Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第41話「事の経緯 後編」

勇人達が群像達のアジトに向かっている頃 0030 伊勢型と優花の共同部屋にて

 

コンゴウ「ズズ……はぁ~……たまには紅茶じゃなくて緑茶も良いな……」

 

マヤ「うげ~コレ苦い……」

 

伊勢「……ってか寝ないの?」

 

コンゴウとマヤは炬燵に入り、緑茶を飲みながら寛いでいると伊勢は眠たそうに二人に聞くとコンゴウはリラックスした状態なのか顔を微笑みながら答えた

 

コンゴウ「そもそも私達『メンタルモデル』は精霊化した艦娘とは違い、あまり睡眠を取らないからな……」

 

マヤ「時間の無駄だからね」

 

伊勢「信憑性が無さすぎるわ……貴女達のリラックスした状態を見ていると……」

 

伊勢は二人を見て苦笑すると共同部屋のシャワールームから頭にタオルを巻き、バスローブを羽織った優花が出てきて、冷蔵庫から缶酎ハイを取り出しベットに寛ぐ様に横になり缶酎ハイを開封し一口飲んで、愚痴を溢す様にコンゴウ達に聞いた

 

優花「ふぅ……しかし蒼き鋼のリーダーである群像君がパラレルワールド、そして未来の勇人君の孫なんてね……ちなみにアッチの私達は何しているの?」

 

コンゴウ「ッ!?一応調べたが……どうやら彼方では『男』なんだ……名前は『桜花 悠』になっていたのだ」

 

コンゴウ(……本当は女性で佐世保の龍の『妻』である『千早優花』なんだが、こんな危険状態に『彼方の優花の情報』を提示するのは今の彼女にとって『危険過ぎる』……許せ優花……)

 

伊勢「……」

 

コンゴウは緑茶を飲みながら嘘の情報を伝えると優花は飲んでいた缶酎ハイが気管に入ったのか噎せ、驚きながら聞いた

 

優花「ゴホッゴホッ!わ……私が男ォ!?嘘でしょ……」

 

伊勢「男って……ちなみに私達『艦娘』は?」

 

優花はコンゴウの答えにショックを受け、落ち込むと伊勢は優花に同情しつつマヤに聞くとマヤは苦い緑茶をチビチビ飲みながら答えた

 

マヤ「んー……多分、私達みたいに『メンタルモデル』として活動しているんじゃないのかな?彼方では『艦娘』が存在しないし」

 

コンゴウ「まぁ妥当な結論だな」

 

マヤは伊勢の質問に答えると伊勢は「あー……納得したわ」と悟ったかの様に納得するとコンゴウはマヤの結論に同意し、炬燵の中で横になり欠伸をし答えた

 

コンゴウ「ふわぁ~……しかし、この炬燵というのは中々の快適な物だな」

 

マヤ「そうだね♪私達の軍艦に導入してみよっか♪」

 

伊勢「……完全に畳化しているわね」

 

優花「……ちょっと勇人君の部屋で酒を飲み直してくるわ」

 

優花はコンゴウの嘘の情報にショックを受け凹んだまま勇人の私室に置いてある酒を飲みに部屋から出ていった

 

伊勢「……それで何故、優花さんに『嘘の情報』を与えたの?」

 

伊勢はコンゴウに聞くとコンゴウは溜め息をつき、答えた

 

コンゴウ「……佐世保の龍『同様』命を狙われるからな……勿論、情報が公開しない様に『此方に来た時』に彼に関する人間関係は私含め閲覧出来ない様に施した」

 

伊勢「提督と同じく『命の危険』……まさか!?優花さんは……」

 

伊勢は冷や汗を出し、質問するとコンゴウは伊勢の疑問に肯定するかの様に頭を縦に振り、答えた

 

コンゴウ「……ああ、私達の世界では『千早優花』……千早群像の祖母だ……もう亡くなっているがな」

 

マヤ 伊勢「ッ!?」

 

コンゴウの言葉に二人は驚愕すると……

 

優花「……成る程ね」

 

コンゴウ「ッ!?優花!?佐世保の龍の部屋に行っていたのでは無かったのか!?」

 

優花「馬鹿ね……嘘を付くのなら、もっとマシな嘘を付きなさいよ……」

 

優花はコンゴウの話を盗み聞きをする為に、勇人の部屋に行くフリをし廊下に居たのだ

そして呆れる様にコンゴウに伝えた

 

優花「それに命の危険なんて何回も味わっているから慣れているよ……ねぇコンゴウさん、貴女は蘭花さんに恩を返す為に私達と手を組んでいるよね?」

 

コンゴウ「ああ……」

 

優花「なら私達に嘘を付くのは止めてね……私達仲間でしょ?なら絶対、嘘を付かないでね」

 

優花はコンゴウに忠告するとコンゴウは「分かった」と了承し頭を下げた

 

コンゴウ「……すまなかった」

 

伊勢「まぁ、これはこれでヤバい事になったのは変わらないけどね……」

 

コンゴウ「そうだな、奴らから狙われるからな……」

 

コンゴウは伊勢の言葉に同意すると伊勢は「そういう意味じゃなくて……」と否定し答えた

 

伊勢「……金剛達を筆頭に、この鎮守府で提督の事を『最愛の人』として慕っている艦娘達や彼を落そうとしている他の鎮守府の艦娘達や女性提督に聞かれたら……」

 

コンゴウ「……考えたく無いな」

 

コンゴウは伊勢の意味深な言葉を察すると優花は群像の祖母……勇人の妻だと知ると嬉しそうに呟いた

 

優花「私が勇人君の妻……今度から勇人君の事をダーリンと……」

 

伊勢「おーい優花さん……戻って来て……」

 

マヤ「佐世保鎮守府内でカーニバル(シュラバヤ海戦)待った無しだね……」

 

コンゴウ(言わなければ良かった……)

 

二人は呆れながら呟き、コンゴウは後悔したのか頭を抱えた

そして……

 

青葉「……青葉、聞いちゃいました」

 

青葉に聞かれ、鎮守府に広がったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢港付近にて

 

ゾクッ……

 

勇人「ッ!?」

 

備前「ん?どうした?」

 

備前は震えた勇人に違和感を感じ、聞くと勇人は身体が震えているのにも関わらず冷や汗を出しながら答えた

 

勇人「急に寒気が……」

 

ヒュウガ「風邪引いたの?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ……何か嫌な予感がするな……主にウチの所で……」

 

備前「実家(総本部)でか?」

 

勇人「佐世保鎮守府の方だ」

 

勇人の答えに備前は少し考え、そして……

 

備前「………あ~……そういう事か……多分、群像の世界の『お前の奥さん』絡みだな」

 

考えが纏まったのか、手をポンと打って納得した

 

勇人「奥さん?」

 

ヒュウガ「ああ……成る程ね……」

 

ヒュウガも納得すると勇人も察したのか呆れながら呟いた

 

勇人「ったく……アイツら……」

 

備前「まぁ佐世保のシュラバヤ海戦は勇人に任せて、今『やるべき事』をしに向かうぞ」

 

ヒュウガ「ええ……」

 

勇人「……やれやれ」

 

三人はイオナと接触する為、歩いて向かった

 

 

 

 

 

数分後 蒼き鋼の艦隊のアジト 出入口前にて

 

勇人「懐かしいな……よく此処でドリフトの練習をしてたな」

 

備前「……よく捕まらなかったな」

 

ヒュウガ「……如何にも幽霊が出そうね」

 

三人は其々、思った事を呟くと先に帰った群像がヒュウガに気付き、接近し話した

 

群像「ヒュウガ?何で……ん?この人達は?」

 

タカオ「あんたねぇ!龍光会に見つかったらどうするの!?ってかアンタ達、誰?」

 

群像とタカオは今の勇人と備前を見て疑問し、聞くと勇人は群像の耳元に呟く様に言った

 

勇人「……俺だ」

 

勇人は声だけ戻し、群像に言うと群像は驚き答えた

 

群像「ッ!?おz……勇人「馬鹿!此処で叫ぶな!奴らにバレたらどうするんだ!?」……すみません」

 

備前「……単刀直入に言うがイオナに会わせてくれないか?」

 

タカオ「……今、龍光会が来ているわ……それでも良いの?」

 

タカオは勇人と備前に忠告すると二人は「構わねぇ」と答えるとタカオはため息をつき、答えた

 

タカオ「はぁ……艦長……」

 

群像「分かった……案内する……それとヒュウガは車に隠れてくれ」

 

ヒュウガ「……仕方ないわね」

 

群像は二人をアジトに案内した

 

 

 

 

 

 

 

数分後 アジト内にて

 

スーツの男「……客人が来ているのか」

 

群像「ああ……俺達『蒼き鋼』の協力者だ」

 

スーツの男は勇人達を見て微笑みながら言った

 

スーツの男改め『李』「私は龍光会北陸支部の支部長の李だ」

 

勇人「ご丁寧にどうも、私は千早さん達の協力者の1人の『笠原 三花』です……職業はマヨイガというお店でバイトをしています」

 

備前「同じく『前川 美紀』ですわ」

 

群像(『笠原 三花』に『前川 美紀』……ふっ、成る程な……名前を入れ替えれば『三笠』に『備前』……よく考えた物だな……)

 

二人は咄嗟に考えた偽名で自己紹介すると李は二人の身体を舐め回す様に見てC国の言葉で呟いた

 

李「ふむ……前川さんも良いが……やっぱり彼女『笠原さん』は私の好みだ……」

 

ゾクッ……

 

勇人(ッ!?このエロ親父……小せぇ『主砲』をおっ起たせてやがって……中身は男だってのに……単純な野郎だぜ……)

 

備前(コイツの思考がバレバレだな……まぁデカさは……悪い意味でノーコメントだ)

 

二人は李の態度に不愉快に感じたのか顔を少し歪ませると杏平が勇人に突っ掛かる様に聞いた

 

杏平「おいアバズレ!俺達は佐世保の龍を殺s……勇人「少し黙ってくれないのかしら?」……ッ!?」

 

備前「アバズレって……酷いですわ……」

 

杏平(こ……怖ぁ……まるで怒り方が勇人お爺ちゃんに似ているぜ……)

 

勇人は杏平を睨み付け、黙らせると群像は微笑みながら李に言った

 

群像「では李さん、今日は夜遅いので御帰宅なさった方が宜しいのでは?」

 

李「……残念だな、もっと彼女達と話したかったのにな……」

 

勇人「お店に来れば嫌って言う程『御相手』しますよ♪」

 

李「フフ……商売上手だな、では後日、お店に……」

 

勇人「お待ちしております李さん♪」

 

勇人は李が嬉しそうに微笑みながらアジトを去って行くのを確認すると微笑みの表情から一転し、元の荒れくれ者の表情に戻った

 

勇人「……クソッタレ!!何が御話しだ!小せぇモンを見せつけやがって!!」

 

備前「……気持ちは分かるが『その発言』は群像達の教育に良くねぇぞ」

 

静「あ……あの……三花さんに美紀さん、少し御話ししても良いのですか?」

 

勇人「ん?どうしたの?」

 

備前「はい?」

 

二人は女口調で言うと静は先程の勇人の表情に臆しつつ質問した

 

静「……お二人共……『本名』は何て言うのですか?」

 

勇人「どうして『そんな事』を聞くのよ?」

 

静「艦長とタカオの表情が……」

 

群像「クククッ……」

 

タカオ「プフフ……」

 

勇人は群像とタカオを見ると二人は笑いを堪える様に涙目になっていたのを知ると勇人は頭を抱え、静の質問に答えた

 

勇人「乙女の秘密よ♪静さん♪」

 

勇人は女口調で静の質問を答えず、微笑みながら言うと備前と群像そしてタカオは、そんな勇人に笑いのツボが入ったのか、腹を抱え、爆笑しながら言った

 

備前「ブファ!!お前が……乙女ぇ!?アハハハハ!本当は強面の男の癖に!」

 

勇人「おぃぃぃぃ!?お前がネタばらしてどうするんだ!?」

 

群像「アハハハハ!もう……無理……アハハハハ!もう変装を解いてください!お腹が……」

 

タカオ「ブッ!?もう無理!アハハハハ!!」

 

静「え!?ちょ!?どういう事!?」

 

杏平 いおり「一体どういう事?」

 

僧「全く持って意味が分かりませんが……」

 

ハルナ キリシマ「訳が分からんな……」

 

イオナ「群像、理由を説明して」

 

群像とタカオ以外、混乱し群像に聞くと勇人は呆れながら言った

 

勇人「お前ら……はぁ~仕方ねぇ、艤装解除」

 

備前「アハハハハ……腹痛ぇ……艤装解除っと」

 

二人は艤装を解除した

 

杏平 いおり「へ!?」

 

ハルナ キリシマ 静「なっ!?」

 

僧「嘘……」

 

イオナ「ッ!?」

 

勇人「……ネタばらしだ、分かったか?」

 

柏木「オッス!あの時以来だな♪」

 

群像とタカオ以外全員「エェェェ!?勇人お爺ちゃん(佐世保の龍)に柏木さん(呉の虎)!?まさか本当の協力者って……」

 

群像とタカオ以外の蒼き鋼のメンバー全員が『笠原三花』そして『前川美紀』の正体を知り驚愕すると群像は少し笑いながら答えた

 

群像「そう『俺達の本当の協力者』が彼等……『龍虎の艦隊』のリーダーであり龍光会が依頼する『抹殺』のターゲットの『上城勇人』さんに『柏木疾風』さんだ」

 

勇人「『あの時』は世話になったな……杏平にいおりィ!!」

 

柏木「脅すなよ……まぁ宜しくな」

 

静「ちょ!?待って下さい!?何故勇人お爺ちゃんに柏木さんが……」

 

杏平「まさか……俺達を……」

 

いおり「ヒィィィ!命だけは……」

 

杏平といおりは勇人の脅しに臆し、命乞いをすると勇人は呆れながら答えた

 

勇人「……冗談だ」

 

柏木「いやいや……お前の場合、冗談に聞こえないから……それより……」

 

柏木は勇人の冗談にツッコミを入れ、本来の目的の事を勇人に言うと、勇人は咳払いをし、イオナに聞いた

 

勇人「ゴホン……俺達が来たのはイオナ……お前に聞きたい事があるから此処に来たんだ」

 

イオナ「私に?」

 

柏木「ああ、まぁ夜遅いから単刀直入に言うが何故、龍光会と手を組む様、群像に指示を出したんだ?」

 

柏木は真相を知っているイオナに聞くと、イオナは悔しいのか少し顔を歪ませ、俯きながら答えた

 

イオナ「ボロボロになったコンゴウ達を見て……そして龍光会は狙撃手を使って群像達を殺そうとするから……」

 

勇人「つまりアイツらは、ボロボロになったコンゴウ達を『見せしめ』とし、群像達が『人質』になっていた……という訳だな」

 

イオナそして柏木以外全員「ッ!?」

 

勇人はイオナに聞くと、イオナは肯定するかの様に頭を縦に振った

 

勇人「……柏木、聞いたか?」

 

柏木「ああ、確りと『妖精達』がカメラで録画そしてボイスレコーダーに録音したぜ……お前達を無罪にする証拠がな♪」

 

群像「ちょ!?待ってくれ!?お爺ちゃんに柏木さん!『妖精』ってどういう事ですか!?」

 

群像は柏木が言っていた『妖精』について聞くと柏木は笑いながら答えた

 

柏木「ああ、あの時『艦娘』や『それに準ずる俺達』しか見えない妖精……言わば俺達の小さな仲間達が、お前達の所に忍び混ませたんだ」

 

勇人「勿論、お前達の作戦も俺達に筒抜けだって事さ……分かりやすい様に……艤装展開『battle mode Aegis ver.2』……お帰り霊夢にジョイ」

 

柏木「同じく艤装展開っと……待たせたな」

 

霊夢「ただいま……って酒臭っ!?勇人に柏木大将!飲んできたの!?」

 

ジョイ「ったく……私達はスニーキングミッションしているのに……」

 

柏木側の妖精達「狡いですよ上城中将に提督!!」

 

勇人「悪いな……後、艤装の中にお土産が入っているから、柏木の所の妖精達と食べてくれ」

 

備前「……お前の艤装は某四次元ポケットかって……まぁ良いか……悪いな勇人」

 

勇人「気にするな」

 

柏木側の妖精「わーい♪ゴチになります♪」

 

霊夢 ジョイ「なら許す……よっと!」

 

ピカッ……

 

群像達「ッ!?」

 

勇人と柏木は再び女の姿になり、二人の足下に待機していた妖精達が其々、二人の肩に飛び乗ると、少し発光し、光が収まると群像達は驚いた

 

勇人「んで、見えるか?コイツらが妖精だ」

 

霊夢「宜しくね……お馬鹿な艦長さん」

 

ジョイ「霊夢……あんまり群像達を馬鹿にするな」

 

柏木側の妖精達「普段、人間には見えませんからね……」

 

群像「……嘘だろ」

 

ハルナ「これは一本取られたな……」

 

キリシマ「……道理で私達の作戦通りに行かないと思ったら……」

 

杏平 いおり「卑怯過ぎる……」

 

僧「戦いに卑怯もへったくれも無いですが……狡過ぎます」

 

イオナ「滑稽な事を……」

 

静「……って事は、私が『お見合いパーティー』に参加し鳥海に変装する事も……」

 

勇人「勿論、全部リアルタイムで聞いていた」

 

備前「かなりの間抜け面だったぞ♪見ていて此方が呆れる位にな♪」

 

蒼き鋼のメンバー全員「……そりゃ勝てない筈だわ……狡過ぎる……」

 

備前「……お前達が馬鹿過ぎるからだろ……ってか本当にお前の孫なのか?馬鹿過ぎるぞ」

 

勇人「……それ俺じゃなくて『アッチの俺』に言え……まぁ良い……」

 

群像達はあまりにもショックが大きかったのか、皆酷く落ち込むと勇人はため息をつき、言い始めた

 

勇人「んで、話を戻すが『この事』は龍光会の連中には他言無用で龍光会が壊滅するまで暫く俺達と『敵対』組織として動いてくれ……後、それとコンゴウ達の船とは別の場所で伊401と高雄を修理するから後日、俺の所の造船場に持ってこいよ」

 

イオナ タカオ「分かった……ありがとう……」

 

備前「フッ……あ!?タカオにイオナ、分かっていると思うが修理の事も言うなよ……んじゃ俺達は帰るわ」

 

勇人「じゃ……お休み……」

 

二人は勇人の実家に帰ろうとした途端……

 

静「待って下さい!どうして電話では無く、直接私達のアジトに来てまで聞きに来たのですか!?私には理解出来ません!!」

 

群像「ちょ!?静!?」

 

タカオ「落ち着きなさい!お爺様達は何か策があるから此処に……」

 

静「二人は黙ってて下さい!」

 

静は勇人と備前の案に不満があり、そして龍光会に殺される『危険を犯して』までしてアジトに来た理由を声を荒げながら聞いた

まるで勇人達の行動が群像達を侮辱したかの様に……

 

勇人「…………」

 

静「いい加減答えて下さい!このまま黙秘を続けるのですか!?『蒼白龍』いえ『戦場の狂龍』と言われてた名将ではないのですか!?どうなのですか!!」

 

勇人「……」

 

静「お願いだから答えて!!貴方も龍光会の連中と同じ『クズ』では無かったら……」

 

群像「静……」

 

備前「……勇人、答えてやりな……お前の『本心』をな」

 

勇人「……分かった」

 

静の質問に勇人は諦め、ため息をつき、勇人自身の本音を静に優しく、落ち着いた表情で答えた

 

勇人「……未来とは言え孫の友達を見たかったからな……俺には海軍の同期の友人がいねぇし、親父絡みで、そいつら……まぁ艦娘達を奴隷の様に扱う連中『艦奴派』の思考を持った同期達や教官達から迫害や嫌がらせを受けていたせいで『人間不信』になっていた……そして当時、そんな俺を助けてくれた『唯一の仲間』である艦娘達を守り、恩を返す為に自ら『蕀の道』に入り込んだんだ……」

 

備前(……当時……確か『大本営襲撃事件』の時か……アイツの生い立ちは大雑把だが一応『知っていた』んだが、まさか本人の口から『生い立ちの細部』を聞くとは……)

 

静「……」

 

群像「……お爺ちゃん……」

 

勇人「……これが蕀の道に進んだ『証拠』だ……フン!」

 

ガチャ!

 

群像「な!?」

 

タカオ「ッ!?」

 

勇人は群像達の前で左腕の義手を外し、義手を群像達に見せると群像達は勇人の生い立ち、そして勇人自身が蕀の道に進んだ証拠である『左腕の義手』を見て絶句し、黙って勇人の話を聞いた

 

勇人「アッチの俺の生い立ちは分からねぇ……俺みたいに『蕀の道』に入り『修羅』なったか、蕀の道に入らず、そのまま普通の老人になったか知らないが……俺は異世界そして未来とは言え(群像)に『俺と同じ目』に合わせたく無かったんだ……だから俺の目で、お前が信用している友達……仲間を見極めたかったんだ……まぁ結局『要らぬ心配』だったけどな……これで満足したか静?」

 

勇人は昔を思い出したのか哀しい目をしていたが、普段の荒れくれ者みたいな荒々しい雰囲気ではなく穏やかで仏の様な慈愛のある優しい表情で答えると静は勇人の話を聞き、あまりにも壮絶な生い立ちに只々絶句し、そして先程、静自身が勇人に『失礼極まり無い事』をしたのを思い出し、勇人……『群像の祖父』の気持ちを察してやれなかった『情けなさ』と勇人に暴言を吐いた『罪悪感』が入り交じりながら答えた

 

静「………はい……そして先程のご無礼……すみませんでした!!!」

 

備前(静っていうガキ……見掛けによらず怖いもの知らずだな……ってか、よくキレなかったな……アイツ)

 

杏平(そうですね……)

 

キリシマ いおり(心臓が止まるかと思った……)

 

ハルナ(今人形であるお前が『心臓』なんてあるのか?)

 

キリシマ(ッ!?『言葉のあや』だ!)

 

備前は勇人に深々と頭を下げる静を見て少し感心すると勇人は頭を下げた静の頭を撫で、笑いながら答えた

 

静「ッ!?」

 

勇人「……気にするな、これからも馬鹿孫を宜しくな」

 

静「はい!!!任せて下さい!!」

 

勇人「勿論、杏平やいおり、僧、ハルナ、キリシマ、イオナ、ヒュウガ……群像を宜しくな……そしてタカオ、早くしないと他の者に『取られる』ぞ♪『二人の仲』は俺が許可する♪」

 

タカオ「え!?ちょ!?お爺様!?一体何を!?」

 

勇人はタカオに意味深な事を言うとタカオは勇人が言っていた意味が分かったのか焦り、照れながら答えると備前も察したのか微笑みタカオに言った

 

備前「ハハッ♪若いって良いな♪んじゃ俺達は帰るから今の内に『夜戦』しとけよ♪」

 

タカオ「や……『夜戦』!?」

 

群像「ん?夜戦?」

 

ハルナ「……『夜戦(意味深)』とは『夜間戦闘』の略称で、今の表現は性行……タカオ「ストップ!!それ以上喋るな!!内容が生々しいわ!!」……タグ添付」

 

勇人「ったく……フン!痛ぇ……それじゃ帰るから身体休んでおけよ、じゃ……」

 

勇人は義手を痛そうに装着し、二人は歩いて勇人の実家に向けて群像達のアジトを出ようと群像達に背を向けた途端

 

群像「お爺ちゃん……総員!!佐世保の龍に呉の虎に敬礼!!」

 

群像達は勇人達に感謝の意を答えたかったのか、蒼き鋼の艦隊総員で勇人達に敬礼をし、そのまま見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一時間後 勇人の実家にて

 

三笠「あんたら……こんな時間まで何してたの!!」

 

慧音「勇人!今日『手術』するのに酒なんか飲んできたんだ!!」

 

勇人 柏木「いや……その……悪ィ……」

 

金剛型「………ごめんなさい(デース)」

 

高雄型(足が痺れてきた……)

 

勇次 瑞鶴 咲夜 龍鳳 三笠元帥 一航戦「……逃げて良かった」

 

博和「やれやれ……」

 

勇人達が帰宅し、直ぐに高雄型の四人に金剛型四人と共に正座で三笠と慧音の説教を一時間聞かされたのは言うまでもなかった

 


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