Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第13話「油虫の戯言そして龍の逆鱗」

柏木達を見送ってから14時間後 2200 鎮守府付近の海域にて

 

勇人「……」

 

勇人は皆、寝静まったのを見計らって単独で堤下と上坂が拠点になっている深海棲艦の基地に向けて出撃をしていた

 

勇人(……流石に堤下の問題は兎も角『家庭問題』だけは何としても俺自身でケリつけたいからな……)

 

菊地「提督、このまま11時の方向に進んで下さい」

 

勇人「分かった」

 

勇人は自分自身の問題を片付けにTCN(航法装置)を使って深海棲艦の基地に進んでいくと……

 

勇人「……ん?あれは……艦娘!?いったい何故……オーイ!どうした?」

 

勇人は海上で迷子になっているのであろう艦娘達を見つけ、近付いて行った

だが……

 

?「ちっ!奴等に見付かったか……みんな!砲撃開始!撃てぇ!」

 

ドーン!

 

勇人「ウォッ!?ちょ!待ってくれ!俺は敵じゃねぇ!」

 

勇人は迷子の艦娘達に深海棲艦と間違われていたのか砲撃されていたが……

 

?2改め『北上』「待って『大井っち』にみんな!アイツ……砲撃して来ないよ!ってか堤下達じゃないね……」

 

?改め『大井』「え!?堤下達じゃない!?北上さん!それはどういう事なのですか!?」

 

?3改め『雪風』「大井さん!あの人……堤下と同じく『男性』なのに雪風達と同じ『艤装』を着けています!堤下の仲間だと思われます!」

 

?4改め『鳳翔』「……皆さん……警戒だけはしてください!そこの貴方!所属と名前、階級を言いなさい!」

 

?5改め『イムヤ』「ッ!?貴方は……まさか……」

 

勇人(ふぅ……何とか砲撃がおさまった……ん?暗くて、よく見えないが……あれは北上に大井、雪風、鳳翔そしてイムヤか……そしてアイツらが口々にしていた『堤下』……まぁ取り合えず自己紹介してから保護するか……何かしら情報が入るかも知れないしな)

 

勇人「……俺は敵では無いから武器を降ろせって!俺は『佐世保鎮守府、第一前衛』……間違えた、今日付けで『佐世保鎮守府総司令』の『上城勇人』だ!ちなみに『中佐』だ……お前達は何処の所属の艦隊だ?迷子なら所属の鎮守府まで引率するが?」

 

北上 大井 鳳翔 雪風「ッ!?佐世保鎮守府の提督!?上城勇人だと!?」

 

ガチャ!!

 

勇人「だから敵じゃねぇって!!もう一度言うが、さっさと『武器』を仕舞えって!」

 

勇人(『佐世保鎮守府の提督』そして『俺の名前』を言っただけで『この様』か……嫌われているんだな……俺も……堤下も……って今は凹んでいる場合じゃねぇ!説得だ!)

 

北上達は勇人に向けて主砲や弓を向けて構えているのを勇人は北上達に説得していると……

 

イムヤ「ッ!?やっぱり……勇人!?会いたかったよーーー!」

 

ガバッ!

 

勇人「………へ?」

 

イムヤは勇人を見た途端、泣きながら抱きついてきたのだ

 

イムヤ「グズッ……本当に……生きていたのね……」

 

勇人「『生きて』……ッ!?お前!半年前の……」

 

イムヤ「そうよ!半年前、勇人と一緒に出撃した『イムヤ』よ!良かった……生きていて……」

 

北上「へ?これって……」

 

大井「どういう……事?」

 

北上達はイムヤの様子を見て混乱していると、イムヤは勇人に出会えた事に嬉ながら北上達に言った

 

イムヤ「みんな!聞いて!この人は敵じゃないわ!堤下が言っていた『半年前の襲撃事件で戦死した訓練生』の上城勇人『曹長』いえ『中佐』よ!」

 

大井「……ちょっと待って!吹雪さんの提督が生きているわ!半年前の事件って……私達……未だに頭の整理が追い付かないわよ!」

 

勇人「……簡単に言えば『味方』だと判断すれば良いからな、大井の発言から察するに、お前達も堤下に誘拐された艦娘達で良いかな?」

 

鳳翔「……その通りです、しかも敵意は無いようですね、では貴方には私達を鎮守府まで引率してください」

 

勇人「んな事位お安い御用………いや、どうやら……簡単に帰れそうには無いな」

 

雪風「ッ!?皆さん!あれを見てください!!」

 

北上 大井 鳳翔 イムヤ「ッ!?」

 

勇人が何かを見付けたのか、溜め息を付き答えると……

 

堤下「見ぃーつけた♪俺の玩具が……ッ!?貴様は!死んでなかったのか!?『蒼白龍』!?」

 

優香里「あら?久し振りだね♪馬鹿息子♪」

 

そう、深海棲艦の大群を率いていた堤下と優香里が勇人を見て小馬鹿にするように言った

 

イムヤ「蒼白……龍……それに……」

 

鳳翔「……あの女の『息子』」

 

勇人「……まさかテメェらから来るとはな……堤下に糞婆ぁ!さぁ『奪った者』を返して貰うぞ!」

 

勇人は二人にドスの効いた荒い口調で言うと二人は勇人達を馬鹿にしたかの様に笑い、見下しながら言った

 

堤下「ほぅ♪『奪った者』ねぇ……プフフフ♪何を言っているのだ?元々『俺の者』だ♪むしろ『その言葉』そっくり、そのまま返すぞ♪『親の七光り君』♪」

 

優香里「どうせ私達と同じ『力』を持っても、ベースが『オンボロのポンコツ戦艦の三笠』だから私達n……勇人「今何て言った……」……え?」

 

北上 大井 雪風 鳳翔「ッ!?」

 

イムヤ(ヒッ!!)

 

勇人は二人の挑発に静かに、重く、そして『ある思い』が込められた口調で二人に聞いた

 

優香里「だから………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優香里「『オンボロのポンコツ戦艦の三笠』と言っt……勇人「殺す!!」」

 

ズサッ!

 

勇人は愛刀『ムラマサブレード』に相当な殺気を込めて優香里に一太刀を浴びせたが……

 

優香里「……あらあら♪いきなり過激な事をするわね♪まぁ良いわ♪遊んであげるわ♪」

 

堤下「ウッハ♪今時、刀なんて古いな♪やっぱ三笠みたいなオンボロでポンコツな艦娘だから装備も古いな♪」

 

 

優香里は舞う様に勇人の剣筋を避け、更に二人は勇人の殺意や怒りを煽り立てる様に挑発した

 

勇人「……どうやら本気で死にてぇらしいな……『Aegis ver.2』……さぁ……始めようか……『害虫駆除(テメェラの公開処刑)』をな!!」

 

勇人は『Aegis ver.2』になり二人に攻撃をし始めた

 

だが二人は、この戦いを機に後々、酷く後悔をする事になろうとは知らなかった

命まで賭けてくれた三笠()に対して侮辱とも取れる発言をした二人のせいで(勇人)を怒らせてしまった事に……


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