Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第58話「Let's shopping 前編」

『蒼霧事変』が終結してから二日後 東京 皇居内の正殿『松の間』にて

 

群像「ゴクッ……」

 

優花「うぅ~……緊張する……」

 

蘭花「……」

 

コンゴウ「……三人共、何故そんなに緊張するのだ?」

 

コンゴウは礼装用の軍服を着た優花、そして青色の着物を着た蘭花にスーツを着た群像の様子を見て、質問すると、三人の代わりに礼装用の軍服を着た柏木が答えた

 

柏木「そりゃ『天皇』……言わば『日本の皇帝』の前だからな……そう言えば勇人と金剛型四姉妹と高雄型四姉妹は?」

 

龍鳳「金剛さん達は入院中の中将……違った『大将』と日向さんの護衛の為、軍施設の病院に居ますよ……後、勇次さんと瑞鶴さんが見当たらないのですが……」

 

慧音「さっき勇次から連絡があったんだが……あのバカップル……ボイコットするって」

 

蘭花 柏木 三笠 群像 龍鳳 優花「はぁ!?」

 

慧音「……しかも勇人も病院から『脱走』してな……後、叔父さんと三笠元帥は会議が長引いたから少し遅れるって……」

 

慧音は頭を抱えながら答えると柏木や優花、群像、蘭花、龍鳳そして三笠が勇人の脱走と勇次達がボイコット……来ない事に驚き、怒鳴ったり、呆れながら言った

 

柏木「おいおい……まぁ弟さんの『立場上』仕方無いが……」

 

龍鳳「勇次さんに大将!フリーダム過ぎますよ!!」

 

蘭花 優花「……泣けるわね」

 

群像「病院で大人しく出来ないのか……糞ジジイ……」

 

三笠「群像、気持ちは分かるけど汚い言葉を使わないで、皇室の前よ」

 

群像「……すみません曾祖母ちゃん……」

 

コンゴウ「フフッ……『艦長』らしいな」

 

群像「艦長?コンゴウ、何故お祖父ちゃんの事を『艦長』と?」

 

群像はコンゴウの言葉に疑問を抱き、質問するとコンゴウは微笑みながら答えた

 

コンゴウ「ああ……あの事件の後、私とマヤ、400と402は『霧』を辞め、艦長が所属している『佐世保鎮守府』に配属する事になり、そして私達の軍艦の『主導権』は艦長……お前のお祖父さんが持つ事になったんだ」

 

群像「……それでお祖父ちゃんを『艦長』と……」

 

コンゴウ「ああ」

 

三笠「ったく……天皇陛下に何と言えば良いのよ……あの馬鹿息子共……」

 

三笠が困り果てていると老人の男性と政治家であろうスーツを着た男性が入ってきた

 

男性「朱里さん、彼……上城『大将』の件なら『入院している為、御迷惑を御掛けしますが、参加しません』って昨日、彼自身から連絡がありましたよ」

 

三笠「ッ!?総理大臣!?それに天皇陛下!?天皇陛下に総理大臣に対し……敬礼!!」

 

三笠達は部屋に入って来たスーツの男『総理大臣』に老人『天皇陛下』に敬礼すると陛下は笑って答えた

 

陛下「直りなさい……上城夫人に皆さん……そして楽な姿勢で良いですよ」

 

三笠「直れ!整れーつ……休め!」

 

三笠達は陛下の言葉を聞くと、三笠は緊張しているのか少し声が裏返りながらも号令を出した

 

陛下「本当に『楽な姿勢』で良いですよ」

 

三笠「いえ!わた……自分達は仮にも『軍人』でありますので、この姿勢でも『十分楽な姿勢』であります!!」

 

三笠は何時もの口調ではなく、軍隊口調……『あきつ丸』みたいな口調で答えると、天皇陛下は苦笑しつつも了承した

 

陛下「……分かりました、本当は救済龍……上城大将にも参加させたかったが……入院中なら仕方無いですね」

 

三笠「愚息達がすみませんでした!」

 

三笠は天皇陛下に頭を下げると、陛下は笑いながら答えた

 

陛下「何を謝っているのですか?彼含めて貴方達は『我が国』……いや『世界』を救ってくれた『英雄』ですよ♪勇次さんについては『仕方ありません』が……」

 

三笠「陛下の寛大な御言葉、身に余る思いです!」

 

群像「ありがとうございます!」

 

陛下「……夫人に群像君、もう少し肩の力を抜いたらどうですか?少し怖い顔になっていますよ」

 

群像 三笠「あっ!す……すみません……」

 

三笠と群像は苦笑している天皇陛下に指摘されると、顔が真っ赤になり、先程までの覇気に満ちた雰囲気から一転、普段通りのラフな口調になってしまった

 

コンゴウ「御言葉ですが陛下、三k……上城夫人や大将、柏木大将達が呼ばれる理由は察しますが、何故『未来の住人』である私達までもが『この様な神聖な場所』に呼ばれたのですか?」

 

蘭花(ッ!?あの……『女王様染みた』コンゴウが……)

 

優花 群像(敬語で質問した!?)

 

コンゴウは天皇陛下に聞くと、陛下はニコッと笑い、コンゴウの質問に答えた

 

陛下「貴女達も『この世界を救った英雄』だからですよ♪私自身『直接』御礼を言いたいからですよ♪」

 

コンゴウ「そうでしたか……無粋な事を御聞きした事を御詫び申し上げます……」

 

蘭花 優花 群像(しかも頭を下げた!?今日は厄日になりそう……)

 

コンゴウは天皇陛下に『敬意』を表すかの様に謝罪すると痺れを切らした総理大臣がコンゴウに優しく言った

 

総理「コンゴウさん……私達は気にしていないので顔を上げて下さい……授与式が開始出来ませんので……」

 

コンゴウ「……分かりました」

 

コンゴウは総理の言葉に何事も無かったかの様に普段通りの女王様染みた雰囲気を醸し出したまま、授与式を開始するのを待っていると……

 

ガチャ!

 

一馬「ハァ……ハァ……遅れてすみません」

 

三笠元帥「ま……間に合った……」

 

急いで着たのか、少し乱れた礼装を着た一馬と三笠元帥が息を切らしつつ、天皇と総理に謝罪すると、総理は微笑みながら答えた

 

総理大臣「大丈夫ですよ、上城元帥に三笠元帥……では陛下、そろそろ……」

 

陛下「フフ……では始めるとしましょうか……」

 

三笠「夫と妹分がすみません……」

 

少し混沌とした雰囲気になりつつも、授与式が開始された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに勇人達は……

 

勇人「ったく……病院の飯は不味いし、集中治療室(ICU)に閉じ込められるわ……気が滅入るぞ」

 

マヤ「だからって……流石に脱走はダメだよ!」

 

摩耶「『チビスケ』の言う通りだぞ提督……全治『6ヶ月』と言われたのに『高速修復剤』をこっそり使って『強引に全快』して脱走するなんて……」

 

マヤ「チビスケ言うな!オッパイ星人!」

 

摩耶「あぁ?シメるぞ糞ガキ!」

 

マヤ「ウ……ウワァーン!金剛お姉ちゃん!摩耶お姉ちゃんが虐める!!」

 

摩耶「ちょ!コラ!」

 

金剛「摩耶、少しは落ち着いたらどうデスカ?」

 

マヤ「そーだ!そーだ!」

 

摩耶「テメェ……言ったな!こちょこちょこちょこちょ……」

 

マヤ「ワハハハ♪擽ったい♪止めて♪ワハハハ♪金剛お姉ちゃん!助けて!」

 

金剛「フフ♪マヤには良い罰デスネ♪」

 

摩耶「ニッシシシ♪なら『ごめんなさい』は?」

 

マヤ「分かったからやめて!」

 

ワーワー!

 

勇人「車の中で騒ぐなよ……二人共……」

 

勇人は新しい愛車の一つ『TOYOTA HiACE』を運転しつつW摩耶の喧嘩……というより『じゃれあい』に呆れていると、本革仕様のリムジン風にカスタムされた後部座席に寛いでいた金剛型四姉妹は勇人同様、W摩耶の様子に呆れつつ勇人に聞いた

 

ちなみに勇人の車には金剛型、W摩耶、ハルナ、赤城が乗車していた

 

比叡「司令……ここは?」

 

勇人「ん?日本橋だが?」

 

勇人は助手席に座っていた比叡の質問に答えると赤城が嬉しそうに勇人に御願いした

 

赤城「日本橋!?提督!なら『三越』に寄ってくれませんか!?」

 

勇人「三越にか?分かった!」

 

勇人達は、そのまま高級デパート『三越』に向けて走らせた

 

 

そして勇次達は……

 

勇次「此処が『三笠公園』だ♪」

 

杏平「うわぁ……スゲェ……」

 

僧「お爺様が軍艦化すると『こんな形』になるのですね……」

 

瑞鶴「いやいや、提督さんは船にならないよ!」

 

高雄「……提督が艦娘ではなくメンタルモデルになっていたら……ゾッとしますね」

 

タカオ「……同じく、只でさえ『チート染みて』いるのに……」

 

キリシマ「……二人の衣装には触れないのか?」

 

ヒュウガ「……触れたら負けだと思っているからよ」

 

勇次達もまた『残りのメンバー』を引き連れて海軍所縁の名所を観光していた

何故か、勇次はバスの運転手、瑞鶴はバスガイドの『コスプレ』をしていたが……

 

瑞鶴「次は『軍艦の内部』を案内するわ♪」

 

いおり「入れるの!?」

 

勇次「金さえ払えば入れるぜ♪」

 

静「なら行きましょ♪」

 

瑞鶴「そうと決まれば……レッツゴー!」

 

勇次以外全員「オー!」

 

勇次「……ノリノリだな」

 

勇次達は軍艦『三笠』の内部に入っていった

勿論、入場料は『勇次持ち』ではあるが……


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