デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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12話 精霊と<ラタトスク>

「前回のデート・ア・ライブ

暴走する兄様を殺そうとする琴里に対し、怒りをあらわにする折紙さん。話される兄様の身体に起きていること。そして、降り注ぐ<ダインスレイフ>の光。

まぁ、真那は兄様の死なんて許容しねーんで止めるんですけども。

そして、始まる兄様救出計画パート2。

その頃、千花さんは二人を相手に戦っていました。というか、やっと識別名に足ることをした気がしますね」

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

 

「かかっ!霊力の放流など我らの速さの前には無力よのう」

「忠告。油断は禁物です、耶倶矢」

 

 

二人は士道の身体から放たれる霊力の渦をかいくぐりながら接近していた。そして、耶倶矢が調子の良いことを言うと士道が叫び、士道を中心に半円状の霊波が放たれ、回避する隙間が無かった。せっかくここまで接近したのに、後ろに下がるわけにもいかないので二人は手に力を集中させ、

 

 

「<颶風騎士(ラファエル)>――【穿つ者(エル・レエム)】」

「<颶風騎士(ラファエル)>――【縛める者(エル・ナハシュ)】】」

 

 

天使を顕現させると、二人はアイコンタクトで考えを伝え、耶倶矢が先行して、【穿つ者】で霊波に突っ込む。そして、霊波に穴を開けると耶倶矢の後ろにいた夕弦が躍り出て、【縛める者】で士道の身体を拘束する。

二人は士道のそばにたどり着くと、

 

 

「士道、今助けるから」

「志願。早く戻ってください、士道」

 

 

そう言って、士道に顔を近づけるとキスをした。

すると、自身の中から力が満たされた感覚がした。

 

 

「これって、パスがちゃんと繋がったってことでいいんだよね?」

「同意。たぶんそうだと思います。さぁ、皆さんも」

 

 

二人は首を傾げて、そう口にすると、ハッとしてインカムに向かってそう声をかけた。

しかし、パスが繋がったことで、士道自身の霊力も若干安定したが、まだ全員ではないので収まらず、先ほどよりも大きな咆哮を上げると【縛める者】の拘束を無理やり破り、二人は霊波によって吹き飛ばされ、士道は跳躍して屋上から地上に飛び降りた。

二人は何とか体勢を整えるも床に尻餅をつき、苦い顔をして、皆に謝ろうと皆の方を見ると、いつの間にか三人消えていた。

 

 

「あれ?」

「疑問。何処へ?」

「おつかれ。三人なら士道のもとに行ったわ」

 

 

二人が首を傾げてそう呟くと、琴里は二人に手を差し伸べてそう言ったのだった。

 

 

 

 

 

 

~☆~

 

 

 

 

 

 

「<封解主(ミカエル)>――【(ラータイブ)】」

 

 

八舞姉妹が士道に向かって飛んで行った頃、琴里は瓶の中から種を取り出し、各々に渡し、八舞姉妹が士道にキスをしたのを見届けると、六喰は種を口に放り込み、<封解主>を顕現させた。

そして、六喰が空間に穴を開けて中に入ると、二亜と七罪も飛び込み、一瞬で士道が着地した場所の近くにたどり着いた。と言っても、すぐそばは危険なので少し離れた位置ではあるが。

 

 

「やっぱり、むっくの天使便利だよね。もう少年に追いついちゃったし」

「むん、限定霊装の状態じゃできて数度なのじゃ」

「そうなんだ。じゃ、手早くやらないとね」

 

 

しかし、三人とも戦闘向きというよりはサポート向きな為、士道の霊波を打ち破る術が無かった。

といっても、単独ではの話だが。

 

 

「じゃ、初めてやるけど、あれやろっか。なっつん」

「ん。あれね。わかった」

「むん?何のことなのじゃ?」

 

 

二亜と七罪がそんな会話をすると、天使を顕現させ、二亜は<囁告篇帙>に何かを書き込み、六喰は何をする気なのかわからず首を傾げた。二人はそんな六喰に、言葉で返答する代わりに行動で返答する。

 

 

「<贋造魔女(ハニエル)>――」

「<囁告篇帙(ラジエル)>――」

「「【召喚(サモンズ)】――ヨルムンガンド!」」

 

 

二亜が<囁告篇帙>に今描いたページをちぎると、前の空間に放り、七罪が<贋造魔女>から光を放ち二亜が投げた紙を包む。紙には蛇のようなものが描かれているのが六喰にも見え、

 

 

「ぎゃおぉぉ」

 

 

目の前に体長二メートルほどの大蛇――ヨルムンガンドが召喚された。

六喰は突然現れた大蛇に驚くが、これがさっきの疑問の答えなのだと理解する。

 

 

「てことで、行っちゃえー、ヨルムンガンド!」

 

 

召喚されたヨルムンガンドは、二亜の指示に従うと、士道に一直線に突撃し、士道から放たれる霊波を浴びても止まることはなかった。

士道のもとに着くと、その胴で士道の身体を締め付け、士道は苦悶の表所をする。

その間に、三人は士道のそばに着く。

 

 

「てことで、少年、元に戻ってもらうよ」

 

 

二亜はそう言うと早速ヨルムンガンドに拘束されている士道にキスをしてパスを繋げると、さっと身を引く。

 

 

「よし、完了。二人も早くー」

「あ、うん」

「なのじゃー」

 

 

二亜が振り返ると、七罪がハッと肩を揺らし、六喰は同意する。

七罪が士道のそばに寄ると、

 

 

「士道キスするわよ。意識が無いからって、後で文句言わないでよ――」

「早くするのじゃ」

「あ、うん。士道、戻って」

 

 

七罪はぶつぶつそう言い、六喰が急かす。七罪はそれで吹っ切ると、士道にちょんとキスをし、士道から離れると、六喰はぴょんとジャンプして士道に飛びついた。

 

 

「むくは早くいつもの主様に戻ってほしいのじゃ」

 

 

そして、六喰も士道にキスをすると、士道の身体から霊力の放流が吹き荒れ、六喰が吹っ飛ぶも二亜がキャッチし、

 

 

「あっ、ヨルムンガンドが!」

 

 

その上にヨルムンガンドが吹っ飛んで来て三人の真上に落ちてきた。三人は潰されると焦ると、三人とも【霊種】の効力が切れ、【召喚】も解けてヨルムンガンドが消滅して事なきを得た。吹っ飛ばした士道は、フラフラした足取りで何処かに歩いて行った。

 

 

「ふぅ、潰されるとこだった」

「でも、これで私たちのできることは無くなったわね」

「うむ、今の危なかったのじゃ。後はなんとかなるはずなのじゃ。ところで、主様はどこに向かっているのじゃ?」

「「さぁ?」」

 

 

二亜が額の汗を拭うような素振りをして安堵すると、二人も安堵するが、六喰がそう疑問を口にすると、二人も分からず三人して首を傾げるのだった。

 

 

 

 

 

 

~☆~

 

 

 

 

 

 

「これで、五人完了か。私たちも行くぞ」

『レッツゴー』

「行きます!<氷結傀儡(ザドキエル)>」

 

 

十香と限定霊装を纏った四糸乃は先に出た五人を見届けるとそう言って、二人を乗せた<氷結傀儡>の姿になったよしのんが士道の前に躍り出る。

十香が<氷結傀儡>から降りると、よしのんは口に冷気を溜めて、一気に士道に向けて解き放つ。放たれた冷気は士道の周囲の霊波や足場を凍らせ、さらに士道の周囲を氷の棘で囲って進行を妨げる。地面を滑るように<氷結傀儡>は移動し、士道のすぐそばに着くと四糸乃は飛び降りて士道に顔を近づける。

 

 

「士道さん、戻ってください!」

 

 

そして、士道の唇にキスをするとパスが繋がる。

四糸乃はパスが繋がったことに安堵すると、十香の方を向く。

 

 

「十香さんも、氷で足止めしてい――」

「四糸乃、危ないッ!」

「え?」

 

 

そして、十香に声をかけると、十香は慌てた様子でそう叫び、四糸乃が士道の方を見ると、士道の手には<鏖殺公>が握られており、氷の棘もろとも四糸乃を切り伏せようと振りかぶっていた。

士道が<鏖殺公>を振るうと、

 

 

『ホッ!』

 

 

よしのんが四糸乃と士道の間に割り込んで、いつの間にか生成した氷の角で<鏖殺公>を受け止める。その余波で、周囲の棘や士道の足元の氷が砕け散る。

 

 

『四糸乃、乗って!時間切れだから引くよ!』

「うん、わかった」

 

 

よしのんに言われて四糸乃が飛び乗ると、身体を回転させて<鏖殺公>を押し返して、その勢いのまま士道から距離を取る。

 

 

「次は私の番だな!来い!<鏖殺公(サンダルフォン)>」

 

 

そして、直前まで温存しておいた【霊種】を口に放り込んで限定霊装を纏い、<鏖殺公>を顕現させた十香と交代する。

十香が<鏖殺公>を振るうと、士道も<鏖殺公>で対抗し、そこから連撃を加える。だが、天使の使用経験の差は歴然で、十香はいとも簡単に士道の攻撃を対処して見せる。そうして何度か剣を交えると、十香は下段から<鏖殺公>を振り上げ、士道の<鏖殺公>を弾き飛ばす。

 

 

「これで、終わりだな。シドー」

 

 

十香はそう言って士道の服を引っ張ると、士道は前のめりに身体を折り、十香は士道の唇にキスをする。

霊力のパスが繋がると、十香は士道の服から手を離し、さっと距離を取る。

直後、士道は再び呻き声をあげ、周囲に霊波が渦巻く。

 

 

「なんか、パスが繋がったらどんどんひどくなっていないか?」

「そうですよね……これはパスが繋がったからでしょうか?」

 

 

二人は顔を見合わせそんな慰問を口にすると、士道が再び何処かに向かって歩き出す。

 

 

「ん?あっちの方って……」

「たしか、何もありませんでしたよね」

『うん、だだっ広い原っぱのはずだよ』

 

 

そして、十香たちは士道が向かう先を見てそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

~☆~

 

 

 

 

 

 

「さて、だーりん。ここから先には行かせませんよぉ」

「ええ、ここで止めてみせる」

 

 

折紙と美九は士道が通る経路に先回りして待ち伏せすると、【霊種】を口に放り込み、限定霊装を纏ってそう宣言する。

しかし、士道からは全く返答は無かった。

 

 

「……これはだいぶ暴走が進行しているようね。意識も無いみたい」

「はい、だからこそ早く元に戻してあげませんと」

 

 

二人はそう言って、天使を顕現させると、折紙が地を蹴って士道に接近し、美九は<破軍歌姫>の鍵盤を叩く。

 

 

「<破軍歌姫(ガブリエル)>――【行進曲(マーチ)】」

「<絶滅天使(メタトロン)――【光剣(カドーウル)】>」

 

 

【行進曲】によって折紙の身体能力を強化すると、折紙は周囲に<絶滅天使>を顕現させ、士道の周囲を渦巻く霊波を抉るように<絶滅天使>を動かす。

そして、士道の周囲の霊波が弱まったところに美九は銀筒を出現させて、声で士道を束縛する。

 

 

「士道、この苦しみからもうすぐ解き放つから」

 

 

折紙は束縛された士道のもとに着くとそう言ってキスをして、一歩引くと美九も士道のそばに寄る。

 

 

「だーりん、早く起きてくださいね~」

 

 

ちょんと、士道の唇にキスをしてさっと離れる。すると、士道はまた苦しそうな顔をして、士道の身体から今まで以上に勢いよく霊波が発せられ、そばにいた二人は飛ばされる。二人は空中で体勢を整え、綺麗に着地すると、やはり士道は歩き出す。

二人はこれ以上深追いをしていざという時に時間切れになったら困るので、その場に止まる。

 

 

「うーん、だーりんはなんで原っぱに向かってるのですかね~?」

「わからない。でも、あっちは千花たちがいる方のはず」

「あっ、今気づいたんですけど……」

 

 

美九は何かに気付いたのか、ハッとすると、

 

 

「折紙ちゃんと間接キスしちゃいましたー」

「はいはい」

 

 

そんなことを言い、折紙はそう返すのだった。

 

 

 

 

 

 

~☆~

 

 

 

 

 

 

「来たわね、士道」

 

 

限定霊装を纏った琴里は空から士道の前に降り立ち進行の邪魔をする。しかし、士道は特に反応を示すこと無く歩を進めようとする。

 

 

「はぁ、ここまで精神に侵攻しているなんてね。<灼爛殲鬼(カマエル)>」

 

 

琴里はため息をつくと<灼爛殲鬼>を顕現させる。

対して士道は目の前の琴里を脅威と認識したのか空に手をかざすと、その手に<灼爛殲鬼>が握られる。

琴里は息を呑むと、士道は地を蹴って<灼爛殲鬼>を振るう。琴里も<灼爛殲鬼>を振るって対抗し、その場で拮抗すると、互いに距離を取り直後に士道に接近する。二人は<灼爛殲鬼>を何度もぶつけ合う。

どちらもこれといった天使によるダメージはないのだが、士道には身体から発せられる霊波があり、琴里は士道に接近しているがために身を護る術がなく、身体の節々に擦り傷ができて直後に炎が傷を癒す。

治るとは言っても痛みがあり、琴里も苦しげに顔を歪めるが、士道に生じている苦しみはそれ以上の物であり、この痛みは士道を一度は殺そうとした自分への戒めなのだと琴里は思った。だから、この痛みにも耐えられる。

そうして、何度目かの打ち合いで、士道の<灼爛殲鬼>をいなした際に地面に突き刺さり、琴里はその上に<灼爛殲鬼>を刺して抜けなくすると手を離して士道の身体に抱きつき、

 

 

「元に戻って!おにーちゃん!」

 

 

士道の唇にキスをする。すると、霊力のパスが繋がり、全員とパスが繋がったことで霊力の放流が止み、虚ろだった士道の瞳に光が宿る。そして、士道は力が抜けてどたっと尻餅をつくと、琴里もそのまま士道に倒れ込む。

士道はハッとすると、琴里に視線を向ける。

 

 

「こ、琴里!何してるんだ!?」

「大変だったのよ。バカ士道」

 

 

琴里はそう言って、プイッとそっぽを向くが、その顔には士道が元に戻ったことに安堵するかのように晴れやかなものだった。

二人は身体にたまった疲れから、座った状態でいると、

 

 

「シドー、琴里ー、無事かー?」

 

 

二人のもとに精霊達が集まってくる。

こうして今回の騒動は終結したのだった。

 

 

 

 

 

 

~☆~

 

 

 

 

 

 

<ラタトスク>の円卓会議は騒然としていた。といっても通信で行われており、その場所にはウッドマンとカレンのみだった。

幹部の一人――クライトンは琴里が<ダインスレイフ>を放たないことに困惑し、焦っていた。ウッドマンは琴里達が何とかしてくれると信じ、勝手をしないようにと押さえていた。しかし、士道はもう手遅れだとクライトンは判断すると、こうなることを予期して無断で複製した<ダインスレイフ>の鍵を取り出し、ウッドマンが止めようとするも逡巡なくボタンを押し、士道の真上に<ダインスレイフ>が投下された。

真那が<ダインスレイフ>から士道を護ったことで、ウッドマンは安堵する。

 

 

『<ダインスレイフ>が止められた?それにあの精霊は?』

『たしか五河士道の妹だったはず……しかし、人間だったはずでは?』

『まさか、精霊になったというのか?』

『五河司令に崇宮真那を連れてくるように連絡しよう。そして、分析すれば十分な利益が……』

「少し黙れ。小僧ども」

 

 

幹部三人は突然現れた真那に興味を示し、終いには真那の身体を調べて利用しようもくろむ。ウッドマンは静かにそう言うと、三人は黙る。

 

 

「別に私の思い通りに動けとは言わない。だが、約定ぐらいは守ってもらおう。後に処分を通達する」

『しょ、処分?しかし、私は<ラタトスク>のためを思ってこそ』

『そうですよ、確かに短慮ではあったかもしれませんが』

「前にも通達したはずだ。<ダインスレイフ>を私と五河司令以外は使ってはならないと」

『しかし、それは……』

『<ガーデン>との約定は口約束であり、私たちが守る道理は無いはずでは?』

 

 

千花と交わした約束をウッドマンが口にすると、そんな約束は守る必要は無いと口にした。

ウッドマンは、額に手を当てて言葉も出なくなると、

 

 

「なるほど、それが<ラタトスク>のやり方でいやがりますか。よっと、お邪魔しますよ」

 

 

突然ウッドマンたちがいる円卓の空間に穴が開き、そんな声が響く。そして、穴から真那がぴょんと出てくると、黄色の結晶が持ち手に付いた<月華狩人>と纏っていた霊装を解除して普段着に戻る。

カレンは真那の侵入に警戒し、対処しようと腰に手を伸ばすが、ウッドマンは手で制止する。

真那はウッドマンに一礼すると、早速本題に入ろうとするが、その前に幹部たちは真那の登場に反応する。

 

 

『君は、崇宮真那、か』

『わざわざ、そちらから来てくれるとは。一体どうやって――』

「勘違いしねーでくださいよ。真那は一切分析させる気なんてねーんで。ここに来たのは、千花さんからの伝言を言いに来ただけなんで」

 

 

幹部たちは早速真那に色々聞こうとするが、真那は一切話す気が無いので一蹴する。

 

 

「それで、伝言とは」

「まず、質問ですけど。兄様に撃ったやつは誰が撃ちましたか?発言には気を付けてくださいね」

 

 

ウッドマンは真那にそう問うと、真那は咳払いしてから一応の意味を兼ねてそう問う。

 

 

『それは……私が撃った』

 

 

クライトンは琴里が<ダインスレイフ>を撃ったことにして責任を押し付けようとも考えたが、すぐばれることなのでそう口にする。

 

 

「なるほど、ちなみに、千花さんとの約束は伝わってるんですよね?」

『あぁ、<ガーデン>との約束は我々も聞いているよ。だが、こうしないと手遅れになると判断した結果だ』

「ん、なるほど。では、そろそろ千花さんからの伝言を」

 

 

真那は聞くべきことを聞き終えると、やっと千花からの伝言を口にする。

 

 

「えー、約束破って士道君に撃ったので<ラタトスク>とは金輪際関わらないのでよろしくぅ、とのことです。これは兄様も琴里も同意の上なんで」

『はっ!?何を言ってるんだ?<ラタトスク>がなければ精霊達はまともな生活など。それに精霊の封印だって……』

「勘違いしねーでください。<ラタトスク>(そっち)の方法で精霊皆が救えるのならそれでよかっただけで、真那たちには別の方法があるので。あっ、ちなみにさっきの質問を琴里がやったことにしていたら、関わらないじゃすまなかったので。千花さんも相当譲歩しましたよね。真那的には潰すこともいとわねーと思うんですけどね」

 

 

真那はさして通信の向こう側の人間に興味が無くそう言う。

 

 

「と言う訳で、あなた方に話すことはもうねーんで」

『ウッドマン卿!』

「あっ、もう一個ありました。<ダインスレイフ>の権限奪ったよぉ、てへぺろ、だそうです」

『なッ!』

 

 

幹部たちはウッドマンに声をかけて真那を止めようとすると、真那が思い出しかのように爆弾発言をし、真那は何故か空間に穴を開けず扉から出て行く。真那の発言は暗にいつでも<ダインスレイフ>が使えるということに他ならなかった。

ウッドマンはカレンに視線を送ると、カレンはそれでウッドマンの意図を察し、ウッドマンは円卓の方を向いて口にした。

 

 

「では、今日はここまでとする。各員、己の足元を見直すのだな」

 

 

ウッドマンはそう言うと、通信を切りカレンが車椅子を押して部屋を後にした。

 

 

「おや?もう話は済んだんですか?」

 

 

そして、部屋の外には真那が壁に寄りかかって待っていた。

 

 

「まだ話が?」

「……待っていたのかい?」

 

 

二人はそんな真那を見て疑問を持って口にすると、真那は頬を掻いて苦笑いを浮かべた。

 

 

「えーと……そう言えば、出口を知らねーんでした」




召喚(サモンズ)
二亜が前にやってた【具現(サモン)】の上位技。といっても、限定霊装の出力じゃ【具現】ができないから七罪と力を合わせただけの技。

これをやりたかったから、二亜と七罪を組ませ、二人は機動力が無かったから六喰もいっしょにした感じ。
ちなみに他の編成はその時の気分とかで決めています。十香をラストにするのもありだったけど、パラレルIFの十香は原作十香よりも知識がある設定だから恋にも自覚している?
その為、琴里をラストにしました。琴里の場合は色々葛藤とかありましたし。

次回、この章ラストです。

では、ノシ

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