Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第57話「最終決戦 part 4」

勇人が戦艦讐鬼と対決している頃 上空にて

 

女性記者「はい!只今、日本海とK国の間の海域に突如現れた謎の『未確認物体』付近にいます!今、未確認物体の中には『全国指名手配中』の男性『上城勇人』容疑者が艦娘と同じ兵器らしき物を背負って『化け物』と戦っています!」

 

上空では記者用のヘリコプターが崩壊する『コンゴウ Ars Nova』の周辺を飛び回り、記者が勇人と戦艦讐鬼が戦っている様子を撮影、レポートしていた

そして……

 

柏木「はぁ……危なかった……『Ars nova』じゃ無かったら間に合わなかったぜ……」

 

優花「間に合った……」

 

蘭花「二度目の死は勘弁願いたいわ……」

 

マヤ「速すぎるよ……」

 

コンゴウ「凄いな……」

 

イオナ「……ん?疾風、あれは?」

 

イオナは記者用のヘリコプターを発見し、艤装モード『Ars nova』に転換した備前改め柏木に報告すると、柏木はヘリコプターを見て「ヤベッ……」と頭を抱え、答えた

 

柏木「……あれは記者用のヘリだ……優花!急いで群像の所に戻るぞ!あれに撮られたら俺達は色んな意味で『首が飛ぶ』ぞ!!」

 

優花「分かっています!」

 

二人は全速力で群像がいる伊401に向けて飛ばしたが……

 

女性記者「あれは!人が……艦娘に似た兵器で空を飛んでいます!しかも上城容疑者と同じく『全国指名手配中』の『柏木疾風』容疑者に『霧乃イオナ』容疑者です!そして指定暴力団『神城会』傘下の『桜花連合』の会長の孫である『桜花優花』さんが『見知らぬ女性』を運んでいます!」

 

優花 柏木「……アカーン!!」

 

蘭花「ヤバッ!」

 

マヤ「イェーイ♪ピース♪」

 

コンゴウ「ん?撮られてマズい事があるのか?」

 

コンゴウは柏木に聞くと柏木と優花そして蘭花は罰の悪そうな顔になり、答えた

 

柏木「勇人含めて、俺達の『艤装』は『特別防衛機密』……言わば『国のトップシークレット』扱いだから『国民の前』で晒したら『首が飛ぶ』んだ……立場的にも、物理的にも……」

 

蘭花「そして私は四年前に『死亡』した事になっているから、医学界の連中にラット扱いされるのよ……ってか優花さん!貴女も極道家庭だったの!?」

 

優花「はい、元々は神城会と対立していましたが……」

 

蘭花「詳しい話は終わった後で聞くわ……」

 

コンゴウ「……つまり今、撮られたら『色々と非常にマズイ』んだな……401」

 

イオナ「分かった……長10cm砲、威嚇射撃をお願い」

 

イオナは勇人から借りた『秋月の艤装』を使ってヘリコプターに威嚇射撃をすると、ヘリコプターは威嚇射撃に臆したのか柏木達から離れた

 

女性記者「アヤヤヤヤヤ!!なんと言う事でしょう!霧乃イオナ容疑者が我々に撃って来ました!これは非常に危険ですが、我々は未確認物体の内部の様子をレポートしたいと思っています!」

 

ヘリコプターは『コンゴウ Ars nova』内部を撮影しに再び周辺を飛び回った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 『コンゴウ Ars nova』にて

 

勇人「超電磁砲!発射!」

 

戦艦讐鬼「無駄無駄ァ!」

 

 

 

ドーン!

 

 

勇人と戦艦讐鬼は激しい攻防を繰り返していた

 

勇人「ったく、俺は〇リスじゃねぇのに……そもそもアレ……『深海棲艦』と呼ぶべきなのか?『俺の姿』より酷いな……泣けるぜ」

 

戦艦讐鬼「死ネェェェェェ!」

 

勇人「よっと!」

 

戦艦讐鬼は触手を使って勇人を刺そうとしたが、勇人は避けながら愛刀で切り落とし、呆れながら応戦した

 

勇人「……しかも理性が無ぇとは……相当、俺に『恨み』があるみたいだな」

 

戦艦讐鬼「当タリ前ダ!貴様ハ『我ガ一族』ヲ地獄ニ落トシタノダ!モウ『任務』トカ『ドウデモイイ』ノダ!」

 

勇人「我が一族?ああ……クラインホールドシステムの誤作動でお前の国が閉鎖、壊滅寸前にされた事か?あれは、お前達のせいだろ?追撃しなければ『こんな事』にならなかっただろ?逆ギレは良くねぇぞ、化け物♪」

 

戦艦讐鬼「貴様ァ!!」

 

勇人(後ろに記者用のヘリ……ヤバいな……民間人だけは巻き込みたく無ぇ……もう『首がぶっ飛ぶ覚悟』で暴れるか!)

 

勇人は外面では余裕のある挑発をしていたが、記者用のヘリコプターが居るのに気が付いており、戦艦讐鬼の攻撃により撃墜されないか内心、焦っていた

 

そして勇人は決断したのか上着を早脱ぎをし……

 

勇人「さぁ!カーニバルのフィナーレと行こうか!『battle mode Ars nova』!」

 

戦艦讐鬼「ッ!?」

 

勇人「さぁ来いよ……ウスノロ」

 

戦艦讐鬼「モウ許サン!此処デ死ネェェェェェ!」

 

勇人(……さて、『時間内』に倒さないと、俺までもが『深海棲艦』になってしまうからな!一気にケリ付けてやるか!)

 

そう……『勇人自身の首が飛ぶ覚悟』で自身の中でも『最強形態』である『Ars nova』に艤装転換し、そのまま戦艦讐鬼との攻防を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、佐世保鎮守府では……

 

蘭「ッ!?何だアレは!?そして兄さんが若返ったァ!?」

 

吹雪「え……えぇぇぇぇ!?あのヤンキーが……学生時代の司令官なんですか!?」

 

蘭「ああ……」

 

大和「何なの……」

 

夕張「キモッ!そして提督が若返ったァ!?」

 

鈴谷「夕張!それ私の台詞!!」

 

鹿島「……アレ、提督さんなの!?」

 

香取「ヤンキー感が凄いですね……」

 

陸奥「……正直言って近寄りがたいわ」

 

長門「……恐ろしいな……」

 

佐世保鎮守府にいた全員がテレビに映っていた李こと『戦艦讐鬼』と艤装モード『Ars nova』に転換した勇人の姿を見て驚愕した

 

武蔵「提督が『あんな状態』にならなざるを得ない状況だ……少尉!我々も……」

 

武蔵は蘭に出撃の許可を貰おうとしたが、蘭は頭を横に振り、答えた

 

蘭「無理だ……私達の力では『どうしようも出来ない』」

 

大和「そんな……」

 

蘭「それに佐世保から出撃しても『艤装の燃料』が持たない……」

 

蘭側の金剛「hory shit!テートク!何か策は無いのデスか!?」

 

蘭側の金剛は悔しそうに質問するが蘭は頭を横に振り、答えた

 

蘭「……今は制圧している兄さん達を『信じる』しか……」

 

吹雪「……司令官……」

 

蘭を含め、佐世保鎮守府全員が勇人達が戦艦讐鬼に勝つ事を願った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 『コンゴウ Ars nova』にて

 

勇人の『活動限界』まで残り時間『60秒』……

 

勇人「ハァァァァァ!」

 

勇人は戦艦讐鬼を斬っていたが……

 

戦艦讐鬼「効カヌワ!」

 

ドカッ!

 

勇人「グハッ!」

 

戦艦讐鬼は勇人に腕や触手を斬られたが、斬られて失った所を『再生』し、再生した触手を使って、勇人を凪ぎ払い、勇人は吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた

 

勇人「チッ!只でさえ面倒な事になっているのに『再生』まで……なら!超重力砲!発射!」

 

勇人は主砲である超重力砲を構え、戦艦讐鬼に向けて射つと戦艦讐鬼もまた『コンゴウ Ars nova』の超重力砲を使って、勇人の超重力砲を双殺した

 

勇人「……そうだった、今『コンゴウの軍艦』はアイツに主導権を握られているんだった……」

 

戦艦讐鬼「無駄ナ事ヲ……シカモ、貴様ハ、後ロノ『ヘリ』ヲ『庇イナガラ』攻撃シテイル事位『オ見通シ』ナンダヨ!」

 

勇人「……だとしたら何だ?」

 

勇人は戦艦讐鬼の言葉に少し冷や汗を流しつつも、挑発染みた口調で答えると戦艦讐鬼は触手を使ってヘリに照準を合わせた

 

女性記者「……へ?」

 

戦艦讐鬼「……アノ『ヘリ』ゴト、ソノママ沈メ!」

 

女性記者「ッ!?」

 

勇人「ッ!?させるかぁ!!」

 

勇人は戦艦讐鬼が触手を使ってヘリコプターに攻撃し始めると、勇人は急いでヘリコプターに向かって来る触手を防ごうと向かい……

 

グサッ……

 

 

女性記者「………へ?私は生きて……ッ!?」

 

女性記者は戦艦讐鬼によって『沈められずに済んだ事』に安堵したが、女性記者の『目の前』の光景を見て、絶句した

 

何故なら……

 

勇人「ガバッ……」

 

勇人が女性記者……いやヘリコプターを庇い、血を吐き、戦艦讐鬼の触手により串刺しになっていたのだ

 

戦艦讐鬼「フハハハハ!殺ッタゾ!遂ニ佐世保ノ龍ヲ『コノ手』デ!」

 

女性記者「上城容疑者!?」

 

女性記者は勇人を『犯人呼ばわり』をしつつ、勇人の容態を確認すると、勇人は血を吐き、身体に刺さった触手を抜き取り、答えた

 

勇人「チッ!糞が……俺は『無罪』だって言っているだろ……マスゴミが……おい!マスゴミさんよ!」

 

女性記者「なっ!?マスゴミですって!?名誉毀損罪で……勇人「黙って聞け!クソアマが!」……ヒィッ!」

 

勇人は女性記者に睨み付け、女性記者……いやテレビを通じて世界中の人達に『事の真相』を話した

 

勇人「アイツの正体は『龍光会』の『李 花郎』だ!アイツらは艦娘や無関係な人達を脅し、『実験材料』として扱った犯罪グループだ!俺達『日本軍』や『蒼き鋼の艦隊』そして『霧の艦隊』は龍光会を『殲滅』するために行っていたんだ!分かったんなら早く離脱しろ!マスゴミが!」

 

女性記者改め『風村』「たがら私はマスゴミじゃなくて『風村綾』と言いm……勇人「知るか!それに二度も同じ事を言わせんな!早く消えろ!」……い……嫌です!私も世界中の人達に『真実』をお伝えする義務があります!」

 

勇人は女性記者を一喝するが女性記者『風村綾』が勇人の命令を拒否し、勇人の殺気に臆しながら言うと勇人は舌打ちをし、答えた

 

勇人「勝手にしろ!殺されても責任はとらんぞ!」

 

風村「分かりました!此処からは自己責任で行います!たがら……勝って下さい!」

 

勇人「……当たり前だ」

 

勇人は、唾を吐き捨てる様に血を吐き捨て、ふらつきながらも立ち上がり、所々『亀裂』や破損した『艤装』を構え、怒鳴った

 

勇人「……仕切り直しだ!行くぞゴルァァァァァァ!」

 

戦艦讐鬼「チッ!シブトイ奴ダ!!」

 

勇人「ウォォォォォ!」

 

ズサッ!

 

ズササッ!

 

戦艦讐鬼「ナッ!?」

 

勇人「このまま死に去らせぇ!!」

 

勇人は自身の活動時間が『限界』に達しているのにも関わらず、突進し、戦艦讐鬼の触手を刀で凪ぎ払い、戦艦讐鬼の目の前まで近付き、そのまま愛刀『毘沙門剣』で戦艦讐鬼を突き刺そうとした途端……

 

 

 

 

 

 

ドクン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「ッ!?」

 

カラン………

 

風村「ッ!?どうしたのですか!?上城容g……勇人さん!!」

 

勇人「ウグッ………ハァ………ハァ………『お前』なぁ……こんな時に……」

 

戦艦讐鬼「今ダ!オラァ!」

 

ドカッ!

 

勇人「ガハッ!」

 

戦艦讐鬼「今度コソ!息ノ根ヲ!」

 

風村「勇人さーん!!」

 

勇人は刀を落とし、膝を地面に着け、苦しそうに息切れをすると戦艦讐鬼はチャンスと言わんばかりに勇人を蹴飛ばし、勇人が落とした刀を拾い、そのまま踞っている勇人に向けて拾った刀を投げ、止めを刺そうとした

 

だが……

 

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

風村 戦艦讐鬼「ッ!?」

 

勇人?「………ごちゃごちゃウルサイよ……折角『御兄様』を『休ませる』のに成功したのに……こんばんは♪化け物さん♪」

 

勇人らしき人……いや『勇人がいた場所』には『満身創痍になっていた勇人』ではなくて蝙蝠に似た翼に赤いドレスを着た某鬼畜な妹に似た『金髪の少女』が現れ、少女は戦艦讐鬼が投げてきた刀を鷲掴みをし、刀を持ち変え、笑いながら戦艦讐鬼に言うと戦艦讐鬼は勇人が『金髪の少女』に変わった事に驚き、怒鳴った

 

戦艦讐鬼「貴様……誰ダ!!」

 

勇人改め『金髪の少女』「私?私は『もう一人の御兄様』だよ♪」

 

戦艦讐鬼「フザケルナ!」

 

金髪の少女「ふざけてないよ♪まぁ……しいて言うなら……」

 

金髪の少女は一呼吸置き、狂ったかの様に笑い、殺意の込めた笑顔で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金髪の少女改め『戦艦女帝』「私はD-cellにより創られた勇人御兄様の『もう一人の人格』……『深海棲艦』の『戦艦女帝』よ♪宜しくね♪化け物さん♪そして……さようなら」

 

戦艦女帝は笑いながら刀を戦艦讐鬼に向けて投げると、戦艦讐鬼の胸に刺さり、戦艦讐鬼は痛み、もがき始めた

 

戦艦讐鬼「グハッ!!何故ダ!何故貴様ガ『私の核』ノ場所ヲ……」

 

戦艦女帝「そりゃ、姿は『違う』が私と貴方は『同類』でしょ?それ位『知ってて当然』でしょ♪よっと!」

 

ズボッ!

 

戦艦讐鬼「グハッ!」

 

戦艦女帝は戦艦讐鬼に刺さった刀を引き抜き、笑いながら答えた

 

戦艦女帝「それに、姿は違うが私は『御兄様』をベースに創られた人格だから、私も御兄様と同じく、アンタを『殺したい』の♪さぁ!『御兄様主宰のカーニバル』の続きを始めようか♪化け物さん♪」

 

戦艦讐鬼「ッ!?アハハハ!オ前ミタイナ『ガキ』ガ、私ヲ?ナラ、アソンデヤルヨ!クソガキ!」

 

戦艦女帝「アハハハ♪そこまで言われちゃ、もう『やり直し(コンテニュー)』はできないよ♪此処で……死んでね♪『三流以下の雑魚』の深海棲艦さん♪」

 

戦艦讐鬼「コノ……クソガキガァァァァァ!!」

 

戦艦女帝「アハハハ♪そう来なくっちゃ♪さぁ!私と遊びましょ♪」

 

戦艦女帝(私が『御兄様』の代わりに殺っておくから、休んでて♪ヤバくなったら『交代』するから♪)

 

勇人(……ほどほどにな)

 

戦艦女帝は狂ったかの様に笑い、戦艦讐鬼の核に向けて攻撃し始めた

 

戦艦女帝が満身創痍の勇人を休ませる様に気遣いつつ、勇人の代わりに『ゲームを楽しむ子供』の様に……


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