桜セイバー in Fate/EXTRA   作:日向辰巳

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みなさんfgoのイベントやりましたか?個人的にはシナリオは面白かったです。あと言いたいことと言えば金時強すぎませんかねぇ…もう溜め息しかでない。
まあ強いのはいいんですが沖田が食われかけてるような気が…
ま、まあでも?可愛さなら断然沖田ですし…(そもそも男と女という)
沖田の可愛さは世界一ィ!


第2幕『真名』

レオの勇ましい声が生徒会室に鳴り響いた。その身は若き少年の姿であろうと不思議と力を感じさせる、頼もしい声だった。

 

「…ですが、一つだけ問題があります」

 

問題?何だろうか、ここで決まったことと言えばレオと協力関係を結んだということだけなのだが…

 

「…誠に遺憾なのですが、人が、足りないのです」

 

…………ん?

 

「まず会長のボク、秘書の兄さん、じいやのガウェイン、庶務の岸波さん、メイドのセイバーさん…たったこれだけしかいないではありませんか!

…こんなものは生徒会と呼べない、いや呼んではいけない!」

 

…はあ。

レオは先程までの貫禄が嘘のように無くなり自分の言いたい放題言っている。と言うか何故そんな微妙な役職から埋めていくのか。

…でもメイドはグッジョブだ、メイドと言えばメイド服、セイバーは可愛いからいろんな服が似合うだろうし何か他の服を買ってあげたい。

だが此処に服なんて売ってあるのだろうか?後で校内でも探してみるか、などと思っている内に話が進んでいたらしく俺が校内で生徒会にふさわしい見込みのある人を探すことになった。

…見込みのある人か、シンジ…は無いとして後はキアラさんくらいか。まあ雑務をするくらいなら問題ない、そのついでにセイバーの衣装なども探してみるとしよう。

 

〜〜〜〜〜

 

「うふふ、楽しそうな事をしてらっしゃるのね。ですが私は学生という歳でも無いのでご遠慮させていただきますね」

 

 

「お前さんの頼みなら聞いてやりたい所なんだが…相手が相手だ、諦めてくれ」

 

 

「神よぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

この通りである。

俺の知る限りの人たちに生徒会に入ってくれるよう頼んでは見たもののみんなに断られてしまった。ちなみに上からキアラさん、獅子劫さん……えっと、ゴトーさんである

そして最後に用務員室をノックする、だが返事はなく人は出てこない。おそらく誰もいないということだろう

 

「残念ですが気を取り直して帰りましょうマスター、まあやれることはやりましたよ」

 

「そうだね…」

 

何も収穫がなかったけど落ち込んでても始まらないし一度生徒会室に戻ろうとする、すると校内に放送が流れた。

 

「えー岸波さん、申し訳有りませんがそこから用務員室へと移動して下さい。

用務員室にサーヴァントを従えたマスター、ジナコ=カリギリがいます、捕まえてください」

 

移動するも何も目の前にいるんですが…さっきドアをノックしても出てこなかったのに人はいるのだろうか?

 

「ぶっーーー!さては桜さんボクのことチクりましたね!人の装備をチクるなんて最低最悪鬼ッスね!でも残念、後は鍵をロックすれば終わりッス!此処に来ても無駄無駄ァ!ボクの快適ライフは守られるのだ〜」

 

よし今すぐ突入だ、奴は絶対此処にいる。ロックをかける前に...

 

ガチャリ

あ、完璧にロックが掛けられてしまった。これでは入ることは出来ない…とでも思ったかジナコよ。

手段ならある、岸波白野は諦めが悪い、例えドアをロックされたとしてもその程度で止められるほど甘く無いということを教えてやる!

 

「どうしますマスター、閉められましたけど…」

 

「大丈夫だよセイバー、俺の秘技を使えば入ることなんて容易だ。危ないから離れておいてくれ」

 

おお、と羨望の眼差しを向けられる。ふっ、こんな所で秘技を使うことになるなんてね…

くらえ!俺が小さい頃よくやっていた技!

 

「秘技!ドリルライナー!!!!!!!!!!」

 

ドアについている小さい窓を秘技でぶち破り中へと侵入する、両腕が骨折し割れたガラスの破片が体中へと突き刺さり血が噴き出しかなり痛いが何の問題もない。

さらに目の前のジナコの視線がかなり痛い。

 

「ジナコ!生徒会に入らないか?」

 

キラキラという効果音が出そうな笑顔でジナコを勧誘する、ジナコは最初は唖然としていたがすぐに俺の方を見て笑顔を向けてくれた。よかった、これならジナコも入ってくれそうだ…

 

「入るわけないでしょうが!!!!」

 

ジナコから強烈なボディブローを喰らう、なかなか良い一撃を貰ってしまった。

……うん、なかなか良い腕を持ってるな。足にきてるし。

だが此処で引くわけには行かない、ジナコに自分はどうするのか、此処から脱出する気は無いのかなど聞かなければ…

 

「ジナコ、協力してくれないか?俺は一刻も早く此処から脱出して元の聖杯戦争に戻りたい。そのためにはマスター達の協力が不可欠なんだ」

 

「…お断りするッス、ジナコさん此処から出る気なんて全くないッスから。

ネット環境も揃ってておやつも食べ放題、さらに此処にいれば安全、逆に何で此処から戻って元の聖杯戦争なんかに戻りたがるのかがわからないッス」

 

…そうか、確かにいつまで安全かは分からないけど此処にいれば安全だろう。此処まで完全に否定されては協力なんて不可能だ、残念だが収穫ナシという事で生徒会室に戻るとしよう

 

「…まあキミ面白かったッス、キミとは同じ凡人として気が合いそうッス。協力はしないッスけど生徒会室のモニタリングくらいならさせてもらうッスよ」

 

「それだけでも嬉しいよ、よろしくジナコ」

 

「…よろしくッス」

 

そして生徒会室に戻ろうとしたその時、とても嫌な奴と目があった。

確かあいつは聖職者の格好をしているくせに人の不幸を楽しみ愉悦としているゲス野郎だ。

何故売店に立っているのかは分からないがなるべく関わるのは避けたい、気づかなかったふりをしてこの場は立ち去ろう…

 

「おや少年どこへ行く」

 

…しまった、見つかってしまった。だがまだ俺は気づいていないフリができるはずだ、このまま…

 

「気づいているのだろう、岸波白野。まあお前が気づかないフリを続けるならそれでも構わん、だが…」

 

無視無視、こういう奴には関わらないに限る。何せ人の不幸を楽しむなんて奴だ、下手に関わるとどうなるかなんて分かったもんじゃない…

 

「せっかくサーヴァント用の衣装を入荷してやろうと思ったのだがな」

 

「詳しく聞かせろ」

 

やっぱり人と人との繋がりって大事だと思う。

…決してセイバーの他の服が見たいからつられたって訳じゃないんだからね!

 

〜〜〜〜

 

言峰とサーヴァント用の衣装について語り合いとても有意義な時間を過ごせた。

 

「岸波白野」

 

用は済んだので生徒会室に戻ろうとすると後ろから声をかけられた。

すると言峰はニヤけながらふと気になることを言った。

 

「お前の魂、なかなかいい色に歪んだな」

 

「???」

 

「なに、特に深い意味はない。分からないのであれば戯言と聞き流したまえ」

 

ナニカ、ヨクワカラナイコトヲ…?

………………あれ?

今、神父は何か言っただろうか?

何か大事な事を言っていた気がするが…

まあ忘れているのなら取るに足らない事だろう、取り敢えずレオに報告に行こう。

 

 

「あ、先輩。今お時間よろしいですか?」

 

階段を上ろうとした時、桜に会った。

 

「うん、大丈夫だよ。何か用?」

 

「レオさんからの伝言です。探索に踏み出そうという事で外にあるアリーナ…もといサクラ迷宮の探索をしてください、だそうです」

 

サクラ迷宮…よく分からないがそこを探索すればいいのか、でも何処にあるのかわからないのだがどうすればいいのだろうか。あ、そのために桜が探しに来てくれたのかな?

 

「はい、案内しますね。こちらです」

 

〜〜〜〜

 

グラウンドにでてすぐ左のところを見ると年季の入った木がそびえ立っていた。

だが、他にはなにもないが何処にサクラ迷宮というものがあるのだろうか?

 

「先輩、近づいてみてください」

 

言われた通り大樹に近づいてみる、すると大樹が動き出し何か入り口のようなものが姿を現した。

なるほど、この中を探索するということか。

 

「桜、ここはどういう場所なんだ?」

 

「そうですね、ここはアリーナのような所で比較的正常な状態で表側に向かってると思われる構造体のようです」

 

「じゃあここを踏破できれば月の表側に戻れるって事か」

 

「その可能性が高いと思われます。ですがそのかわり危険な敵も多いでしょうからお気をつけてください」

 

なるほど、敵がいるならここを踏破するためにはサーヴァントが必須という事か。

サーヴァントがいるマスターを集めようとしていた理由はそういう事だったのか。

敵…まあこっちにはセイバーもいるしそうそう死にはしないだろうし、ってあれ?

 

「そういえばレオは?レオもガウェインがいるじゃないか」

 

「レオさんはアリーナに入る先輩をモニターしつつ危ない時はこちらに帰還させるなどのバックアップをお願いしています、バックアップがないと迷宮内で歩く事もできないので」

 

なるほど、確かに俺はそんな魔術師のスキルは持ち合わせていない。なら現地調査が今の俺にできる最大限の事、という事か。

 

「わかった、じゃあ行ってくるよ」

 

「はい、お気をつけて。先輩」

 

〜〜〜〜

 

「ところでさ、セイバー」

 

「何でしょうか?」

 

「ふと気になったんだけど、君の真名は何なんだ?」

 

少し気になった、記憶をなくしてしまっているせいでそんな事も忘れてしまった。何か奥に引っかかる感じはするのだがどうしても思い出す事ができない。

 

「あ、やっぱり気になっちゃいます?この私の真名。えー、どーしよっかなー、いっちゃおーかなー」

 

「あ、でもふと気になっただけだから言いたくないのなら無理強いはしないよ」

 

本人が言いたくないならしょうがない、無理強いさせることはなるべくしたくないし。

 

「え?ち、ちょっと冷たくありませんマスター?知りたくないんですか?知りたいんでしょ?本当は知りたいくせに〜」

 

「じゃあ教えて」

 

「むっ、そう言われると何か嫌ですね…では当ててください!」

 

うーん、どうしたんだろうか。興味本位で聞いただけなのだが機嫌を損ねてしまったらしい。当てるのか…うん、無理。

 

「諦めないで下さいよ!あ、じゃあ当てられたらご褒美に何でも一つだけ言う事を聞いてあげましょう!」

 

「乗った!」

 

ふふふ、今何でもって言ったよね?何でもって言ったよね?ふふふ、ニヤけが止まらないぜ…絶対当ててやる…じゅるり

 

「何でしょう、一瞬寒気がしました」

 

「気のせいだよ」

 

そしてたわいの無い雑談を済ませていると階段が終わり何も無い広場のような所に出た。

 

「気をつけてくださいマスター。敵の気配です、敵サーヴァントが近づいて来ています」

 

即座に普段の陽気な声色が変わり戦闘態勢へと切り替わる。

…どうやら体は慣れているらしい。

戦闘の空気を前にして自然と俺の体も戦闘態勢へと切り替わっていた。

そしてそのまま敵のサーヴァントが現れた。

 

 

「わしこと!第六天魔王!織田信長こと!魔人アーチャー降臨!じゃ!久しぶりじゃの、沖田!」

 

……………。

…………………。

………………………。

…………………………沖田?

 

「…………」

 

「ん?どうした人斬り、驚きすぎて声もでんか。フフフ、今さらになってこのわしの恐ろしさを感じたのじゃな?フフフ、怖いか?

略してフフ怖?」

 

人斬り、沖田。そのキーワードからでてくる人物といえば……

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

「のぶぅ!?」

 

沖田の突きが綺麗にヒットする。

………何ていうか沖田、ドンマイ。

 

 


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