Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第3章「友との再会」
第28話「吉報は突然に……」


堤下、優香里の逮捕から1ヶ月後、11月5日 2200 佐世保鎮守府 執務室にて

 

勇人「……」

 

摩耶「提督、こんな眠たくなるなる番組なんか見るの止めてスマ〇マ見ようぜ」←本日の秘書艦

 

勇人「……ちょっと黙ってろ」

 

勇人は軍部に関わる記者会見の為提督室にテレビを出し、それを見ている。

 

記者『これより、大本営憲兵司令官常田一登元帥陸軍大将による記者会見が今始まります。………あ、今常田大将が入りました』

 

現在、ニュースを流しているテレビ局は全て常田の記者会見の生中継が放送されている。

 

常田『えぇ、皆さん。大変寒い中このような場にお集まり頂きありがとうございます。私、常田一登は9月20日から10月2日にかけて発生した920(キュウフタマル)事件の責任を取り、今日付で憲兵司令官辞任、並びに陸軍を退役する事といたしました』

 

常田が辞任をするといった瞬間にカメラのフラッシュが激しくなる。

 

記者『なぜ、常田大将が辞任されるのですか!?総司令官が責任を取ればいいのではないですか!?』

 

常田『このような事態を招いたのは、日頃憲兵隊を統率していたのは私にあり、未然に防げなかった私に責任があるからであります』

 

記者『後任は誰になるのですか!?』

 

常田『それは……』

 

 

常田は自身の後継者を言おうとした途端……

 

 

 

 

 

 

ブチッ……

 

 

 

 

 

勇人「……」

 

摩耶「ん?提督……何故、TVを消したんだ?」

 

摩耶は勇人に何故、TVを消した理由を聞くと勇人はタバコをくわえながら言った

 

勇人「後の事は親父から聞いたからな……常田のオッサンの後継者は……柏木だ」

 

摩耶「はぁ!?柏木大将って呉の提督……言わば海軍だよな!?何で柏木大将が……」

 

勇人「摩耶、一応アイツの本業は憲兵だぞ……」

 

摩耶「………マジで?」

 

勇人「マジ」

 

摩耶「………通りで憲兵染みた行動をしていたと思ったぜ……てっきり憲兵マニアだと思ったぜ……」

 

摩耶は勇人の説明に納得すると執務室のドアが開き、急いで来たのか、息切れしている大淀が入ってきた

 

生徒会長風の黒髪、眼鏡を付けた艦娘『大淀』「提督……ハァ……ハァ……夜遅くスミマセン……今、大丈夫ですか?」

 

勇人「ああ……ってか寧ろ、お前が大丈夫か?摩耶、水を……」

 

摩耶「お……おう」

 

摩耶は勇人の私物の冷蔵庫からミネラルウォーターが入ったペットボトルを取り出した

 

摩耶「大淀、はいよ」

 

大淀「摩耶さん、ありがとうございます……んぐ……んぐ……」

 

ゴクッ!

 

ゴクッ!

 

勇人(……なんだろ………凄く……)

 

摩耶(エロい……ってか提督!アンタ見すぎ!溜まっているのか?)

 

勇人(おい、女性が『そんな事』を言うな……)

 

摩耶(……わーったよ……ったく提督も固いな……あ、貞操概念的な意味だからな)

 

勇人(それ位、分かってる……違う意味なら憲兵待った無しだぞ……お互い……)

 

摩耶(……デスヨネー)

 

二人は大淀の飲み方に目を少し逸らした

勿論、彼女は普通にラッパ飲みをしているだけなのだが……

 

大淀「プファ……提督、ありがとうございます」

 

勇人「お……おう……んで何か問題が発生したのか?」

 

勇人は慌てて来た大淀に聞くと彼女は少し落ち着いたのか、いつも通りの口調で説明し始めた

 

大淀「は……はい、実は1週間後、此処で常田大将の後任の記者会見を行う事になりました……」

 

勇人「はぁ?何故、此処で記者会見を行う……ッ!?まさか……」

 

摩耶「提督?どうしたんだ?」

 

勇人「……摩耶、ついさっき席を外しただろ?」

 

摩耶「ああ……赤城さんが小腹が空いたから飯を持ってくる時か……それがどうしたんだ?」

 

勇人「あの時、柏木から連絡が有ったんだ……ショートランド拍地……いや赤城の『元同僚』を保護したから1週間後、此処で受け渡しになるんだ」

 

大淀「え!?普通は上城少尉……妹さんが受け渡しを行うのに何故、提督が?」

 

大淀は勇人の説明に疑問を抱き、勇人に聞くと、勇人は頭を抱えながら言った

 

勇人「……あんまり言いたくないけど、その保護された艦娘が堤下の親父『堤下督一朗』と俺のお袋が赤城同様『捨て艦』として轟沈した艦娘『加賀』なんだよ……」

 

摩耶「な!?」

 

大淀「え!?ちょ!?轟沈!?それはどういう事ですか!?」

 

勇人「……『ドロップ艦』って知っているか?」

 

摩耶「……提督、とうとう疲れがピークに達したせいで質問の答えが的外れしているぞ……休むか?」

 

勇人「……どうやら俺と個人演習をやりたいらしいな……摩耶……」

 

摩耶「……ごめんなさい!『イージスのカーニバル』だけは……だけど、ベットウェー海戦なら………モゴモゴ……」

 

勇人「……おい、聞こえているぞ」

 

大淀「『ドロップ艦』……つまり『はぐれ艦娘』の事ですか?それと一体どんな関係が?」

 

勇人の的外れな言葉に大淀は疑問を抱き、言うと、勇人は大淀の質問に答えつつ説明を続けた

 

勇人「それは表向きの説明だ……実際は深海棲艦が艦娘だった時の『記憶』『思考』等、艦娘達によって倒された弾みで甦り、また人として生を受けた艦娘の事だ……要は7カ月前の赤城と同じ現象の事を『ドロップ艦』と言われているんだ」

 

大淀「……そういう事ですか……」

 

摩耶「モゴモゴ……提督とベットのカーニバル……モゴモゴ……」

 

勇人「まぁ戦場でドンパチやってて、いきなり艦娘が現れたんじゃあ『はぐれ艦娘』と間違える事もあるが……後、摩耶……いい加減、正気に戻れ」

 

バシッ!

 

摩耶「んな!?アタシは一体……」

 

勇人は『目ぇ覚ませ!』と書かれた来客用のスリッパを持ち、摩耶に軽く叩くと摩耶は叩かれた弾みで正気を取り戻した

 

ちなみに、そのスリッパ以外に『なんでやねん』等が書かれたスリッパも何故か所持していた

 

大淀「提督、何故来客用のスリッパを?」

 

勇人「……昨日、夕張と明石、沙耶、川内、天龍、龍田と呑んでいた時に夕張の趣味の『半分こ怪人の特撮物(仮〇ライ〇ーW)』を見せられてな……」

 

大淀「ちなみに、このスリッパをカスタムしたのは……」

 

勇人「……夕張が酔っ払った勢いd……大淀「……後で『お話』……ですね、提督も三笠教官に……」……オイ、俺は関係ねぇぞ」

 

大淀「フフッ……冗談ですよ」

 

勇人 摩耶(……冗談に聞こえねぇぞ……マジで)

 

大淀「え?夕張さんと『お話』だけは本当ですよ」

 

勇人 摩耶「だから人の心を読むな!オメェは『某覚り妖怪(古〇地さとり)』か!?」

 

大淀「……まぁ、おふざけはこれくらいにして、提督、そろそろ見廻りの御時間です」

 

勇人「……分かった、行くぞ摩耶」

 

摩耶「おう」

 

二人は立ち上がり、ライトを持った途端……

 

 

キャーーーー!

 

赤城さんの足が無いぃぃぃぃぃ!!

 

ヒエェェェ!

 

プリンツ!?生きていたの!?

 

わ……私がいるゥゥゥゥ!

 

勇人「……あいつらまで……行くぞ、纏めて『お話』だ」

 

摩耶「……」

 

勇人は呆れつつ、摩耶と共に見廻り兼『お話』しに向かった

 

摩耶は………

 

 

摩耶(アタシ……こういうの苦手なんだよね……)

 

勇人「……摩耶」

 

摩耶「お願いだから言うなよ……マジで」

 

摩耶は勇人の腕に抱きつき、亡き艦娘達に恐がりつつ勇人と共に見廻りをしたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 


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