Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第40話「戰乙女達の宴」

場所は戻り スナック『マヨイガ』内の厨房にて

 

勇人「……それはどういう事だ……千早群像が俺の孫だなんて……何処で知った?」

 

勇人は驚きつつ小声で優花に聞くと、優花もまた小声で伝えた

 

優花「うん……元々は興味本位でコンゴウさんに御願いして調べて貰ったら……」

 

勇人「……成る程な、これで合点が合ったな……つまり龍光会は千早群像の祖父である俺を殺せば孫である千早群像の……いや蒼の艦隊の『存在』が無くなり、俺を殺した本人である千早群像ごと消える事により『証拠』が無くなり、アイツらの『完全犯罪』が出来上がる訳だな……」

 

優花「……うん」

 

勇人「ギリッ……クソッタレ……」

 

勇人は龍光会の策略が分かり、納得した反面、先祖殺しを依頼した龍光会に怒りを表したのか歯軋りをし苛立っていると背後からオレンジ色の巻き髪をした科学者風の女性が厨房に入って来て、勇人に聞いた

 

女性「……貴方が上城勇人さんね?」

 

勇人「赤城……ん?いや違うな、誰だ?」

 

勇人は赤城の声に似た女性に睨み付けながら聞くと、女性は勇人に敵意が無いのかビビりながらも両手を上げながら答えた

 

女性改め『ヒュウガ』「待って!私は敵じゃないわ!私は蒼き鋼の艦隊に所属している軍艦『日向』のメンタルモデルの『ヒュウガ』……まぁ貴方達では『蒼の艦隊』と言われているけどね」

 

勇人「……色々と矛盾しているぞ、そして何故此処に居るんだ?」

 

優花「蒼き鋼の……まさか勇人君……今、絶体絶命な状態なの?」

 

優花は勇人を心配すると勇人は「大丈夫だ、問題無い」と答え、ヒュウガは勇人の矛盾や彼女自身、何故此処に居る理由を説明し始めた

 

ヒュウガ「まぁ貴方達の中では矛盾していても仕方無いわ……私も龍光会の策略によって、この世界に流れ着いたのは良いが私だけ違う所に漂流したのよ」

 

優吾「そうッス……今朝、金沢の漁港に行ったら気絶していた彼女が居たんッスよ……そして……」

 

勇人「蒼の艦隊とは知らずに保護した……という訳だな……ってか何故此処に居るんだ?」

 

優吾「料理が出来上がったので呼びに来たんッスよ」

 

優吾は料理や酒が出来上がった事を言うとヒュウガは嬉しそうに言った

 

ヒュウガ「え♪料理ですって♪私も食べたいです♪」

 

勇人「……優吾、ヒュウガと群像達にも飯を出してやれ……勿論俺達持ちだ」

 

ヒュウガ「ゴチになります♪……そんで、貴方の中では敵である私達に奢るのは……何か策があるのかしら?」

 

勇人「ふん!感の良い女は嫌いじゃないぜ♪ちょっとな……」

 

ヒュウガは勇人の考えについて聞くと勇人は優吾に『とある事』を聞いた

 

勇人「優吾、この店は在日の政治団体である『龍光会』の連中が来るのか?」

 

勇人の質問に優吾は嫌がった顔をし頭を抱えながら答えた

 

優吾「来るの何も『常連さん』ッス……まぁ『悪い意味』ッスけどね……店は汚すわ、優奈に手を出そうとするわ、粗相をかますし……『お客様は神様』だと言うけど、アイツらの場合は神様でも『疫病神』ッスよ」

 

勇人「……ちなみに何時来るのか分かっているのか?」

 

勇人は優吾に聞くと、優吾はメモ帳を開き、答えた

 

優吾「えーっと……あった!予定では三日後の18時に龍光会北陸支部全員で『忘年会』を此処で行う予定ッスけど……」

 

勇人「フッ……これは好都合だ」

 

ヒュウガ「……成る程、直接アイツらから情報を引き出すのね……それなら私が……」

 

ヒュウガは龍光会から情報を引き出す仕事に立候補するが……

 

勇人「いやヒュウガは群像達の様子を見てくれ、ここは『俺と柏木』が出る」

 

勇人はヒュウガの案を却下すると二人は焦りながら言った

 

優吾「はぁ!?先輩マジで言っているんッスか!?」

 

ヒュウガ「いくら貴方達が強いからって……自殺行為よ!」

 

優花「あぁ~……そう言う事ね……分かったわ」

 

スマホ越しではあるが、優花は勇人の言葉に納得すると二人は何故納得した優花に凄い剣幕で質問した

 

優吾「優花さん!アンタ何ダラな事を言っているんッスか!?先輩は龍光会に狙われているんッスよ!!」

 

ヒュウガ「そうよ!!本来、彼らを『止める立場』である貴女が『自殺行為染みた作戦』に賛成するのよ!!馬鹿じゃないの!?」

 

優花「勇人君『あれ』を見せて上げれば?」

 

優花は二人を納得させる為に、勇人に御願いすると、勇人は溜め息を付き答えた

 

勇人「……あれは特別防衛機密に指定されて……」

 

柏木「別に良いんじゃね、優吾さん達も海軍の事情を知っているんだし♪それに龍光会の連中はお前の『あれ』と艤装を着けた俺の姿なんて知らねぇからよ♪」

 

勇人「柏木!?すっかり出来上がっているな……」

 

ヒュウガ「ゲ!?呉の虎!?」

 

柏木「ガオー♪食べちゃうぞ♪……まぁ冗談はさておき、勇人……お前と千早群像の関係は……」

 

勇人「孫……だろ?俺も、さっき優花から聞いた……今アイツらは?」

 

勇人はビール片手に厨房に入ってきた柏木に驚くと、柏木は飲みながら言った

 

柏木「アイツら……色んな意味でショックを受けて、頭を抱えているぞ」

 

勇人「……そうか、それじゃ優花、至急コンゴウとマヤの軍艦をウチまで運んでくれないか?蒼き鋼の連中には俺が言っておく」

 

優花「うん、分かった……無理はしないでね」

 

優花は勇人に、そう言い残し、電話を切った

 

優吾「……先輩に柏木さん『あれ』って何ですか?」

 

柏木「……言葉で説明するより見せた方が手っ取り早いな……艤装展開!」

 

勇人「ああ……艤装展開!『battle mode Aegis Ver.2』!」

 

二人は優吾、ヒュウガの前で艤装を展開し、勇人は女の姿である『Aegis Ver.2』になると、優吾そしてヒュウガは二人の姿を見て絶叫した

 

優吾 ヒュウガ「エェェェェェ!?先輩達(龍虎の二人)が……女に!?」

 

勇人「……これで分かったか?」

 

備前「……お前、イメチェンしたのか?三笠教官に似ているのだが……」

 

勇人「ああ、流石に『あの姿』じゃあ、お袋に似ているから直ぐに龍光会にバレるしな……バレない様に母さんを参考にして加賀に頼んで髪を切り落とし、服装を変えた」

 

備前は今の勇人の姿を見て聞くと勇人は肯定した

ちなみにイメチェンした勇人の姿は某MMDのオリジナル艦娘の『三笠』に瓜二つにした姿だったのだ

 

備前「まぁ妥当な判断だな……ってか加賀にやらしたのか……アイツ大丈夫だったのか?」

 

勇人「……震えていたぞ……多分アイツ、ショートランドの頃のトラウマでは無くてガ島の時のトラウマの方を思い出して……」

 

備前「あ、それは俺達が悪いな」

 

勇人「あの時は仕方無かったんや」

 

備前「だよなぁ……」

 

備前は勇人がイメチェンしている時の加賀を想像すると頭を抱え、愚痴るとヒュウガと優吾は二人の姿に頭がついて行けなかったのか、焦りながらいった

 

優吾「ちょ!?待ってください先輩!これは一体どういう事ッスか!?」

 

ヒュウガ「そうよ!!何故私と同じ『メンタルモデル』いえ艦娘になれるの!?」

 

勇人「悪いな、流石にお前達でも言えないな」

 

備前「……察してくれ」

 

二人は優吾達に言うと優吾は察したのか、はたまた色んな意味でブッ飛んだ二人の事を考えるのを止めたのか呆れながら答えた

 

優吾「……『特別防衛機密指定』レベルッスか……分かりました」

 

勇人「助かる」

 

ヒュウガ「え!?優吾さん!?良いんですか!?」

 

優吾「ああ、ヒュウガ……これだけは覚えて欲しいッスよ……これは『触らぬ神に祟りなし』……聞かない方が良いッス……後、これは他言無用で宜しくッス」

 

ヒュウガ「納得いかないが……分かったわ」

 

備前「ホッ……んじゃ元の姿に戻るか……艤装解除」

 

勇人「ああ……艤装解除」

 

勇人と備前は二人が納得するのを確認すると艤装を解除し柏木は少し温くなったビールを一気飲みをし、勇人は懐からタバコを取り出し、タバコを吸い始めた

 

勇人「そんじゃ俺達も戻るか」

 

柏木「ああ、群像達のアフターケアを頼んだぜ……『勇人お祖父ちゃん』♪」

 

勇人「俺はそこまで老けてねぇよ!」

 

ヒュウガ「頑張ってね『勇人お祖父ちゃん』♪」

 

勇人「お前らぁ……」

 

優吾「先輩……同情するッス」

 

少し苛ついている勇人を尻目に四人は客席に戻った

 

数分後 客席にて

 

勇人「待たせたな……ん?どうした?何で殺気立っているんだ?」

 

柏木「だから言っただろ?『アフターケア』を頼んだぜ……と」

 

ヒュウガ「うわぁ……」

 

優吾「これは……アカン」

 

優奈「これ……異世界の勇人さんのせいですから!」

 

四人は客席にいた金剛達を見て呆れていた

何故なら……

 

金剛「テートク!?これは一体どういう事デスか!?」

 

榛名 咲夜「提督(ご主人様)!あれほど浮気はしないでと言ったじゃないですか!?」

 

高雄「しかも子供ところが孫まで……」

 

愛宕「ちょっと『お話』を……」

 

鳥海「しませんか?」

 

比叡「ヒェェェ……みんな、落ち着いて……」

 

霧島 龍鳳「……はぁ」

 

摩耶 三笠元帥「何でこうなるの……」

 

群像 タカオ「ガタガタガタ………」

 

一航戦 瑞鶴 勇次 博和「……やれやれ」

 

金剛、榛名を筆頭に咲夜、高雄、愛宕そして鳥海が勇人に凄い剣幕で質問し比叡と群像そしてタカオは今の金剛達を見て臆し、それ以外は金剛達の状態に呆れていたのだ

しかも金剛、榛名、咲夜、摩耶以外の高雄型全員が泥酔しきっていたのだ

 

勇人「……泣けるぜ」

 

タカオ「嘆いている暇があったら助けて『お爺様』!!みんな武器を持って……」

 

群像「……よく彼女達を纏めれましたね……『お祖父ちゃん』……」

 

勇人「群像にタカオ!俺をジジイ扱いするな!まだ22だ!」

 

柏木「そんな事を言っている場合じゃねぇだろ!早く止めるぞ!」

 

勇人「……分かった」

 

その後、勇人達の説得により場は収まり、数分後……

 

勇人「さっきはすまなかったな……ウチの仲間達が……」

 

艦娘達 咲夜「スミマセンでした!」

 

群像「此方こそスミマセン……まさか佐世保の龍が、お祖父ちゃんだったなんて……」

 

タカオ「そうですよ……はぁ……不幸だわ……」

 

二人は勇人が群像の祖父だと知ると、先ほどまでの殺気染みた強気な態度から一変し、年相当の若々しさがあり、落ち着いた雰囲気で接し始めた

ちなみに何処からか「私の台詞よ……不幸だわ」と聞こえたのは言うまでもなかったが……

 

勇人「気にすんな、お前らは龍光会に騙されて攻撃したんだろ?」

 

群像「……はい」

 

勇人「なら、そのケジメはアイツらに取らせるつもりだから気にするな……と言いたいが、これだけは言わせてくれ……よくも俺の車を破壊しやがって!!アレ高かったんだぞ!!」

 

高雄型 瑞鶴「ソッチ!?」

 

群像 タカオ「ッ!?ごめんなさい!!」

 

柏木「オイコラ、言っている事と矛盾しているぞ」

 

金剛「そうデース!テートクの気持ちは分かりマスが、彼等に非がありまセーン!」

 

勇次「兄貴も落ち着けって!苛ついているのは分かるけどさ……」

 

勇人「……すまん、俺とした事が……」

 

勇人は柏木達に宥められ、謝罪すると群像は勇人に先程、席を外した理由を聞いた

 

群像「いえ……所でお祖父t……勇人「アァ?」……いえ勇人さん、先程席を外して何をしていたのですか?」

 

勇人「……俺の仲間が、お前達の事について報告してきたんだよ……内容は群像……お前が俺の孫だとな」

 

群像「……そうでしたか」

 

群像は勇人の言葉に安堵するとタカオはヒュウガに声を荒げながら言った

 

タカオ「……って!何でアンタが此処にいるのよ!!」

 

ヒュウガ「あら?私は優吾さんと優奈さんに保護されたのよ♪勿論、助けて貰った恩を返す為に店を手伝っているのよ♪」

 

タカオ「アンタね……本当は『優吾さんの料理(コレ)』目当てでしょ?」

 

ヒュウガ「あ、バレた?」

 

タカオ「……ったく」

 

グゥー……

 

タカオが呆れると、騒音に近い空腹音が聞こえると勇人、柏木は呆れながら空腹音を出した本人い言った

 

勇人 柏木「……おい一航戦」

 

加賀「スミマセン……お腹すきました」

 

赤城「話は後にして御飯を食べましょ?お互いの交流の為に♪」

 

ヒュウガ「クスッ♪それもそうね♪じゃ……」

 

全員「いただきます!」

 

赤城は空腹に我慢出来なかったのか、話を一旦止めさせ、勇人と群像達は少し冷えた唐揚げ等の食事を取り始めた

 

そして更に一時間後……

 

Wタカオ「アッハッハッハ♪艦長(提督)が四人も♪」

 

愛宕 龍鳳「今日から~fly again~♪」

 

摩耶「カーニバルだ~♪」

 

瑞鶴「ユージン~♪一口頂戴♪」

 

勇次「ああ♪あーん♪」

 

鳥海「ヒュウガさん~♪きゅーそくせんこー♪」

 

ヒュウガ「プフッ!?イオナおねぇさまに似ていますね♪」

 

三笠元帥「ヒャッハー♪金剛ちゃん達も飲みなさいよ♪」

 

金剛型「イェース♪」

 

一航戦「モッモッモッ………」

 

咲夜「ご主人様ぁ~♪」

 

柏木「……勇人、お前の口癖を借りるぜ」

 

博和「ご主人様、私も……」

 

勇人「……ああ」

 

群像「……俺の世界のお祖父ちゃんの口癖だが……」

 

一時間後、いつの間にか食事から宴会になり、艦娘達やメンタルモデルの二人そして勇次と咲夜が泥酔する等、カオスめいた状態に勇人、柏木、博和そして群像は……

 

勇人 柏木 群像 博和「……泣けるぜ(泣けますね)」

 

と呆れていたのは言うまでも無かった

 

そして……

 

勇人「……とまぁ、はっちゃけている馬鹿共は放置して……群像、お前達が『どういった経緯』で此方に来たんだ?」

 

群像「ッ!?分かりました……あれは3日前の事てすが……」

 

勇人は酒の肴にするつもりなのか、群像に此方に来た経緯について聞くと群像は悔しそうに顔を歪め、今にも怒りそうな口調で説明し始めた

 

まさか『この経緯』が勇人の逆鱗に触れようとは誰も思わなかっただろう……


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