デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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デート・ア・ライブで唯一誕生日がわかっているキャラ、琴里の誕生日なので書いたけど、三日に間に合わなかったー。

というわけで、誕生日回です。

琴里視点で話は進みます。


番外編 琴里バースデー

「ねぇ、おにーちゃん。一体どこ行くのー?」

 

八月三日、今日は私の誕生日なんだけど、急に昨日二人で出かけないかと誘ってきたのだー。たぶん私の誕生日だからだろうと思う。<ラタトスク>での仕事も多少あったんだけど、令音たちが、出来る範囲の仕事はしておくからと、今日はオフにしてくれた。ま、精霊が出たら話は別だけどねー。

 

で、目的地は着くまで秘密とかで不明だけど電車に乗って移動している。まぁ、変な場所では無いはずだから、たぶん平気だと思うけどー。

 

「最近は色々あって琴里と出かけること少なかったしな。それに、今日は琴里の誕生日だから楽しもうな」

「おぉ、何処か知らないけど楽しみなのだー」

「あっ、次の駅で降りるからな。降りる準備しといてな」

 

そういうや否や、降りる駅に着き二人で降りた。その駅の近くには大きな水族館があるらしかった。おそらくはそこが今日の目的地なんだと思った。

 

「目的地って水族館?なんで、水族館なの~」

「んと、なんとなく?」

「えー、理由ないの~」

「と言うのは冗談で、最後に水族館に琴里と行ったのがいつだったかなと思ってな。それに、水族館デートっていいと思ってな」

「え、デートって……まぁ、デートなのかもだけど……」

 

おにーちゃんはいつからこんなにさらっとデートとか言えるようになったの?昔は誰かをデートに誘うだけで緊張してたくせに。あ、私たちのせいか……。

 

そんなこんなで、たわいのない話をしながら水族館のゲートに着くと、入館料を払ってゲートをくぐった。

夏休みだから人がすごく多いかと思ったけど、多少人がいる程度で見て回るのには問題は無さそうだった。

 

「まずは何から見に行く?」

「んー、そこはエスコートしてほしいなー」

 

すると、水族館の地図を見ながらおにーちゃんはそんなことを言う。てっきり昨日誘ってきたし、場所も秘密にしてたから見る順番とかも決めているのかと思っていた。

 

「あー、俺もそうしようかと思ったんだけどな。今日は琴里の誕生日記念のデートだし、琴里の意見も取り入れたいなと思ってな。一応、プランも考えはしたぞ、うん」

「そうなんだー。まぁ、いいよ。じゃぁね……まずはここから見よっ!」

 

私は地図を見ながら考えると、たくさんの魚のいるエリアを指差した。最初からイルカやシャチをとも考えたけど、ショーはもう少ししたらのようだしね。

それに、イルカのいる場所の道中にあるからちょうどよかった。

 

「シーエリアか。いいかもな。出るころにはちょうどイルカのショーの時間になるし」

「おぉ、おにーちゃんが私の考えを理解しているのだー」

「……なんか、俺の扱いひどくないか?」

「気のせい、気のせいー。早く行くのだー」

 

おにーちゃんの手を引いて、私は歩き出すと、まぁいっかみたいな表情をしておにーちゃんも歩き出した。

 

 

 

~☆~

 

 

 

ドバシャーンッ

 

「キャッ!」

 

イルカが大ジャンプしたせいで大量の水しぶきが上がり、その水が私に少しかかったから、私はそんな声を上げてしまった。

 

シーエリアを見て回った後、予想通りイルカのショーを見るのにちょうどいい時間になっていた。イルカのショーが見れる場所に着くと、そこそこ人がいて私たちはイルカのがジャンプしても水は飛んでこないだろう席に腰を下ろして見ていたら、ショーのラストの大ジャンプと同時に運悪く風が吹いて今に至った。

 

「大丈夫か?琴里?」

 

私が声を上げたことで、心配そうな声を掛けられてしまった。ちょっと驚いただけなのにねー。私はポケットからハンカチを出して、濡れた場所を叩いて水分を取る。

 

「だいじょーぶだよー。こうすれば乾くでしょ?で、なんでおにーちゃんは濡れてないの?」

「さあな。運が良かったんだと思うけど……」

「ほへー、謎だねー。ま、いっか」

 

なんでおにーちゃんにはかからなかったのか謎だけど、考えても分かんないしと置いておく。

それに、ある程度水分が取れたことだし、叩くのを止めて立ち上がる。

 

「おにーちゃん、行こっ」

「ん、りょうかーい」

 

おにーちゃんも立ち上がると、私は手を繋いで歩き始める。ま、デートだから手をつなぐのは普通だよねー。

ということで、次に向かうのは水生生物たちに触れるというエリアだった。近かったのもあるけど、屋外なら濡れた場所も完全に乾くしねー。

そんな理由もあり、たどり着くと早速触り始める。

あー、外に居る時間が長かったのか毛は濡れてなくてフサフサしてる。あー気持ちいー。

そんな感じでお腹の辺りの毛をモフモフしていると、おにーちゃんが声を掛けてきた。あ、完全に私の世界に入ってたや。

 

「おーい、琴里。やたらとモフモフしてるけど気にいったのか?カワウソ」

「うん、背中の毛はちょっと硬いけどお腹の辺りは気持ちいいよー」

「そっか。それにしても何で水族館にカワウソ?カワウソって動物園に居るイメージだったけど……」

「泳ぐんだしいいんじゃないのー?ラッコとかペンギンだってこの水族館にいるんだし。あたっ」

 

カワウソをモフりながら会話をしていたら、モフりすぎたのか手にパンチを貰ってしまった。うう、触り過ぎてご機嫌斜めかー。ま、だいぶモフったし、満足かな?

 

 

 

~☆~

 

 

 

あの後、何種類もの魚を触ったり、見て回ったりして、お店でお昼を食べた後、深海に棲んでいる生物のコーナーに来た。ここは屋内で深海感を出すためか少し暗く、涼しかった、外はだいぶ暑かったからちょうどよかった。

ここには深海生物のほかに、暑い場所が苦手なペンギンもいた。

 

「んー、さすがにペンギンには触れないのかー」

「そりゃ無理だろ。人肌が駄目かもだし、くちばしで突っつかれて怪我したら一大事だろ」

「あー、確かにあり得そうかもねー。じゃ、ここは我慢かな?それにしてもペンギンもいいよねー」

 

ペンギンに触れないのは残念だけど、ペンギンの為にもここは我慢だよねー。ペンギンはカワウソと違った感じで気持ちよさそうなんだけどなー。

そう思いながら、ペンギンから離れ、他のも見て回る。

深海生物って何か怖いのがいるイメージなんだよなー。そんなことを考えていたら、

 

「「「シーラ! |(>₋<)| 」」」

「「「カンス! \(>O<)/ 」」」

 

「ん?」

「うわッ!」

 

どこからか、そんな三人の声が聞こえてきて、突然すぎて驚いてしまった。なんでおにーちゃんはそんなに驚いていないわけ?イミワカンナイよー。

てか、今の声の人たちも一体何がしたかったのー?

 

「いやー、今のは何だったんだろな?こんな静かな場所だから、驚くよな」

「おにーちゃんそんな驚いてたー?」

「あー、いや。……ちょっと考え事してたから反応が鈍くなってた……すまん」

 

おにーちゃんが驚いていない訳は分かったけど、考え事って何だろ?と思っていたら、何か逃げるように同年代くらいの女の子三人がせかせかと逃げるように去っていった。

今の子たちがさっきの声を上げていたような感じだった。

 

「今のって……たぶん、さっきのだよな」

「だねー。奥にシーラカンスでも泳いでるのかな?」

「いや、さすがに泳いでいないだろ。といってもシーラカンスの何かしらはあるんだろうけど、標本かなんかだろうな」

「じゃ、見に行こー。私シーラカンス見てみたいし」

 

そう言って、奥の方に進むとそこには、

 

「へー、本当にシーラカンスがいるのか」

「ほへー、なんか思ってたより大きいね」

 

シーランスの標本がでかでかとあった。

たぶん、原寸大サイズだと思う。顔とかもリアルだなー、というか怖い!

 

「んー、これを見てなんであんなにテンションが高くなったんだろ?わからん」

「人それぞれだよー。それはたぶんだけどー」

 

おにーちゃんはシーラカンスを見ながら腕を組んでそんなことを言っていた。たしかにそんなにテンションは上がんないよねー。

 

 

 

~☆~

 

 

全エリアを制覇して閉館時刻になると、私たちは水族館を出て帰路についた。

そして今は電車を降り、天宮市に戻って来ていた。

 

「おにーちゃん、今日は楽しかったね」

「あぁ、久しぶりに水族館来たけど、楽しめたよ」

「えー、夕弦の時に行ってたからそこまでじゃないの?」

「あれも二か月ぐらい前だし、違う水族館だからいいんだよ」

 

おにーちゃんは気まずそうに言ったそっぽを向いてしまった。今のは意地悪だったかな?私はそう思うと悪いことした気がして罪悪感がー。

 

「でも、おにーちゃんが楽しめたのなら私は気にしないよ。それに、こんな誕生日プレゼントも貰っちゃったしね」

 

私はそう言ってバッグにヒョコッと頭を出しているカワウソのぬいぐるみを見せる。てっきりこのデートが誕生日プレゼントだと思ってたけど、形に残るモノもと言って、お土産ショップで買ってくれた。

 

「そう言ってくれると、俺も少し安心かな。あ、そうだ。家に帰る前に精霊荘寄っていいか?お土産渡しちゃいたいし」

「もー、別にいいけど。デート中にそういうこと言っちゃだめだよー。私だからいいけど他の皆にはそんなことしちゃだめだよ」

「あぁ、そうするよ。と言ってる間に着いたな」

 

そう言ってる間に着いてしまい、これで今日の楽しい時間も終わりなんだなと実感してしまう。てっきり、何処かで外食とかも思ったけど、おにーちゃんが家でいいだろとか言うんだもん。

とか思っていたら、おにーちゃんは精霊荘のドアに手をかけていた。すると、私が立ち止っていることに気付いたのか、振り向いた。

 

「ん?どうしたんだ、琴里?中に入らないのか?」

「あ、うん。入る入るー」

 

おにーちゃんは私の気持ちに気付いていないのかそんなことを言っていた。少しは気にして欲しいな。ま、鈍感なのがおにーちゃんなんだけどね。

とりあえず返事をしてドアに寄る。

あれ?だいぶ暗くなってるのん何でこんな暗いんだろ?電気もついてないから誰もいないんじゃ。

と、今更気づくが、おにーちゃんは気づいていないのか、平然とドアに手をかけ、開けた。

え?誰もいないのに何で鍵あいてるの?

そんなことを思い、おにーちゃんが中に入り、私も中に入ると、

 

パンッ!パンッ!

 

「「「「「「「「『『誕生日おめでとう、琴里(さん)(ちゃん)!』』」」」」」」」」

 

クラッカーの音が響き、電気がつくとそこには精霊荘の皆がいた。

 

「さぁさぁ、中には言ってぇ。誕生日パーティーの始まりだよぉ」

 

「あ、うん」

 

予想外のことに生返事をしてしまった。

てっきり、私の誕生日はもう終わったと思ったけど、どうやらまだ終わらないようだった。

 

「さ、中に入ろうぜ。琴里」

「うん!」

 

今年は今まで以上に楽しい誕生日になりそうだと思いながら、私は皆のもとに歩を進めた。




一日で書こうとすると、話が浮かばないですねー。

あ、この水族館は架空の水族館です。決して、静岡とかじゃないです。

では、次は本編で。ノシ


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