Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
群像「……それは俺達『蒼き鋼の艦隊』が硫黄島から出る時でした……」
群像は勇人達に重い口調で簡潔ではあるものの、経緯を説明し始めた
群像「俺達は当時、拠点としてた硫黄島を捨て、タカオの船に俺と伊401のメンタルモデル『イオナ』以外の乗組員全員を乗せ、別ルートではあるが俺達はアメリカに向かっている途中でした……」
勇人「別ルート?何で態々面倒臭い事をするんだ?」
群像「その時、伊401……イオナは和平交渉をしていた霧の艦隊の一人『コンゴウ』と『マヤ』に狙われていたんだ」
柏木「交渉失敗し、アイツらの囮に……って訳だな」
柏木の答えに群像は頭を縦に振り説明を再開した
群像「そうです……結果は逃げ切ったのですが、逃げ切った直後、強い電磁波が発生し、その電磁波のせいで伊401とタカオは『クラインフィールド』が使えない位ボロボロになり、霧の艦隊共々、パラレルワールドの過去……今の世界に流れついたのです」
勇人「……そして黒幕である龍光会の依頼を断ったコンゴウ達に会い、お前達は自分の世界に戻りたいが為に龍光会の依頼を了承し、電磁波でボロボロになったコンゴウ達を……」
群像「………はい」
勇人「ッ!?」
グイッ!!
群像「ッ!?」
勇人は群像に聞くと群像は静かに肯定すると勇人は怒りを含んだドスの利いた低い口調で群像の胸倉を掴み言った
勇人「オイコラ!何が和平交渉をミスったからって尻尾を巻いて逃げ、更にボロボロになったアイツらを追い討ちを掛ける等、卑怯極まりない事をするんだ!そして龍光会……アイツらの事を疑いもしなかったのか!?どうなんだ!?」
群像「そ……それは……」
柏木「勇人落ち着けって!後、お前も人の事を言えねぇだろ!」
柏木は怒り狂った勇人を宥める様に止めると勇人は柏木に強い口調で答えた
勇人「俺はあくまで平和的に、そして霧と群像達、両方に死傷者が出ない様に攻めているだけだ!」
柏木「あ……そう言えばそうだったな、俺達は群像達の資材を盗み、軍資金等のルートを遮断する厭らしい攻め方……『兵糧攻め』がメインだったな……流石に『殺し』はやらねぇが……群像、一応言っておくが、お前の『返答次第』では『兵糧攻め』から『
勇人の言葉に柏木は勇人の作戦内容を思い出し、納得し、勇人同様、殺気が籠った重い口調で答えると群像は殺気染みた二人に臆しながら答えた
群像「……実はイオナの判断で龍光会と手を組んだんだ」
勇人「イオナ?」
勇人は群像が言っていた『イオナ』について聞くと柏木は群像のアジトに忍び込ませた妖精の報告を思い出し、勇人に伝えた
柏木「あの銀髪のガキの事だ」
勇人「あぁ……あの仏頂面の……」
ヒュウガ「あぁ!?イオナおねぇさまが仏頂面だっt……」
勇人 柏木「……」
ヒュウガ「……ごめんなさい、話を続けて」
ヒュウガ(ヒェェェ!彼等の後ろに龍と虎の背後霊が……)
ヒュウガは二人がイオナの悪口を言った事に激怒したが、二人が殺気染みた睨みをヒュウガに向けると、ヒュウガは仔犬の様に臆し黙った
勇人「……まずは群像のアジトにいるイオナと言われているガキとコンタクト取らねぇと詳しい内容が分からねぇな」
柏木「ああ……それと放してやれ……」
勇人は群像を放し、苛つきながらも日本酒『手取川』が入ったコップを一気飲みをし、群像達に言った
勇人「……チッ!ほら、さっさと帰んな!」
群像「……しかし」
柏木「悪いな群像、お前のじい様は今『ご立腹』なんだ……後、今回の事は龍光会には内緒だぞ」
群像「……つまり俺達は引き続き龍光会の駒として動け……という訳ですね?」
群像の答えに柏木は肯定し、簡潔ではあるが理由を答えた
柏木「……お前達を『無罪』にするには『証拠』……龍光会に拉致され、脅されたという『証拠』が欲しいからさ……まぁ龍光会に強制的に俺達の世界に拉致された時点で無罪確定だけどな……一応この事も秘密な」
群像「ッ!?……分かりました、では……タカオ、帰るぞ」
タカオ「ヒック……はぁ~い♪バイバイ『タカちゃん♪』」
高雄「それじゃあね♪タカオさん♪」
勇次「悪いな群像にタカオ、今兄貴は……」
群像「分かっていますよ、勇次『伯父さん』に瑞鶴『伯母さん』そして……」
群像 タカオ「お祖父ちゃん(お爺様)……ご馳走でした」
二人は柏木の言葉に嬉しくなり、笑顔で勇人達に一礼をし、店を後にした
瑞鶴「ちょ!?誰がオバサンですってぇー!!」
勇次「落ち着けって……」
勇人「……柏木」
柏木「勿論……」
勇人は真剣な表情で柏木を見ると、柏木は勇人の考えを察したのかニヤついた
勇人「……もう一件行くぞ……次はアイツらのアジトにな……」
柏木「……妖精の回収か、まぁアイツらから『情報』は出せそうに無いからな……水嶋さん、先に艦娘達を連れて帰ってくれないか?」
柏木は博和にお願いすると、博和は「分かりました」と承諾し、艦娘達を連れて店を後にした
ヒュウガ「……イオナおねぇさまに会いに行くのね」
勇人「ああ、まぁ何故イオナはアイツらと『手を組ませた訳』位は想像出来るけどな……」
ヒュウガ「……群像含め乗組員全員が人質にされた……と」
勇人はヒュウガの答えに「多分な……」と答えるとヒュウガは決意したのか、真剣な表情で勇人に言った
ヒュウガ「……私も連れて言って!私は龍光会には顔ところが名前すらバレていないわ♪」
柏木「……なるほどな」
勇人「分かった、だが無理はするなよ」
ヒュウガ「分かっている……それじゃ優吾さん♪少し席を外しますので宜しくお願いします♪」
優吾「了解ッス♪」
勇人「優吾『お会計』だ」
勇人は懐から財布を出し、優吾に40万円を渡すと優吾は驚き、答えた
優吾「ちょ!?先輩!?こんな大金……受け取れないッス!」
勇人「良いから受け取れよ、これは『口止め料や迷惑料込みのお会計』だ……行くぞ」
柏木「ああ……龍光会にバレない様に……艤装展開」
勇人「……艤装展開『battle mode Aegis Ver.2』……じゃ優吾に優奈……ごっぞさん♪」
勇人は柏木(備前)とヒュウガを連れて群像達のアジトに向けて移動した
だが………
ヒュウガ 備前「サブッ!?」
勇人「……柏木はともかく……ヒュウガ、だらしねぇな……」
ヒュウガ「タフガイの貴方と一緒にしないで……ブァックショイ!!」
そう、外は雪が積もっており、冷たい風が備前そしてヒュウガを襲ったのだ
しかもヒュウガは兎も角、備前は露出の多い薄着な為、冷たい風がダイレクトに身に染みてきたのだ
備前「勇人……コート貸してくれ……寒過ぎる」
勇人「……はいよ」
勇人(泣けるぜ……)
勇人は羽織っていたコートを備前に貸し、呆れながら群像達のアジトに向けて足を運んだ