YT-3の種子保管庫。   作:YT-3

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——制作経緯——

①Fate→ネギま!はよく見るけど、逆はあまり見ないなぁ。
②どうにかして桜ちゃんを助けたい。できれば虫姦前に。
③正直汚汁は一部のバーサーカーよりバーサーカーしてると思うんだ。


002個目『Fate/magister magi』

第四次聖杯戦争。

冬木の街で行われるそれは、ある二陣営を除いて、おおよそ正史通りに進んでいた。

 

 

暗殺者(アサシン)弓兵(アーチャー)のマスターである遠坂時臣の屋敷に侵入しようとし、金色の弓兵(アーチャー)から宝具の掃射を受け敗退した……ように見せかけた暗殺者(アサシン)のマスター、言峰綺礼と遠坂時臣の作戦。

 

挑発を行う槍騎兵(ランサー)ディルムッドと、それを受けた剣士(セイバー)アルトリア・ペンドラゴンとの戦闘。

 

そして、お互いの真名が暴かれたところでの騎乗兵(ライダー)イスカンダルの乱入と、彼の挑発によって金色の弓兵(アーチャー)が電灯の上に姿を見せたところまで。

 

 

ここまでは、正史通りに進んでいた……。あくまで、表面上は。

決定的なところが、既に取り返しのつかないレベルで掛け違えていることを、この世界を生きる彼らは知る由も無かった。

 

「——さて。(オレ)の前で自らが王などと世紛い事をほざく傲岸不遜な雑種はさておき」

「とは言ってものぅ。実際に儂は征服王と呼ばれておる身じゃしのお……。む?どこを見ておる?」

 

どこまでも傲岸不遜な金色の弓兵(アーチャー)は、地に立つ三人のサーヴァントのことなど意識の片隅にも無い、とでも言わんばかりに無視をして、ただ何も無い天を睨んでいた。

 

「——この(オレ)を見下すとは、万死に値する。その命をもって償え、雑種!」

 

手を天に掲げる。ただそれだけの動作で、暗殺者(アサシン)を屠りさった金色の波紋が姿を表す。その数、五つ。

その威力を知っている三組のサーヴァントとマスターは突然の展開に警戒するが、その砲門が天に向けられていることに気がつき、困惑の表情を浮かべた。

 

ドドドドドゥッ!!

 

空気を破裂させる振動とともに撃ち出された必殺の弾丸は、何も無い虚空を貫いていった。

……いや、とここでセイバーは目を見開く。その弾道に、突如として二つの人影が現れたのだ。透明化していたわけでも、気配を遮断していたわけでもなく、"はじめからそこに居た上で自分も注視していたのに、それでも気がつかなかった"。その事実に、強烈な警戒心を抱く。

 

現れた影は回避行動をとったようだが、僅かに間に合わず、体を掠めた衝撃でバランスを崩して地面に落ちていく。

しかし、激突する直前。影の片方がもう片方を抱きかかえ、いっそ惚れ惚れするほどの体捌きで衝撃を殺して着地した。

 

闇に包まれた夜の空から電灯の元に入り、この場にいた全員が、初めて影の正体を目にした。

 

「子供……?」

 

そう呟いたのは、セイバーのマスター……正確にはその妻であるアイリスフィールだ。

抱きかかえられているのは、内気そうな、黒髪の小さな少女。おそらく、自分の娘であるイリヤよりも若い。まだ6・7歳だろう。

 

そして、少女を抱きかかえているのも、また見た目は子供だった。10歳かそこらの年頃に見える、まだまだ中性的な、おそらく少年。理知的そうな顔には、小さなメガネをかけている。

しかし、そちらの方は目ために惑わされることはなかった。杖を持ち、ローブを着込んだその風貌。そして何より、その場にいる四人と同種の、圧倒的な存在感(オーラ)

 

一片の間違いもなく、魔術師(キャスター)のサーヴァントだった。

 

「……なぜ分かったんですか? 気配遮断を無視できるスキルを持ってても、これは有効なはずですが」

 

キャスターが、アーチャーに向けて口を開いた。その声は見た目と同様にまだまだ高く、変声期も来てないであろうのは明白だった。

 

「ふん。そこらの雑種ならいざ知らず、この(オレ)に死角などあるか。それとも、この(オレ)の目が曇っているとでも言いたいのか?」

「いいえ。そんなことは」

 

そのやりとりに、傍観していた三組の参加者は違和感を覚えた。

 

そもそもキャスターとは、直接戦闘に向かないクラスだ。

全力で暴れられれば全クラスでもトップレベルの火力を誇るが、神秘の秘匿の観点からそれは不可能である。

故に、自らの陣地を築いてそこに篭り、クラススキルである陣地作成スキルと道具作成スキルによって要塞化して、乗り込んでくる敵を返り討ちにしていくのがセオリーなのだ。

 

しかし目の前のキャスターは、四騎のサーヴァントを目の前にしても、ましてや対魔力スキルを持つ三騎士を目の前にしても余裕を持っている。

あまつさえ、マスターを戦場に連れてきている時点でどうかしている。確かに魔力供給問題はあるが、戦闘方法が限られるキャスターならば、要塞化した陣地に置いてきた方が選択肢が狭められなくて済むはずだ。

 

もちろんブラフの可能性もあるが、それにしてはリスクが高すぎる。

それに、常識(セオリー)を超えたからこそ英霊にまで至っているのだ。例え戦場に出てくるキャスタークラスだろうと、警戒を怠る理由にはならない。

 

「さて。じゃあ、まずは自己紹介をしましょうか」

 

そんな警戒をよそに、キャスターはマスターと思われる少女を地面に下ろし、教師然とした口調でこちらにも話しかけてきた。

 

「自己紹介、だと?」

 

あまりに場違いな単語に、警戒はしたまま彼に問い直すセイバー。

確かに戦場での名乗り上げは意味があるが、それは自分たち『騎士』の場合だ。ましてや、真名が判明しているかどうかが勝率に直結する聖杯戦争で自己紹介などとは、考えるバカは……いるにはいるが、この馬鹿(ライダー)は例外だろう。

 

誰もがそう思っていたのだが、意外にもキャスターはすんなりと自らの真名を明かした。なんでもないことかのように、ごく自然に、本当に自己紹介でもしているような雰囲気で。

 

魔術師(キャスター)のサーヴァントで召喚されました、ネギ・スプリングフィールドと、そのマスター、桜です。これからよろしくお願いしますね」




——設定・ボツ理由——

召喚タイミングは虫蔵に放り込まれた時。はくのん的火事場のなんとやらで召喚して見せた。一応遠坂の直系だから資格はあるはず。
召喚触媒は"虚数魔術"と"子供"。『心の闇を利用する虚数魔術って、心の闇を制御して力を引き出す闇の魔法に似てるな』というのがきっかけの一つだったりする。ちなみにまだ化け物に堕ちる運命は定まってないので、ライダーさんは呼べない。
キャスター枠にネギが入ったことにより、ジルがバサカ枠に。某湖の騎士とおじさんはリストラ。

知名度補正は全くのゼロだが、元々の戦闘能力の高さと化け物系特有の『怪力』スキルで格闘戦は強い(近接戦闘のみでは青王や黒子には及ばないが、イスカとはいい勝負、ギルには圧勝)。魔法ありではその二人ともいい勝負になる。
また、闇の魔法によって無尽蔵の魔力と再生力も兼ね備えているため、桜ちゃんへの負担もほとんどない。

宝具1:闇の魔法『魔力の自然回復(存在維持分+α程度)、怪力、変化、その他諸々の複合効果を得る。また、魔法を取り込むことで、それに合わせた特殊効果を受けられる』
宝具2:千の絆『白き翼メンバーのアーティファクトを一つだけ展開し、それを扱う技術を劣化再現する。展開するアーティファクトによって必要な魔力は変化する(いどのえにっきやハマノツルギは大、天狗の隠蓑や孤独な黒子は小)』


……と、ここまで決めてあることに気がつきました。

『あれ? これ、ネギにどうやったら勝てるんだ?』

圧勝にはしたくないので、どの鯖からも勝ち筋は用意したい。でも、雷天双壮を使った時点で勝ち目なんて吹き飛びます。
加えて、まず間違いなく100%『星の開拓者』スキル持ちなので、不利にしたりエヌマとかの無理ゲー持ってきたらそれはそれで逆転される。

実質的に、勝てそうなのが青王しかいないことに気がつきました。
青王なら風王結界の影響で『落ちる』地点が制御できなくなりますし、万が一突破しても直感スキルをかいくぐらなくてはならないです。距離を離しての大魔術も、カリバーを撃たせる隙を与えることになります(カリバーは光速の斬撃なので、雷速程度のネギじゃ避けられません)。
それでも千の絆の使い方によっては青王も負けるかもしれませんし、他の鯖は言わずもがなです。

そんなわけで、『物語的に面白くなりそうにないから』という理由でボツにしました。

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