Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第42話「誤解」

三笠達の説教から4時間後 0825 勇人の自室兼ガレージルームにて

 

勇人「グー……金剛……もう紅茶は飲めねぇ……腹の中が紅茶でパンパンだぜ……ムニャ……」

 

きょ~か~ら~fryやで♪別れ告げよう♪い~つも~の~トラウマへ~♪

 

勇人「……」

 

Pi♪

 

勇人「ふぁ~……時間は……げ!?寝坊した!?」

 

勇人は某『真〇の狂犬』が歌った様な曲が流れたスマホを操作し、時間を見ると一気に目が覚めたのか、直ぐ様ベッドから降りて急いで神城会総本部内にある医療研究室へ走って向かった

 

 

 

 

10分後 集合場所である『神城会総本部内 医療研究室』にて

 

勇人「セーフ!!」

 

三笠「5分遅刻だ馬鹿息子!!」

 

ゴン!!

 

勇人「ッ~~~~~~~~~~~~!?」

 

勇人は医療研究室に入り込むと三笠が遅刻した勇人に渇を入れるかの様に自身の艤装の主砲を勇人の頭に思いっきり当てると、勇人は余りの痛さに頭を抱え、悶えていた

 

柏木 三笠元帥「教官(お姉ちゃん)……主砲の『使い方』が間違って……三笠「なら貴方達にも『上城式起床術』を味わってみるか?」……慎んで遠慮させて頂きます」

 

金剛「oh……」

 

高雄 比叡「痛そう……」

 

摩耶「自業自得とは言え同情するぜ……提督……」

 

榛名「提督……大丈夫ですか?」

 

艦娘達は悶えている勇人を心配すると勇人は頭を押さえながら答えた

 

勇人「……お陰で完全に目が覚めた」

 

鳥海「あれで目が覚めるのですか!?」

 

霧島「まぁ司令の装甲の頑丈さは『核シェルター』並ですから主砲で『どつかれても』何とも無いのですよ」

 

勇人「どつかれた身にもなってみろ……痛ぇモンは痛ぇんだよ……」

 

摩耶「……マジで?」

 

金剛「yes!柏木大将もそうですが、テートクは大和ホテルや武蔵旅館もビックリする装甲の頑丈さを誇ってマース!」

 

摩耶「……チート過ぎるだろ」

 

摩耶は勇人と柏木の頑丈さ……装甲の強さに驚くと三笠は昨夜、勇人と柏木が遅れて帰ってきた理由を二人に聞いた

 

三笠「まぁ説教は後でするが……勇人に柏木、昨日は何処に行ってたの?勇次から聞いたが蒼き鋼の艦隊の艦長であり私の『曾孫』である群像とマヨイガで飲んだ後、二件目に行ったそうじゃないか?」

 

勇人「ああ……実は……」

 

勇人は群像達のアジトに行き、妖精の回収や蒼き鋼の艦隊が龍光会に脅され、手を組んだ経緯そして龍光会の支部長である『李』と会った事を説明した

 

勇人「……と言う訳だ」

 

三笠「……腹立たしいな……」

 

慧音「あの子達が不憫に思えてきた……」

 

赤城「そうですね……」

 

三笠含め艦娘全員が群像達を同情すると勇人は群像達を脅し、捨て駒として動かしていた龍光会に強い怒りを覚え、落ち着いてはいるが、怒りの含んだドスの低い声で皮肉った

 

勇人「……アイツら、俺を怒らせるのは『得意』らしいな……」

 

柏木「勇人『俺を』じゃなくて『俺達を』だ……まぁ気持ちは分かるが……まずは龍光会を殲滅するために俺にイージスシステムの導入と勇人の左腕を……」

 

勇人「そうだな……先生、俺の左腕は?」

 

勇人は柏木に宥められ、気持ちを切り替え、慧音に聞くと、慧音は微笑みながら長方形の箱を取り出した

 

慧音「これだ……」

 

ガチャ……

 

艦娘達「ッ!?」

 

慧音は箱を開けると冷凍保存された左腕が現れ、それを見た艦娘は絶句した

 

勇人「うわ……俺の左腕とは言え『凄い傷痕』だな……」

 

慧音「仕方無いだろ……元々はイ級の『腹の中』に有ったんだから……」

 

三笠「まぁ……実物を見るとグロいわね……」

 

勇人「……まぁ見馴れてはいるがな」

 

勇人は自身の左腕を見て愚痴る様に言った

そして勇人の左腕を見た柏木と艦娘達は……

 

柏木「……流石『軍医』……こんなグロい物を見ても動じないなんて……」

 

龍鳳「……ウップ」

 

柏木「って!?龍鳳!?頼むから絶対吐くなよ!!」

 

三笠元帥「オロロロロ!」

 

柏木「三笠ぁ!?言っている傍から吐くな!!」

 

赤城「ちょ!?元帥!?吐かないで下さい!!こっちまで……」

 

金剛「……少し『御花を摘み』に行ってきマース」

 

比叡 榛名「金剛御姉様!御供します!ウップ……」

 

高雄型4姉妹 瑞鶴 加賀「きゅ~……」

 

ドサッ!

 

勇次「ちょ!?おい!ズイチャンに高雄ちゃん達に加賀ちゃん!?」

 

霧島「取り敢えず6人を別室に……ウップ……」

 

勇人の傷痕が残る左腕を見て吐き気を促したり、気絶した者も居たとか……

 

数分後……

 

柏木「……ったく、だらしねぇな……」

 

勇人 三笠 慧音「全くだ」

 

龍鳳「無理ですよ……藤原先生や上城中将、三笠教官は兎も角、何故提督や勇次さんは平気なんですか……金剛さん達は『これ』に耐えきれず島風ちゃん並の速さで別室に避難する位なのに……うぅ……思い出しただけでも気持ち悪い……」

 

龍鳳は二人に聞くと二人はため息をつき、答えた

 

柏木「俺は本職の関係上『見馴れた』モンだからな……まぁ少し引いたが……」

 

勇次「あのな龍鳳ちゃん……俺、表向きは『会社員』だが一応『極道者』だからな……」

 

柏木 龍鳳「弟(勇次)さん……ぶっちゃけ勇人(上城中将)の方がヤクザに見えるんだが……」

 

勇次「……言うな、気にしているから」

 

龍鳳は納得し愚痴ると赤城は三笠元帥が吐いた嘔吐物を始末しながら慧音と三笠に文句を言った

ちなみに他の艦娘達は気絶したり気分がすぐれなかった為、別室に移動して安静しているのだ

 

赤城「……何で私が『これ』を始末しないと行けないのですか!?」

 

慧音「あぁ?何だ?文句あるのか?」

 

三笠「……さっさとやれ」

 

赤城「……ごめんなさい、さっさと終わらします」

 

柏木(あ……あの『かかあ天下』な赤城を……)

 

龍鳳(たった『一睨み』で黙らせた……ってか教官と慧音先生の背後に『龍』と『牛みたいな妖怪』が見えたのは気のせいですか?)

 

柏木 勇次(安心しろ……俺もだ)

 

勇人(……同情するぜ……赤城……)

 

二人の睨みで赤城が萎縮しているのを見て柏木達は驚き、それと同時に赤城に同情したのは言うまでもなかった

 

そして数分後……

 

赤城「終わった……」

 

慧音「お疲れ様、さて次は……」

 

慧音は赤城に指示を出そうとしたが勇人は慧音を止める様に言った

ただ……

 

勇人「先生、『俺の秘書艦』を顎に使うのは止めてくれないか?」

 

……完全に言い方が『自分の彼女』みたいな言い方だったのだ

 

勇次 龍鳳「ブッ!?」

 

慧音「ほう……」

 

三笠「あら?」

 

柏木「おま!?その発言は……」

 

龍鳳「……提督に言われてみたいですね」

 

柏木「……ノーコメントだ」

 

勇人「ん?どうした?」

 

勇人は皆に『そう言ったつもりでは無い』のにも関わらず、焦った柏木達の反応に疑問を抱いていた

 

赤城「ちょ!?提督!?『俺の』って……確かに『上限突破の儀式(ケッコンカッコカリ)』はしてますが……」

 

柏木(『カッコカリ』とは言え、勇人の『奥さん』になっていたのか!?)

 

龍鳳「勇次さん……この事は佐世保の艦娘達には……」

 

勇次「多分……直ぐにバレると思うな……兄貴は『あの事件』の後、赤城ちゃん以外に『アッシー(足柄)』や『天さん(天龍)』そして『イムちゃん(伊168)』とケッコンカッコカリをしたから……」

 

龍鳳「……もう手遅れなんですね……ってか意外と中将も『やりますね』」

 

勇次「……群像絡みで今、佐世保は『シュラバヤ海戦』になっているのに……止める俺の身にもなってくれよ……」

 

柏木 龍鳳「同情するぞ(します)……弟(勇次)さん」

 

慧音「貴方達『そういう関係』になったのか?」

 

三笠「健全な付き合いなら良いわよ♪」

 

赤城は勇人の発言に焦り、赤面し、恥ずかしそうに言い、柏木や勇次、慧音そして龍鳳は驚き、三笠は微笑みながら了承すると勇人は「そういう意味じゃねぇよ」と否定し答えた

 

勇人「赤城、お前……俺の『専属秘書艦』だと言うことを忘れてねぇか?」

 

赤城「分かっています!!提督が間際らしい発言をしたから……」

 

柏木「確かに……今のはお前が悪い」

 

龍鳳「まぁ上城中将らしい発言ですが……」

 

勇次「……何時か刺されるぞ……特に金剛ちゃんや榛名ちゃん、そして優花ちゃん辺りに……」

 

柏木 龍鳳「……デスヨネー」

 

慧音「……残念だ、お前の本当の妻の顔を見たかったのにな」

 

三笠「なーんだ……」

 

勇人「赤城……なんか……その……すまん」

 

赤城「……クスッ、良いですよ♪但し今夜は『寝かせません』から♪」

 

勇人「……やれやれ」

 

勇次「赤城ちゃん!!頼むから佐世保の戦場(修羅場)を悪化させないでくれ!!ホントに!!ってか兄貴も断れよ!!ガチで刺されるぞ!?」

 

柏木「まぁ『お互いの同意』で行うのなら問題無いが……弟さんの言う通り本当に金剛達に刺されるから止めとけよ」

 

龍鳳(……勇次さん、苦労してますね)

 

勇人は戸惑いつつ赤城に謝罪すると赤城は赤面しつつ微笑みながら許し冗談なのか、はたまた本気なのか、勇人に『夜戦(意味深)』に誘うと勇人は呆れ、勇次は本気で赤城に強く注意すると二人は笑いながら言った

 

勇人「安心しろ勇次、これはジョークだから」

 

勇次 柏木「なんだ……」

 

赤城「そうですよ♪そんな事をしたら……」

 

赤城は目線を三笠に向けると……

 

三笠「……赤城、そんな事をしたら……分かるよね?」

 

三笠が自身の艤装である『イージスシステム』を展開し赤城を睨み付けていたのだ

 

勇次 龍鳳 柏木「デ……デスヨネー」

 

柏木(流石『親バ艦娘』と言われてた教官だな……)

 

慧音「そろそろ本題に入りたいのだが……」

 

二人は納得すると慧音は痺れを切らしたのか勇人達に言うと三笠は艤装を解除し、答えた

 

三笠「ごめんなさい、話が『少し』脱線してしまって……」

 

勇人「『少し』じゃねぇだろ……」

 

三笠「勇人、後で『御話し』な……まぁ先に勇人の左腕の手術を行い、手術後すぐに柏木にイージスシステムを導入させるから」

 

柏木「教官、ちょっと良いですか?」

 

三笠「ん?どうしたの?」

 

柏木は三笠に質問の許可を願うと、三笠は了承すると柏木は考えながら質問した

 

柏木「イージスシステムって確か『特別防衛機密』に指定されているのですね?『そう言った問題』に関しては大丈夫なんですか?」

 

柏木は本来『イージスシステム』は『特別防衛機密指定』されているのにも関わらず、勇人の実家でイージスシステムを取り扱う事に疑問を抱いていたが、三笠は柏木の疑問に微笑みながら答えた

 

三笠「大丈夫よ、これはあくまで『イージスシステムに限りなく近い物』として、お義父さんと一緒に日本政府に脅s……話し合いをし『特別防衛機密』では無い『別物』として登録したから安心して♪」

 

柏木「まさか勇人や教官のイージスシステムも……」

 

慧音「そうだ」

 

柏木「……正しく勇人のカーチャンとお祖父さんだ……平気で財閥の力で黙らせたなんて……まぁ人の事は言えないが……」

 

勇次「カーチャン!!『それ』の後処理する俺の身にもなってくれ!政治家の連中を平和的にクレームを解決するのに苦労するぞ!!」

 

柏木(そして弟さん……不憫過ぎる……)

 

三笠の答えに柏木は呆れ、勇次に同情した

そう三笠は裏そして表の世界の全てを掌握した財団『上城財閥』いや『神城会』の力を使って日本政府を黙らせたのだ

 

勇人「まぁ財閥の力で問題は『解決』した事だし……先生、そろそろ……」

 

柏木「……もう勇人に関して考えるのを止めるわ……収拾が着かなくなる……先生、お願いします」

 

二人は慧音に手術そして柏木の近代化改修ならぬ『近代化改造』をお願いすると慧音は頭を縦に振り答えた

 

慧音「分かった……それじゃベットに寝てくれ……」

 

三笠「頑張れ……勇人……」

 

龍鳳 赤城(……提督)

 

勇次(佐世保鎮守府がマジで修羅場になっていなければ良いが……)

 

二人は慧音の指示に従ってベットの上に座り、仰向けになり、そのまま手術室へ入った


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