Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第32話「虎の秘策、先代の怨念」

そして現在 佐世保鎮守府 食堂にて

 

勇人「……と言う訳だ」

 

優花「……」

 

柏木「はぁ……お前は馬鹿か、今は軍人だから処罰は無しになったのは良いが、一般人が戦場に出しゃばるなんて……」

 

勇人「……悪い」

 

勇人は柏木の指摘に俯くと優花は柏木に強い口調で言った

 

優花「御言葉ですが大将、これは私の勝手な行為で行ったのです!勇人君が悪い……柏木「勇人じゃねぇ!お前に言っているんだ!!」……ッ!?」

 

柏木「勇人は、あの時、遠回しではあったが『戦場に来るな』と言った理由……分かるか?」

 

柏木の言葉に優花は俯きながら言った

 

優花「……勇人君の足を引っ張るからだと……」

 

優花の答えに柏木は間違っていると言わんばかりに強い口調で言った

 

柏木「違ぇよ!お前はまだ戦場に馴れてねぇし、今は分からんが当時、D-cellだっけか?そのウイルスの拒絶反応防止処置をしてないだろうが!!現に『PPAP』だっけか?それになりかけたんだろうが!!」

 

龍鳳「提督『PPAP』ではなくて『TPSD』です」

 

勇人「……龍鳳、『PTSD』だ」

 

柏木「……医療用語なんて知るかよ!優花!たまたま三笠教官が抑制剤持っていたから良かったものの、拒絶反応を起こして死んだら、K国とC国、その二つの国の同盟国、そして海軍、陸軍の上層部から批難、中傷を食らってまで勇人に助けて貰った命を台無しになっていたんだぞ!!」

 

優花「ッ!?」

 

勇人「柏木……」

 

柏木自身、艦娘によって命を救われた経験もあり、優花の軽率な行動に対し激怒し、叱ると優花は歯を食い縛り、俯くと、柏木は優花が悔しがっているのを見て、落ち着いた口調で言った

 

柏木「……全く……お前の教官でもあり直属の上官である勇人に似て無茶するぜ……今度から教官の命令に従えよ……分かったか?」

 

龍鳳(……提督も他人の事が言えないような……)

 

優花「……はい……すみませんでした……」

 

柏木「俺じゃない、勇人に言え!勇人は『この事件』で上層部にボロカス言われたんだからな……お前や艦娘を守る為に聞きたくも無い上層部の説教や二ヶ月間の減棒を受けたからな」

 

優花「勇人君……いえ上城教官!すみませんでした!!」

 

勇人「まぁ結果的に助けて貰ったから良いけどな……ってか説教は兎も角、何故減棒されたの分かったんだ?」

 

柏木「……柏木隊」

 

勇人は優花を許し、柏木に聞くと、柏木は一言だけ言うと勇人は納得し、察した

 

勇人「……また、その手か……」

 

柏木「……勇人、今日は休め……お前は着任してから録に休んでいないだろ?これを機会に一週間位の休暇を使って休んどけ」

 

勇人「は?……それって『大将』としての命令か?それとも『兄弟分』としての願いか?」

 

勇人は柏木の発言に唖然し、聞くと、柏木は微笑みながら言った

 

柏木「両方だ……なぁに代理は妹に任せれば良いだろ?」

 

赤城「だとしても加賀さんは元副提督や、その子供であり、現ショートランド拍地の提督である上城少尉に危害を……」

 

勇人「……加賀の怨み爆発待ったなしだぞ……俺は兎も角、蘭は……アイツはお袋に似ているから尚更殺しにかかるぞ」

 

赤城は加賀が優香里や、その子供である蘭に危害を与える危険性を柏木に言うと、柏木は秘策があるのか鼻で笑い、ネ〇フの司令官みたいなポーズで答えた

 

柏木「フッ……我に秘策あり……ってか、なら現『一航戦』である二人が蘭の秘書艦として派遣すれば良い……」

 

勇人「……つまり新しい方の一航戦を連れてくれば加賀は俺達を信用し……」

 

赤城「更に先代である私や加賀さんが彼女達の練度を上げれる……って事ですね」

 

勇人と赤城は柏木の考えの答えを言うと、柏木は少し悔しそうに答えた

 

柏木「……だから!何で俺の案の真意を当てるんだ!勇人は兎も角、赤城まで……エスパーか!?」

 

赤城「……エスパーではないのですが、読心術位は七ヶ月間『提督の秘書艦』として動いていたので取得していますが……」

 

柏木 龍鳳 高雄型 青葉「あっ!成る程……」

 

優花「いやいやいや!たった七ヶ月で身に付く物なの!?それ!?」

 

柏木「……優花、諦めろ……」

 

龍鳳「提督や上城中将もそうですが、この赤城さんも少々特殊な人なんで……」

 

優花「……今、私は化け物揃いの鎮守府に着任したんだなと、つくづく思うよ」

 

柏木 赤城「いや~♪それほどでも~♪」

 

優花「……」

 

勇人「褒められてねぇよ……」

 

勇人は優花の皮肉に、勘違いしている二人に呆れた

 

柏木「ゴホン!んじゃ明日、妹さんと現『一航戦』を呼んでおけよ!」

 

勇人「分かった」

 

赤城「楽しみですね、2代目に逢えるなんて……」

 

高雄「妹さん……いえ、上城少尉の護衛はお任せ下さい」

 

愛宕「提督は安心して羽を休んでて」

 

鳥海「私は、どうも上城少尉の事が苦手なんだけど……任せて下さい」

 

摩耶「あー……確かに鳥海とは馬が合わない人だからな……私は結構好きなんだけど……」

 

青葉「青葉も結構好きですよ、司令官以上にノリが良い人なので……」

 

赤城は2代目の赤城に逢える事に胸を踊らせ、高雄と愛宕は勇人を安心させる様に言い、鳥海は少し嫌がりつつ、摩耶と青葉は楽しみながら言った

 

勇人「んじゃ早速……柏木「既に龍鳳がlin〇で送っておいたぜ!」……ハヤッ!?ってか何故アイツの連絡先を知っているんだ!?」

 

柏木「あのな……俺達だってショートランド拍地の復旧作業をしてたからな……人脈が多ければ多いほど損をする訳でも無いしな」

 

勇人「……一応言っておくけど蘭は『彼氏持ち』だからな……」

 

柏木「……彼氏さんに同情するわ」

 

勇人「おい!それはどういう意味だ!?」

 

柏木は勇人に冗談なのか、本当に色んな意味で同情しているのか溜め息を出して答えると、勇人に突っ込まれた

 

龍鳳 高雄型 赤城 青葉「……あー……そういうことですか……同情します……」

 

勇人「だから、何でアイツの彼氏に同情するんだ!?意味分からねぇし!!」

 

勇人の寂しい叫びが佐世保鎮守府に響き渡った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ショートランド拍地 執務室にて

 

蘭「クシュン!う~寒い……」

 

蘭側の加賀「提督、柏木大将から連絡が来てます」

 

蘭「ズズ……連絡?」

 

蘭側の赤城「何でも泊まり込みの演習……『移動訓練』の連絡らしいですけど……」

 

蘭は塵紙で鼻をかみながら、加賀からスマホを貰うと、赤城はli〇eで表示された文を見て答えると蘭は頭を抱えながら言った

 

蘭「……加賀、赤城、明日の0700から佐世保で移動訓練しに向かうぞ、先代の一航戦が稽古をつけて貰う事になったから……」

 

蘭側の赤城「えぇぇぇぇぇ!?明日ですか!?やった!!」

 

蘭側の加賀「……気分が高揚します」

 

二人は先代に稽古をつけて貰う事に胸を踊らせながら言うと蘭は困った表情で答えた

 

蘭「ただ……先代の加賀に問題があるんだ」

 

蘭側の加賀「先代の……ですか?」

 

蘭「ああ……先代の赤城は七ヶ月間、秘書艦をしつつ、兄さんのメンタルケアによって私達に危害を与えないが……加賀は一昨日着任したばかりだから……」

 

蘭側の加賀「……そういうことですか、つまり先代はメンタルケアされておらず、元副提督に怨みを持っており、その子供である提督や上城中将に危害……いえ殺害しに来る……と言う訳ですね」

 

蘭側の赤城「……怨みの連鎖……哀しい事ですね……」

 

蘭「……ああ……だが、それは『あの女』の子供として、今のショートランド拍地の提督として枷らせた『後始末』だからな……」

 

3人は哀しい表情で黙ると、執務室に蘭側の金剛型4姉妹が笑顔で入ってきた

 

蘭側の金剛「hey!テートク!一緒にティータイムを……あれ?何この空気は……」

 

蘭側の比叡「あ!?司令、もし良かったら……ん?」

 

蘭側の榛名「提督、どうかされたのですか?」

 

蘭側の霧島「……どうやら問題が発生したみたいですね」

 

蘭「ああ……実は……」

 

蘭は場の空気に戸惑っていた金剛達に説明すると金剛達は少し考え、答えた

 

蘭側の金剛「hum……では私達も連れて行って下サーイ」

 

蘭「な!?金剛!これは……」

 

蘭側の霧島「司令、柏木大将の命令では『必ず一航戦を連れてこい』としか書かれていません……つまり『一航戦を含んだ艦隊』として遠征しても問題無いかと思います」

 

蘭側の赤城「あ!?成る程……」

 

蘭側の加賀「なら提督、明日は……」

 

蘭「そうだな……アッチでも護衛は付いていると思うが、金剛、比叡、榛名、霧島……お前達に一航戦と共に第一艦隊に配属、そして私の護衛を任せる……頼りにしているぞ」

 

蘭側の比叡、榛名、霧島「任せて下さい!!」

 

蘭側の金剛「勿論デース!」

 

四人は胸を張り、力強く返事をした

現『一航戦』のレベリングの為、そして先代の怨みを無くすため……


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