Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第46話「蒼鋼防衛戦 後編」

勇人達が深海棲艦を発見した同時刻 1230 日本海の海上『軍艦金剛』の甲板にて

 

一馬「……チッ」

 

優花「あ……あの……元帥……」

 

一馬「何だ」

 

ギロッ……

 

優花「……何でもありません」

 

優花(滅茶苦茶怖いよぉぉぉ!!やっぱり勇人君のお父さんだ……殺気の出し方が勇人君と同じだよぉぉぉぉ!!あの元帥の方の武蔵さんでさえ足が震えているよ!!勇人君!早く助けてぇぇぇぇ!!)

 

たけぞう「……ガタガタガタ……」

 

一馬は先程の心臓を盗まれた事に苛立っており、出発してから、ずっと顰めっ面になっていた

 

コンゴウ「一馬、苛つきたい気持ちは分かるが落ち着いたらどうなんだ?優花と武蔵が怖がっているぞ」

 

一馬「……チッ、分かった」

 

たけぞう 優花「ホッ……」

 

マヤ「……ん?コンゴウ!前方に二隻の潜水艦が……」

 

マヤは前方に潜水艦二隻を発見しコンゴウに伝えるとコンゴウはマヤの報告を受け、確認すると落ち着いた雰囲気から一変、怒り狂った表情になった

 

コンゴウ「ッ!?アイツら!!」

 

一馬「知っているのかコンゴウ?」

 

コンゴウ「アイツらが例の『心臓』を盗んだ張本人である『伊400』とその姉妹艦の『伊402』だ!」

 

一馬「ッ!?」

 

コンゴウの報告を受けた一馬もまた、コンゴウ同様、血相を変え、コンゴウに指示を出した

 

一馬「アイツらを捕まえろ!武蔵に桜花!砲撃を許可する!俺も行く!」

 

たけぞう「分かった!」

 

優花「へ?元帥まで参戦するのですか!?」

 

優花は一馬の発言に驚き、質問すると一馬は優花の質問に答えた

 

一馬「ああ、若い頃、艦娘の艤装を模した装備を明石に作って貰ったからな……まぁ今は勇人の艤装をベースに作り変えたけどな」

 

優花「……流石、勇人のお父さんだ……思考がそっくりだよ……」

 

一馬「……とりあえずコンゴウにマヤ、奴らの動きを封じ込めておけ!」

 

コンゴウ「分かった!マヤ!」

 

マヤ「りょーかい♪」

 

たけぞうと優花そして勇人の艤装をベースに人間用として開発された艤装を装着した一馬は伊400、伊402に砲撃し、コンゴウとマヤは艦娘用の三式弾を軍艦用に作り変えた特殊仕様の三式弾で応戦したが……

 

伊400「無駄な事を……」

 

伊402「侵食魚雷……発射」

 

たけぞう「なっ!?」

 

二人はたけぞう、そして優花に魚雷を発射し、本気で轟沈し(殺し)にかかったが……

 

優花「甘い!!ATフィールド発動!!」

 

優花はたけぞうを守る為に、勇人専用のシールド『ATフィールド』を発動し侵食魚雷を無効化した

 

たけぞう「すまない……」

 

優花「気にしないで……」

 

一馬 優花「トラックナンバー2628……主砲、撃ち方……始め!!」

 

ドカン!

 

伊400「……少しはやる様だね」

 

一馬「……無駄に固いな」

 

優花と一馬は主砲である『54口径OTOメララ127ミリ単装速射砲』を伊400に向けて発射し、当てると伊400は少し顔を歪めながら呟いた

 

伊402「だが……所詮『人間』だ、ここで……死ね」

 

伊402は機械の様に冷酷に喋ると伊402の艦首が花が咲く様に開いていくのをコンゴウは逸早く気付き、急いで優花、たけぞう、そして一馬に怒鳴る様に命令した

 

コンゴウ「ッ!?一馬!武蔵!優花!伊402の射程から離れろ!!」

 

伊402「もう遅い、超重力砲……発射!」

 

一馬 たけぞう「ッ!?しまった!?」

 

優花「間に合ってぇぇ!!ATフィールド!最大出力!!」

 

優花はATフィールドを最大出力にし超重力砲から一馬達を守ったが……

 

ギシッ……

 

優花(くっ……最大出力にしても『この様』だなんて……一か八か……)

 

ATフィールドは超重力砲に耐えきれないのかフィールドに亀裂が入ってきた

優花は一か八かの賭けに出たのか、一馬とたけぞうに言った

 

優花「元帥!武蔵さん!私に捕まって下さい!!」

 

たけぞう「言われなくても……」

 

一馬「捕まっているぞ!」

 

優花「……ハァァァァァァ!!」

 

ミシミシミシ……

 

優花は超重力砲を受け流す様に身体を捻りさせ直撃を避けたが……

 

バリーン!!

 

優花(ちっ……限界に達してしまったか……コンゴウさんにマヤちゃん……後はお願い……)

 

コンゴウ「優花ァァァァァァ!!」

 

優花達は超重力砲の衝撃波により艤装は破損し、吹き飛ばされしまった

 

コンゴウ「……嘘だろ……」

 

伊400「コンゴウ……アドミラリティーコードの命令違反により拘束する」

 

取り残されたコンゴウは伊400、伊402により拘束、連行されて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 群像のアジトにて

 

勇人「群像!ちっ!間に合わなかったか……」

 

柏木「……いや、間に合ったから二隻が海上にいるだろ?しっかりしろよ……」

 

勇次「……まぁ今は深海棲艦を潰すのが先だな」

 

勇人「……ああ、艤装展開『Aegis ver.3』」

 

柏木「艤装展開『battle mode Aegis』」

 

勇人 柏木「テイクオフ!!」

 

勇次「いってら~……さて、俺は『後始末』でもするかな……」

 

勇次は二人を見送った後、後ろを向くと大量の在日系のマフィア達が勇次を囲む様に立っていた

 

勇次「……言っておくが、俺は兄貴や柏木と比べて『優しく無い』んでな……悪いが全員『始末』してもらうぜ!さぁ!最高にイカれたパーティーを始めようか!!」

 

勇次は興奮しながら怒鳴るとマフィア達は勇次を攻撃し始めた

 

 

 

 

 

 

一方 金沢港付近の海域にて

 

高雄「……チッ!こんな時に何でエリートクラスの深海棲艦が現れるのよ!」

 

タカオ「エリートクラス?タカちゃん、エリートクラスって?」

 

タカオは高雄の『エリートクラス』について聞くと高雄の代わりに軍艦高雄を牽引している榛名が代わりに答えた

 

榛名「……普通の深海棲艦と比べ『タチが悪く、しぶとく』なった状態の事です」

 

タカオ「それが大量に……勝てるの?」

 

タカオは不安そうに聞くと摩耶はタカオの不安を吹き飛ばす様に自信に満ちた強い口調で答えた

 

摩耶「当たり前だ!私達だって提督にしごかれているからな!!こんなモン、提督のシゴキと比べれば準備運動(ウォーミングアップ)すら無らねぇからな!」

 

鳥海「あ、でも……この人数じゃ索敵しきれないから、索敵だけお願いしても良いですか?」

 

タカオ「……御安い御用よ!メンタルモデルを舐めないで!!イオナ!」

 

イオナ「分かった、索敵開始……ん?後方に未確認物体が物凄いスピードで接近している」

 

タカオ「しかも2つ!」

 

二人は鳥海の御願いを了承し、索敵をすると未確認物体がタカオ達に向けて物凄いスピードで接近しているのを察知すると急いで鳥海達に報告すると鳥海達は未確認物体の正体が分かっていたのか、溜め息を付き、答えた

 

鳥海「……はぁ」

 

摩耶「ったく……遅すぎるっつーの」

 

高雄「まぁ仕方ないですね」

 

愛宕「……ようやく警察から巻いた様ね」

 

金剛「遅すぎマース……」

 

タカオ「え!?分かったの!?未確認物体の正体が!?」

 

タカオは焦りながら聞くと三笠は微笑みながら答えた

 

三笠「ああ……未確認物体の正体は勇人と柏木だ」

 

タカオ「………え?」

 

タカオは三笠の答えに気が抜けた様な声を発すると水飛沫を飛ばしながらタカオとイオナの隣を通過した勇人と備前を見て驚いた

 

タカオ「ハァァァァァァ!?ちょ!?あの二人、マジで戦うの!?ってか速っ!!」

 

三笠「ああ、イオナも見ておきなさい……二人が『佐世保の龍』『呉の虎』……いえ『戦場の狂龍』と『死神の猛虎』と呼ばれる所以を……ね」

 

イオナ「……」

 

タカオ「ゴクッ……」

 

三笠は二人に微笑みながら答えるとタカオは生唾を飲み込み、イオナは目を逸らさずに勇人と備前の戦いを観戦した

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ドカッ!

 

空母ヲ級「グハッ!」

 

備前「おーい!面倒臭ぇから此処に集めてくれねぇか?」

 

勇人「……俺の獲物まで取るんじゃねぇぞ……スゥ……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

勇人はタカオ達に被害が行かない様にミサイルや弾薬を使わずに拳のラッシュで備前が指示した場所まで深海棲艦達を殴り飛ばすと備前はレールガンを構え、そして……

 

備前「ドッカーン♪」

 

ドカン!!

 

備前は勇人が纏めていた深海棲艦を一掃する為に笑いながらレールガンを発射し、殲滅した

 

勇人「……結局は俺の取り分が、ほぼ無ぇじゃねぇか!!」

 

備前「ハハハ♪悪い悪い♪まぁ反省も後悔もしてねぇ♪」

 

勇人「……泣けるぜ、それじゃ……セイヤ!」

 

シュッ……

 

勇人「……」

 

カチン……

 

プシュー!

 

タカオ イオナ「ッ!?」

 

勇人は残った深海棲艦達に愛刀『ムラマサブレード』で居合い抜きをし、鞘に収めると深海棲艦『全員』が首と胴体が切られ、噴水みたいに出血し、そのまま海に沈んだ

 

備前「ヒュー♪流石♪」

 

勇人「はぁ……高雄達は無事なのか?」

 

三笠「……勇人、お前のせいで、ある意味『被害』が来ているぞ」

 

勇人「ん?被害……あ!?」

 

三笠は勇人に言うと、勇人は高雄達を観ると……

 

Wタカオ 三笠元帥「オロロロロ……」

 

愛宕「ウップ……」

 

摩耶「うげ~……」

 

鳥海「これは……ちょっと……」

 

金剛「It's grotesque(グロッ)!?これは流石に刺激が強過ぎマース……」

 

比叡 榛名 霧島「ヒエェェェェェ……」

 

イオナ「うぅ……吐きそう……」

 

そう、勇人の『あまりにもグロすぎる』()り方を見た高雄達が耐えきれず嘔吐したり震えたりしていた

 

勇人「……すまん」

 

備前「……医者がトラウマを埋めつけてどうするんだ」

 

三笠「まぁ殲滅したから良いじゃないか……ん?」

 

三笠は呆れながら答えるとトランシーバーが反応し、三笠は反応していたトランシーバーを取り出し、応答した

 

三笠「誰?」

 

勇次「カーチャン、勇次だ……後始末が終わったぞ」

 

三笠「もう終わったの?」

 

三笠はトランシーバーの相手である勇次に聞くと、勇次は何か物足りないのか、不満を三笠にぶつける様に答えた

 

勇次「ああ……ってかアイツら!弱すぎ!!『もやしっこ』というレベルじゃねぇぞ!!あー!もう!せっかくの『パーティー』なのに!!」

 

備前「弟さんも勇人と同じ『戦闘狂』だったとは……流石双子だな……後、殺してないよな?」

 

勇次「アイツらを殺す前に勝手に気絶した(オチた)から()ってねぇよ……」

 

備前「……そうか」

 

勇人「……ハァ……」

 

三笠「まぁ……お疲れ様、此方もカタが付いたから戻って良いよ」

 

勇次「ちぇ……わーったよ」

 

勇次は不満そうにトランシーバーを切ると三笠達は高雄達が回復した後、再び二隻を上城財閥の造船場に向けて出発した

 

 

 

 

 

 

 

そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1730 石川県の温泉街『和倉温泉』付近の砂辺海岸にて

 

間宮「フフッ♪今日は楽しかったわね♪電ちゃんに未来♪」

 

電「なのです♪」

 

『未来』と呼ばれた防空棲鬼(以後『未来』)「そうだね♪料理は旨かったし、和倉温泉の人々も暖かったしね♪」

 

電「正直言って『舞鶴(鎮守府)』には戻りたくないのです……」

 

間宮「フフッ♪気持ちは分かるけど……ん?あれは……」

 

電「ん?人が……倒れているのです」

 

未来「この人……何処かで……」

 

舞鶴鎮守府所属の間宮、電そして未来は砂辺に倒れている人影に気付き、近付いて見ると……

 

間宮(この人達は確か……横須賀所属の上城元帥に武蔵さん、そして佐世保所属の桜花少尉……何故『こんな所』に……まさか!?水難事故に……)

 

間宮「元帥に少尉に武蔵さん!!大丈夫で……ッ!?」

 

間宮は急いで近付き、三人を起こそうと一馬の身体を揺らすと、間宮の手に生暖かい液体の感触に赤い液体……人間の血を感じたのだ

 

間宮「未来!!電ちゃん!!直ぐに人を呼んできて!!重傷よ!!」

 

未来 電「分かった(なのです)!!」

 

間宮は満身創痍で気絶している優花と一馬そして一馬側の武蔵こと『たけぞう』を見つけると急いで二人に助けを呼びに指示し、三人を応急処置をし、電達が呼んできた漁師の人達の力を借りて、間宮達が停泊していた旅館『加賀屋』に運搬、保護されたのだ

 

そして……

 

勇人「……」

 

備前「どうした?」

 

勇人「……何でも無ぇ」

 

勇人(何だ……何か『嫌な予感』がする……これが杞憂であれば良いのだが……)

 

勇人もまた、何か悪い予感を感じつつ、二隻を運搬していた

 

まさか勇人の『悪い予感』が的中……いや『斜め上』な出来事が起きようとは……

 




どうも皆さん、うp主ですm(_ _)m
今回から『ラムネのお兄さん』様の作品『お袋の味が鎮守府に到着しました。これより、調理場の指揮を執ります』の主人公の間宮さんに電そして間宮さんの娘である防空棲鬼こと未来ちゃんがゲストとして出演する事が決まりました\(^^)/
この場を、お借りして『ラムネのお兄さん』様、出演を許可して頂いてありがとうございますm(_ _)m厚く御礼を申し上げますm(_ _)m

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