Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第37話「龍の恩義そして後悔 part 6」

蒼き艦隊に逆探知されてから数分後 隠し通路 出口にて

 

三笠「おっ!見えてきたわ♪」

 

勇次「……良かった、コイツらが吐かなくて」

 

赤城「……皆さん、速いですね……着いていくのに精一杯でした」

 

勇人「……やっと我が家だ」

 

各ドライバーは出口が見えた事に安堵した

 

一方 各車内では……

 

三笠元帥「うっぷ……」

 

霧島 鳥海「や……やっと……着きました……」

 

榛名「私も提督に頼んで人間の戸籍を取ろうかな……」

 

高雄「……生きた居心地がしませんでした」

 

愛宕「……うっぷ」

 

比叡「……吐きそう」

 

瑞鶴「止めて!!」

 

龍鳳「私達まで被害が来ますので!!」

 

金剛「んー♪It's exciting♪面白かったデース♪」

 

摩耶「なぁ提督!もう一回!」

 

加賀「久々に弾けました♪」

 

柏木「……呑気なモンだな」

 

各車内で多種多様な感想を述べると、出口から……

 

ゾロゾロ……

 

三笠元帥 瑞鶴「ヘアッ!?」

 

高雄型「嘘!?」

 

金剛型 龍鳳「凄い……」

 

柏木「ヒュー♪流石に組員、メイド達全員でお出迎えとは……圧巻だな」

 

そう、出口門から実家『神城会総本部』までの道の両側の縁には黒いスーツを着た神城会組員そしてメイド達全員で綺麗に整列し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

組員達「お帰りなさいませ!三笠の姉さん!!赤城の姉貴!!次期会長!!若!!『虎の兄貴』に龍鳳さん!そして、いらっしゃいませ佐世保の艦娘達の皆さん!」

 

メイド達「お帰りなさいませ!奥様!赤城様!勇次様!若様!柏木様!龍鳳様!そして歓迎します佐世保の艦娘達の皆様!」

 

神城会組員そしてメイド達全員で勇人達に対して頭を下げて出迎えてくれたのだ

その姿は正しく『圧巻』の一言である

 

金剛「……Beautiful」

 

摩耶「うわ……ってか!?何で敷地内に対空砲や攻撃ヘリ(アバッチ)F-22(ラプター)そして色んな戦車があるんだよ!!」

 

そして敷地内には対空砲や攻撃ヘリ、戦闘機そして色んな種類の戦車等が配置されており、正しく『要塞』となっていた

 

勇人「ん?裏社会では当たり前の事だが?」

 

勇人は、然も当たり前の様に言うと柏木は勇人の発言に呆れながら言った

 

柏木「……それはお前の所だけだ……普通のヤクザの事務所は無いぞ」

 

勇人「なん……だと……」

 

柏木「これは警察が此処をガサ入れするのを拒む訳だ……ヤバすぎる」

 

柏木は納得すると家の前で1人のメイドと執事が待っていた

 

メイド 執事「お帰りなさいませ奥様、赤城お嬢様、勇次様、柏木様、龍鳳様そして御主人様……お待ちしておりました」

 

勇人「おう、ただいま『咲夜』に『博和』」

 

赤城「只今戻りました」

 

柏木(何か『時間を止め』そうなメイドだな……後、後ろの執事……何処かで……)

 

柏木が、そう思うのは無理では無かった

何故なら、そのメイドの姿は某『時間停止』行うメイドに瓜二つで、彼女の後ろに立っている執事もまた某『悪魔な執事』に瓜二つだったのだ

 

金剛「テートク!このcool beautyなmaidは誰デスか!?テートクの趣味デスか!?」

 

執事改め『博和』「ええ♪これは若様である勇人様の趣m……勇人「オイコラ、俺はノーマルだ!それとアイツらに変な誤解を与えるの止めろ!」……これは失礼しました♪」

 

金剛はメイドのイメージを悪く捉えていたのか、声を荒げると勇人の代わりにメイドである『咲夜』が答えた

 

メイド改め『咲夜』「お初目に掛かれます金剛様、(わたくし)『勇人様と赤城様』専属のメイド長『五十嵐 咲夜(いがらし さくや)』と申します。そして……」

 

博和「屋敷内全てのメイド、執事達を運用そして今回、柏木様御一行の専属執事を担当します『水嶋 博和(みずしま ひろかず)』と申します」

 

柏木「ッ!?やっぱりそうか……」

 

龍鳳「提督?どうかしましたか?」

 

龍鳳は二人が自己紹介をすると柏木は何かを思い出し、納得するのを見て質問をすると柏木は少し気まずそうに答えた

 

柏木「……勇人、この人……水嶋さんは本来お前の『義理の兄貴』になる筈の男だろ」

 

勇人「……って事は『姉貴』の事を知っているのか?」

 

金剛型 高雄型 一航戦 瑞鶴 龍鳳「ッ!?」

 

勇次 W三笠「……」

 

勇人は柏木の質問に肯定するかの様に質問で返すとW三笠以外の艦娘達は驚愕し、柏木は勇人の質問に答えた

 

柏木「……当たり前だ、アイツとは海軍学校時代の『同期』だからな……これで納得したぜ、生前、蘭花が、よく『物凄く荒れてはいたが最高に出来た弟』の事……お前の事を耳に蛸が出来る位、自慢話を聞かされたからな……そして当時、蘭花の『婚約者』だった水嶋さん……アンタの事もな」

 

勇人 博和「……」

 

金剛「生前……って事はテートクのbig sister(御姉様)は……」

 

勇人「……四年前に病死した……俺が……軍医として無力だったせいで……」

 

柏木以外全員「……」

 

勇人は思い出したのか、血が出る位こぶしを強く握り、俯くと、柏木は勇人に呆れ、答えた

 

柏木「バーカ、お前は何を言っているんだ?今のお前は『四年前』のままか?違ぇだろ!俺と同じ『力』があるだろうが……今の情けない姿を蘭花が見たらどうなる?親父さんと同じ『龍』の異名は伊達なのか?過去の事を思い返すのは良いが餓鬼みてぇに『引き摺る』のは止めろ!お前らしくも無ぇ!!」

 

勇人「ッ!?」

 

最初は呆れてた柏木だが、熱が籠ったのか徐々に口調が強くなり勇人に怒鳴る様に言うと、勇人は目が覚めたのか何時も通りの口が悪く、荒々しい口調で答えた

 

勇人「それもそうだな……確かに、俺らしくも無ぇな……ありがとうな」

 

柏木「なぁに、気にすんな♪さて水嶋さん、俺達が泊まる部屋に案内してくれないか?」

 

水嶋「……分かりました、そして『義理の弟』を一喝して頂き、ありがとうございます」

 

柏木「フッ……何、アイツの兄弟分として『当たり前』な事をやったまでさ」

 

水嶋「それでも……蘭花の夫として……上城家の人間として本当にありがとうございます」

 

柏木は微笑みながら博和に答えると赤城は暗くなった場の雰囲気を明るくする為に笑顔で言った

 

赤城「提督、この任務が終わったら皆さんで蘭花さんの墓参りに行きませんか?」

 

金剛「oh!good ideaデスね♪」

 

比叡「はい!比叡!気合い!入れて!お供え物の花を準備します!」

 

榛名「比叡御姉様!榛名も手伝います!」

 

霧島「私も御供します!」

 

高雄「提督、蘭花さんが生前、大好物だった物を教えて下さい!」

 

愛宕「あら♪高雄って料理が出来るの?」

 

摩耶 鳥海「姉貴(姉さん)が……止めた方が……」

 

高雄「二人共!それ、どういう意味!?私だって出来るわ!」

 

瑞鶴「私も手伝う!」

 

加賀「手伝う以前に料理出来るの?」

 

瑞鶴「ウグッ!?それは……ユージン……助けて……」

 

勇次「ごめん、俺も料理出来ないんだ」

 

龍鳳「私も手伝いますので大丈夫ですよ♪」

 

加賀「それならお願いします」

 

勇人「お前ら……ありがとう」

 

勇人は赤城や金剛達の言葉に感謝をすると、1人の組員が走って近付いてきた

 

組員「大変です!蒼き艦隊が……此方へカチコミを掛けてきます!!」

 

勇次 艦娘達「ッ!?」

 

勇人「何だと!?数は?」

 

組員「1人……『タカオ』です!」

 

柏木「勇人、艤装は?」

 

柏木は勇人に聞くと、勇人は三笠の車のトランクから艤装を柏木に見せながら答えた

 

勇人「この通り……持ってきた!」

 

柏木「よし……なら!」

 

柏木は艤装を展開しようとした途端、勇人は柏木を止める様に強い口調で言った

 

勇人「柏木!艤装を展開するな!俺達の『奥の手』を見せる訳にはいかないからな!」

 

柏木「……それもそうだな、俺達が餓鬼相手にムキになることは無いな、赤城、龍鳳……頼む」

 

赤城「分かりました!では……」

 

艦娘全員「艤装展開!!」

 

勇次「テメェラ!直ちに武装し、蒼き艦隊を追っ払え!!」

 

組員全員「はい!!」

 

メイド達「畏まりました!」

 

勇次の言葉に艦娘や神城会組員そしてメイド達総出で蒼き艦隊を撃退しに正規の出入口付近で武器を構えた

 

そして……

 

 

 

ドカーン!!

 

 

 

 

タカオが爆薬を使って出入口の門を破壊し、勇人を探すかの様に周囲を見渡すと見付けたのか、見付けた方向に身体ごと向け、走って近付いて来た

 

タカオ「……いた!上城勇人!!」

 

だがタカオは誤算していたのだ

タカオが見付けたのは……

 

勇次「俺ぇ!?」

 

そう、勇次だったのだ

タカオは勇次に向けて飛び蹴りをしようとしたが……

 

瑞鶴「ッ!?ユージン!高雄さん!!」

 

高雄「任せて!フン!!」

 

ドカッ!

 

タカオ「ガハッ!!」

 

高雄は遠く離れた瑞鶴に言い、側にいた勇次に近付き、タカオの飛び蹴りを捌き、投げ飛ばすとタカオは地面に叩き付けられ踞っていた

 

タカオ「ウグッ……アンタは確か……艦娘の『高雄』……」

 

高雄「馬鹿め!と言って差し上げますわ……さぁ!貴女の大将を出しなさい!」

 

高雄は倒れているタカオに主砲を向けタカオを脅すと、タカオは笑いながら言った

 

タカオ「ふ……アハハハハハ!これは傑作だわ!」

 

高雄「何が可笑しいの!?」

 

高雄はタカオが大爆笑しているのを癪に障り、怒鳴り付けるとタカオは高雄に笑いながら言った

そう『勝利が確定』したかの様に……

 

タカオ「……いや、アンタ達が、あまりにも間抜けだったとは……」

 

勇人「ッ!?高雄!勇次!危ない!!」

 

勇人は上空に『ある物』を発見すると高雄と勇次を突き飛ばした

 

ドカッ!!

 

高雄「キャッ!て……提督!?」

 

勇次「兄貴ィ!!」

 

柏木「二人共!大丈b……なんじゃこりゃーーーーー!!」

 

金剛型 龍鳳 高雄型「え(What's)!?」

 

W三笠「ヤバ……」

 

一航戦「提督!?」

 

咲夜「アイツ……軍艦『高雄』の主砲で……御主人様!お逃げ下さい!!」

 

そう、上空に蒼き艦隊の軍艦『高雄』の主砲『20.3連装砲』が現れたのだ

 

タカオ「わざわざ自ら殺されに来るとは……拍子抜けよ!」

 

タカオは落胆しつつ、主砲を操作し勇人に向けられた

そして……

 

タカオ「死になさい!」

 

勇人「……仕方ねぇ!艤装展開!!荷電粒子砲(レールガン)発射!」

 

ドン!!

 

ドカーン!!

 

勇人「ウグッ!!」

 

タカオ「キャッ!!」

 

勇人は直ぐに艤装の一部である電磁砲のみ展開し、双方が同時に発射すると、2つの弾が当たり、上空で爆発し、爆風でタカオが吹き飛ばされた

 

勇人「艤装解除……危なかった……被害が無くて……」

 

タカオ「クッ……今のは一体……『何処から』撃ってきたの!?」

 

勇人は直ぐに艤装を解除し、被害が無い事を確認し、安堵した

 

柏木(あの馬鹿、無茶しやがって……幸いタカオは気付いていなかったのは不幸中の幸いだったな)

 

勇人「さぁ!お前達の目的は何だ?俺の命か?金か?復讐か?早く答えろ!!クソガキ!!」

 

柏木「いやいや、流石に復讐は無ぇから……」

 

勇次(……ナノマテリアルに浸食魚雷を盗んだ件の事じゃねぇのか?)

 

柏木(あ!?そっちね……そして、始まったな)

 

勇次(……ああ)

 

勇次 柏木(兄貴(勇人)の『会話術(脅迫尋問)』が……)

 

勇人は殺気に満ちた表情でタカオに近付き、聞くとタカオは先ほどとは、うって変わって絶望し、勇人の殺気に怯え、半泣きになり、恐怖に怯えた表情になっていた

 

タカオ(ヒッ!!……こ……殺される!!)

 

勇人「早く答えんか!!」

 

タカオ「ヒッ!?」

 

三笠(あ、流石に気絶しないか……)

 

三笠元帥(こ……怖ぁ!!)

 

組員達「ヒィッ!!」

 

メイド達 龍鳳「ヒェェェェ!!」

 

比叡「メイドの皆さんに龍鳳さん!それ!私のセリフ!!」

 

摩耶「……提督、怒りたい気持ちは分かるが落ち着けって!」

 

摩耶が勇人を落ち着かせる為に近付いた途端

 

ブロォォォン……

 

勇人 柏木「ッ!?摩耶!こっちに来るな!!」

 

摩耶「へ?」

 

ギャャャャ!

 

摩耶「うわっ!?」

 

二人は何者かが車で近付いて来るのを察し、摩耶に怒鳴ると、破壊された正門から車『ヒュンダイ ジェネシス』が猛スピードでタカオに近付き、ドリフトで駐車し、そして……

 

群像「タカオ!大丈夫か!!早く乗れ!!逃げるぞ!!」

 

タカオ「艦長!?分かった!!」

 

群像は助手席のドアを開け、タカオに言うと、タカオは急いで車に乗り、ドアを閉め、この場から去ろうとしたが……

 

勇人「ッ!?待ちやがれ!!」

 

柏木「待て!ここは逃がしてやれ!先に『やる事』があるだろ!!」

 

勇人「……チッ!」

 

勇人は逃げようとする群像達の車の上に乗ろうとしたが柏木に止められ、群像達を逃がしてしまった

 

金剛「テートク!!Are you ok?」

 

勇人「大丈夫だ、問題無い……他に被害は?」

 

金剛は勇人を心配すると、勇人は悔しそうに答えると比叡が勇人に申し訳無さそうに言った

 

比叡「正門以外の施設の損傷は無く、私達や組員そしてメイドさん達は無事ですが……司令の車が……」

 

勇人「俺の車がどうした……って!?」

 

勇人は自身の愛車を見て嘆いていた

何故なら……

 

鳥海「……うわ……」

 

摩耶「これは……」

 

柏木「廃車確定だな……こりゃ……」

 

勇次「車が炎上している……」

 

勇人の車だけタカオの攻撃により、炎上していたのだ

 

勇人「ちょ!?誰か消火器を持ってこい!!」

 

勇人は急いで消火し、数分後、火が消え、焼け焦げた車が現れ、廃車処分をしなざるを得なかった

そして……

 

勇人「……アイツらに『生き地獄』を見せてやる」

 

愛車は鎮火したが勇人の怒りが炎上し出したのは言うまでも無かった


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