Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第39話「群像の正体そして……」

勇人と群像が対面している頃 同時刻 佐世保鎮守府 食堂にて

 

長門「ふわぁ~眠い……」

 

那珂「夜更かしは御肌の敵なのに……」

 

隼鷹「ん?何だ?余興か?」

 

伊勢「ふわぁ~……優花さん……こんな夜遅くどうしたの?」

 

優花達は就寝していた艦娘達を叩き起こし食堂に集合させたのだ

 

そして……

 

優花「ごめん伊勢さんにみんな、眠たい所悪いけど、皆さんに伝えたい事があるの……コンゴウさん、マヤちゃん、入ってきて」

 

優花はコンゴウ達を食堂に招き入れるとコンゴウは堂々と、そして優雅に、マヤは子供らしい明るく溌剌とした表情で入ってきた

 

大和「ん?優花さんに蘭さん……この人達……先ほどの……」

 

優花「うん……実は、この人達『霧の艦隊』の一人『コンゴウ』さんと『マヤ』ちゃんよ」

 

吹雪「え……今何て言ったのですか」

 

吹雪は優花の言葉に信用していないのか再度聞き直すと優花の代わりにコンゴウが答えた

 

コンゴウ「私は『霧の艦隊』所属のコンゴウだ」

 

マヤ「同じくマヤでーす♪よろしく♪」

 

夕張、明石以外艦娘全員「はぁぁぁぁぁ!?き……霧の艦隊!?あの『最重要艦隊』の!?」

 

二人の自己紹介に夕張、明石を除く呉、佐世保そしてショートランドの艦娘達は驚愕し声を荒げると鹿島は蘭と優花に質問し始めた

 

鹿島「ちょ!ちょっと待ってください副提督さんに上城少尉!?何故『最重要艦隊』の一つである霧の艦隊が佐世保に!?」

 

優花「実は……」

 

優花は何故霧の艦隊が佐世保に座礁した理由や経緯、同盟を組んだ経緯、蒼の艦隊との関係を言うとみんな納得したのか頭を縦に頷いた

 

優花「……という訳よ」

 

長門「……提督の御姉さんとの恩義の為に……か……」

 

武蔵「意外と律儀というか……真面目というか……」

 

天龍「見た目とは違い、良い奴なんだな……お前ら……」

 

龍田「天龍ちゃん、泣かないの」

 

天龍「泣いてねぇよ!」

 

足柄「まぁ何故か感動して泣いている天龍は置いといて……優花ちゃん、そろそろ『隠している事』を答えなさい……」

 

天龍「だから泣いてねぇ!!」

 

足柄は優花の隠し事を見破るかの様に見据えながら言うと優花はため息をし、少し俯きながら答えた

 

優花「……分かったわ、今敵対関係のある艦隊『蒼の艦隊』の司令官『千早群像』は異世界……いえ『未来』そして『艦娘と深海棲艦がいないパラレルワールド』の地球での勇人君の『孫』よ」

 

戦艦組の艦娘達「なっ!?」

 

空母組の艦娘達「はぁ!?」

 

それ以外の艦娘達「えぇぇぇぇ!?嘘でしょ!?」

 

呉及びショートランドの艦娘達「中将の孫……ヤバくね!?」

 

佐世保の艦娘達は驚愕し、呉及びショートランドの艦娘達は事の重大さに気付き、焦りながら言うと優花は再び説明し始めた

 

優花「うん、この事は勇人君達に伝えないと行けないの……勇人君が自身の孫である千早群像を『殺さない』為に……」

 

コンゴウ「私達『霧の艦隊』からすれば壊滅させてくれた方が助かるのだが……」

 

マヤ「そうそう」

 

蘭「やり合うのなら自身の世界に帰ってからやってくれ……只でさえ深海棲艦や龍光会等の問題があるのに……」

 

蘭はコンゴウに注意するとコンゴウは「分かっている」と返答した

 

長門「……なら私達も提督の実家に言って説得すれば……」

 

長門は焦りながら蘭達に言うと蘭は長門に怒鳴りつける様に答えた

 

蘭「却下だ!今ニュースで実家が蒼の艦隊の奇襲にあったんだ!危険過ぎる!」

 

夕張「しかもアイツら、提督が大事に手入れした愛車を破壊したのよ……多分、提督は今頃……キレているよ」

 

佐世保の艦娘達「あ……敵とは言え同情するよ……」

 

呉の艦娘達「……提督(司令官)……大丈夫かな……」

 

蘭「まぁ幸い犠牲者ところが怪我人すら出なかったのは良かったけどな……」

 

呉の艦娘達「良かった……」

 

蘭は柏木達の無事を伝えると呉の艦娘達に安心し、ホッと胸を下ろすと翔鶴と妙高は『ある事』に気が付いた

 

翔鶴「所で優花さん、瑞鶴は?」

 

妙高「それに高雄さん達も……」

 

二人は優花に質問すると優花と蘭は頭を抱えながら答えた

 

優花「……あの子達は今……」

 

蘭「……兄さん達と行動しているんだ……さっきテレビのニュースに映っていた」

 

翔鶴 妙高「え!?」

 

蘭「多分……無許可で外出したんだと思うが……」

 

翔鶴「あの子ったら……もう……」

 

妙高「後で『御話し』ですね……」

 

二人は呆れながら言うと……

 

鹿島「あの……私、思い付いた事があるのですが……」

 

優花「ん?どうしたのカッシー?」

 

鹿島が手を上げ、優花に自身の案を言った

 

鹿島「……いっそうの事『蒼の艦隊』を『壊滅寸前』まで攻撃し、そして『捕虜』として捕まえれば無駄な殺し合いをしなくては良いのでは?」

 

優花「それは無理よ……霧の艦隊であるコンゴウさんやマヤちゃんの軍艦はスクラップ寸前だから攻撃出来ないし、かと言って修理しようとしてもナノマテリアルが無いし、ウチの鎮守府や呉そしてショートランド拍地の設備では修理不可能……そして先程言ったと思うけど千早群像は未来の地球から来ているの……とてもじゃないけと……ん!?待てよ……」

 

優花は鹿島の案を却下し、理由を答えると、何か思い付いたのかコンゴウとマヤに質問した

 

優花「コンゴウさんにマヤちゃん……今、軍艦動かせれる?」

 

マヤ「機関部がやられているから無理!」

 

コンゴウ「私の方は機関部は無事だったが、それ以外の損傷が激しいから、あまり飛ばせないが……ッ!?成る程……そういう事か……」

 

蘭「成る程な……流石兄さんの教え子だ」

 

夕張 明石「あぁ~……そう言う事ですか……」

 

マヤは両腕を交差し、コンゴウ、蘭、夕張そして明石は優花の考えを察したのか安堵し理解すると優花は微笑みながら答えた

 

優花「……そう、コンゴウさんとマヤちゃんの軍艦を金沢にある上城財閥の系列の造船場に持っていき、直して貰うの」

 

佐世保の艦娘達「ブッ!?この人、何ブッ飛んだ事を言っているの!?」

 

呉の艦娘達「正気!?」

 

長門「馬鹿な事を言うのは止めて下さい!!それを行うには『相当のリスク』……蒼の艦隊に攻撃されてしまいます!」

 

長門達は優花の案を否定すると、優花は微笑みながら言った

 

優花「その点については問題無いよ♪勇人君と柏木大将のお陰で彼方さんもコンゴウさん達みたいに出撃不可能だから♪」

 

コンゴウ「本来ならナノマテリアル等の物資は此処で受け取る予定だったが……」

 

夕張「まぁ良いじゃない♪受け取る場所が『変わった』だけだから♪」

 

コンゴウ「それもそうだな……」

 

艦娘達「……何やってんのよ……提督(司令官)達は……」

 

優花達は笑いながらコンゴウとマヤに言うと佐世保、呉そしてショートランドの艦娘達は勇人と柏木の行動力の高さに呆れていたものの、安心しきっていた

 

蘭「考えは纏まったな……それじゃ私は父さん経由で柏木大将の兄である『恵』さんに連絡し、情報共有するから……」

 

優花「了解、私は取り敢えず勇人君に連絡をするかな……」

 

優花は勇人に連絡する為にスマホを操作し、電話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして蒼の艦隊のアジトでも……

 

キリシマ「嘘だろ……みんな!聞いてくれ!今、龍光会について調べたんだが、そいつら『在日アジア系の国籍』を持った連中でもありK国の将軍を殺した佐世保の龍に恨みを持つ連中だったんだ!そして私達と『霧の艦隊』を呼び寄せたのもコイツらのせいだったんだ!」

 

熊のぬいぐるみでもあり軍艦『霧島』のメンタルモデル『キリシマ』別名『ヨタロウ』が龍光会の全てを調べ尽くすと龍光会の悪行……いや蒼霧事変を作らせた黒幕だと言う事を伝えると杏平達は顔を歪め、悔しそうに言った

 

杏平「クソッ!俺達はアイツらに騙された……という訳だな」

 

僧「……これで辻褄が合いましたね……龍光会は何処かから情報を仕入れ、彼『若い頃の勇人お爺さん』が群像の祖父だと知り、彼を殺せば……異世界とは言え未来が変わり……」

 

静「艦長……いえ艦長含め私達全員……消える……」

 

いおり「……チッ!しかも群像は勇人お爺さんが『佐世保の龍』とは知らず、そして勇人お爺さんは私達の敵である霧の艦隊と手を組んだ……しかも資材全部、呉の虎や勇人お爺さんの実家である神城会に盗られ……八方塞がりね……」

 

ハルナ「……せめて佐世保の龍または彼の関係者と連絡を取れれば……」

 

キリシマ達は龍光会の策略に踊らされた事に気付き、頭を抱え、嘆いていると……

 

イオナ「ッ!?桜花優花の携帯電話のジャミング解除そしてハッキング完了!」

 

イオナはコンゴウが仕掛けたジャミングを解除しハッキングに成功すると杏平達はイオナの吉報に喜びながら言った

 

キリシマ「マジで!?よくコンゴウが仕掛けたジャミングを解除出来たな……」

 

杏平「何ぃ!?イオナ!今すぐに桜花さんに繋げてくれ!俺が説得する!」

 

杏平は意気揚々と優花達を説得しようとモニターを操作した途端、いおりが彼を止めるかの様に怒鳴りつけた

 

いおり「馬鹿!アンタが桜花さん達を説得出来る訳無いでしょ!アッチは『霧の艦隊』だけではなく軍艦を精霊化した存在『艦娘』も居る、そして、さっきドローンで神城会総本部を偵察したけど勇人お爺さんと柏木さんは『半艦息』で、特に勇人お爺さんはタカオの主砲を破壊する位の戦力を持っているのよ!しかも私とアンタそしてタカオが、あの怒らせると怖い勇人お爺さんを『怒らせた』のよ!無理に決まっているじゃん!」

 

杏平「そうだった……じゃあ、どうすれば良いんだ!」

 

いおりは杏平に怒鳴りながら言うと杏平は頭を抱え、ため息を付くと静は手を上げ、いおり達に言った

 

静「……なら私が説得させます……」

 

いおり 杏平「静が!?」

 

静「私なら名前や顔がバレていませんので……」

 

杏平「確かにそうだけど……」

 

二人は静が優花達を説得する事に驚くと僧は考え、そして……

 

僧「……妥当ですね、ではお願いします」

 

僧は静の案を了承すると静は直ぐにモニターを操作し、優花のスマホに電話……いやハッキングし優花とコンタクトし始めた

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 佐世保鎮守府

 

優花「さて……アイツらに再び逆探知されなきゃ良いのだが……」

 

優花はスマホを操作し、勇人に電話しようとした途端

 

ブーン!ブーン!

 

優花「ッ!?」

 

夕張「どうしたの優花さん……ッ!?非通知!?」

 

明石「……まさか蒼の……艦隊……」

 

コンゴウ「チッ……ジャミングが解除されている……十中八九、蒼の艦隊からだ」

 

優花のスマホには『非通知』と記載され、コンゴウは自身が仕掛けたジャミングが解除されたのを知ると真剣な表情で優花に言うと優花は緊張し、その電話に出た

 

優花「……誰?」

 

静「夜遅くすみません、私『蒼き鋼の艦隊』の『八月一日 静』と言う者です、佐世保鎮守府総副司令官の『桜花 優花』さんで合っていますか?」

 

優花「そうだけど……ん?蒼き鋼?」

 

優花は静が自身の艦隊を『蒼き鋼の艦隊』と紹介すると優花は疑問を抱き、質問すると静は慌てて説明した

 

静「すみません!貴女達では『蒼の艦隊』と言われている艦隊です!時間が惜しいので本題に入らせて頂きます!実は……優花「ひょっとして千早群像が勇人君……いえ佐世保の龍の孫だと言うことを伝えたかったんじゃないの?」……ッ!?知っていたのですね……」

 

優花「まぁ私たちも今さっき知ったんだけどね……此方の本題に入るが貴女達『蒼の艦隊』……じゃなかった『蒼き鋼の艦隊』は私達『龍虎の艦隊』の敵として扱えれば良いの?そこだけはハッキリと答えて!」

 

静は優花の質問に肯定すると、優花は勇人仕込みの強い口調で静……いや蒼の艦隊が彼女達に敵意があるか否か聞くと静は静かに、そして落ち着いた口調で答えた

 

静「……艦長のお祖父ちゃんだと分かった時点で敵意は無くなりました」

 

優花「……そっか、ちなみに千早群像は『その事』を知っているの?」

 

静「……いいえ、知りません……勇人お爺さんも『その事』を……」

 

優花「知らないわ……チッ!不味いわね……」

 

静「不味いって……どういう事ですか?」

 

静は少し焦った優花に聞くと優花は焦った理由を答えた

 

優花「……勇人君、先程の襲撃でキレて、本気で貴女達『蒼き鋼の艦隊』を潰すつもりよ」

 

静「ッ!?という事は……私達『皆殺し』に……」

 

静は嫌な予感がしたのか、震えながら聞くと優花は「今の勇人君なら()りかね無いよ」と答えると蒼き鋼の艦隊達は未来と今『二人』の勇人の怖さ、今の勇人がタカオを撃退させる程の戦力を持っている事そして今の勇人達はキレている事を知っていたのか彼女達はパニックになり命乞いをするかの様に焦り、震えながら御願いした

 

いおり「ッ!?先程の無線の件はスミマセンでした!!だから……」

 

杏平「ヒィッ!?ナ……ナノマテリアル等の全ての資材は差し上げますので……」

 

僧「わ……私達の負けです……どうか……」

 

いおり 杏平 僧 静「群像(艦長)とタカオそして勇人お爺さん達を止めて下さい!!御願いします!!」

 

優花「勿r……え?ちょ!?いくら敵意が無いからって艦長の相談無しに『無条件降伏』するの!?訳を話して!」

 

静「はい……実は……」

 

優花は蒼き鋼の艦隊の艦長である千早群像の相談無しに負けを認めた彼女達に驚きつつも理由を聞くと静は簡潔に説明した

 

静「……という訳です」

 

優花「成る程ね……勇人君を殺せば異世界とは言え、未来と今の矛盾『タイムパラドックス』が発生し、千早群像や静達が『消える』という訳ね……はぁ……龍光会め……こんな子供に『残酷』な依頼を……」

 

夕張「……酷い」

 

長門「……虫酸が走るな」

 

武蔵「ギリッ……」

 

吹雪「そして龍光会は手を汚さず……許せない!!」

 

艦娘達「許せない!今直ぐ龍光会を潰そう!」

 

吹雪を初め艦娘全員が怒り狂ったかの様に大声を出すとコンゴウも握りこぶしを作り、吹雪達と同じくドスの低い口調で答えた

 

コンゴウ「……馬鹿な真似を……直ぐに龍光会に粛正を!」

 

マヤ「だけど『こんな事』をしたら『アドミラリティーコード』に……」

 

マヤはコンゴウに忠告するとコンゴウは怒りに染まった表情でマヤに言った

 

コンゴウ「構うものか!!アイツら……龍光会は私達『霧の艦隊』を……」

 

大和「コンゴウさん!気持ちは分かりますが、先ずは『私達』が『すべき事』……提督の実家で貴女とマヤちゃんの軍艦を修復してから行動して下さい!今の貴女達は単なる『目立つ的』です!」

 

コンゴウ「……チッ!それもそうだな……」

 

夕立(確かに正論っポイけど……)

 

明石(……言い方キツくない?)

 

陸奥(多分、提督の影響だと思うけど……)

 

艦娘達(……うん、絶対そうだ)

 

大和は怒り狂ったコンゴウを止める様に怒鳴りつけながら『正論』を言うとコンゴウは舌打ちをし黙りこみ、夕立を初め艦娘全員が大和のキツイ言葉に小声で愚痴り、優花は考えが纏まらないのか、困りながら静達に言った

 

優花「……分かった、この話は勇人君と相談するから貴女達も変な真似はしないでね……特に千早群像……勇人君の孫にキツく言っといて……勇人君『同様』に『とんでもない事』をやらかしそうだから……」

 

静「……分かりました」

 

二人は電話を切ると優花は壮大なため息を付き、愚痴る様に言った

 

優花「ハァ~……緊張したぁ~……」

 

扶桑「お疲れ様です……しかし困りましたね……千早群像が提督の御孫さんで……龍光会の策略に乗っちゃっているし……不幸だわ」

 

山城「扶桑御姉様!それ私のセリフですが同感です!優花さん!この事を逸早く提督に!」

 

優花「分かっている……コンゴウさん、もう一度ジャミングを……」

 

コンゴウ「……分かった」

 

優花は再びスマホを操作し勇人に電話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を少し遡り数分前 スナック『マヨイガ』にて……

 

勇人 群像「……」

 

タカオ(うわ……佐世保の龍に呉の虎……そして艦娘達……この状況を打破出来る方法は……)

 

柏木(……見た感じ、千早群像は勇人と同じ『タイプ』の人間だな……なら……)

 

艦娘達「ゴクッ……」

 

勇次「……しかし腹減ったな……」

 

柏木「……自由過ぎるだろ弟さん」

 

勇次「仕方無ぇだろ……俺達とアイツらは、本来飯食いに来たんだからな……」

 

柏木「それは分かるけどさ……しかし千早群像って、よく見たら勇人に似ているな……少し子供っぽいけど……」

 

勇次「そう言えばそうだな……」

 

タカオ「……それに関しては同意するわ」

 

群像とタカオは勇人が座っている席の向かい側に座り三人は『この状況』を打破しようと模索し、柏木は勇人が模索しやすい様にタカオ達と雑談するように喋った

 

勇人「……千早群像」

 

群像「何だ」

 

勇人「……お前達は『何者』なんだ?見たところ『在日特有』の顔つきでは無いのだが……」

 

勇人は群像を在日アジア系の人間だと勘違いしていたのか警戒しドスの効いた低い口調で聞くと群像は勇人を警戒し、睨み付ける様に答えた

 

群像「ああ、俺達はパラレルワールドの未来の日本から来たんだ……本業は『運び屋兼傭兵』だ」

 

勇人「未来……そしてパラレルワールドか……通りで俺達の世界にしては『オーバーテクノロジー』な武装だと思ったぜ」

 

群像「それは此方のセリフだ、あのタカオを撃退させるなんて……では単刀直入に言うが何故、霧の艦隊と手を組んだ?」

 

群像は勇人に睨み付けながら言うと勇人は眉をピクリと動かし、睨み付けながら答えた

 

勇人「お前……さてはハッキングしたな」

 

群像「……質問に答えろ」

 

勇人は群像に聞くと、群像は強い口調で喋ると勇人は溜め息を出し、答えた

 

勇人「……ああ、確かに霧の艦隊と手を組んだ……彼女達は四年前の恩を返したい為にな」

 

タカオ「四年前!?まさか……貴方は……上城蘭花の……」

 

勇人「……弟だ、姉貴は『あの事故』から半年後に亡くなったんだ」

 

タカオ「嘘……でしょ……」

 

群像「四年前?上城蘭花?タカオ、一体どういう事だ」

 

勇人は横槍を入れたタカオの質問に答えるとタカオは顔面蒼白になり慌てて群像に言った

 

タカオ「私がまだ霧の艦隊に居たときに、事故で『この世界』に漂流してしまった時に助けて貰ったのよ……しかも上城勇人と、そこの頭の悪そうな男『上城勇次』の姉である『上城蘭花』そして三人の父親『上城一馬』に手厚く保護してもらったのよ」

 

瑞鶴「ッ!?タカオ!アンタ私の彼氏を……殺す!」

 

高雄「わ……私!?」

 

瑞鶴「高雄さんじゃなくて、あのクソガキの方よ!」

 

高雄以外の艦娘達「瑞鶴さん(ズイズイ)!?」

 

タカオ「ヒィッ!?ご……ごめんなさい!」

 

勇人「瑞鶴!」

 

勇次「落ち着けズイチャン……俺は気にして無いから仕舞いな」

 

瑞鶴「……分かった」

 

瑞鶴以外の艦娘達 タカオ「ホッ……」

 

瑞鶴はタカオの発言にキレたのか艤装を展開し、弓矢をタカオに向けて構えるとタカオは怖がりながらも謝罪すると群像は納得し勇人を睨み付けるのを止めたのか少し落ち着いた表情になり言った

 

群像「……そう言う事だったのか」

 

勇人「納得したんだな……んで、俺からの質問だ」

 

勇人は群像に質問しようとした途端……

 

途切れた息の根を~♪汚れた世界を繋ぎ止めて~♪

 

愛に銃爆~♪射ち鳴らして~♪

 

勇人「……出ないのか?」

 

群像「そっちこそ出ないのか?」

 

全員(うわ~タイミング悪っ!?)

 

そう勇人と群像、両者のスマホから電話が掛かってきたのだ

 

タカオ(チッ……ハッキング出来ない!)

 

勇人「……フッ」

 

タカオはハッキングしようとしたが、コンゴウが作ったジャミング機能に苦戦し、顔を歪めているのを勇人は見て、何かを察したのか、立ち上がった

 

勇人「……ちょっと席外すぜ」

 

勇人(柏木……あの二人が変な真似をしないか見張っといてくれ……嫌な予感がする……)

 

柏木(……早めにな、俺も千早群像について嫌な予感がするからな……)

 

勇人は小声で柏木に御願いし、そのまま厨房に向かい、厨房に入ると電話の相手である優花の電話を出た

 

勇人「……お前なぁ!!千早群像とタカオが居る時に電話なんかしやがって……こんな時に掛けてくるんじゃねぇ!」

 

優花「こんな時だからでしょ!!勇人君!聞いて!!」

 

勇人「だから!怒鳴るんじゃねぇ!」

 

群像「ッ!?」

 

柏木「勇人!聞こえているぞぉー!」

 

勇人「悪い!……んで何かトラブったのか?」

 

勇人は電話に出て、小声で聞くと優花は小声ではあるが冷静な口調で言った

 

優花「うん……実は蒼の艦隊の司令官である千早群像の事だけど……」

 

勇人「ああ……あのガキがどうしたんだ?」

 

勇人は優花の真剣な雰囲気に「これはただ事じゃねぇな」と思い、優花に聞くと優花は覚悟したのか一度深呼吸をし、勇人の質問に答えた

それは勇人にとって『一番の誤算』だと言うことに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優花「……実は千早群像はパラレルワールドの未来の勇人君の孫なのよ……」

 

勇人「……何だと!?」

 

そう、千早群像は勇人の孫だと言うことに……

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢市内にある龍光会北陸支部本部にて

 

スーツの男「……チッ!?コンゴウとマヤが将軍殺しの龍に……伊400、伊402よ、直ぐにコンゴウの動きを止めろ、あの女はアドミラリティーコードの命令を違反した!直ぐに捕らえてくれ!」

 

イオナに似た紫色の衣装を着た少女『伊400』「了解」

 

同じく緑色の衣装を着た少女『伊402』「分かった」

 

二人は部屋から出るとスーツの男は不気味な笑みを浮かべながら思った

 

スーツの男(一時はどうなる事かと思ったが……クックック……さて私は『あの作戦』を始めようとするか……将軍殺しの男を殺す為に用意した『上城蘭花』の遺体を使って……)

 

勇人、柏木そして優花に『今』そして『未来』を掛けた大戦争が始まろうとは……


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