Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

75 / 168
第45話「裏切り」

柏木が筋肉痛で苦しんでいる頃 佐世保鎮守府 特設工房室にて

 

夕張「……ふぅ、これでマヤちゃんの船は動かせれるね」

 

明石「ええ……全く、龍光会の連中……『こんな事』をする暇があれば深海棲艦を殲滅する事を考えれば良いのに……」

 

夕張「言えてる♪……上城少尉もスミマセン……態々手伝って貰って……」

 

蘭「好きでやっているだけさ……さて!区切りも良い所だし、休憩するか?」

 

夕張 明石「さんせーい♪」

 

3人は軍艦『摩耶』の機動部を修理し終え、お茶を飲んで休憩していると特設工房室のドアから一馬、たけぞう、コンゴウ、マヤそして優花が急いで入ってきた

 

一馬「蘭、船の状態は?」

 

夕張 明石「元帥!?おはようございます!」

 

蘭「おはよう父さんに、たけぞう」

 

夕張 明石(たけぞう!?プフッ……)

 

たけぞう「……蘭、貴女もか……後、笑うな夕張に明石」

 

一馬「おはよう……早速だが二人の船を使いたい!動かせれるか?」

 

夕張「はい!だが……」

 

明石「機動部以外の損傷が激しいので、最高速度の2割位しか出せませんが……」

 

蘭「まぁ応急措置位はしてあるが『動けない』よりかはマシだ」

 

コンゴウ「……上出来だ、明石に夕張そして蘭……感謝する」

 

マヤ「蘭姉ちゃんに明石お姉ちゃん、夕張お姉ちゃん、ありがとう♪」

 

コンゴウとマヤは3人に礼を言うと明石は「これも仕事だからね♪」と言い、夕張に関しては「後で感想聞かせてね♪」と笑顔で答えるとコンゴウとマヤは各船に飛び乗り、船を起動させてみた

 

コンゴウ「凄いな……お前達の技術は……ん?『ATフィールド』?夕張、これは?」

 

コンゴウが自身の船に搭載された装置『ATフィールド』について夕張に聞くと、夕張はドヤ顔で答えた

 

夕張「フフン♪コンゴウさんのシールド『クラインフィールド』が機能不能になっていたから代用品として提督専用の艤装のシールドをコンゴウさんとマヤちゃんの船に合わせて『新しく作った』のよ♪」

 

蘭「これなら『鬼クラス』の深海棲艦が来ても大丈夫だ」

 

明石「……お陰で私達が寝不足だけどね……フワァ~……」

 

コンゴウ「……本当に至れり尽くせりだな……やはり『佐世保の龍』……いや『上城勇人』の影響なのか?」

 

コンゴウは優花達に聞くと3人は勇人について熱く語った

 

優花「そうだよ!勇人君は敵相手には『物凄く厳しい』が味方に対しては仏様がビックリする位の優しい(ダンナ)だから私も含めて『佐世保鎮守府みんな』が勇人君に従い、慕っているのよ!」

 

夕張「そうそう!しかも『セ〇ール並のタフガイ』で『頭脳明晰』……」

 

明石「そして『イケメン』で『紳士』そして『全てを難なく、こなす器用さ』……私の『最高のダンナ(仮)』じゃない!」

 

優花「明石ちゃん……今の『言葉』撤回して……」

 

夕張「そうよ……『明石の』じゃなくて『私のダーリン(仮)』よ!」

 

優花「貴女もよ……夕張ちゃん、人の『旦那』を奪わないで!」

 

夕張 明石「こればかりは譲れません!」

 

優花「あぁ?」

 

バチバチ……

 

優花達は勇人の『正妻ポジションの座』を巡って静かに、そして戦場で鍛えた殺気を飛ばすかの様に互いを睨み付けると蘭は呆れ、たけぞうは苦笑した

 

蘭「はぁ……あの馬鹿兄貴……勇次兄さんの苦労が分かった気がするな……」

 

たけぞう「そう言うな……ハヤ坊の『人柄の良さ』いや『天然タラシ』は今に始まった事では無いだろ?しかもハヤ坊のお陰で『佐世保鎮守府自体の業務が改善』され鎮守府として『正常に稼働』出来たじゃないか……」

 

蘭「確かにそうだが……」

 

コンゴウ「ま、まぁ……とりあえず落ち着け3人共」

 

コンゴウ(……これが昨夜、マヤが言っていた『カーニバル(シュラバヤ海戦)』か……末恐ろしいな……)

 

マヤ「……」

 

一馬「……とりあえず此処の修羅場は後で勇人に任せて、そろそろ出たいのだが……」

 

一馬は痺れを切らしたのか、呆れながら優花達に言うと優花達は思い出し、慌てて答えた

 

優花「あぁ!?そうだった!?今は『そんな事』をしている場合じゃなかった!コンゴウさんにマヤちゃん!直ぐに行くよ!」

 

コンゴウ「……漸くか、一馬に武蔵そして優花、乗れ」

 

マヤ「んじゃ……抜錨!」

 

二人は船を起動させ、佐世保鎮守府を後にした

今、金沢では『ある問題』が起きている事を知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後 1100 群像のアジトにて

 

群像「……ん?おはようタカオ」

 

タカオ「おはよう艦長……うぅ……頭痛い……」

 

杏平「夜遅くまで飲んでいるからだろ……」

 

タカオ「ウッサイわね……水……頂戴」

 

群像「……大丈夫か?はい、水」

 

タカオ「ありがとう……艦長……」

 

群像はテレビを見ているとタカオは飲み過ぎて二日酔いになっているのか、今にも吐き出しそうな状態のまま杏平に悪態を付き、椅子に座った

 

キリシマ「……メンタルモデルでも二日酔いになるのだな……」

 

群像「そうだな……ん?臨時ニュース……な!?」

 

群像はテレビを見ているとバラエティー番組から臨時ニュースに変わり、ニュースを見て焦り出した

 

群像「……あいつら、とうとう俺達を……」

 

イオナ「どうしたの群像……ッ!?」

 

タカオ「ヤバいわね……」

 

杏平「……ヤベェ、アイツら、とうとう俺達を捨てたな」

 

群像「……しかも俺達が『テロリスト』として報道されている……ふざけやがって……」

 

そう、臨時ニュースの内容が……

 

ニュースキャスター「昨夜、上城財閥のトップ、上城俊夫宅に『テロリストグループ』である『蒼き鋼の艦隊』のメンバー『千早群像』『青樹タカオ』が建物に侵入、自宅内を破壊したとして警察は先ほど、蒼き鋼の艦隊『全員』を『全国指名手配』とした模様です……」

 

そう、昨夜のカチコミにより群像達『全員』が『指名手配』された内容だったのだ

 

群像「……チッ」

 

タカオ「……お爺様に連絡してみる?」

 

杏平「勿論した方が良いぜ……流石に『こんな状態』じゃ……俺達もそうだが、勇人お爺さんも『不利』になるからな……」

 

群像「……分かった」

 

群像は少し混乱しつつ勇人に電話をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り 1055 神城会総本部にて

 

勇人「……嘘だろ」

 

勇人もまた臨時ニュースを見て驚いた

 

柏木「……十中八九『アイツら(龍光会)』の仕業だな……ってか甘ぇ……」

 

勇人「一応『駆逐艦用』だからな……ソレ」

 

柏木「子供用かよ!ってか弟さん、陸軍と連絡取れたのか?」

 

柏木は勇人から貰った『飲料水用携帯型高速修理剤イチゴ味』を飲みながら言うと勇次は金沢の陸軍基地の総司令に電話し、交渉が上手く行ったのか笑顔で答えた

 

勇次「おう!しかも向こうは既に出発しているからな♪さぁ!早い所『甥っ子達』を保護しに行こうぜ!」

 

柏木「勇人に似て行動が早いな……それじゃ、筋肉痛も治ったし俺達も……」

 

勇人「ああ……行くか、勇次お前の車で行くからな」

 

勇次「へいへい……」

 

3人は勇人のガレージに向けて移動していると……

 

ブーン!ブーン!

 

勇人「非通知?誰からだ?」

 

勇人はガレージに移動しながら電話に出ると電話主である群像が焦りながら喋りだした

 

群像「お祖父ちゃん、俺です!群像です!」

 

勇人「お前か……その焦り様は……臨時ニュースを見たんだな?」

 

勇人は群像に聞くと群像は肯定し、勇人に聞いた

 

群像「はい、あのニュースは『お祖父ちゃん達』が流したのですか?」

 

勇人「ちげぇよ!俺も今さっき知ったんだ!今、お前達が逮捕される前に陸軍を使って保護しに向かうが……後、確かめたい事があるからイオナに変わってくれ……」

 

群像「分かりました……イオナ、お祖父ちゃんからだ」

 

群像はイオナに変わり、勇人に聞いた

 

イオナ「佐世保の龍……私に何の様?」

 

勇人「単刀直入に言うが……お前、俺の『先祖の墓』を荒らし、姉貴の骨を持っていただろ?」

 

イオナ「ううん……盗ってない、私はずっとアジトに待機していたから……」

 

勇人「……本当か群像?」

 

勇人は群像に聞くと群像の代わりに杏平が勇人の質問に答えた

 

杏平「ああ!イオナは昨日から外に出てないんだぜ……盗むなんて……勇人「オメェに聞いてねぇよ!タコ!」……スミマセン」

 

群像「杏平の言う通りです、イオナは盗んでいません!信じて下さい!」

 

勇人「……分かった、保護したら盗んだ動画を見せるから……じゃ後で……」

 

勇人は電話を切り、勇次は勇人に聞いた

 

勇次「兄貴、群像達は……」

 

勇人「多分イオナが盗んでない……アリバイがあったが……」

 

柏木「群像とタカオ以外『共謀』している可能性があるな……」

 

柏木の意見に勇人は「そうかも知れねぇな」と曖昧に返し、答えた

 

勇人「だが、仮にイオナが『盗んだ』んなら……」

 

柏木「龍光会……李の指示いや『脅迫』されて動いた……という訳か?」

 

勇人「ああ……まぁ早い所、さっさと保護して問い詰めればイオナ達も龍光会の恐怖に怯える必要が無くなるからな」

 

柏木「……だな」

 

勇次「……ほら、車の鍵だ……兄貴、頼むぜ」

 

勇人は勇次から車の鍵を貰い、3人は勇次の愛車に乗り群像達のアジトに向けて出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 龍光会北陸支部内の研究所にて

 

女性「……う……ここは?」

 

ベッドの上に横になっていた女性は目が覚め、辺りを見渡し、そして手術台らしきベッドの上に設置されている鏡に写る『自分自身の体』を見て少し混乱し始めた

その女性の姿は『某人形使いの魔法使い』を黒目、黒髪にした外見だった

 

女性(……私、確か『死んだ』筈なのに……ってか何故裸なの!?まぁ良いわ、とりあえず……)

 

女性は自身が全裸になっているのを驚きつつ、ベッドから降り、研究員のロッカーを漁り、女性の研究員のロッカーを見つけると、直ぐに女性研究員の服に着替え、再び辺りを探索し始めると机の上に書類が置かれているのを手に取り、書類を閲覧した

 

女性「ん?……C国の文字、もしかして龍光会の……ッ!?」

 

女性はC国の文字が読めるのか、書類の内容を確認し驚いた

何故なら……

 

女性「日付が……『四年後』!?私を蘇生しメンタルモデルと艦娘、そして人間のハイブリッドモデル『ミカサ』として改造……そして将軍殺しの龍である男『上城勇人、暗殺計画』!?ちょっと……これどういう事よ……」

 

女性は書類内容にショックを受けると李が研究所に入ってきた

 

李「初めまして『上城蘭花』さん……いえメンタルモデル、艦娘そして人間のハイブリッドモデル『ミカサ』さん」

 

女性改め『蘭花』「ッ!?」

 

この女性の正体は勇人の姉であり柏木の同期の『上城蘭花』本人だったのた


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。