Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第47話「命の恩人達からの激励」

1800 和倉温泉『加賀屋』の客間にて

 

一馬「うっ……此処は……」

 

たけぞう「ううっ……」

 

優花「痛た……」

 

間宮「ッ!?気が付きましたか元帥に少尉に武蔵さん!」

 

間宮は三人が目を覚ますのを気付くと急いで身体の上半身を起こそうとする一馬を補助する様に背中を支えた

 

一馬「助けてくれてありがとう……何処の所属の間宮だ?」

 

間宮「舞鶴です……元帥に武蔵さんに少尉、一体何があったのですか?こんな大怪我を負われて……」

 

間宮は三人に聞くと扉から電そして未来が替えの包帯や消毒液を持ってきた

 

電「お母さん、替えの包帯と消毒液を持ってきたのです……ハニャ!?凄い身体……」

 

未来「……思い出した!貴方は……『戦場の狂龍』『上城勇人』の父親で『戦場の龍』の……『上城一馬』さんに『戦場の魔女』こと『桜花優花』さん!?」

 

電は上半身裸になっている一馬の鍛えた肉体を見て驚き、未来は一馬そして優花の事を思い出したのか、恐怖に震えながら答えた

 

たけぞう「深海棲艦!?まさか……スパイなのか!?」

 

優花「……何故此処にいるの!答えて!!」

 

一馬「落ち着け!敵なら俺達は防空棲鬼に『殺されている筈』だ!」

 

たけぞう 優花「しかし……」

 

二人は未来を警戒すると間宮は二人に未来の事について説明し始めた

 

間宮「そうです!しかも、この子は敵ではありません!私の『娘』ですので警戒しないで下さい!」

 

一馬「そうだ……ん?『娘』?一体どういう事だ?」

 

間宮「……今は御話し出来ませんが、これだけは知ってほしいのです!彼女は敵ではありません!」

 

間宮は真剣な表情で答えると一馬は間宮の心情を察したのか、溜め息を付き答えた

 

一馬「……分かった、それと防空棲鬼……間宮「出来れば『未来』と呼んで下さい」……分かった……未来、俺の仲間が無礼な真似をして悪かった……そして、ありがとうな二人とも、お前達のお蔭で助かった……」

 

たけぞう「……礼を言うぞ、そして……すまなかった」

 

優花「助けてくれて、ありがとう……疑ってゴメン」

 

未来「うん……良いよ……」

 

未来(『通り名』とは違って優しい人達だな……)

 

未来は一馬と優花の『恐ろしい通り名』と今のギャップに戸惑いつつ、頭を下げた三人の謝罪を許した

 

電「良かったのです……此処で喧嘩にならなくて……」

 

一馬「怖がられせて悪かったな……」

 

間宮「いえ、此方も『私達の事情』を察してくれた事に感謝します……話は戻しますが、何故元帥達は大怪我を負われたのですか?」

 

間宮は一番の疑問である『一馬達の怪我』について聞くと一馬は優しい表情から一転、真剣な表情になり、答えた

 

一馬「……龍光会って知っているか?」

 

間宮 電「龍光会?」

 

未来「ッ!?」

 

一馬の質問に間宮と電は首をかしげ、未来は『龍光会』の事を知っていたのか、再び震え出した……まるで自身のトラウマを思い出したかの様に……

 

一馬「……未来は知っている様だな」

 

未来「うん……私の方は被害が無かったが、仲間から聞いた話では、アイツら、私達みたいに人と共存する派閥『和平派』を脅して、自身の利益の為に、和平派の連中を『人体実験』……言わば『モルモット』として扱われていたんだ」

 

間宮「ッ!?酷い……」

 

たけぞう「……そして龍光会と手を組んだ『霧の艦隊』の一部の派閥に『負けた(敗北した)』んだ」

 

優花「これじゃ……勇人君に顔向けが出来ないよ……」

 

電「『霧の艦隊』!?武蔵さん!霧の艦隊って……」

 

間宮「電ちゃん、知っているの?」

 

電は、たけぞうが言った『霧の艦隊』を耳にすると驚き、焦ると間宮は焦っている電に聞くと電は驚きを隠せない状態ではあるものの、間宮の質問に答えた

 

電「柏島伯地の沖田元帥から聞いた話ですが……四年前、異世界の艦隊『霧の艦隊』が此処に漂流し、深海棲艦だけではなく艦娘達まで攻撃を行い、艦娘と深海棲艦『両方の艦隊』は『大破撤退』をする位の大損害を負わせた『厄介な艦隊』なのです」

 

間宮「大破撤退!?霧の艦隊って、そんなに強いの!?」

 

間宮は驚きつつ電に聞くと電は頭を縦に振り、肯定すると間宮は唖然とし、電は再び説明を再開した

 

電「そして司令官の同期の『上城勇人』海軍中将のお姉さん『上城蘭花』中尉と上城元帥が霧の艦隊の旗艦である『コンゴウ』さんを説得し、霧の艦隊全員を元の世界に戻してあげたのです」

 

間宮「……しかし、『それだけ』だと疑問が残りますね……何故『元の世界』に戻った霧の艦隊が再び此処に漂流してきたのですか?」

 

間宮は電の説明に疑問を抱き、腕を組みながら考えると一馬は間宮の疑問に答えた

 

一馬「……海軍のスパイが龍光会に『当時の資料』を入手し、資料を元に『異世界転移装置』を開発し、霧の艦隊と『蒼き鋼の艦隊』を呼び寄せたんだ」

 

間宮「スパイ!?それに……」

 

電 未来「蒼き鋼の艦隊?」

 

三人は一馬の説明について驚き、そして『蒼き鋼の艦隊』という言葉に疑問を抱き、質問すると一馬と優花は簡潔ではあるが、説明し始めた

 

一馬「ああ……まずはスパイの件だ……スパイの正体は『920事件』を起こしたテロリスト『日本解放軍』のリーダーでもあり、会計課の『金城龍一』海軍中佐……本名『金 白龍(キム パイロン)』という男だ……まぁ金城(キム)は大本営でテロリストを殲滅していた勇人に殺されたが……多分その時に『四年前の資料』を入手し、龍光会に横流しをしたんだろう……」

 

優花「そして『蒼き鋼の艦隊』は、霧の艦隊と対立する為に作られた『私営の傭兵兼運び屋組織』言わば『テロリスト』に近い組織で、龍光会は霧の艦隊と交渉決裂した時の『保険』として、霧の艦隊の対立組織『蒼き鋼の艦隊』を呼び寄せたのよ……そして蒼き鋼の艦隊のリーダー『千早群像』は勇人君と私の『孫』よ」

 

電「ッ!?」

 

間宮「……つまり霧の艦隊と蒼き鋼の艦隊は『未来の地球』から来た……という訳ですね」

 

未来「そして霧の艦隊の派閥と手を組んだ龍光会の艦隊に……」

 

間宮と未来は二人の説明を纏め、結論を出すと二人は肯定した

 

一馬「……これは『国家絡み』の事件だ……だから『他言無用』で頼む!命の恩人達を巻き込みたく無いんだ!」

 

間宮「……分かりました、この話は『聞かなかった事』にします」

 

一馬「そうか!それは……間宮「但し、条件があります」……金か?」

 

間宮「違います!私……いえ私達の条件は……」

 

一馬は間宮の『条件』に察し、憶測の範囲で答えると間宮は否定し、間宮達は一呼吸を置いて強い口調で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間宮「必ず『生きて』帰って下さい!」

 

未来「……必ず『龍光会』をぶっ壊して!!もう仲間や無関係な人達を辛い目に逢わせたく無いの!!」

 

電「元帥に桜花少尉……絶対に『霧の艦隊』と『蒼き鋼の艦隊』を救って下さい!!」

 

間宮「これが『私達の条件』です!」

 

三人は一馬達に言うと立ち上がり、間宮達に言った

 

一馬「……分かった!」

 

優花「私達が『孫』と『孫のお友達』そして『仲間』を見捨てる訳が無いじゃない!間宮さん!電ちゃんに未来ちゃん!本当にありがとう!この御礼は必ず『返す』から!」

 

たけぞう「……大和型戦艦の名において、必ず『条件』を守るぞ!!」

 

一馬「……では行ってくる!世話になったな……」

 

間宮「……御武運を……」

 

電 未来「お気をつけて……」

 

三人は間宮達に頭を下げ、加賀屋を後にした

その姿は正しく『覇気に満ちた龍』の様に……




どうも八意ですm(_ _)m
今回でゲスト回は一旦終了しますm(_ _)m
私としては、このままレギュラーキャラにしたかったのですが、ラムネさんの物語に支障をきたすので、この様な形になった事をお許し下さいm(_ _)m

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