Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第21話「龍のケジメ」

10分後 手術兼改装室にて

 

勇人「夕張!日向の蘇生は?」

 

夕張「心拍数そして脳波は正常値……解凍及び蘇生完了です!」

 

勇人「明石!優花の容態は?」

 

明石「優花さんのD-cellの侵食率40%……身心共に衰弱しています!」

 

勇人「チッ!今すぐオペだ!二人に全身麻酔薬投与!」

 

夕張 明石「はい!」

 

勇人は優花の容態を聞き、二人に全身麻酔を投与する様、指示を出した途端、奇跡が起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日向「うっ……此処は……」

 

優花「日向……さん……勇人さん……日向さんが……」

 

勇人「あ?日向がどうしたって……なっ!?」

 

優花は麻酔が効いているのか、眠たそうな口調で勇人に日向が目を覚めた事を言うと勇人は日向を見て驚いた

 

勇人「日向ぁ!?お前……」

 

日向「……貴方が新しい提督かであり、死んだと思われた上城曹長だな……提督……私は、このまま『解体』されるのか?」

 

日向は自分自身の体が駄目になっていた事を察したのか、勇人に不安な表情で言うと勇人は頭を横に振り答えた

 

勇人「いや……日向と優花の『治療』だ……」

 

日向「なっ!?私の身体は……もう使い物にならない事ぐらい知っている筈だ!!何故、彼女は兎も角……私まで……」

 

勇人「……簡単に言うと普通の艦娘は自然治癒力が無い……つまり自分の力では怪我などを回復が出来ないんだ……だがD-cell……深海棲艦しか持っていないウイルスに感染した彼女と融合することにより、彼女……優花はD-cellに対する抗体が出来、日向もまた自然治癒力が発生し、時間は掛かるが艦娘として再び復帰出来るという事さ……まぁ彼女には『人間を辞めてもらないといけない』事になるけどな……勿論、彼女に説明、承託済みだ!それに……仲間を救うのに『理由』なんて要るかよ!」

 

日向「……そうだな……堤下とは違い『仲間思いの熱い男』だな……やってくれないか?今すぐに……」

 

日向は決意のある強い口調で勇人に言うと、勇人は日向の想いを受け止め、そして……

 

勇人「……分かった!今からオペを開始する前に……日向、彼女に何か言うことは無いか?」

 

日向「……桜花優花さん……ですよね、お久し振りです……覚えてますか?」

 

優花「覚えてますかって……まさか!?」

 

日向「……『半年前』の横須賀の事件……貴女の『両親』を護りきれなくて……ごめんなさい……」

 

優花「……」

 

勇人(……横須賀!?まさか襲撃事件の……)

 

日向は昔の事件で謝罪をしたが優花は黙り、そして日向の言葉を遮り、優しく言った

 

日向「……貴女は私達、艦娘を恨んd……優花「私は貴女達『艦娘』を恨んではいません……貴女も私達や当時の『訓練生』を守る為に深海棲艦と戦ってきたのでしょ?なら貴女達、艦娘を恨むのは筋違いです……私が恨んでいるのは深海棲艦そして当時、艦娘を指揮してた『訓練生』以外の海軍の上層部と一目散に逃げた訓練生達です……だから自分……いえ自分を含め艦娘達を責めないで下さい」」

 

明石「……優花さん」

 

夕張「……半年前の事件って……提督が指k……勇人「夕張、これ以上言うな……優花、日向……そろそろ始めるぞ」」

 

優花「お願いします」

 

日向「……頼んだぞ……優花さん……ありがとう」

 

二人は勇人に全身麻酔を投与され眠る様に体を勇人に託した……二人の想いを託す様に……

 

 

 

5時間後 待機室にて……

 

吹雪「ハァハァ……司令官……優花さん……」

 

三笠「……吹雪か……アイツ……勇人は救ってくれるよ」

 

俊夫「……今は馬鹿孫を信じろ……俺達は、それしか出来ないからな」

 

吹雪「司令官……」

 

吹雪達は鎮守府に着くと補給をせずに一目散に待機室に着くと三笠、桜花そして俊夫がいた

吹雪は不安の中、祈る様に手を組んだ途端……

 

 

フッ…………

 

 

ウィーン……

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……」

 

 

 

みんな「ッ!?」

 

手術中のランプが消え、手術室から勇人が出てきた

 

勇人「……」

 

桜花「龍の若造!?優花は……」

 

桜花は一目散に勇人に近付き、言うと勇人は疲れきった表情で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……早く『可愛い孫』に会いに行け」

 

勇人は疲れきった口調で答えると桜花は震え、勇人の胸倉を掴んだ

 

桜花「まさか……そんな……失敗!?なぁ嘘だと言っt ……勇人「何を勘違いしている……成功だ」」

 

艦娘達「!?」

 

俊夫「……よくやった♪」

 

桜花「ッ!?ありがとうございます………ありがとうございます……」

 

勇人の言葉に歓喜に満ちていたが、勇人は安堵し三笠に言った

 

勇人「母さん……今から堤下達の解体手術を行うから連れてきてくれねぇか?」

 

三笠「ッ!?勇人!?あんたはもう休め!解体手術位は私がやるわ!」

 

金剛「そうデース!!テートクは私達の為に色々やってくれたデース!!」

 

長門「そうだ!提督は一睡もせずに救助、討伐、手術と働き過ぎだ!三笠教官も言っていたが休め……いえ休んで下さい!」

 

艦娘達「そうです!休んで下さい!!」

 

三笠や艦娘達は勇人に休む様、言ったが……

 

勇人「これは……俺の鎮守府の問題だ……俺がやらなければ『意味が無い』んだ……彼女達……お前達の為に……」

 

勇人の言葉に三笠は呆れ、頭を抱え、暫く考えた後、こう伝えた

 

三笠「……勇人……分かったわ!」

 

金剛「三笠!?Are you crazy !?(正気!?)今テートクは……三笠「ただし『条件』があるわ」……条件?」

 

勇人「母さん……その条件とは?」

 

三笠「……私も参加させて!アンタが解体中、ぶっ倒れ無いようにね♪」

 

三笠は勇人に出した条件とは解体手術に参加する事だった

 

勇人「……無理はすんなよ」

 

三笠「勇人には言われたくないわ♪」

 

龍飛「私も手伝います!!今の若の状態は大変危険です!」

 

長門「私もだ!」

 

長門を筆頭に吹雪達は勇人の助手になりたいと主張していたが……

 

勇人「駄目だ!オメェらは人間の内臓や血等のグロデスクまみれの環境に慣れてねぇだろ!扶桑!山城!今すぐ堤下達を連れてこい!明石!夕張!至急『大量のベット』を運んでくれ……さぁ第2ラウンドだ!母さん!龍飛さん!行くぜぇ!」

 

三笠「ああ!」

 

龍飛「はい!!」

 

扶桑 山城「分かりました!!」

 

勇人は自分に渇を入れる様に大声で言い、扶桑、山城が堤下達を連れきた後、外で待機させ勇人は夕張、明石、三笠そして龍飛と共に手術室へ戻った

 

その気合いが入った後ろ姿、そして勇ましい足並みは、まさに龍の進行……勇人は龍が如く力強い雰囲気そして強い信念と共に……


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