インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~   作:S-MIST

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また少~しずつきな臭くなってきました。



第66話 動き出した開発と厄介事

 

 打鉄弐式の開発で晶と簪がまず取り組んだのは、機体本体を格闘戦用の機体として仕上げる事だった。

 その大きな理由として、“戦闘の初期は火力戦を行う”という基本コンセプトの根幹を成す、専用武装の開発が遅れているのがあった。

 一応シミュレーター上でデータ取りが出来ない訳ではないが、ハードウェアが完成していない状態では、どうしても予測値が甘くなってしまう。なのでそちらは倉持技研に催促するに留め、仕上げられるところから仕上げていく事にしたのだ。

 なお倉持技研への催促だが、晶の与り知らぬところで、ちょっとしたイベントがあった。

 それは彼女が、直接電話をした時の事である。

 

『――――――ですので、“春雷(しゅんらい)”と“山嵐(やまあらし)”は、いつ頃引き渡してもらえるのでしょうか?』

『そう言われましても、こちらも最大限努力はしていますが、別プロジェクトに人員が取られていまして、いつとまでは………………正直お答え出来ません』

 

 倉持の人間は丁寧に対応していたが、その意図は明白だった

 日本の次期主力ISを預かる簪に対して、「別プロジェクトに人員が取られて」などと普通なら言えるはずが無い。

 にも関わらず言ったという事は、返された台詞の本当の意味は、「白式・雪羅の解析に忙しいんだから黙ってろ」である。

 今までならここで成す術もなく、「分かりました。なるべく早くお願いします」と引き下がるしか出来なかった。

 そして今回も同じようになるはずであった。

 だが丁度その時、晶がハンガーに手伝いにきた事で、別の未来が引き寄せられた。

 

『分かりました。なるべく早く――――――あっ、薙原さん。すいません。お手伝いに来てくれた人がいますので、今日はこれで失礼します』

『えっ!? 薙原? ちょっ、まっ』

 

 彼女は相手の言葉を聞く事無く、電話を切ってしまった。

 というのもドラム缶型作業用ロボ(テックボット)によって運び込まれてきた、人間大の大きさのコンテナに目を奪われていたからだ。

 昨日までの会話で、兵器というものに造詣が深いのは分かっていた。

 そんな人間が持ってきたコンテナだ。興味を惹かれないはずがない。

 もっともそのとばっちりを受けた倉持技研の人間は、「もしかして大失態をしたのでは?」という不安に駆られて大変な事になっていたが、まぁそんなのは簪の知った事ではない。

 

「あの、それは何ですか?」

「これか? 打鉄弐式の調整をするのに使おうと思っている玩具。単純に近接格闘戦のモーションを取るだけなら、これで十分。というか、これ以上の機体は存在しない」

「存在しない? NEXTよりもですか?」

 

 彼女としては冗談のつもりだったが、大真面目に晶が肯くので首を傾げてしまった。

 最強の単体戦力以上に適した機体とは、どんな機体だろうか?

 至極当然の疑問が脳裏をよぎる。

 

「ああ。弐式の方にリミッターをかけてもらう事になるが、近接データを取るだけならこっちの方が良い」

 

 そうしてコンテナの開閉スイッチが押されると、中に収められていた機体がリフトアップ。

 姿を現したのは、1体の黒いパワードスーツであった。

 

「これ、武御雷ですか?」

「そう。学園に配備されているもののプロトタイプ。とは言っても、学園に卸す前の最終評価試験に使ったやつだから、性能は学園に配備されているタイプと大差ない。むしろ色々とチューニングしている分、少し上かもしれないな」

「でも、こっちはISですよ」

「だから、近接格闘モーションを取るだけならって話さ。幾ら俺でも、パワードスーツでISとは張り合えない。ちなみにこいつの近接戦能力だが――――――」

 

 晶は簪の眼前に空間ウインドウを展開し、武御雷のスペックデータを表示させた。

 

「なに、コレ…………」

 

 絶句する彼女だが、無理も無い話だった。

 何せこの機体の元ネタは、『Muv-Luv Alternative』に出てくる戦術機、Type-00“武御雷”。

 究極の近接格闘戦機と言われている、あの武御雷だ。

 大体、装備からして既におかしい。

 つま先・踵・脛・腰部フロントアーマー・指先・肩部装甲・頭部センサーマストに仕込まれたブレードエッジ装甲。

 加えて前腕部装甲には、手側に1本、肘側に2本のポップアップ型の短刀が仕込まれている。

 更に言えば、装備している長刀()の能力を最大限に生かせるよう、機体各部が調整されていた。

 つまりこの機体を近接格闘戦で相手にする場合、一挙手一投足の1つでも見落とせば、即斬撃が飛んでくるという事だった。

 

「な、近接格闘戦のデータ収集にはもってこいの相手だろう?」

「た、確かに。弐式の方にリミッターをかけて速度域を合わせれば、データ収集を行う相手としては申し分なさそうです」

「じゃあ納得してくれたところで早速やりたいんだけど、弐式の方はどうかな?」

「機体本体の修理は完了しています。ですがブースター制御用のソフトが未完成で……………」

「300km前後の速度域なら?」

「それくらいなら、いけます」

「なら、データ収集を先にやらないか? まっさらな状態からプログラム組むより、やり易くなると思うんだが」

「そうですね。挙動データがあった方が、組み易いと思います」

 

 こうして打鉄弐式の開発が動き出したその頃――――――。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ――――――生徒会長室で更識楯無は、1人静かに考え事をしていた。

 

(…………武御雷(パワードスーツ)の技術情報開示請求。ついに来たわね。でもどうしようかしら?)

 

 これは本来IS学園側が処理すべき案件で、生徒会長とはいえ、ただの一生徒に処理させるような案件ではなかった。

 だが何故彼女が担当しているのかというと、それは束博士が学園に住み着いて以降、学園側としても対応に困る案件が、大量に発生している事にあった。

 持ち込まれる問題はどれもこれも、とても大きい波風が立ちそうなものばかり。対応に神経をすり減らす事この上ない。

 そんな日々が続いたとある日、上層部の1人が、ヤケクソ気味に呟いたのが切っ掛けだった。

 

「あいつらの問題なんだからさ、あいつらに解決してもらわないか?」

「博士にやらせてみろ。どんな被害が出るか分からんぞ。そもそも博士がまともに対応するとは思えない」

「薙原は? あいつならまともだろう?」

「あいつにやらせたら、逆に問題作って持ち込んでくる奴が増えそうだ。特に持ち込んでくる女性が増えるんじゃないか?」

「チッ…………なら楯無はどうだ? あいつなら上手く処理出来そうじゃないか?」

「ああ、なるほど。一回やらせてみるか」

 

 裏事情に通じる更識家当主なら、上手く解決出来るだろう。

 そんな思惑の元に持ち込まれた案件を、楯無は期待されていた以上に、上手く解決していった。

 結果、IS学園上層部は徐々に、彼女に仕事を回すようになる。

 そういった経緯から今回持ち込まれた案件は、武御雷(パワードスーツ)の技術情報開示請求。

 元々予想されていた事ではあったし、学園に専用配備された当初から、そのような声は上がっていた。

 だが万能の超兵器(IS)という存在があったせいか、その声は大きくなかった。

 極端な言い方をしてしまえば、パワードスーツはISの添え物程度にしか、認識されていなかったのだ。

 だが薙原晶がドイツで受けた緊急ミッション。この一件により、世間はパワードスーツの可能性に気付いてしまった。

 何せ単純計算で戦力比37:1で死亡者0という驚異的戦果だ。しかもこの数字は、単純な歩兵同士のぶつかり合いのみを表したもので、主力戦車(MBT)を含む、一線級機甲戦力を計算に含めていない。

 そしてこうなると、人々の思考は至極単純で分かり易い経過を辿る。

 すなわち、広く販売される撃震ですらこれほどの性能。ならばIS学園に専用配備されている武御雷は、どれほどのものだろうか、というものだ。結果、様々な方面から緩やかに、IS学園に圧力が掛かり始めていた。

 無論建前上、この学園はあらゆる企業や国家機関に属していない。とは言え、何のしがらみも無い訳でもない。協力してくれている各種企業の存在があって、初めて円滑に運営できているのだ。

 よって1社2社程度ならまだしも、その企業群そのものから要請されてしまえば、完全に断るのは難しいと言わざるをえない。

 

(だけど、私はこれを跳ね除けなきゃいけない)

 

 理由は幾つかある。

 1つは作業用の側面を持つ撃震と違い、武御雷は純戦闘用であるという事。下手に技術公開などしようものなら、それはある意味テロ行為と大差ない。

 1つはIS学園内に、篠ノ之束博士が住んでいるという事。何せ彼女はISコアの創造者であり、世界各国が第三世代機の実用化に躍起になっている中、早々に第四世代機の実用化に成功した人間でもある。加えて、パワードスーツという新たな可能性をも世に送り出している。そんな重要人物がいる場所の警備だ。最高性能機というアドバンテージを手放せる訳がない。

 

(だから断るのは確定。難しいけど、出来なくはない。問題なのは――――――)

 

 法を守り、真っ当な企業活動をする者達は大丈夫だろう。

 こちらが武御雷を販売するような暴挙でも犯さない限り、素直に引き下がってくれるはずだ。

 少々強行な考えを持つ者達も大丈夫だろう。

 敵対企業や社内のライバルを出し抜けるような情報を提供してやれば、後は勝手に足の引っ張り合いをしてくれる。

 問題は、イリーガルな手段を厭わない者達。

 

ここ(IS学園)に手を出すリスクがどれほどのものか、真っ当な感性を持っていれば分かると思うのだけど…………全員がそんな理性的な判断を下せたら、裏社会なんて存在しないわよね)

 

 よって楯無は警備体制を強化。万一に備える事としたのだが、彼女は安心出来なかった。むしろ不安であった。

 というのも、権力者に要求を呑ませる為に肉親を使うなんて、極々自然なありふれた手段。

 そして今のIS学園において、この手の判断を誰がしているかは、聡い者ならもう気付いているだろう。それが分かっていながら、簪の周囲に護衛を配置出来なかったからだ。

 何故なら、更識簪は日本代表候補生。何も問題が起きていない現状で大々的に護衛を貼り付ければ、他国の専用機持ちも同様に扱わなければならなくなる。そして他国にそれを許せば、送り込まれてくる護衛は“あらゆる意味で”最精鋭だろう。学園内でどんな活動をされるか、分かったものじゃない。

 また更識の人員を密かに使おうにも、組織が急拡大している今、妹の護衛を任せられるような信用出来る人材は、全て重要なポストについている。妹の為だけにそれらを引き戻すなど、組織の長として出来る訳がない。

 だから今簪は、“IS学園の一生徒”という立場でしか護られていないのだ。

 個人をピンポイントで狙われたら、まず防ぎきれない。

 

(幸い、今は晶が近くにいるけど……………)

 

 妹の安全のみを考えるなら、事情を話して協力してもらうべきだろう。

 だが彼女としては、安易に頼るような真似はしたくなかった。それは、妹が一番嫌う特別扱いに他ならないから。今開発を手伝ってくれているのだって、望外の幸運なのだ。これ以上を望むなど贅沢に過ぎる。

 

(だけど…………)

 

 しかし彼女も人の子。最愛の妹に対する万一の可能性を捨てきれない。

 そうして暫し悩んだ後、ふと昔の事を思い出した。

 確か山田先生が誘拐された時に、束とした話だ。

 

『――――――その人は確保してあるの?』

『してるみたいだけど、お仕事の関係上、顔は晒したくないんだって』

『なら何処か安全な場所に、その人を置いておいて頂戴。こちらから回収に行くわ』

 

 あの時、薙原晶(NEXT)は動いていない。

 という事は間違いなく、山田先生を確保したのは別の人間だ。

 そして束と仕事上の付き合いがあるという時点で、相当な実力と信用が伺える。

 

(…………もしかしたら、使えるかしら?)

 

 束の子飼いであるなら、難しいかもしれない。

 だがもしもフリーランスだというなら、コンタクトを取る価値はあるかもしれない。

 数瞬迷った楯無は、意を決し束をコール。

 

『私に連絡とは珍しいね。何の用?』

『1人紹介して欲しい人がいるのだけど』

『紹介? 私に? 何言ってるのさ。私に紹介出来る程の人脈なんて無いよ。有象無象の凡人に興味は無いからね』

『有象無象じゃないわよ。山田先生が誘拐された時に、更識より早く見つけた人がいるでしょう。その人を紹介してくれないかしら』

『……………え?』

 

 束は一瞬、対応に困ってしまった。

 あの時に動いていたのは人じゃなくてジャック君(※1)、AIだ。

 

『勿論、顔を晒したくないという向こうの意思は尊重するわ。連絡先だけでいいから、教えてくれないかしら』

 

 教えられるはずがない。

 自律行動型のAIなど、まだまだ世に出せるものではないのだ。

 だが晶との付き合いを通して少しずつ束も変わってきているのか、無下に断るような真似はしなかった。

 

『とりあえず、何を依頼したいのか教えてくれないかな。向こうも仕事は選ぶからね。変なものならお断りだよ』

『そう………よね』

 

 そうして事情を説明したところ、楯無としては少々拍子抜けするほど、意外で普通な言葉が返ってきた。

 

『――――――つまり妹が心配だから、異常が無いかどうか秘密裏に見張れる人材が欲しいと』

『そうよ』

『で、更識の人間を使おうにも、信用出来る人間はフル稼働中で使えないと』

『そうよ』

『で、妹を抱きしめてモフモフして抱き枕にしたいと』

『そう――――――って違うわよ!!』

『え~違うの? 残念。まぁいいや。妹を心配する気持ちは分からなくもないから、私から依頼しといてあげる。そうだね………今抱えてる仕事もあると思うから、二日後くらいから開始で良い?』

『それで頼むわ。依頼料は幾らかしら?』

『そうね――――――』

 

 こうしてジャック君は後日、メンテナンスという理由で山田先生から晶を経由して返却され、謎のフリーランスとして新たなミッションに挑むのであった。

 一方その頃、アリーナでは――――――。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ――――――晶と簪が、それぞれ武御雷と打鉄弐式を装着して向かい合い、近接格闘戦のデータ収集を行っていた。

 

(本当、全身凶器!!)

 

 事前にスペックデータは見せてもらっていたが、簪は心のどこかで所詮パワードスーツと思っていた。

 だが機体にリミッターを掛けて、同じ速度域で戦ってみればどうだ?

 

(なんて戦い辛い!!)

 

 一般的な駆け引きが全く通用しない。

 全身に仕込まれたブレードエッジ装甲が、唯の蹴りや体当たりすらも斬撃に変えてしまっているおかげで、全く気が抜けない。四肢の挙動を1つでも見落とせば、その瞬間に致命的な斬撃が放たれてくる。

 

(でも確かに、これならデータ収集にピッタリ)

 

 そう思った時、彼女の脳裏からは相手がパワードスーツだ、などという(おご)りは消えうせていた。

 振るわれる超振動薙刀、“夢現”のスピードが徐々に上がっていく。

 対する晶は手にした長刀で防ぐが、パワードスーツ対ISという純然たる、そして隔絶した性能差は埋め難かった。

 反応が早い。踏み込みが早い。切り返しが早い。

 全身のブレードエッジ装甲をも使い辛うじて刃を受け流しているが、それも致命傷を防げている程度。機体が瞬く間に傷だらけになっていく。

 だが晶は焦らなかった。何せ相手は開発中でリミッター付きとはいえ、万能の超兵器(IS)。この結果は至極真っ当なものだ。むしろ致命傷を避けられているという一点において、どれほど打鉄弐式が未完成かが伺える。

 だが、致命傷を避けられている理由はもう1つあった。

 

(何て素直な太刀筋)

 

 強化人間の思考速度に織斑千冬との戦闘経験。この2つが合わさった事により、ISという遥かな格上に対する先読みを可能としていた。

 というのも、機体性能を限界まで使い切るのが、織斑千冬と戦う最低条件。必然的に戦いは、十手先、二十手先を読むという思考戦闘になる。

 そんな相手に比べれば、更識簪の太刀筋は何と読み易い事か。確かに日本代表候補生に選ばれるだけはあるが、上手いだけで怖くはない。

 故に簪は攻めきる事が出来ず、晶は最後まで粘りきった。

 だがその代償として、ハンガーに戻った彼は愕然とする事になった。

 パワードスーツ(武御雷)の外見がボロボロなのはまだ良い。しかし最初から最後まで出力全開でブン回した跳躍ユニットは、内部が焼け付き、修理よりも交換した方が早いという有様。全身の人工筋肉群は酷使の余り、至る所で繊維が引きちぎれ、あげくフレームが歪んでしまっている。

 なので、今彼の頭の中にあるのは、「ヤバイ。これ、束に何て言おう」という事だけだった。

 というのも、確かにこの武御雷は晶の私物でメンテナンスも自分自身でしているが、ここまで壊れると彼の手には余る。やって出来ない事は無いだろうが、100%元通りには出来ないだろう。となれば束の手を借りて修理するしかない訳だが………彼女は元々、開発に手を貸す事に良い顔をしていない。そこに「開発で壊したから直してくれ」なんて言えるだろうか?

 

(言えないよなぁ……)

 

 元々、こんなに壊す気は無かったのだ。

 適当なところで切り上げるつもりだったのだが、“格上に挑む”というのが面白くて、ついついやってしまった。

 

(ああ。本当にどうしよう)

 

 割と本気で悩む晶。そんな彼を救ったのは、或いは突き落としたのは、たまたま手伝いに来ていた、簪と同室の子だった。

 

「ねぇ簪ちゃん。お世話になったんだから直してあげたら? なんか固まってるよ」

 

 今の晶を現すなら、家に帰れば怒られるのが分かっている子供だろうか?

 しかもどうやっても避けられない未来を、どうにかして避けようとして、やっぱり避けられない感じの。

 

「あの、晶さん。もし良かったら私に直させてもらっても良いですか?」

「いや、でも弐式の開発で忙しいだろう。そんな手間をかけさせる訳にも」

「手伝ってくれたお礼です」

「そ、そうか。なら、頼んでも良いかな」

「はい。任されました」

 

 人前では余り見せる事の無い、とても良い笑顔で答える簪。

 こうして束に怒られたく無い一心で提案に飛び付いてしまった晶だが、実はこれこそが最悪の選択であった。

 戦闘データとか、機密とか、そういう意味ででは無い。この男、そういう意味では相手を選ぶしセキュリティも欠かさない。では何が問題かと言うと、“晶が扱う機体を他人に修理させた”という一点に尽きる。

 仮に更識簪が100%完璧で完全な修理をしようが、篠ノ之束からしてみれば、自分の男の機体を他の女が触ったというだけで憤慨ものなのだ。

 そして更に言えば、彼女はしっかりと開発光景をモニターしていた。

 つまり言い逃れは不可能で、この時点で彼の帰宅後の運命は、色々な意味で“たっぷり”と“搾られる”以外には無くなっていたのだった――――――。

 

 

 

 第67話に続く

 

 ※1:ジャック君

  第41~42話登場の半おりきゃら(?)

  発案者:薙原晶 製作者:篠ノ之束

  

  普段はバケツサイズのヘッドパーツ(H07-CRICKET)にドラエモンのような手足という姿で、

  山田先生宅の家事を一手に引き受けるマスコット。

  だが非常時はドラエモンのような手足が消えて、戦闘用ボディを拡張領域(パススロット)からコール。

  フォックス・アイとなる。

  勿論WH04HL-KRSW(カラサワ)装備なので、火力がワリと半端無かったりする。

 

 

 




ジャック君、作者自身本編では出てこないと思っていたのですが、何の因果か楯無さん経由で引っ張りだされてしまいました。
さてはて、これからどうなる事やら…………。

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