Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第33話「出迎え」

翌日 宮崎県 空軍 新田原基地 戦闘機待機場にて

 

キィィィン!

 

勇人「……来たか」

 

高雄「来たって……あの鯨みたいな飛行機に……ですか?」

 

愛宕「ねぇ提督、あの飛行機は何?旅客機にしては小太りな外見をしているのだけど……」

 

勇人「あれは『C-1』軍関係の物資や人材を運ぶための輸送機だ」

 

摩耶「なんか爆弾みたいな名前だな……」

 

鳥海「……可愛い……」

 

赤城「可愛いのですか?それ?」

 

勇人達は戦闘機待機場にて蘭達が乗っているであろう輸送機が着陸すると、勇人位の若い空軍の輸送機のパイロットが勇人達に近付き、敬礼をし、言った

 

空軍パイロット「御初目にかかれます、自分は蘭……いえ上城少尉と現在、交際をしている『一等空尉』……海軍では『大尉』の『高町 鉄也』と申します!姉の玲奈がお世話になっています!」

 

勇人「ほぅ……お前がアイツの弟で蘭の……俺は蘭の兄で佐世保鎮守府総司令の勇人だ……階級は『中将』……空軍では『将』だ……妹が世話になっているな高町一尉」

 

某シッショーの忍者男に似た輸送機のパイロット改め高町鉄也は勇人の階級、地位を聞いて驚き、緊張した様子で言った

 

鉄也「な!?将ですか!?失礼しました!!」

 

勇人「ん?俺に粗相をしたわけでも無いのに何故謝るんだ?」

 

鉄也「あ……スミマセン……自分の基地司令以上の人が交際相手の御兄さんだったんで、ビビってしまって……しかも姉の粗相で大変迷惑をかけたと祖父から聞きましたので……」

 

勇人「気にするな、所で高町一尉、年は?」

 

鉄也「はい!21です!」

 

勇人は鉄也の年を聞いて驚いた

 

勇人「21で大尉か!?凄い出世だな!?ってかアイツや高町より上じゃねぇか!?」

 

鉄也「いえいえ、彼女の為に努力したまでの事ですよ……彼女に似合う男になるために……」

 

摩耶「……なぁ高町一尉『汚ねぇ手』で上がったんじゃ……」

 

高雄「ちょ!?摩耶!?スミマセン大尉……じゃなかった高町一尉、妹が粗相を……」

 

摩耶は鉄也に疑心暗鬼になり言うと高雄は摩耶を叱り、鉄也は笑って答えた

 

鉄也「ハハハハ、まぁ祖父の絡みでガセネタで酷く言われてますが、ちゃんと幹部試験を受かり、ついこの間卒業したばかりなので、安心してください……中将、失礼ですが、御年令は?」

 

勇人「お前の姉と同じ年だ」

 

鉄也「22!?」

 

勇人「そんなに驚く事か?」

 

勇人の年齢を聞くと鉄也は面を食らった様な顔になり、勇人の質問に答えた

 

鉄也「……スミマセン……姉と比べて貫禄が有ったので……」

 

勇人「遠回しに『老けている』と言いてぇのか?」

 

鉄也「違います!!姉が子供っぽいのですよ!」

 

勇人「ははは、違いないな……しかしお前みたいな有能な男が何故海軍では無く空軍に?」

 

鉄也「……実は提督の試験、落ちてしまったのです……姉が訓練生時代の行いが悪かったせいで……」

 

勇人「……悪い事を聞いてしまったな」

 

鉄也「いえ!上城中将は悪くありません!!悪いのは自分の欲の為に行ってきた馬鹿姉ですので、凹まないで下さい!!これじゃ自分が中将に説教しているみたいじゃないですか!?」

 

勇人は焦っている鉄也を茶化すと後ろから蘭が近付いてきた

 

蘭「兄さん、あんまり彼氏を茶化さないで欲しいな……ありがとう、テツ……また今度……」

 

鉄也「……今は仕事中だから階級で呼べって……はぁ……」

 

勇人「……後で叱っておく」

 

鉄也「お手数をおかけします」

 

蘭側の金剛「上城中将!お久し振りデース!」

 

蘭側の比叡 榛名 霧島「あ!?中将!?ご無沙汰してます」

 

蘭側の赤城「上城中将に先代、御初目にかかれます、私はショートランド拍地の2代目の赤城です」

 

蘭側の加賀「同じく加賀です、今日は多忙の中、私達の為に稽古をつけて頂きありがとうございます」

 

赤城「長旅お疲れ樣です、私も2代目に会うの心待ちしていました」

 

赤城が蘭側の艦娘達に労うと、蘭は身体を解す様に背伸びをし、言った

 

蘭「ん~……ふぅ、んで早速だが本題に入るが先代……いえ兄さんの所では2代目の加賀が今問題になっていると聞いたが……」

 

勇人「ああ……まぁ、お袋の悪行の後始末みたいなもんたがら護衛を付けさせたが……蘭も準備してたのか……」

 

勇人は蘭側の金剛達を見ると蘭は微笑みながら答えた

 

蘭「備えあれば憂いなし……と言うからな、兄さんには悪いが此方も勝手に護衛を付けさせた」

 

蘭側の霧島「あの……司令、それ私の台詞なのですが……」

 

勇人「流石、俺の妹だ……高雄、赤城、蘭達をエスコートしろよ」

 

蘭側の金剛「よろしくネー!」

 

赤城「分かりました」

 

高雄「はい、お任せ下さい……此方へ……」

 

蘭達は高雄の引率により予め用意していたバスに乗った

 

鉄也「……腕まだ無いのですね」

 

勇人「ああ、一応義手を取り付けれる様にしてあるのだが、義手の耐久性が無いんだよな……アハハハハ……」

 

鉄也は勇人の左腕を見て哀しそうに言うと、勇人は場の雰囲気を和ませる様に笑いながら言うと摩耶は勇人に突っ込む様に言った

 

摩耶「提督が無茶な使い方をするからだろ!?大本営の明石さんと夕張そして親父さん……いや上城元帥が泣いていたぞ!?」

 

鉄也「へ?上城元帥?まさか……」

 

鉄也は摩耶の言葉に疑問を抱き、質問すると摩耶の代わりに鳥海が答えた

 

鳥海「……上城元帥は提督や上城少尉の『お父さん』です。元帥は空軍で言うと『幕僚長クラスの空将』ですよ」

 

鉄也「ば……幕僚長!?俺……生きて帰れるのかな……」

 

鉄也は鳥海の言葉に黄昏し始め、絶望すると、勇人は笑いながら言った

 

勇人「安心しろ、ストッパーである母さん……いや三笠教官がいるから……俺からも言っておくから」

 

鉄也「……ありがとうございます上城中将……」

 

愛宕「無駄話してないで早くバスに乗ろう!戦闘機の煩さで耳が痛いわ!」

 

勇人「そうだな……」

 

鉄也「スミマセン、ではまた会ったら飲みに行きましょう『お義兄さん』」

 

勇人「おう!またな、義弟よ!蘭をよろしくな」

 

勇人は鉄也に礼を言い、赤城が運転するバスに乗車した

 

ちなみに移動中……

 

高雄「……赤城さんって大型車の免許持っていたなんて……」

 

赤城「あ!?一応『人間』としての戸籍を持っていますので取得しました」

 

摩耶「……ちなみに人間としての名前は?」

 

赤城「……『藤田 咲』です」

 

高雄型4姉妹 蘭「中の人!?」

 

赤城「私に『中の人』なんて居ません!!」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

蘭側の金剛「何だが、とってもFunnyな赤城デスネ」

 

蘭側の赤城「私ですか?」

 

蘭側の加賀「赤城さん、貴女の事では無いです」

 

蘭側の赤城「……残念です、あ!?上城中将、う〇い棒のコーンポタージュ味を貰っても良いですか?」

 

勇人「……勝手にしろ、俺は寝る」

 

勇人(……大丈夫か……人選間違えた様な……)

 

勇人は柏木の案に不安を残し、そのまま佐世保鎮守府まで仮眠を取った

 

これから佐世保鎮守府創設以来の壮絶な演習(殺し合い)に……

 


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