Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第30話「920の悪夢」

記者会見から翌日 0700 食堂にて

 

勇人「ふわぁ~………」

 

柏木「よぉ勇人……ってどうしたんだ!?その目の下の隅は!?」

 

W球磨「クマァ?呼んだクマ?あ、提督(上城中将)おはよークマ!」

 

柏木「呼んでねぇよ……」

 

勇人「おはよーさん……ワフッ……眠い……」

 

勇人は寝不足なのか目の下に隅が出来、欠伸をしながら食堂の椅子に座り、机の上に寝込む様に、だらけきっていた

 

柏木「……マジで大丈夫なのか?」

 

勇人「お前の所の青葉のせいで加賀に何回も睡眠妨害……殺されかけたぞ……」

 

柏木「……だから悪かったと言っているだろ……」

 

青葉「だから青葉じゃないですってぇ!!」

 

勇人「分かっているから、過敏に反応するな」

 

青葉「……本当ですか?」

 

勇人「ああ……所で柏木、これを見てくれ」

 

柏木「ん?新聞?」

 

勇人は青葉を宥めつつ柏木に今日の朝刊を渡した

 

勇人「今日の一面を見てみな……」

 

柏木「……俺の挨拶とお前の非難、中傷内容が全面的に載っているな……」

 

柏木が新聞の一面を見ると、『若き虎、柏木大将、力強い宣言』と『佐世保鎮守府、堤下以上の問題児、着任』と書かれていたのだ

 

加賀「問題児に関しては事実なのでは?」

 

勇人「いい加減黙れ……糞が……」

 

摩耶「提督、それアタシの台詞だが……」

 

勇人「……すまん摩耶、そしておはよーさん」

 

摩耶「おはよー……ファァァ……昨日は心臓が悪かったぜ……」

 

高雄「おはようございます提督……昨日の頭脳戦、お疲れ様でした」

 

愛宕「おはよー提督、よく眠れ……てないそうね」

 

鳥海「おはようございます提t………何ですか!?その隅は!?」

 

勇人「おはよーさん、あれ……どちらかと言うと自滅させたんだけどな……あと加賀のせいで寝れなかったんだ……暗殺的な意味で……」

 

勇人は高雄型の四人に挨拶をし、眠たそうに四人の質問に纏めて返した

 

加賀「当然です!あの女の関係者なら恨みを持つのは当たり前です!しかも貴方みたいに、あの女の息子であり片腕を無くす様なクズに着任する位なら殺した方がマシです!」

 

勇人「アァ?喧嘩売っているのか?買うぞ」

 

加賀「良いでしょう!では……」

 

龍鳳「まぁまぁ……加賀さん、上城中将は艦娘達を酷い事はしない人で、片腕が失ったのは……柏木「ストップ!これ以上いけない!『特別防衛機密』に引っ掛かるぞ!」……そうでしたね」

 

加賀「ふん……どうせ『あの女』や佐世保鎮守府総司令として恨みを持った連中に切り落とされたのでしょう……まぁ私としては『一般人』より弱い男が提督なんて『真っ平御免』ですから……それでは柏木大将……失礼します……」

 

勇人「……チッ」

 

加賀は勇人に捨て台詞を言い残し、食堂を後にし、入れ替わりに赤城、優花が勇人に近付いてきた

 

赤城「おはようございます提督………あれ?加賀さんは?」

 

優花「おはよー勇人k……ちょ!?どうしたの!?その顔!?」

 

勇人「……加賀なら俺に嫌みを言って、食堂から出ていったぞ」

 

柏木「あれ?あんたは桜花連合の……」

 

優花「貴方がお祖父ちゃんが言っていた柏木さん……じゃなかった柏木大将ですね?私は一ヶ月前、堤下達に誘拐され、今は佐世保鎮守府総本部の『艦娘カウンセラー兼執務官』の少尉の桜花優花と言います」

 

柏木「へ?勇人、これはどういう事だ?」

 

勇人「ああ……彼女たっての希望で2週間前、海軍に入隊、半年後に始まる『精神医療専門課程』に向けて色々と仕込んでいるんだ……」

 

柏木「……まさかだと思うが……お前も呼び出されたのか?教官として?」

 

勇人「まさか……俺は佐世保鎮守府の総司r……優花「はい!勇人君……いえ上城中将も軍医兼教官として派遣される予定です!」……はぁ?オメェ、何訳の分からん事を言っているんだ!?」

 

優花「あ!?バレた?」

 

勇人「当たり前だ……ったく!お前を入隊手続きしに大本営に行ったら920事件に巻き込まれるわ、親父は920の事件で入院中、更には加賀に命を狙われるわ……不幸だ……」

 

優花「うん……あれは……」

 

赤城「急遽、蘭さんに提督代理として此方に来た時ですか……」

 

勇人の愚痴に柏木は反応し、勇人に迫る様に聞いた

 

柏木「ちょっと待て!お前達も事件現場にいたのか!?」

 

勇人「……ああ、あれはマジで精神的に死ぬかと思ったぞ!!悲惨過ぎて!!」

 

優花「……うん」

 

柏木「………良ければ聞かせてくれないか?」

 

二人は920事件の悲惨過ぎる現場を思い出し、顔を俯くと柏木は勇人達の心情に同情しつつ二人が味わった事件の内容を聞くと優花は、あまりにも悲惨過ぎて思い出しただけで震え、勇人は溜め息をつき、答えた

 

勇人「ああ……優花、無理なら部屋に戻っても良いんだぞ、俺は兎も角、お前はまだ癒えていないからな」

 

優花「……大丈夫よ、私も新米だけど軍人だから……これ位、耐えないと……」

 

勇人「……分かった、無理はするなよ……実はな……」

 

勇人は柏木に二人が味わった事件の内容について、事細かく説明し始めた

 

あの悪夢の『920事件』の内容を……


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