Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第49話「失望そして未来の問題」

1900 日本海の海上にて

 

蘭花「久しぶりね、コンゴウにマヤ」

 

コンゴウ「蘭花……何故『生きている』んだ!?死んだ筈じゃ……」

 

伊400と伊402に拿捕され、極太の鎖で束縛されているコンゴウとマヤは、死んだ筈の蘭花が群像の世界の方の軍艦『三笠』を連れて、目の前に現れた事に驚くと蘭花は冷酷で冷たい口調で答えた

 

蘭花「ええ、私は確かに『死んでいた』……だが、この子達のお陰で、再び人間として、艦娘とメンタルモデルのハイブリッドモデル『ミカサ』として蘇生する事が出来たのよ」

 

コンゴウ「……なら!何故『佐世保の龍』……いや、お前の弟である『上城勇人』に協力しないんだ!!アイツは『蒼き鋼』だけではなく私達『霧の艦隊』まで『救おう』としているのだ!!」

 

コンゴウは『勇人の目的』を蘭花に言うと、蘭花はコンゴウの言葉を嘲笑うかの様に笑い、答えた

 

蘭花「救う?……アハハハハ♪貴女、何『可笑しい事』を言っているの?今の勇人は……『嘘つき』で『人殺し』そして艦娘達を『慰め物』としか思っていない『最低の弟』よ!」

 

コンゴウ「違う!アイツは……見ず知らずの私達を『昔のお前』の様に手厚く迎えてくれて、応急措置ではあるが、私達を治す様、手配をしてくれたのだ!」

 

コンゴウは蘭花の言葉に完全否定すると蘭花は懐かしむかの様に微笑んだが、徐々に怒りに満ちた表情になった

 

蘭花「昔の私ねぇ……そんな馬鹿げた話、あるわけ無いでしょ!!コンゴウにマヤ、『これ』を見ても『そう言える』のかしら?」

 

蘭花は二人に李が見せた『映像』を見せるとコンゴウとマヤは驚愕した

 

コンゴウ「何……これ……」

 

マヤ「……酷い」

 

二人は映像を見て驚愕していると蘭花は映像を消し、二人に言った

 

蘭花「……これが勇人の……いえ人間の『本質』よ!貴女達は勇人に『騙されていた』のよ!アイツは艦娘達を脅して貴女達を『物』として扱うつもりだったの!」

 

コンゴウ「……」

 

蘭花はコンゴウに今の自身の『考え』をぶつけるとコンゴウは黙り混み、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「フッ……フフフ……アハハハハ!こんな拙知な『やり方』に騙されるとはな……」

 

蘭花「ッ!?何が可笑しいの!?」

 

コンゴウは映像の『からくり』が分かったのか蘭花を軽蔑するかの様に笑い、答えた

 

コンゴウ「確かに、この映像は『合成』ではなく『ほぼ』正真正銘、勇人の行いの映像だ……だが、貴様は『分かっていない』……2つ目の映像が勇人『本人』ではない事をな……正直言って『失望』したぞ『上城蘭花』」

 

蘭花「……艦娘達を慰め物にした所の映像ね、何故そう言い切れる?」

 

蘭花はコンゴウの挑発染みた内容に眉をピクリと動かし、苛立っているのか、少し重い口調で質問するとコンゴウは蘭花を見下す様に答えた

 

コンゴウ「確かに、この映像に映っている神通、大和……いや映像に映っていた艦娘達は提督に怯え、殺意を込めた目で見ていたが、今の佐世保鎮守府の艦娘達は勇人の事になると『尊敬』し、まるで『愛すべき者』を見る様な『優しく』『穏やかな目』で話していたからな!そんな奴らが『殺意に満ちた表情』になる訳が無い!もし仮に佐世保の艦娘達が『映像に映っていた艦娘達』と同一人物だったとしても、それは『勇人』に向けた態度では無い!」

 

コンゴウは昨夜、佐世保鎮守府の艦娘達と交流会の時に艦娘達と対談したのを思い出し、それを蘭花にぶつける様に答えると蘭花はコンゴウの言葉を信じず、怒りに任せた表情で答えた

 

蘭花「違うわ!勇人は人を殺し、貴女達『霧の艦隊』だけではなく、テロリストである『蒼き鋼の艦隊』と手を組んだのよ!自身の駒として!貴女も分かるでしょ!!人間は『汚く』『滑稽』そして『平気で人を殺す』のを平気でやる『生物』だと……貴女は、その『人間』を殺す程、嫌っていたんじゃない!」

 

蘭花は怒り、昔コンゴウが人間を嫌い、滅ぼそうとした事を言うとコンゴウは重い口を開いた

 

コンゴウ「……ああ、確かに私は『元の世界』に戻ったら、徐々に『人間嫌い』が再発した……たが……」

 

蘭花「だが?」

 

蘭花はコンゴウの言葉に続けて聞くと、コンゴウは一呼吸置いて答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「ここに戻ってから『お前の妹』や『艦娘達』そして『勇人達』の『優しさ』と『暖かさ』そして『強さ』に触れ、もう人間を嫌い、滅ぼそうとするの止めたんだ」

 

蘭花「……嘘よ……」

 

蘭花はコンゴウの言葉に混乱しているのか、黙り混むとコンゴウは混乱している蘭花に手を差し伸べるかの様に優しく聞いた

 

コンゴウ「……蘭花、今なら間に合う……龍光会とは手を切って、私達『蒼き鋼』と『霧』そして『龍虎の連合艦隊』と組まないか?そして私達を元の世界に戻すのを手伝ってくれないか?」

 

蘭花「……私は……」

 

蘭花がコンゴウの言葉に冷静を取り戻し、答えようとした途端……

 

李「困るんだよね……君の『嘘』によって、私の仲間が混乱させる様な事になるなんて……」

 

蘭花「李さん!?」

 

コンゴウ「ッ!?貴様!?」

 

李は軍艦『三笠』の船内から出てきて、困りながらコンゴウに言うと、コンゴウは李を見て驚き、同時に『強い怒り』が混み上がる様に怒鳴った

 

李「……蘭花君、君の『結論』は正しいから、コンゴウの嘘に惑わされちゃ駄目だぞ……現に何故、轟沈寸前の彼女達が復活しているのだ?それは佐世保の龍こと『君の弟』が彼女達を『駒としての価値』があるから復活させたからだろ?そして彼女達だけではなく、彼は自身の孫である『千早群像』が率いる『蒼き鋼の艦隊』までもが彼の駒として動いているのだ……そんな『卑怯極まりない』彼が『蒼き鋼』と『霧』を救う筈は無い!」

 

李は蘭花を目を覚ませるかの様に力強く言うと、蘭花は我を取り戻し、コンゴウに言った

 

蘭花「そうだったわね……コンゴウ……『霧』の旗艦である貴女が『愚弟』の『策略』に騙されるなんて……正直『ガッカリ』したわ……良いわ、伊400と伊402は『群像達』が率いる『蒼き鋼』を殲滅しに行って……そして、マヤ……貴女には……私と李さんと共にコンゴウの見張りよ」

 

蘭花は伊400、伊402に指示を出すと二人は了承し、その場を後にすると蘭花はマヤに指示を出すと、マヤは先程までの子供らしい可愛らしさから一転し、人形の様に無表情になり、機械の様に高揚の無い口調で答えた

 

マヤ「……分かりました」

 

コンゴウ「マヤ!?蘭花!?……貴様ァ!二人に何をした!?」

 

コンゴウは二人の様子を見て怒り、怒鳴りながら聞くと李は微笑みながら答えた

 

李「なぁに……マヤには『人格』を消して貰ったのだ、我々の兵士としてね♪」

 

コンゴウ「ッ!?貴様ァァ!!」

 

李「さて♪我々は彼女達が佐世保の龍を殺すのを待ちますか♪」

 

蘭花「……そうね」

 

李は、もう勝利したと確信を得たのか、笑いながら言うと蘭花は身内を殺す事に少なからず抵抗があるのか、少し俯いた表情で答え、伊400達の報告を待った

 

だが、これは勇人と柏木、群像そしてコンゴウにとって『怒り』を買い、自ら『破滅』に向かう事になるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2000 能登里山海道にて

 

一馬「……クッ!傷が染みるな」

 

優花「……元帥、あまり無茶は……」

 

たけぞう「優花、少し休憩を取った方が……」

 

一馬達は輪島拍地から借りたジープで神城会総本部にむかっていた

勿論、土地勘のある一馬が助手席に座り、優花が運転していたのだ

 

優花「大丈夫よ!勇人君や赤城ちゃん程の体力と技量は持っていないけど『これ位』大丈夫よ♪」

 

たけぞう「そういう意味じゃない……何故か知らないが、吐きそうだ……」

 

優花「え!?ちょ!?分かった!このサービスエリアに寄るね」

 

一馬「それ、高級車に慣れ過ぎて、こういう『乗り心地の悪い車』には慣れてなかったかもな、武蔵」

 

たけぞう「……すまない、この武蔵が……」

 

優花は偶々、近くにあったサービスエリアに入り、車を止めると、たけぞうは直ぐに下車し、急いでトイレに向かった

 

一馬「……フゥ……しかし和倉で間宮と電は兎も角、防空棲鬼……いや未来に助けて貰うとはな……」

 

優花「そうですね元帥……」

 

一馬は煙草を吸い、優花は眠気を覚ます為に缶コーヒーを飲み、一連の事件を纏めていた

 

優花「……元帥、群像君の事についてですが……」

 

一馬「あいつらの処分か?ほぼ『無罪放免』で話は着けてあるが?」

 

優花「違います、私が言いたいのは、群像君は勇人君と私の孫、言わば元帥の『曾孫』なんですよ……それを聞いて何とも思わないのですか?」

 

優花は一馬に聞くと一馬は煙草を携帯灰皿に入れ、答えた

 

一馬「正直言って驚いたぞ……まさか四年前に『孫』に会うわ、今回は『曾孫』まで会うことになるとはな……」

 

優花「え!?孫!?孫って言うことは……私と勇人君の『子供』に会ったのですか!?」

 

優花は一馬の言葉に驚くと、一馬は四年前、コンゴウ達が元の世界に帰った時の話をした

 

一馬「ああ、あの時、コンゴウ達が帰れる様に明石に頼んでおいた『異世界転移装置』を開発し、コンゴウ達の世界と繋がった時に、霧の艦隊内の1艦隊……いや霧の艦隊の『トップの艦隊』である『緋色の艦隊』に引き取って貰ったんだ……その時の緋色の艦隊の艦長が勇人と優花の息子『千早翔像』だったんだ」

 

優花「成る程……ん?ちょっと待って下さい!群像君率いる『蒼き鋼』はコンゴウさんが所属している艦隊『霧』と敵対しているのですね……しかも『霧』には私の息子が率いている……まさか!?」

 

優花は一馬の言葉に『霧』と『蒼き鋼』の関係を思い出し、群像の世界では『ある問題』が起きている事に気がついた

それは……

 

一馬「ああ……あっちでは、世界の情勢が絡み、そして群像そして翔像『二人』が知らぬ間に『世界を巻き込んだ親子喧嘩』が勃発しているんだ」

 

そう、群像の世界では色々と複雑な事情があるものの、本人達が知らない『親子喧嘩』になっていた事に気がついた

 

優花「……もう、たかが『喧嘩』で此処まで『大きく』するなんて……」

 

一馬「まぁ『あっち側の問題』は元の世界に戻った『連中』に任せれば良い、俺達は『今やるべき事』をするか……回復した武蔵も帰ってきた事だしな」

 

優花「そうですね……」

 

二人は、たけぞうが車に入るのを見て、二人は車に入り、再び勇人達が居る『神城会総本部』へ向かった


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