さっき書いていましたが、七日中には間に合わなかったですね。
あと、いつもよりは短めです。
「皆まだかなー。ま、準備とかあるからこんなもんか」
「まぁ、そんなモノだと思いますよ。それにしても、すぐ裏なんですから、十分前に来なくてもいいのでは?」
「いいんじゃないの?遅れるよりはマシでしょ」
七月七日、七夕。
士道はみんなと一緒に近くの七夕祭りに行くことになり、昼は学校があるので、放課後の少し涼しくなった十八時頃に行こうということで、今は皆が精霊荘から出てくるのを待っていた。
ちなみに五河家に住んでる、琴里と真那も一緒に待っていた。
真那は精霊荘が出来たと同時に、五河家にある空き部屋に転がり込んできた。理由としては兄妹が離れて暮らすのは変、とのことだった。
「やっほぉ、士道君待ったぁ?」
「ごめん待たしちゃった?」
「いや、時間前だし問題ないよ。それに、さっき来たばかりだし。それで、他のみんなは?」
すると、精霊荘の扉が開き。千花と七罪が出て来て、士道は腕時計を見て返答をする。今は十七時五十分なので、士道が言ったとおり問題は無かった。
そんで、士道の問いには、再び扉が開かれる形で返ってきた。
「星々が我らを呼んでおるぞ!」
「謝辞。お待たせしました」
次いで、耶倶矢と夕弦がそう言いながら出てきた。
ちなみに折紙は家から精霊荘を通ってくると遠回りなので現地集合になった。
「じゃ、とりあえず行くか」
言って、七人は歩き出した。
~☆~
七夕祭りの会場に着くと、多くの人がおり、皆で行動してたら誰かしらはぐれそうだなと思っていたりした。
「で、なんで初っ端から、皆とはぐれてるんだろ?」
士道の予想は見事に当たり、いつの間にかみんなとはぐれていた。士道が。
着いてすぐは、皆といたはずなのだが、人込みに飲まれ、気づいた時には今の状況になっていた。
皆は平気かな?と思いながら、士道は携帯をポッケから出す。
「鞠亜、皆の場所分かるか?」
『大体の場所はわかるのですが、大まかなのとこの人込みでは厳しいかと』
鞠亜に聞いてみるが、やはりこの人混みでは厳しいようだった。
「ま、歩いて探すしかないか」
『そうですね。一応、近くには居るようなので、人混みに突入すれば……あっ』
士道は再び人混みに突入しようとすると、襟首を誰かに捕まれ、首が締まりかける。
「ぐふっ……げほっ、げほっ。首締まるかと思った」
せき込みながら、後ろを振り向くと、
「グフですって、じゃぁ、ホバーで移動していなさいよ」
「確認。ホバー移動は、ドムでは?」
「今のは、士道の声も重かったから、重量型のはず」
そこには、琴里、夕弦、折紙がいた。どうやら、運良く士道を見つけたようだった。
本当に運なのかは謎だが。
「とりあえず、三人か。早く見つけないとな」
「まぁ、あの四人なら多分一緒でしょ。それに、合流してもすぐはぐれる気がするから、合流地点を決めてメールを送っておきましょ」
「同意。それに、もう少し暗くなったらあそこに行くのですし、何か食べる物を調達するのもいいかも知れません」
「そうすべき。今すぐメールを……」
琴里たちは、そう言うや否や、折紙が連絡を取ろうと携帯を取り出す。
『千花の携帯に行って連絡を取ってきました。四人とも一緒のようで、今の話を伝えておきました。一時間後にあそこで落ち合おうとのことです』
すると、仕事が早い鞠亜はいつの間にか千花に連絡を取っていて、そんなことを言う。
仕事が早いなー、と思いながら四人は屋台を見て回ることになった。
焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、星型クッキー、笹かまぼこなどなど色々な物を買っていった。
だいぶ買ったな、と思いながら歩を進めると、短冊コーナーが目に入ってきた。
「提案。まだ時間もありますし、書いて行きませんか?」
夕弦がそう提案し、三人も同意して、短冊コーナーに行く。
一応、何を書いたかは教えないということにして、各々書き始める。
何を書こうか悩み、また“空間震が無くなりますように”と書くと、適当なところに括り付けていると、近くにあった短冊の内容が目に入る
“人見知りがある程度改善できますように”
“皆さんが健康に過ごせますよーに”
“闇の力が高まりますように”
“今年こそ彼女をぉ”
“世界から■■がいなくなりますように”
自分のことから、周りの人と様々だなと思うと同時に、なんとなく誰が書いたか分かるような内容もあった。
(最後のは誰が書いたのだろうか?そして、何を消したのだろうか?)
そんな感じで、三人も書き終ったようで笹に括り付けていた。
「さて、そろそろあそこに行けばいい感じの時間のはず」
「だな。もしかしたらもう待ってるかも知れないし」
~☆~
「遅かったのー、四人とも」
「だねぇ。あ、もう始めてるよぉ。モグモグ」
七夕なら、やはり七夕祭りもいいが、天の川を見たいという意見もあったので、辺りの光の少ない高台公園に着くと、もう四人は来ており、レジャーシートを敷いて座って屋台で買った物を食べていた。
ついでに言えば、士道たちは集合時間の五分前には着いたので、別に遅れてはいない。
「遅れてないけどなー。あと、それは見ればわかる」
まさか、先に食べ始めているとは思わなかったが、とりあえずレジャーシートに座り、買ってきた物を置く。
すると、皆も座り、各々食べ物を手に取る。
「ねえ、これってたこ焼きだよね?何かゲテモノは入ってないよね?」
「普通のたこ焼きだよ。さすがにゲテモノは買わないよ」
七罪がたこ焼きを見て、恐る恐る尋ねる。
どうやら、たこ焼きパーティーの件を引きずっているようだった。
そう答えると、七罪は安心したようでたこ焼きを口に運ぶ。
「それにしても、今日は晴れてよかったわね。天の川も他の星も綺麗に見えるし」
「であるな。そう言えば、あまり星は見たことが無かった気がするな」
食べ物がだいぶ減った頃、琴里は空を見上げながらそう呟いた。
「あそこで特に輝いているのが、わし座のアルタイル、こと座のベガ、はくちょう座のデネブで、あれを結んだものを夏の大三角形と言う」
「あぁ、なるほどね。彦星がアルタイルで、織姫がベガだっけぇ」
「確かそうだったはずですよ。で、兄様的にこのメンバーだと誰が織姫だと思いますか?」
和やかな感じでみんな話してるなぁ、と思っていたら唐突に真那からキラーパスが飛んできた。
(この質問で、一人選んだら、他の皆の機嫌が悪くなる。でも、変な答えを返してもダメな気がする。どうしたらいいんだ?)
そんな悩みを持ち考える。
「このメンバーだといないな。別に一年に一度じゃなくて毎日会えるんだし」
「むー、なんか平和的に?返してきましたね。昔だったら、あたふたして慌てたでしょうに」
思いついた答えを返すと、真那は想定外といった感じの表情になっていた。
しかし、皆不満そうな顔はしなかったから、これで良かったのだと士道は思う。
(てか、一体どんな返しを期待していたのだろ?)
「星は綺麗。で、士道的にこの中で誰が一番きれい?」
すると、折紙が士道に向けてそう問う。しかも、皆と言う選択肢を潰しに来ている辺りが折紙らしい。
「一番かー。みんなそれぞれ違った綺麗っていうか、可愛い所があるから一概に選ぶのは無理だ。それが俺の答えかな」
それでも、士道としては誰かを選ぶのはできないので、そう答えを出す。
「ま、士道がそう言うのは、みんな分かっていたわ」
「そうだよねぇ、それでどうするぅ?だいぶ暗くなってきたしぃ、そろそろお開きにするぅ?」
「肯定。そうしましょう。あまり遅くまでいるのも、身体を壊しかねないので」
千花のお開きにしようという提案で、お開きとなった。
ゴミを片付け、レジャーシートを畳み、家に向かって歩き出すと、士道のそばに千花が寄る。皆は少し前で喋りながら歩いていた。
「士道君って、皆に対して優しいよねぇ。でも、最後の質問にはちゃんと一人を選んで欲しかったかなぁ?」
千花は首を傾げながらそう言うと、皆のもとに走って行ってしまったのだった。
まともに天の川を見たことも無く、七夕祭り的なモノも行かないので全く七夕の思い出が無い。
そして、今後はこういう話は事前に作っていこうと思いました。
次は……海の日に今出てるメンバーで海に行くとか、ですかね?
書くかは不明です。というか、海に行った記憶があんましないので、描写が厳しい気がします。
あと、もっとメンバーが増えた後の方がいい気もするので。