Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第35話「加賀の葛藤、赤城との再会」

数分後 グラウンドから場所は変わり 入渠室にて

 

加賀「……ふぅ……」

 

加賀(……あの女が私達の為に……そして、あの男は私を撃沈させる事が出来るのに、あえて殺さずに『生かした』……何故……人間は……私達を『物』としか見ていないのに、柏木大将やあの女……そしてあの男……上城勇人は……チッ……頭が混乱して考えが纏まらない……ん?入浴剤か……これを入れて落ち着こう……)

 

加賀が浴槽の中で寛ぎつつ、ショートランド拍地に居た頃に言われた事と柏木や優香里の行動そして殺し合いを行ったのにも関わらず轟沈させない様に『手を抜いた』勇人を思い出し、混乱している自分を落ち着かせる様に備え付けられた浴槽の入浴剤を入れ、気持ちを落ち着かせようとした所を……

 

勇人「ちょ!?オメーラ!!袴まで脱がすな!!」

 

陸奥「ダーメ♪金剛、榛名、匍匐前進で逃亡している提督を抑えて!」

 

金剛「yes!!」

 

榛名「我儘は榛名が許しません!!提督!!いい加減入ってください!」

 

勇人「なら脱がすんじゃねぇ!!加賀も入っているだろうが!!それに……オラァ!!」

 

ガチャーン!!

 

ちょ!?待ちなさい!

 

ゴキブリみたいに逃げないでクダサーイ!!

 

この小説がR指定になるだろうがぁぁぁぁ!!

 

メタい台詞は榛名が許しません!!往生して下さい!!

 

加賀「……なにやっているの……え!?刺青!?義手!?」

 

加賀は浴槽から上がり騒ぎの現場である脱衣場を見てみると上半身裸になって日常用の左腕の義手を付け『応龍』の和堀りを上にして匍匐前進……というよりゴキブリ染みた動きで逃げ回っている勇人に、鼻息を荒くし、獲物を狩るハンターの表情になった陸奥、金剛そして榛名が勇人を追いかけているという奇妙な光景だった

 

勇人「何って?そりゃ……great……」

 

金剛「ッ!?加賀!?今すぐタオルを巻くのデース!」

 

陸奥「加賀さん!!裸で出ないで!!殿方が居る前で!!」

 

榛名「提督!!加賀さんの裸体を見ないで下さい!!加賀さんも来ないで下さい!!」

 

加賀「タオル?殿方?裸体?………!?」

 

加賀は今、自分自身が『産まれた時の姿』の状態で勇人、陸奥、金剛そして榛名の前でさらけ出して居る事に、恥ずかしくなり急いで浴槽に入った

 

加賀「……迂闊でした」

 

勇人「すまん……」

 

加賀「いえ……そもそも何故、入渠室に?」

 

加賀の質問に勇人は加賀の裸体を見ないように目を反らしつつ答えた

 

勇人「俺も半分とは言え、お前と同じ『艦娘』いや『艦息』になったからな……よっと」

 

ザッバーン!

 

勇人「アーッ……生き返る……これに酒があればな……加賀、お前も飲めるクチか?」

 

勇人は空いていた修復用の浴槽に入り、寛ぐと加賀は勇人の答えに疑問を抱き、質問した

 

加賀「私は『飲んだことが無い』から分からないが……じゃなくて、何故貴方も私と同じ艦娘……いえ艦息になれたの?それに、その刺青に左腕……」

 

勇人「……真面目なヤツだな……まぁ腕や刺青も含めて赤城絡みの事故で『失い』『成らざるを得なかった』から……かな」

 

勇人は言葉を濁らせて答えると加賀は勇人の『赤城絡みの事故』の言葉を聞いて、グラウンドの殺し合いの時の赤城の言葉を思い出し、少し考えつつ勇人に言った

 

加賀「ひょっとして……深海棲艦になった赤城さんを……」

 

勇人「……ああ」

 

加賀「……本当に無茶するのね……馬鹿ですか」

 

勇人「うるせぇ……それ、まんま赤城に言われたぞ……ったく、一航戦って意外と毒舌なんだな……」

 

加賀「私達だけではなく、みんなそう思いますよ」

 

勇人「チッ……」

 

勇人は加賀の言葉に舌打ちをし悪態を付くと、浴槽の入浴剤を開封し浴槽に入れ、加賀は小声で勇人に言った

 

加賀「……だけど、その馬鹿な行為で私だけではなく赤城さんも復活出来ました……ありがとうございます、柏木大将や貴方……いえ『上城提督』そして提督の御母様のお陰で私達『一航戦』は再び艦娘として復活出来ました……」

 

勇人「ケッ!素直じゃねぇな」

 

加賀「クス……貴方には言われたく無いわ……本当にありがとう……提督」

 

加賀は浴槽の気持ち良さからなのか、はたまた勇人の素の性格が加賀自身の性格と被ったのか、勇人の右肩に寄り添う様に近付き、微笑みながら言うと勇人もまた、若干恥ずかしそうに答えた

 

勇人「うるせぇ……ダラな事を言わずにさっさと上がれま!」

 

加賀「!?……提督って『石川県』出身ですか?」

 

加賀は勇人の方言を聞き、質問すると勇人は浴槽の縁に足を出し、寛ぎながら言った

 

勇人「ん?ああ……石川の輪島産まれの金沢育ちの生粋の石川県民だけど?」

 

加賀「あのテレビ小説『〇れ』の舞台になった所ですか……私も名前の由来なのか……石川弁を喋れます」

 

勇人「そうなん!?」

 

勇人の質問に加賀は頷くと、勇人は海軍に同郷の人間が居ない淋しさなのか、喜びながら言った

 

勇人「それなら早よ言いまっし!海軍に同郷の人間が居ないから石川弁で話す相手が居らんかったから淋しかったんや」

 

加賀「そうなん!?いや~私も素が石川弁で喋るから、建造してから数日間、みんなから『あの加賀、口が悪いな』と言われてたから石川弁で喋らんかったんや……」

 

加賀は石川弁で微笑みながら答えると勇人は加賀の苦労が分かるのか頷き、質問した

 

勇人「……それって赤城にも言われたん?」

 

加賀「そうや……だから素が出ない様に『あんな口調や性格』なってしまって、二航戦や五航戦にも迷惑かけてしまったんや……たがら……提督が石川弁で喋って来たから……気が楽になったんや……本当にあんがと……」

 

勇人「ダラブチ!礼を言うのは俺や!あんがとな……加賀」

 

加賀「フフッ……どういたしまして」

 

勇人「フン……」

 

勇人が照れを隠す為に石川弁で話すと、加賀もまた『艦名』の由来なのか、石川弁で話し、お互いの境遇が似ている事に分かり合えたのか、意気投合し会話した

 

 

 

 

 

 

同時刻 脱衣場にて

 

金剛「Wow……流石テートクですネ……一発で加賀の心を開けさせましたネー……元doctorは伊達じゃないですネー」

 

榛名「そうですね……しかも二人を見ていると同郷の友人同士が久々の再会で意気投合している様ですね……微笑ましいです」

 

陸奥「んで、本音は?」

 

金剛 榛名「……羨ましいです(デース)!!!陸奥さん(ムッチャン)は?」

 

陸奥「……貴女達と同じよ……あの天然スケコマシが……」

 

三人は勇人と加賀の様子を脱衣場から盗み聞きをし、羨ましがると……

 

蘭「お前ら……また盗み聞きしているな……まぁ今回は目を瞑るが……」

 

雷「金剛さん達狡いわ!!私にも入らせて!!私も『石川弁』位は喋れるわ!」

 

電「なのです!!」

 

響「……一応私も……」

 

暁「暁だって!!」

 

鳳翔「私もですよ」

 

龍飛「私も昔、幼少期の若専属の『教官兼SP』だったので喋れますよ」

 

青葉「まぁ……青葉は少し福井弁が混じりますが、喋れますよ」←名前の由来が隣の福井の『青葉山』な為……

 

榛名「……龍飛さんと青葉さんは兎も角……」

 

金剛「それ以外は完全に……」

 

陸奥「『中の人』の出身t……第6駆逐隊「中の人言わないで!!」」

 

電「なのです!!」

 

鳳翔「……一気にギャク感が出ましたね……」

 

青葉「……鳳翔さん、凄く……メタいです」

 

脱衣場で金剛達が言い争っていると……

 

勇人「お前ら……」

 

加賀「何をやっているの?」

 

勇人達は修復が終わり、金剛達を見て呆れながら言うと龍飛は微笑みながら言った

 

龍飛「いえ、若と加賀さんとの会話が微笑ましかったので……」

 

勇人「……まぁ加賀の本音が聞けたから良いけど、盗み聞きは止めてくれよ……」

 

龍飛「……分かりました、加賀さん、ようこそ『佐世保鎮守府』へ……私は鳳翔の試作艦『龍飛』です、宜しくお願いします」

 

加賀「龍飛?………まさか元『一航戦』の!?昨日の無礼、粗相をしてしまい、すみませんでした!!」

 

加賀は昨日の朝食の無礼を龍飛に謝罪すると、龍飛は微笑みながら言った

 

龍飛「フフッ……別に良いわよ、貴女を見ていると『昔の若』と被って懐かしいわ……後、謝る相手が間違っていますよ」

 

加賀「……お恥ずかしい限りです……提督に上城少尉、着任してからの無礼、粗相をしてしまい、すみませんでした」

 

加賀は勇人と蘭に頭を下げると勇人は『今の加賀の状態』を見て、焦りながら言った

 

勇人「俺達は気にして居ないから服を着ろ!目のやり場が困るし、風邪引くだろ!!」

 

蘭「別に良いよ……後、兄さんも服を着てくれ」

 

龍飛「……お嬢の言う通りです!若、上半身だけとはいえ、皆さんに『はしたない』姿を御見せして……せめて上着を着てください!!風邪引きますよ!」

 

勇人「……あ!?」

 

加賀「キャッ!?提督……見ないで下さい……これも提督のせいです、責任取って下さい……」

 

勇人「俺じゃなくて高雄と摩耶に言え……後、『その責任』なら全てが終わってから取るから……取り合えず……はい、バスタオル」

 

加賀「ありがとうございます……クスッ、冗談です……提督って、意外と純情ですね」

 

勇人「ッ!?……こいつ……やりやがって……」

 

加賀「やりました」

 

勇人「『やりました』じゃねぇだろ……ったく……ほら、早く着替えろ……」

 

加賀「……ありがとうございます」

 

龍飛「お優しいのですね♪」

 

勇人「……うるせぇ……ブァックショイ!!」

 

二人は今の自分の姿を見て、加賀は全裸、勇人は袴を履いたまま入渠していた為、加賀は胸と下半身を隠す様にしゃがみ、勇人はバスタオルを加賀の肩に乗せるように被せ、勇人は加賀にからかわれて、腹が立ちつつ龍飛が持ってきた勇人の部屋着であろうフード付きのパーカーを加賀に渡した

 

鳳翔「……では司令、洗濯した制服を持ってきますので再び風呂に入られては?」

 

勇人「……そうする」

 

雷「んじゃ私達も遠征の汗を流したいから入るね、司令官♪」

 

勇人 暁 電「雷(ちゃん)!?流石にそれは……」

 

響「……水着を着れば問題無い」

 

榛名「ッ!?私も入ります!!」

 

金剛「私もネー!」

 

青葉「なら青葉も!!折角の司令の生裸を写真に……蘭「アァ?」……いえ何でもありません」

 

青葉(こっわ……流石司令官の妹……凄い殺気です……)

 

陸奥「それじゃ龍飛さん、みんなの水着を持ってきて下さ……龍飛「馬鹿な事は言わないの、戦艦組と青葉さんは歓迎会の準備をしてから入って下さい、暁ちゃん達も早く水着を持ってきて入って下さい」……分かりました」

 

第6駆逐隊「はーい♪」

 

龍飛は笑顔で言うと陸奥、金剛、榛名、青葉は肩をガックシと降ろし凹みながら龍飛と共に脱衣場を後にし、第6駆逐隊は笑顔で水着を取りに自室に向かった

 

加賀「……」

 

勇人「ん?どうした加賀」

 

勇人は黙っている加賀を見て言うと、加賀は何時もの冷静な口調で答えた

 

加賀「提督……本当に此処は『元ブラ鎮』だったのですか?私が経験した状態とは違いますが……」

 

鳳翔「あ!?そういえば……司令、一体どんな方法で治したのですか?」

 

加賀はショートランド拍地の経験と今の佐世保鎮守府の状態に戸惑いつつ鳳翔と共に勇人に聞くと、勇人は懐かしむ様に加賀の質問に答えた

 

勇人「ああ、普通なら堤下の悪行で精神面での後遺症……PTSDや鬱病等に発病するのだが、此処の連中は他の所の同艦の個体差……いや個性なのか……血の気が多い艦娘(連中)が殆どだから、そうした精神病に成らずに、悪行のストレスを本能的に殺意に変え、自分自身を保っていたんだ……さっきの加賀(お前)と同じ様にな」

 

加賀「殺意……ですか」

 

鳳翔「自分自身を守る……言わば精神が崩壊しないために本能的に『自己防衛』として司令官……いえ人間を……」

 

勇人「納得したか?」

 

加賀 鳳翔「………」

 

勇人は加賀と鳳翔に聞くと、二人は少し『引っ掛かる所』があるのか、少し納得していないものの、頷いた

 

勇人「お陰でアイツらを治すのに苦労したんだぜ……大和と武蔵に主砲でぶっ飛ばされるわ、霧島と川内に砲撃を食らったり、五航戦に愛車を壊されるわ、挙げ句の果てに赤城に首絞められるしな……」

 

蘭 加賀 鳳翔「あの赤城(さん)が!?」

 

三人は勇人の答えに驚くと……

 

ガラララッ!

 

赤城「ちょ!?提督!?それは言わない約束じゃないですか!?」

 

翔鶴「提督!?あの件は謝ったじゃないですか!?」

 

瑞鶴「そうそう!それに『あれ』は、みんなを助ける為に行った『事故』だから!!」

 

蘭側の赤城「……先代」

 

赤城「二人共!?だからあれは……」

 

蘭側の一航戦「見損ないました」

 

赤城「だから違うのに!!そんな目で見ないで!!」

 

演習を終え、汗を流そうと入渠室に入ってきた赤城、五航戦そして蘭側の一航戦が勇人と加賀の会話を聞いていたのか、焦りながら弁解し、蘭側の一航戦は赤城の行動に白い目で見ていると加賀は赤城をフォローする様に蘭側の一航戦に言った

 

加賀「赤城さん、この子達はブラック鎮守府時代を経験していない『甘ちゃん』な環境で育ったから分からないものよ……この『気持ち』は……」

 

赤城「……そうですね」

 

蘭側の加賀「なっ!?甘ちゃん!?いくら先代でも……」

 

蘭側の赤城「……流石に怒りますよ」

 

一航戦「やりますか?」

 

蘭側の一航戦「……分かりました、では今すg……上城兄妹「オイコラ!ダブル一航戦!ここで喧嘩すんな!」」

 

ギロッ!!

 

加賀 蘭側の一航戦 鳳翔「ヒッ!!……」

 

翔鶴「……元々は提督のせいだと思いますが……」

 

瑞鶴「……そうそう……」

 

鳳翔「赤城さんは兎も角……翔鶴さんに瑞鶴さんは怖くないのですか?」

 

五航戦「……提督(さん)と柏木大将の地獄の訓練で馴れました」

 

鳳翔「馴れるものなんですか!?その『殺気』を!?」

 

赤城「嫌でも馴れますよ……」

 

ダブル一航戦が睨み合うと勇人と蘭は二組の喧嘩を止める様にドスを効かした極道らしい口調で言うと加賀と蘭側の一航戦は震え上がり、黙った

 

赤城「……加賀さん、改めて……お久し振りですね、そして『ようこそ』佐世保鎮守府へ……」

 

加賀「赤城……さん」

 

赤城「確か最後に会ったのは三ヶ月前の出撃以来ですね……」

 

加賀「……そうですね、私がまだ深海棲艦として活動してた時ですね……」

 

勇人「……フッ」

 

勇人は二人の久々の再会の様子を見て、二人の再会に水を差さない様に浴室に向かった

 

勇人「……さて、湯冷めしちまったし、もう一回入ってくるか……」

 

翔鶴「提督……クスッ、そうですね、では背中を御流しします」

 

瑞鶴「……提督さん!翔鶴姉ぇにエッチな事はしないでね……私は着替えを持ってくるから……鳳翔さん、行きますよ」

 

鳳翔「はいはい」

 

勇人「するかボケェ!!」

 

翔鶴「私は常に歓迎なんだけど……」

 

勇人「……入る前に水着、着とけよ」

 

翔鶴「え?何を言っているのですか?普通は浴槽で『裸の突き合い』をするのが常識じゃないのですか?」

 

勇人「色々と言いたい事があるが……取り合えず来い」

 

翔鶴「フフッ……分かりました」

 

勇人と翔鶴は浴室に入り、瑞鶴と鳳翔は脱衣場から出て着替えを取りに行った

 

二人の久々の再会に水を差さない様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに……

 

勇人「……ハァ……」

 

雷「凄い背中……格好いいね!!」

 

響「見事な龍……ハラショー!!」

 

電「はわわわ!!凄いのです!!まるで日本絵画みたいな格好いい龍なのです!!」

 

暁「ピャャャャャャ!!怖いよーーー!!」

 

翔鶴「まぁ……逞しい御体……ゴクン……それに龍の和堀り……素敵です」

 

勇人「……見せ物じゃねぇんだけどな……やれやれ……」

 

その後、水着を履いた勇人は水着を着た第6駆逐隊と翔鶴が勇人のトレードマークである背中の和堀り『応龍』をガン見をしてた為、ゆっくりと湯船に浸かれなかったのは言うまでも無かった


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