デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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お気に入り100、50話突破記念。あと、章が終わりキリが良かったから?

別に読まなくても本編の進行には差し障りはないです。
ただの思い付きです。
今回の話は他のアニメのキャラがでます。口調が変かもしれないです。
以上。


番外編 中二邂逅

「堕天使であるヨハネのリトルデーモンにならない」

「にーはっは。天使を倒すのが私の使命だからね。堕天使の(しもべ)にはならないよ」

「我に言わせれば、お主ら二人など取るに足らぬ存在よのう。故に悪魔には身を堕とさぬ」

 

ある夏の日、我――耶倶矢は二人の中二病の少女と邂逅していた。

 

 

 

~☆~

 

 

 

夏休み、朝早くからコミコに来た私たち。

そして、私は夕弦、折紙と一緒に見て回ってたけど、途中ではぐれてしまい、スマホの充電が尽きたりといった不幸が訪れた。充電に関しては昨日たくさん使って充電するのを忘れていただけだけど……。でも、はぐれたのは私のせいでは無いはず!気になってブースに立ち寄ったら二人が気付かずに行っただけ!うん、私は悪くない。

それに、士道たちのとこに行けばすぐに会えるだろうからこのまま一人で回ることにした

 

「はぁ、それにしても人多いなー。ちょっと外に出てよっ」

 

そんなことを一人呟いて会場の外に出て近くの木陰に入ると、私の前に一人の少女が現れて立ち止まった。ピンクの髪をツインテールに纏めた同年代ぐらいの少女なのだが、何故か夏なのにマフラーをしていた。

少女は私に向かってびしっと指差した。

 

「にっーはっは、ついに見つけたよ。天使!」

「ん?」

 

少女が言った言葉に後ろを振り向いたが、そこには誰もいなかった。つまり……私に言ったってこと!?いや、イミワカンナイ。それに天使って……まさかAST?それともDEM?まぁ、どっちにしろここで騒ぎを起こすのはまずいか。慎重に行動しないと……。

 

「お主は何者なんだ?何が目的だ?」

 

さしあたっては、まずはこの少女が何者かだ。幸いすぐに行動に移さず、話は通じそうだからな。情報は重要だし。

すると、少女は待っていましたとばかりにマフラーをバサッと閃かし、

 

「私は――ソフィアリング・SP・サターン7世!巷でもっとも有名な魔法魔王少女ソフィアちゃんとは私のことだよ!二つ名は魔王で魔法な七つの聖地を司りし少女、覚えておいてね」

 

変身後の魔法少女のようなポーズを取ってそう名乗った。この瞬間察した。この少女は魔術師ではなく、中二病だと。

 

「さぁ、名乗ったのだから、あなたも名乗ってほしいかな?」

「ああ、そうだな……我が名は八舞。(あま)駆ける颶風の巫女だ!」

 

だからこそ、この少女に乗っかることにした。この少女――ソフィアとは波長が合う気がしたから。ソフィアは何度か復唱すると、うんうんと頷いた。

 

「そう、八舞ね。じゃぁ、始めようか。戦争を」

「ふっ、颶風の巫女たる我と知ってなお戦うと言うのか。よかろう、受けて立つとしよう」

 

ソフィアの言う“戦争”の意味を即座に看破し、私は一応忠告しておく。それほどまでに熾烈を極めるから。私たちは周囲に被害を及んだりしたら危険なので、一度見まわし誰もいないことを確認すると、臨戦態勢を取る。というか、居ない場所を選んでここに来たんだけど・・・。

 

「ケルビム詠唱――」

「魔力解放――」

「――セラフィム降臨――」

「――開け闇の門――」

「――フィジカルリンク!」

「――コネクトリンク!」

 

その瞬間、大地は砕け、空には暗雲が立ち込め、一瞬にして世界は荒廃した。私は風で宙に浮き、ソフィアも足元に魔法陣を張って座標を固定していた。

 

「ほう、ここまでの世界を現出するか。ソフィア、お主は手練れのようだな」

「にーはっは。あなたもね、八舞。じゃっ――」

 

ソフィアは身体の前に両手を出すと、周囲に魔法陣が展開される。その瞬間、なにかが来ると感じ警戒をする。

 

「ブラッド・フレア!」

 

ソフィアの技の発動で、魔法陣からいくたもの炎の弾が放たれる。しかし、私は慌てることも無く、周囲の風に触れるや否や吹き散らす。

 

「なにっ!私の攻撃を一蹴した!?」

「そのような攻撃では、我には届かぬぞ。次は私だな!ウインド・スピア!」

 

驚愕しているソフィアに私は周囲の風を一点収束させて放つ。ソフィアは回避するが、そんなのは予想通りだった。だから、回避した場所に先回りし、掌打を食らわせる。ソフィアの身体に直撃し、そのまま吹っ飛ばす。

 

「くっ!さすが風の使い手だね。移動速度は敵わないや」

「さて、どうするのだ?このまま蹂躙してしまうぞ」

「それじゃぁ、面白くないね。だから、こうしようかな?」

 

ソフィアは立ち上がると、その手が炎に包まれ、弓のような形になる。どうやら、小手調べは終わり、ここから本気を出すようだな。

 

「さて、私はただの魔法少女じゃないからね。手加減はできないからね」

「ああ、私も本気で行くとしよう」

「射貫け!穿て!魔王炎閃破!」

 

ソフィアは弓を引き、炎の矢を放つ。炎の矢は私の風の結界をいとも簡単に突き破り、私の周囲ごと焼き尽くす

 

「やった?いや、まだみたいだね。それが君の武器か・・・」

「ああ、これが我が天使(武器)穿つ者(エル・レエム)だ」

 

炎は穿ち、ソフィアの前に立つと、穿つ者を見てそう言った。今の攻撃は危なかった。あと一瞬顕現させるのが遅かったらそれで終わってた。と言っても、穿つ者で魔王炎閃破の軌道を逸らしたのだが、その余波までは防ぎ切れずに結構なダメージを負っちゃったけど・・・。

私は攻撃範囲内に入るために地を蹴り、ソフィアは近づかせまいと矢を放つ。チャージがなされていない為、威力はそれほどでもないから簡単に回避ができ、そこからは攻防が続いていった。

そして・・・。

 

「はぁはぁ、だいぶ魔力を使っちゃったや。次で終わらせるよ」

「ふぅー、そうだな。我もいつまでも相手にしているほど暇ではない」

 

私とソフィアは同じ結論に至った。その結果、ソフィアは炎の弓を消すと、右手を前に出し精神を集中させる。私は穿つ者を消して、地面を踏みしめる。

 

「勇者、力を貸して・・・魔神(マシン)――」

「士道、お主の技使わせてもらう。瞬閃轟爆――」

「デビル・ジャッジメントッ!」

「「なっ!!」」

 

完全に目の前の敵に集中していた私とソフィアは、突然空から降り注いだ光に対応が遅れ、もろにくらった。そのため、私たちが開いた精神世界は閉じ現実に引き戻されてしまった。

私は膝をつき、声がした方を睨む。横寄りを入れられたことに対する怒りもあるが、気配に気付けなかった不甲斐なさを恥じ、それを隠すために。

視界の先には、黒の外套を纏った人間がいた。声からして少女なのだが、夏だから黒の外套は暑そう。絶対にツッコまないけど。

 

「横槍を、入れてくれたけど、君は何者かな?」

 

同じく膝をついているソフィアも警戒しながら問う。同じくツッコむ気は無いらしいな。少女?は外套をバサッと脱ぎ去る。ゴスロリを纏い、右側の髪を団子にした同い年ぐらいの少女だった。所々に汗が見えるから相当暑かったのがうかがえる。

 

「我が名はヨハネ。天より堕ちた堕天使よ。ソフィアに八舞だったかしら?」

「ヨハネ・・・して、何ゆえ我らの戦いに入って来た?」

「そんなの簡単なこと。こんな無為な戦い、意味が無いからよ」

 

どうやら、このヨハネという少女もこっち側のようだ。それにしても、外套を脱いでも暑そうな格好だな。ソフィアも暑そうな格好だけど。

それにしても戦ってたから割って入って来たって、どんなバトルマニア?

 

「それで、あなたは何する気?」

「ふふっ、そんなの簡単なことよ。・・・こんなに人が多い場所で何してるのよ!」

「「ハッ!」」

 

ヨハネが素になってそう言ったことで、今更ながら周囲の視線が全て私たちに向いていることに気付いた。つまり、ヨハネは戦いに集中していた私たちにそれを伝えようとしたわけだ。

しかし・・・

 

「だからなんだと言うのだ?たかが人間に見られる程度、どうってこと無いのだが?」

「うんうん、私も気にしないし。それと、目立ってるのは君もだと思うよ」

「え?」

 

私たちはそんなことなど気にしなかった。どうせ、ここはコミコだからそういうパフォーマンスにしか見えないだろうし。どうやら、ヨハネはその辺は気にしてしまうタイプのようだ。

それにしても、今から仕切り直すにもヨハネの横入りで興がそがれてしまったな。

どうしたものか?まぁ、夕弦たちは士道のとこにでも戻ってるだろうから、急ぐ必要も無いか。

ここであったのも何かの縁だな。

 

「ソフィアよ、お主はどうしたい。仕切り直すか?このまま流すか?」

「そーだねー。どっちでもいいけど。都合よくいい場所も無いから今日はもういいや。いろんなとこ回りたいし」

「そうか・・・では、ヨハネよ。私たちの戦いを邪魔したからには、それなりの代償を払ってもらわねばなるまい」

「あっ、それいいねー」

「ちょっ、一体私に何をしろと・・・?」

 

さしあたって、今思いついたことを伝えようとそう前置きをすると、ソフィアものっかって来た。おそらくソフィアは私が考えてることを察している気がする。そんな反応だしね。

で、ビクついたヨハネは私が考えていることを察していないようだった。時間を見るとそれなりの時間で、このままだと同人誌とか買い損ねるな。と言う訳で、

 

「一緒に行くぞ」

「良さ気なとこに一緒に行くよー」

「へ?」

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ふむ、これがヨハネのおすすめか」

「ううん、ここは代わりに買っておいてって頼まれてるだけ。今日用事があって来れなかったの」

「変わった友達だね。壁ドンに顎クイに・・・ん?壁クイってなに?」

 

三人でいろんなブースを見て回り、興味があれば買う感じで歩き、ヨハネに連れられて来た場所は、百合を題材にしたものばかりのブースだった。どの本の表紙も二人の少女がかかれていて、なんかイチャついている感じの物ばかりだった。てっきり、ヨハネにそういう趣味があるのかと思ったら、その友人がそういう方向らしかった。美九と同じ方向なんだな。二人があったら意気投合しそうだが・・・。まっ、美九はアイドルだから会えないか。

 

「さて、買えたことだし、次はどこ行こうかなぁ」

「で、なにゆえソフィアも買っているんだ?」

「いや、イラストが私好みのやつがあったから興味本位だねぇ」

 

このブースでの買い物も終えると、何故かソフィアまで同人誌を買っていた。私も買ったけど。

時間を見ると、そろそろブースによっては完売しかねなそうな時間だった。

 

「そろそろ、完売し始める時間ね。行きたいところがあるんだけど・・・」

「私もー」

「どこに行くというのだ?」

「「本条堂」」

 

二人は口をそろえて、そう言うのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「いやー、すごく並んでるねー」

「ええ、さすがシルブレの作者ね。ここまで並んでるとは・・・」

「まぁ、三千冊部らしいけど、この数ならまだ残ってるんじゃないかな?」

「「ん?」」

 

三人で列に並んでいると、ソフィアは前がどれくらい並んでいるのか見ていた。なんとなしにそう呟いたら、二人は首を傾げる。あれ?なんか変なこと言ったかな?

 

「八舞、何故あなたは用意されてる冊数を知っているのかしら。まるで、誰かから聞いたかのような感じだけど」

「だねだね。もしかして、本条蒼二と知り合いとか?」

 

ああ、そういうことか。確かに普通、部数は知らないよな。私は七罪に聞いて知ってたんだけど。

 

「アシスタントしてる子が我が友でな。それで、偶然聞いただけだ」

「アシスタントねー」

「なるほど・・・じゃぁ、なんで並んでるの?頼めば貰えそうだけど?」

「並んで手に入れるからこそ意味があるだろう?故にそうはしなかった」

「・・・なるほど。どうやら意味のない問いだったようね」

 

どうやら、私の返答にヨハネは納得したようだった。ちなみに、七罪にも、頼んで一冊貰おうか?と聞かれたがやめておいた。やっぱり、戦利品は自力で手に入れたいし。

 

「待ち時間暇だし、二人に聞きたいんだが。二人はどこから来たんだ?」

「魔界よ」

「魔法界だよ」

 

暇だからそんなことを振ったら、即答で返された。いつもそんなことを言ってるのだろうか?というか、魔界とか魔法界ってどこ?魔王なのに魔法界なの?

疑問は尽きないけど、聞いたら負けな気がする。

 

「それで、あなたは?」

「そうだな・・・隣界だな」

「ふむ・・・ってどこよ!」

 

一応精霊ってみんな隣界に飛ばされてたわけだから言ってみたけど、うまく流してくれないか。

 

「なるほど、この世界の隣にある世界なんだね」

 

って、なんでソフィアは納得してるの?やっぱり、魔術師なんじゃ?普通ヨハネみたいな反応をするんじゃないの?でも、決定的証拠がないし・・・。

 

「ソフィアは知っているの?隣界を」

「にーはっは。魔法魔王少女をなめないでほしいな。隣界、つまり並行世界(パラレルワールド)だよ!」

「なるほど、確かにそう考えれば隣の世界になるか。で、そうなの?」

「ああ、そんなところだな。まぁ、どの辺りかは言わぬが」

 

どうやら、ソフィアは違う意味の方に解釈したみたいだな。しかし、まだ警戒をする必要があるのか?いまいち魔術師なのかわからないから扱いに困るな。まっ、たぶん違うけど。

そういった話をしていると、私たちの順番になった。

 

「ん、耶倶矢。なんで並んでるんだ?・・・ああ、自力で戦利品として手に入れたいのか。二冊とも買うでいいのか?」

「うん、それでお願い」

「はい、千円です。で、あの二人は?」

 

受付をしてた士道は私に声を掛けると、すぐに仕事に移った。七罪は見当たらないし、休憩かな?で、士道は私と話してた二人の方を見てそう聞いてきた。まぁ、あんだけ会話してれば、気にはなるよね。

 

「さっき、会ってね。で、意気投合したから一緒に居る感じ」

「なるほどな。あ、スマホはちゃんと充電しといた方がいいぞ。夕弦たち探してたし。千円お預かりです。じゃ、気が向いたら戻って来てくれよ」

「うん、そうする。もうちょい回りたいしね」

「了解。ありがとうございました」

 

商品を受け取ると、私は列を離れた。数言交わしただけだけど、まぁ話はしたし・・・ん?なんで、バッテリー?あっ、充電しとけってことね。

 

「耶倶矢ー。あの人彼氏か何かかな?」

「ねぇ、耶倶矢。あの店員って彼氏か何か?もしかして、あなたリア充なの?」

 

無事に買い終わった二人は、いきなりそんなことを聞いてきたけど、なんで私の名前・・・士道との会話聞かれたのか。それにしても、傍目からだと士道と彼氏に見えるのか?まぁ、悪い気はしないけど。

 

「残念ながら、我と士道は友達なだけだ」

「そっか、仲良さ気だからてっきりそうなのかと思ったわよ。それにしても、本条堂の店員レベル高いわね」

「あ、それ私も思った。特にウサギを頭に乗せた子可愛いね。アンゴラウサギじゃなかったけど」

 

二人から見ても、四糸乃たちは高評価のようだった。まぁ、そう思うけど。そろそろお昼の時間だけど、どうしようかな?

 

「それで、次はどうするんだ?見て回るとこは多いけど・・・」

「もちろん、このまま一緒に、って言いたいけど。私この後は用があるから、そろそろ失礼しようかな?」

「ええ、私もそろそろ失礼するわ。こういうのにあまり興味が無いからとか言って、別のとこに行ってるリトルデーモンと待ち合わせてるから」

「そうか。では、別れなのだな」

 

唐突に訪れた別れ。まぁ、会って数時間だから、そんなに感傷に浸るようなことは無いけど・・・。それでも、ここまで意気投合したのは初めてだから寂しい気もするな。

 

「では、さら――」

「おっと、それは言わせないよ」

 

さらば、と言おうとしたら、何故かソフィアに止められてしまった。何で止めたのか分かんないから困惑してたら、ソフィアは続く言葉を口にした。

 

「さらばとかバイバイは言わないよ。それを言ったら本当の別れになっちゃうから」

「・・・そうね。あなたたちとは運命の因果で、再び邂逅することになりそうだしね」

 

ソフィアが言いたいことはなんとなくわかったな。そういう別れの言葉は確かに抵抗あるし。

 

「確かにそうだな。では、続く言葉は・・・」

「「「またね」」」

 

そう言って、二人は去っていった。

その場に残った私は、二人が見えなくなるまで見届けた。堕天使ヨハネに魔法魔王少女ソフィアか。ヨハネが言ってた通り、あの二人とはまたどこかで会いそうな気がするな。

 

「さて、この後はどうしよう。もうちょい回るって士道に言っちゃたから、すぐに戻るのは嫌だし」

「提案。では、私たちと回りますよ。さんざん探したんですから」

「ん、それはごめん。それじゃ、そうしよっか」




思いついたから書いた感じです。あと、ラブライブにはまったから?
最初はヨハネも戦わせる予定でしたが、技思い付かなかったからやめました。書いてて中二なセリフムズいと改めて思った今日この頃。

次回からは七章に入ります。何度か名前が出てるキャラがでます。
ては、ノシ

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