Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第29話「招かざる客」

1週間後 佐世保鎮守府 特設記者会見場にて

 

加賀「………」

 

勇人「ん?何だ?俺の顔に何か付いているのか?」

 

加賀「……うるさい、殺しますよ」

 

柏木「……悪い勇人……うちの青葉が加賀にあんたのお袋さんの事を言ってしまって……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

加賀「泣くのでしたら『あの世』で泣いてください」

 

勇人「……この糞アマが……」

 

鹿島 龍鳳「まぁまぁ……」

 

記者達(うわぁ……何この殺気染みた空気は……ってか、あの片腕の提督……何処かで……)

 

特設記者会見場では勇人に睨み付け、嫌味を言い続けている加賀に勇人は怒りに耐え、本日の秘書艦であろう鹿島に柏木の秘書艦である大鯨……否、大鯨が改装された艦娘『龍鳳』宥められていた

 

長門(……何だろう……加賀を見ていると……)

 

霧島(昔の私達を思い出しますね……)

 

優花(勇人君!ここは落ち着いて!折角の佐世保鎮守府のイメージアップをする機会だから……)

 

赤城(本当に……加賀さんだ……)

 

二航戦 五航戦 妙高型 「あーおーばー!」

 

青葉「青葉じゃない……違った!『此処の青葉』じゃないです!!」

 

青葉(あややややや!?あっちの青葉!?何て事を言ってしまったのですか!?火にガソリンを注いだ真似を……お陰で青葉まで火の粉が被ったじゃないですか!!)

 

佐世保鎮守府の艦娘達は勇人と加賀の様子を見て冷や汗をかいたり、懐かしんだり、更には青葉を睨み付ける艦娘もいたとか……

 

 

勇人「只今より常田『元』大将の後任である柏木疾風『海軍大将』の挨拶を行います。司会は、この私『佐世保鎮守府総司令』中将の上城勇人がお送りします。では柏木……大将、ご挨拶を……」

 

柏木(……今、呼び捨てで言いかけなかったか?まぁ良いか……)

 

龍鳳 W霧島(……あ!?マイクチェックは流石に無いですね……よかった……)

 

勇人の紹介により、柏木はマイクを持ち記者達にスピーチを始めた

 

柏木「司会の紹介にありましたが俺……いえ私が大将の柏木疾風と言います。920事件の件で辞職した常田元大将には公私共々、親交があり、大変お世話になっていました……なので彼の辞職は私自身、胸が痛い思いです……そんな彼が私を後任として指名したからには、彼の意思を継ぎ、全国民の命や財産等を守る所存です!まだ若輩者の私ですが皆さん、宜しくお願いします!」

 

 

パチパチ!

 

柏木のスピーチに記者達は拍手やカメラのフラッシュが鳴り響いた、まるで柏木を歓迎してくれているかの様に……

 

だが勇人は柏木の『ある事』に気が付いた

 

勇人(……アイツ、カンペ見ながら……)

 

龍鳳(まぁまぁ、記者達は歓迎ムードなので目を瞑って下さい……)

 

勇人(……やれやれ)

 

勇人は柏木がカンペを見ながらスピーチしていたのを気が付いたが龍鳳の説得により見て見ぬふりをした

 

勇人「……ありがとうございます、では短い間ですが質問と入られて頂きます。では質問のある方はいらっしゃいますか?」

 

記者1「……はい」

 

勇人「どうぞ……」

 

勇人は記者達に言うと、記者の二人が手をあげ、マイクを持ち質問を始めた

だが質問相手が『柏木』ではなく……

 

記者1「あの……私達は柏木さんではナク、貴方二聞きたい事がありマス」

 

勇人「私に……ですか?」

 

そう、その記者は勇人に質問をし始めたのだ

 

勇人「失礼ですが、貴女達はどのテレビ局のアナウンサーですか?」

 

勇人は、その記者に違和感を感じつつ、聞くと女性記者は片言で答えた

 

記者1改め『k国記者』「ワタシは貴方ガ殺した将軍の国の記者デス」

 

記者2改め『C国記者』「私達はアナタガ人殺しだと言う事を証明しに来まシタ」

 

記者達 勇人 柏木 艦娘達「!?」

 

 

ざわざわ……

 

ざわざわ……

 

長門(……不味いな……)

 

陽炎(ちょ!?いきなりの爆弾発言投下!?)

 

霧島(……イメージダウン待ったなし……ですね)

 

勇人(チッ……厄介な奴等が紛れ込んでいたとは……これも龍光会の回し者か……仕方ねぇ……)

 

勇人や柏木、そして加賀以外の艦娘達は、いきなりK国とC国の記者の発言により、頭を抱えた

だが勇人は、ざわついた記者達やK国、C国の記者に堂々と言った

 

勇人「確かに私……めんどくさいから素で言うが、確かに俺はテメェの親玉を殺した……だが、何故アンタの所の親玉を殺した『情報』を知っているんだ?あの『場所』はアンタの所の親玉しか居なかった筈だが?」

 

勇人は二人の記者に言うと、記者は勇人の言葉に勝ち誇った口調で答えた

 

C国記者「簡単な理由デス、あの時『生存者』がいたからデス」

 

柏木(勇人……ふっ、そうか……成る程な……この『場合』と『状況』を利用して……全く、こういった『頭脳戦』では勝てる気がしないな……)

 

勇人は二人の言葉に口角を少し上げ、二人に聞いた

 

勇人「……では教えてくれないか?その情報の『提供者』を……」

 

K国記者「良いでしょう!この方デス!」

 

勇人はK国記者に挑発とも取れる言葉を発すると、K国記者は自信満々に『情報提供者』が写っている写真を大々的に見せた

 

勇人「ふっ……やっぱりか」

 

記者1「なぁ……これって……」

 

記者2「ああ……」

 

ざわざわ……

 

ざわざわ……

 

金剛(hum……流石テートクデスネ……)

 

大淀(この状況を逆手に取り、自滅を誘い込むなんて……)

 

大和(……というより、あの人達が間抜け過ぎるんじゃ……国民性的に……)

 

摩耶(……体だけではなく頭も化け物並の強さ……いや頭脳明晰ってやつか……)

 

そう、その『情報提供者』が写っている写真……否、その『情報提供者』とは……

 

C国記者「私達の『同胞』ノ基地の管理者デス!」

 

K国記者「サァ!『国際法』で死んでくd……勇人「ほう……この情報提供者……『深海棲艦』の『戦艦イ級』がね……」……何を言ってイル!お前は、この人の仲間達共々、私の将軍ヲ殺したのではないカ!!」

 

そう、その情報提供者は深海棲艦の戦艦イ級であった

 

龍鳳(……流石、上城中将ですね……提督も見習って下さいね)

 

柏木(……精進します)

 

記者1「おい!何が『国際法』に引っ掛かっているのだ!違反しているのは貴様達の首相達ではないか!」

 

記者2「そうだ!そうだ!そんな奴、殺されて当然だ!!」

 

某銀色の戦車を持った男似の記者「Mr.カミシロ!ブラボー!オォー!ブラボー!!」

 

勇人「Thank You……」

 

勇人の頭脳戦……というより二人の記者の自滅に場の空気が一転し、記者達は勇人を擁護や絶賛の声が涌き出てきたのだ

 

勇人「さぁどうする?オメェラの国の記事では『将軍殺しの男が自白した』とか『間抜けな軍師、自滅する』とか非難、中傷の内容を書くと思うが、オメェラの国『以外』の国の記事は、どんな『内容』の記事になるのやら……」

 

K国記者「クッ!」

 

C国記者「おボエてろ!」

 

二人は勇人の脅しに近い言葉に対し、悔しい表情で颯爽と記者会見場を後にした

 

勇人「……大変お見苦しい所を御見せし、御迷惑をお掛けしました。これを持ちまして新任、柏木疾風大将の挨拶を終了したいと思います。皆さん、態々遠い所から足を運んで頂き、真にありがとうございます」

 

勇人は記者達に一礼をし、記者会見は幕を卸した

 

記者達の擁護や絶賛の嵐の中……

 

 


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