、俺の気配を感じたのか二亜がひょっこり顔を出して覗いた。で、目が合うと、二亜は事情を察したのか、うんうん頷いた。

 

「やっと来たかー、少年」

「ん?来ること知ってたのか?」

「まぁねぇ。ちょうどアシスタントがほしいって思ってたからねー」

「千花がどうやってみんなの欲しいものを知ったのかと思ったらそういうことだったのか」

 

千花が知った方法と鍵が開いていた謎が解けたわけで、とりあえず肩の力を抜く。二亜は俺が来るのが分かっていたから鍵が開けてたわけだし。

とりあえず、目的を果たすことにする。てか、七罪と真那をアシスタントにしてたよな?

 

「で、何をすればいいんだ?」

「んと、じゃぁ、このゴムかけお願い」

「わかった。あ、千花はもう寝てていいからな」

『ん、わかったぁ。二人の分は部屋の前に置いとくねぇ。ふわぁー、じゃぁ、おやすみぃ~』

 

そう言うと、千花との通信が切れ、ごわごわした恰好だと作業がしづらいから上着を脱ぐ。下に普段着を着といてよかったとしみじみ思う。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ふわぁー、ねむ」

『士道お疲れさまでした。まさかあそこから二時間も作業をさせられるとは思いませんでした。もう三時を回ってますし、琴里たちのプレゼントを置いて休みましょう』

「だな、明日に響きそうだし」

 

二亜に解放されたら三時を過ぎており、やっと家に戻ってこられたわけだが、俺の部屋の前には二つのラッピングがされたプレゼントが置いてあった。千花が言っていた二人のプレゼントだとわかったので、それを持って二人の部屋に行く。まずは琴里の部屋に行き、中に入ると、琴里も毎日ある<ラタトスク>の仕事の疲れか、ぐっすり眠っていた。まぁ、いつも忙しそうにしてるからな。起こさないように気を付けながら、琴里のそばまで行くと、琴里のプレゼントが入った袋をベッドに引っ掛ける。そして、ずれた布団をかけなおすと、部屋を出る。

真那の部屋に行くと、こっちもぐっすり眠っていて、起こさないように足音を立てないように慎重に歩を進める。そして、もう少しで真那のそばに着くというところで、なぜかベッドのそばに積まれていた本に気付かず、当たってしまった。

 

「あ・・・」

「すぅー」

 

しかし、真那の眠りは深いようで、全く起きる気配がなかった。今野で起きないあたり相当眠りが深いような・・・まぁ、起こさずに済んだからいいか。真那を起こさずに済んだことに安堵すると、プレゼントをベッドに引っ掛けると、辺りに気を配って慎重に歩を進めて

部屋を出る。さすがにもう一回音を立てたら起きるだろうし。

無事、部屋を出られたことで、こうして予定されていたプレゼント運びは終わったわけで、これで眠れるわけだ。千花のプレゼントを置ければだけど。

 

 

 

というわけで、再び精霊荘に行くと、鞠亜にロックを開けてもらい中に入る。中は真っ暗で、外から見た限りは十香たちももう寝ているようだった。

千花の部屋にはめったに行かないため、一瞬位置を忘れかけるが、一階にあるためすんなり行けた。よくよく考えれば、だいたい何かするのは共有スペースだしな。

ドアに手をかけると、鍵は閉まっておらず、不用心だなと思う。まぁ、ここに住んでるメンバー的に鍵を閉める必要もないか。

勝手に納得をしながら、部屋に入るとベッドの上には千花が・・・

 

「あれ?いない?」

 

部屋を見渡すが、何故か千花はおらず、首をかしげる。こんな遅い時間だからもう寝ているはずだし、通信の時も眠そうにしていたんだけどな。手洗いか地下にでもいるのかと思い部屋を出ようと振り返ると、

 

「サンタ確保~」

 

手洗いに行っていたっぽい千花に襲われ捕まった。

なんで確保されてんだろ?

 

「えーと、千花は何をしているんだ?」

「ん、士道君こそ、夜這いにでもきたのぉ?こんな日にこんな時間に来なくても。今日はちゃんと寝ないとだめだよぉ」

「いや、夜這いには来てないからな」

「そうなのぉ?まぁいいや。士道君プレゼントちょーだい」

 

で、千花は俺を放すと、手を前に出してそういった。というか、プレゼントをねだるなよ。と思いながら。袋の中からプレゼントを取り出す。琴里たちのプレゼントを置きに行った時に回収したもので、千花も中身は知らない・・・はず。

 

「わーい \(*´▽`*)/ 士道君から本当にもらえたぁ」

「まぁ、そういうわけで眠いから帰るわ。本当は寝てるときに置きたかったんだけどな」

「タイミングが悪かったねぇ。まぁ、プレゼントありがとぉ」

 

千花は満面な笑みを浮かべてお礼を言うと、さっそくプレゼントを開ける。千花の欲しいものが分からなかったから、差しさわりのないものを選んだ感じだ。

 

「ん?おぉ、雪の結晶の形のネックレスだねぇ」

「あぁ、何が欲しいのかわからなかったから、気に入るかはわからなかったけど・・・もし、気に入らなかったら言ってくれれば明日には準備するけど・・・」

「いや、いいよぉ。士道君からのプレゼントだし、私的には好みのデザインだから気に入ったよぉ」

「そっか、そう言ってもらえるなら、選んだかいがあったよ」

 

最初に千花がネックレスを見た時の反応が気になり、一応確認すると千花はそんな反応をする。今のは何だったんだろ?まぁ、千花もこう言っているし、これで気に入らなかったらどうしようかと内心ひやひやしていた。あ、眠いしそろそろ戻るか。

 

「じゃ、俺はこれで。また明日ー」

「うん、また明日ぁ、というか今日?」

 

日付をまたいでいるから今日かもだけど、どっちでもいい気がしたので、あえてそこには何も言わず部屋を出たのだった。

 

 

 

今日の結論、サンタは大変だな。

あ、なんかプレゼントが置いてある。千花か。中身は・・・ああ、そういうことか。だから千花がそういう反応だったわけか。

もう眠いから机の上にプレゼントの雪の結晶のネックレスを置くと、そのまま寝ることにした。明日にでもつけるかな?




さて、プロット書かずに1日で書いたため、誤字脱字があるかもです。

最初は千花とのデート回にしようと思いましたが、
クリスマス何それ美味しいの?状態なため、こうなりました。数千字書いたのになぁ~。ちなみにクリスマスは何もないので、ずっと執筆かな~?

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