Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第46話「蒼鋼(そうこう)防衛戦 前編」

1130 金沢市内の上空 輸送機『C-1』機内にて

 

男「チッ……嘘だろ……よりによって県警の上層部が龍光会と繋がっているなんて……」

 

鉄也「全くです!」

 

?「こちら『第6航空団司令部』から高町一尉へ……応答を……」

 

男はパイロットである鉄也に愚痴ると鉄也は男に激しく同意すると機内の無線機が反応し、答えた

 

鉄也「こちら高町、今金沢市内の上空にいます……Over……」

 

司令部「今入った情報だ……上城海将、柏木海将は今から金沢の陸軍と共に『蒼き鋼の艦隊全員』を保護しに動いた……」

 

鉄也(流石『義兄さん達』行動が早いな……)

 

男「ほう……疾風がね……」

 

鉄也「そう言えば細川さんは柏木海将の御兄様でしたよね?」

 

鉄也は操縦席に座った男『細川 恵』に質問すると恵は笑いながら説明した

 

男改め『恵』「ああ……しかも君も佐世保の龍の妹さんの彼氏だとは……親公認なのか?」

 

鉄也「いえ……まぁ義兄さん……上城海将に認めて貰いましたが……」

 

恵「ハハッ♪上城元帥は『物凄く厳しい人』だと聞いたからな♪一筋縄にはいかないだろうな♪」

 

恵は笑いながら言うと鉄也は「そうかも知れませんね……」と少し落ち込みながら答えると恵は操縦席から離れ、パラシュートが入っているリュックサックを背負い始め、ドアを開けた

 

恵「では……行ってくるよ」

 

鉄也「……御武運を……」

 

恵「君もな」

 

恵は鉄也にそう言い残し、輸送機から飛び降りた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 龍光会北陸支部内の研究所にて

 

蘭花「……貴方が私の『自慢の弟』の暗殺を企てた黒幕なの?」

 

蘭花はC国の言葉で李に警戒しながら聞くと李は笑いながら答えた

 

李「フハハハハハ!『自慢の弟』ねぇ……あの殺人鬼が……ね」

 

蘭花「殺人鬼?どういう事よ!」

 

蘭花は李が答えた『殺人鬼』について聞くと李は偉そうに答えた

 

李「まぁ君が知らないのは仕方ないんだが、彼『上城勇人』はK国の首相……いや将軍を初め、我々の同胞達を皆殺しをしたのだ……彼が率いる『佐世保鎮守府の艦娘達』と共にな」

 

蘭花「……嘘よ!勇人が……あの子達が『そんな事』をする訳無いじゃない!!」

 

蘭花は李の言葉に怒鳴ると李は呆れ、答えた

 

李「はぁ……聞き分けの悪い御方だ……では『これ』を見れば嫌でも納得するが……」

 

蘭花「……嘘……でしょ……」

 

李はパソコンを立ち上げ、蘭花に『ある映像』を見せると蘭花は絶句し座りこんだ

 

その映像の内容は……

 

勇人「オラァ!退けぇ!」

 

天龍「ハアァァァ!」

 

K国の軍人「ギャァァァァァ!!」

 

そこには勇人を筆頭に天龍や伊勢、吹雪、木曽そして雪風がK国の軍人達相手になぎ倒しながら進行していたのだ

そして……

 

K国の将軍「お前……まさか!!」

 

ズシャッ……

 

勇人「バーカ……今頃『喧嘩を売る』相手を間違っている事に気付きやがって……」

 

勇人はK国の将軍の首を切り落とし、呆れながら刀を収めた

そう、李は『この映像』……勇人達が陽炎、グラーフそして優花を救出した時の映像を蘭花に見せたのだ

 

蘭花「………」

 

李「これが貴女が生前、作り上げていった『佐世保鎮守府の今の艦娘達』の状態だ……」

 

李は2つ目の映像を蘭花に見せた

 

大和「提督……」

 

神通「わ……私の身体で……」

 

榛名「どうぞ……お慰め下さい……」

 

 

2つ目の映像は榛名を初め、艦娘達が裸になり脅えた表情になり、提督に性的暴行をされた映像だったのだ

勿論、映像で榛名が言っていた『提督』は勇人ではなく前任の堤下が逮捕前に行っていた悪行の一つである

李は蘭花に勇人の前任である『堤下』が作り上げた『ブラック鎮守府時代』を見せると蘭花は『勇人がブラック鎮守府を作り上げた』と誤解し、ショックを受け、呟いた

 

蘭花「嘘よ……」

 

李「……気持ちは分かる……元『佐世保鎮守府総司令』の貴女にとっては信じられない事だ……だが……」

 

李は、ショックを受け絶望した表情の蘭花に追い討ちを掛ける様に『次の映像』を見せ、一呼吸を置き、答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「確かに私……めんどくさいから素で言うが、確かに俺はテメェの親玉を殺した……」

 

 

 

蘭花「!?」

 

ブチッ……

 

 

李「……これが現実だ……彼もまた『人殺し』を認めたのだ……」

 

蘭花「嘘よ……嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よぉ!!」

 

李は柏木の記者会見の映像を消し、蘭花に言うと、蘭花は李の追い討ちに精神が崩壊しかけ、涙を流し、叫んだ

 

李(……後少しだ、こうすれば彼女は我々の兵器として動かせれる……)

 

李「なら佐世保鎮守府を『ブラック鎮守府』にした元凶である彼に『成敗』……いや『粛正』を与え、彼を殺せば『元の佐世保鎮守府』に戻るかも知れない……手を組まないか?」

 

李は蘭花に『悪魔の囁き』とも取れる発言をし、蘭花に言うと蘭花は目が据わり、怒りに満ちた表情で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蘭花「……分かったわ、あの『馬鹿』を粛正するわ……この手で!!」

 

李「……決まりだな」

 

蘭花は李の作戦に乗り、勇人の殺害計画に乗ったのだ

 

李(……チョロい物だな、我々が仕組んだ罠なのに……滑稽な事だ……まぁ『蒼き鋼の艦隊』に『龍虎』そして『次期会長』には『消えて』貰おうか……我々の犬である警察に……な……)

 

李が仕掛けた策略とは知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢市内にて

 

勇人「おいおい……」

 

柏木「……やべぇな」

 

勇次「これは予想外だ……」

 

勇人は車を運転し、勇次と柏木も後ろを向き、焦った表情で答えた

 

何故なら……

 

警察1「公務執行妨害及び国家反逆罪で逮捕する!!」

 

警察2「お縄につかんかぁぁぁぁ!!」

 

3人「何でサツに追われているんだぁぁぁ!」

 

3人は何故か大量の警察車両に追われていたのだ

 

柏木「お前!スピード違反してねぇよな!?」

 

勇人「してねぇよ!」

 

勇次「……まさか『これ』も龍光会の……」

 

柏木「多分な……しかし何故『俺達が指名手配』されないといけないんだ?」

 

柏木は何故、何処で警察に見つかった経緯について考えると車のラジオのニュースが発信された

 

アナウンサー「たった今入った情報です!警察はテロリスト『蒼き鋼の艦隊』に加担したとして佐世保鎮守府総司令、海軍中将『上城勇人』容疑者と、その秘書である艦娘『赤城』こと『藤田咲』容疑者、呉鎮守府総司令兼憲兵司令官の海軍大将『柏木疾風』容疑者そして上城財閥次期会長でもあり、指定暴力団『神城会』次期会長の『上城勇次』容疑者を指名手配した模様です!」

 

3人「……マジで!?」

 

3人はラジオのニュースに驚くとトランシーバーから遅れて来た赤城達が無線越しで聞いた

 

赤城「提督!私聞いてません!何故私まで指名手配されないといけないんですか!!」

 

勇人「……龍光会の仕業だ」

 

赤城「……ですよね」

 

柏木「ですよね……って、お前……ってか赤城、今何処にいるんだ?」

 

柏木はトランシーバーで赤城に聞くと、赤城は少し焦りながら答えた

 

赤城「今『別ルート』で群像君達のアジトに向かっています」

 

柏木「『別ルート』?」

 

赤城「……大型トレーラーを運転しているので走れる道が限られているので……」

 

勇人「……分かった、俺達は囮として動くから、その隙に群像達を保護してくれよ」

 

赤城「分かりました、提督……御武運を……」

 

赤城は勇人達に、そう言い残しトランシーバーの通話を止めた

 

柏木「……お前の赤城は何者なんだよ……使いにくいFCまで使いこなせて……赤城の皮を被った高橋涼〇か?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ……一応、赤城には『全ての車種』の運転免許を取得させた」

 

柏木「……まさか医療免許も……」

 

勇人「勿論取得させた」

 

柏木「お前なぁ……」

 

柏木は勇人のカミングアウトに呆れると無線が反応した

 

無線機「此方『ポリス01』ロードブロックを設置した」

 

勇人「ッ!?面倒な事に……」

 

柏木「……これは積んだな」

 

勇人は頭を抱えると警察車両が道を封鎖するかの様に横に駐車をしていたのだ

 

勇人「……2人共、掴まってろよ!」

 

2人「ま……まさか……」

 

勇人は車のタイヤを左側の歩道の段差に引っ掛け、そして……

 

勇人「オラァ!」

 

 

グワン!

 

警察「ッ!?」

 

勇人は引っ掛けたのと同時に右に急ハンドルを取ると左側のタイヤは宙に浮き、右側のタイヤのみ走行をし始めたのだ

そう、よくカーアクションで使われている運転テクニックの一つ『片輪走行』を使って警察車両の間を縫う様にロードブロックを突破したのだ

 

柏木「成る程な……これなら……」

 

勇次「……ったく、無茶するぜ」

 

勇人「まぁ、お陰で……警察車両は『大クラッシュ』何だけどな♪よっと!」

 

勇人は右にハンドルを切ると、車は浮いた左側のタイヤが地面に吸い寄せる様に着地し、そのまま走行し始めた

 

勿論、勇人達を追っていた警察車両『全部』がロードブロックしていた警察車両に正面衝突をし爆破、炎天する等、悲惨な状態になっていたのは言うまでもなかった

 


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