Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第12話「二人の龍虎、再び……」part 7

0600 憲兵所 留置場にて

 

柏木「ふわぁ……っと、勇人、一体朝早くから起こして……どうしたんだ?」

 

柏木は勇人に起こされ、欠伸をしながら勇人に聞いた

 

勇人「……何故、桜花のジジイが深海棲艦、そして龍光会と手を組んだ……いや『脅された』訳を聞いたんだ」

 

柏木「……これまた穏やかな事じゃねぇな……内容は?」

 

勇人「……実はな……」

 

勇人は桜花から聞いた情報……桜花の孫娘『優花』が誘拐された事や堤下が青葉以外の艦娘と融合していた事と、堤下と手を組んでいる『女性』の事を伝えた

 

勇人「……と言う訳だ」

 

柏木「……なるほどな、んで勇人が『Aegis ver.2』の姿に似た女は確か……何処かで……」

 

柏木は女性の名前に見覚えがあるのか、考えると赤城は俯き、恨みのある重い口調で答えた

 

赤城「……『上坂優香里』少佐……私が深海棲艦になる前、所属していた『ショートランド拍地』の元副提督……そして元提督であり堤下の父親『堤下督一郎』中佐の二人は汚職事件を起こし、失脚され、当時、上城大将(若き頃の一馬)の命令によって二人とも解雇、そして今は提督の妹である『上城 蘭』少尉が提督を執務していると……」

 

柏木「ッ!?悪い、赤城にとって嫌な思い出を……」

 

赤城「あ!?いえ……私こそ場の雰囲気を壊してしまって……提督?どうかされましたか?凄く顔色が悪いのですが?」

 

柏木「おいおい……只でさえヤクザ面なのに色まで悪くなったら……」

 

柏木は勇人に茶化す様に言うと勇人は虫の居所が悪いのかドスの聞いた声で答えた

 

勇人「うるせぇ!後、ヤクザ面は余計だ!……この女は艦娘達を使って若くなっているが……俺の『元』母親だ……」

 

赤城「!?」

 

柏木「カーチャン!?え!?勇人の母親!?」

 

勇人は重い口調で答えると赤城は勇人に近付いた

そして………

 

ガバッ!!

 

赤城「提督……あなたが……貴方の母親のせいで……」

 

ギュ……

 

勇人「ウグッ……あ……赤城……離せ……」

 

柏木「ッ!?赤城!止めろ!」

 

赤城は恨みを含んだ口調で勇人の首を両手で握り潰す様に絞めてきた

 

赤城「貴方のせいで当時の私達は、どんな仕打ちをされてきたと思っているの!!ねぇ!答えt……柏木「この馬鹿!いい加減正気に戻れ!!」」

 

ゴン!

 

赤城「痛っ!……何をするのですか!?」

 

柏木「お前!勇人を殺す気か!艤装まで着けてよ!勇人!大丈夫か?」

 

赤城「私が提督を………ッ!?」

 

勇人「俺は大丈夫だ……」

 

赤城は自分の手を見て、今さっきまで行っていた事を思い出し顔を青ざめ、パニックになりながら勇人に謝罪した

 

赤城「御免なさい提督!私が悪かったです!御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なs……勇人「赤城!!」……ッ!?」

 

赤城は気が狂ったかの様に勇人に謝罪し続けると勇人は赤城に一喝し、赤城を宥める様に言った

 

勇人「……俺は気にしてはねぇし、お前の気持ちも分かる……だが、目先の行動で『取り返しのつかない事』をするんじゃねぇ!分かったか?」

 

赤城「……はい」

 

勇人「……今日1日、『赤城』を秘書艦の任を外し、『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』の4名を秘書艦とする……分かったんなら頭冷やしてこい」

 

赤城「……了解しました」

 

柏木(……ふぅ、一時はどうなるかと思った……ってか勇人、秘書艦多すぎねぇか?)

 

柏木は落ち着いた赤城を見て安堵し、勇人と共に朝食を取りに食堂に行き、勇人と赤城の気まずい雰囲気に居心地が悪かったのは言うまでも無かった

 

07:30 執務室

 

柏木「勇人、今日さぁ、此処の鎮守府の動けるの全員使って訓練するから、招集かけといて。ちなみにレベルは8な」

 

提督室に入ってきた、柏木は唐突にそんなことを言うから、勇人はポカンとしている。

そして、段々理解した勇人は……。

 

勇人「マジかよ……遺書っているか?」

 

柏木「いらない。訓練時間は8時間だし、飯も食えるし休憩も計1時間あるから、大丈夫」

 

勇人(柏木の訓練の感覚可笑しいだろ……)

 

柏木「まぁ、そういう事だから、よろしくね。後、9時までに艤装込みで来てね。そうしないと、何かしら罰を与えるから」

 

話の終わった柏木は部屋から出ていく。

 

吹瀬「また始まったよ。柏木少将、偶に本部来ては本部所属の憲兵を倒れるまで扱いて行くんだから……」

 

吹瀬は、そんな事をブツブツとつぶやいている。

 

0900 グラウンド

柏木「えっと、50人後半は来てるか……。あ、一人遅刻見っけ♪」

 

吹雪「す、すみません。遅れました」

 

遅れてきたのは、吹雪だった。

 

柏木「えっと、勇人の方のか。吹雪、あとで勇人の方の吹雪、罰としてお前と組手させるから」

 

柏木側吹雪「分かりました」

 

吹雪「そんな……」

 

(((吹雪、ご愁傷さま。生きてあえるといいわ

(デース) )))

 

勇人側の吹雪と柏木、柏木側の吹雪以外の艦娘は皆一様に吹雪に哀れみの目を向けている。

 

柏木「じゃぁ、始めるか。今から、グラウンド50周!各自準備出来次第始めてくれ。休憩は10時からで10時を過ぎるとその艦娘の休憩時間は短くなるから気を付けろ。ちなみに休憩時間は8分だ。では、始め!」

 

グラウンドにいる全艦娘、そして、柏木憲兵隊と勇人は準備が出来次第ばらばらに走り始める。ちなみに、艦娘は艤装を、人は30㎏の重りを付けて走る。そのため、双方の体力消費はとてつもないものだが、柏木憲兵隊はそんな物関係ないといったようにグラウンド外周をこなしていく。

 

10分後

 

長門「速い……本部所属の一体……」

 

柏木側吹雪「さすが、司令官です!私には真似できないような速さです!」

 

「「「アンタが、言いますか……」」」

 

息切れをせず普通に走る柏木に、柏木側の吹雪は尊敬し勇人及び柏木側の吹雪以外の艦娘は全員ツッコム。

 

45分後

 

柏木「あ、お前等お疲れ」

 

隊員1「いやぁ、隊長早いですね。隊長に勝てる気しませんよ」

 

柏木「いやいや、頑張れば俺を越せるって……それよりも……」

 

柏木憲兵隊の全員が終わった今でも終わっていない艦娘と勇人を見る。

 

柏木「はぁ……お前等ァ!後、3分だぞ!早く終わらせろ!」

 

「「「……柏木(少将(提督(司令官)達が速すぎるんですぅ(だ)!」」」

 

更に10分後

 

柏木「やっと、全員終わったのか。じゃぁ、後3分だから」

 

「「「つ、疲れたぁ……」」」

 

制限時間は越えたものの、走り終わた艦娘は同時に言う。

 

柏木「じゃぁ、次は……柏木憲兵隊対お前らな。遠慮はしなくていいぞ。ただし、近接格闘な。砲撃したらもう一回走らせるから」

 

「「「は、はいぃ……」」」

 

返事をする艦娘達からは既に笑顔が失われている。

 

柏木「勇人、大丈夫か?」

 

勇人「大丈夫なわけねぇだろ!きついわ!」

 

柏木「おっし、なら大丈夫だな」

 

(((どこが………?)))

 

柏木「じゃぁ、再開するぞ。これで俺等倒せたら休憩30分やろう」

 

(((絶対無理だ……。あれだけ走って元気な奴に勝てるわけがない……)

 

柏木改め備前「柏木隊集結!敵、攻撃に備え!」

 

「「「了解!」」」

 

備前「さぁ、佐伯湾防衛戦の悪夢、見せてやらぁ!」

 

勇人「全員でかかるぞ!」

 

「「「はい!」」」

 

バン!ブン!グイッ

ダーン!

 

長門「カハッ!」

 

武蔵「ぐッ!」

 

夕立「ッぽい!?」

 

長門、武蔵、夕立の順で備前は攻撃をいなす。

 

永木「ほらほら、隊長だけ相手にしても楽しくないだろ。こっちも相手ぐらいはしてやるぞ……最近此方の作品の出番が無いから暇なんだよぉぉぉ!」

 

白露「私が一番!」

 

天龍「おらぁ!」

 

綾波「やぁぁっ!」

 

ダン!パシッ!バァアン!ブン!

 

今度は、永木が白露、天龍、綾波の順でいなす。

 

勇人「うわぁ……柏木達って相変わらず強いなぁ……そして永木……最後は切実過ぎるぞ……」

 

後方で、前方の様子を眺める勇人はそう呟いた。

 

30分後

 

備前「おらぁ!もう、おらんのかぁ!」

 

夕立「柏木少将達、強すぎるっぽいぃ……」

 

天龍「フフフ、恐い……」

 

長門「この長門が……」

 

白露「柏木少将が一番なの……」

 

榛名「あの『Aegis ver.2』になった提督までもが……」

 

艦娘達は、地面に倒れこみ各々好き好きに呟く。

ちなみに、勇人は最後の方でかかって行って結局フルコンボを食らい備前の隣に倒れている。

 

備前「もういないのか……。永木、どうする?」

 

永木「そうだな。まぁ、意外と強いが俺等にはまだまだだな。取り敢えず海上で訓練でいいんじゃないですか?こっちの艦娘何人か招集したんだろ?」

 

「まぁな。じゃぁ、そうするか。10:45までに海上に全員集合。また、呉鎮守府の吹雪、綾波、夕立、如月、川内、神通、由良、三隈、最上、妙高型4姉妹、比叡、大和、武蔵、伊勢、日向、雲龍、大龍、瑞鶴、赤城、加賀はちょっと俺の所来てくれ」

 

「「「了解!」」」

 

備前が指名した23人以外は全員海に向かう。

 

柏木側妙高「それで、提督何でしょうか?」

 

備前「あぁ、まぁ、簡単なことだけど、各艦種の指導よろしく。でも、やりすぎるなよ。此処は佐世保であって呉じゃないんだから分かったか?」

 

「「「はい!」」」

 

備前「よし、なら行け」

 

備前の声とともに皆一様に海に向かって走ってい

く。

 

1045

 

備前「じゃぁ、海上訓練始めるよ。教官は呉である程度俺の訓練叩きこんだ艦娘な。それを12時までに倒せば午前訓練はその時点で終了。それで、艦種別に指導受けれるから、軽巡と駆逐はたぶんきついかもね。まぁ、簡単に言うと12時までに艦種別教官を倒せ。OK?」

 

「「「OK!」」」

 

ズドン!

カン!

 

備前「残念だったね。俺に撃っても当たらないよ。じゃぁ、海上訓練始め!」

 

ドーン!ドドーン!ドーン!

ドドドドドドーン!

 

開始と同時に砲撃音が絶え間なく響く。

 

バーン!バーン!バーン!

 

金剛「Shit!」

 

山城「各艦は私を顧みず前進して!敵を撃滅してくださぁい!」

 

赤城「きゃぁ!誘爆を防いで!」

 

開始から既にチーム対抗無差別砲撃と化した海上に訓練という言葉は存在していなかった。その為、砲撃で金剛、山城、赤城が大量の流れ弾が飛んできたため大破となった。

 

シューン!

 

備前「……展開。対空戦闘始め……」

 

勇人「やられっぱなしは性に合わねぇな……シースパロー発射!」

 

恐らく、勇人から放たれたであろうミサイルが備前に向かって飛んで行く。それを撃ち落とさんとする為、柏木はあの艤装を展開し、戦闘を始める。

 

ドドドドドドドッ!

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

備前「勇人ぉ!よくも、この恥ずかしい格好にしてくれたなぁ……今日という今日は許さん!少し、お説教だ!」

 

備前はお説教という名の物理攻撃をするため、勇人の方に向かって行く。そして、備前の格好を見た勇人は吹き出し、他の艦娘も見た瞬間顔を赤くしていた。

 

勇人「プハハハハハッ……。ハハハハハ!な、何だよ 柏木……その……格好……ハハハハハハ!」

 

隊員達(隊長には悪いが……上城(中佐)!good job♪目の保養っと♪)

 

備前「お前は俺を怒らせた。一二七式徹甲弾装填。全火器を勇人に向けろ。全艦載機、発艦始め!発艦次第、勇人に攻撃を始めろ!」

 

「「「演習弾じゃなくて、実弾撃ち合ってるし……てか、柏木少将(提督(司令官)格好エロ!」」」

 

勇人「上等!CIWS撃ち方始め!シースパロー発射!」

 

ドドドドドドドド!

シューン!

 

備前「対空戦闘始め。主砲、撃ち方始め!」

 

ドドドドドドドドッ!

ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

勇人「くそがっ!トマホーク発射!」

 

トマホークが発射されたと同時に一八式爆撃機が急降下を始める。そして……

 

バァン!

 

勇人「ガッ……!?」

 

備前「ほれ。お前の負けだ。諦めてさっさと入渠して来い。後、次この格好について触れたらぶっ殺すぞ」

 

勇人「……分かったよ」

 

備前から出る殺気や柏木の眼光で一言、返事しかできなかった。

 

勇人(怖ぇ……。あれは完全に獲物を狙う虎じゃねぇか)

 

と、鎮守府の方に向かいながら、勇人は思った。

 

 

数時間後 1800 訓練場にて

 

備前「じゃぁ、今日の訓練はこれで終了。まぁ、俺が帰るまでは散発的にしかしないから。じゃぁ、解散!」

 

「「「つ、疲れたぁ(デース)……」」」

 

勇人「後、体のアフターケアだけは忘れんなよ……痛ぇ……あんニャロウ……実弾をぶっぱなしやがって……」

 

備前と呉所属の艦娘達と憲兵隊が去ってから、佐世保所属の艦娘達は地面に座り込んだ。

 

比叡「柏木少将厳しすぎ……」

 

榛名「提督と戦闘してた時は虎みたいでした……」

 

榛名は、その事を思い出したのか肩をビクッと震わせる。

 

川内「柏木少将、神通より厳しいよ。仕返しで夜戦してもらおうかな」

 

神通「川内姉さん止めて下さい。仕返しにならないと思います」

 

神通は川内が柏木と夜戦をした時の結果が容易に想像できたのか川内を止める。

 

川内「だよね~。柏木少将には勝てる気しないよ。頭の可笑しな奴だけど……」

 

その言葉を聞いた途端、神通の顔がみるみる青ざめる。

 

川内「ん?どうしたの神通」

 

神通「ね、姉さん…う、後ろ……」

 

川内「ん?後ろ?……か、柏木少将……」

 

備前「川内、少し話をしようか。大丈夫、3時間の入渠で済むから」

 

川内「あ、あの……すみません!」

 

川内は、笑いながらえげつない事を言う備前に土下座をする。

 

備前「え……いや、冗談で言ったんだけど……顔上げてもらえるかな?」

 

川内が顔を上げた瞬間、川内の目に縞々模様のパンツが見える。

 

川内(そういえば、柏木少将……提督の攻撃でこの状態だったね。しかし、艤装をつけると女になって……。しかもこんな格好になるって……)

 

備前「どうした?」

 

川内の動きが途中で止まったのが気になったのか柏木もとい備前は、川内に聞く。

 

川内「縞々………」

 

備前「……!?こ、この変態!」

 

ドカッ!

 

川内「ひでぶ!!」

 

勇人(女かお前は……まぁ今の俺もだけど……)←現在、大破したが『Aegis ver.2』のまま……

 

パンツを見られた普通の女性の反応をした備前だったのだ


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