Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第12話「二人の龍虎、再び……」part 6

翌日 0800 執務室にて

 

ガサゴソ……

 

勇人「……あった♪」

 

勇人は持参した救急箱をあさり、『鎮痛剤』と書かれた薬の袋を開け、錠剤を取りだし服用した

 

勇人「ゴクン……ふぅ……良かった、鎮痛剤が残っていて……」

 

コンコン……

 

勇人「ん?開いているぞ♪」

 

ガチャ……

 

鹿島「おはようございます提督さん♪腰は大丈夫ですか?後、朝食です♪」

 

鹿島は御盆に珈琲とサンドイッチを載せ、それを勇人の机の上に置いた

 

勇人「おはよーさん、今さっき鎮痛剤を飲んだから、ある程度は大丈夫だ……多分……」

 

鹿島「あまり無理はしないでくださいね……」

 

ガチャ!

 

大和 武蔵「おはようございます!一昨日はすみませんでした!」

 

勇人「おはよう……お前らノック位はしろよ……あの時は仕方無かったから良いぞ……後、鹿島、あの書類を持ってきてくれないか?」

 

鹿島「分かりました♪」

 

鹿島は書類を手に取り、勇人に渡すと廊下から……

 

金剛「てーーーいーーーとーーーくーーー!」

 

勇人「またか……大和」

 

大和「……分かりました」

 

勇人は頭を抱えつつ席を立ち、二人に言うと、大和は勇人の椅子に座り、勇人は武蔵の後ろに移動した

 

そして……

 

ガチャ!

 

金剛「Burning love!」

 

ピョーン!

 

ガシャーン!

 

金剛「ん~♪good morning♪テーt……あれ!?テートクにしては女性の香水の香り……」

 

大和「……私です!おはようございます金剛さん」

 

金剛「what!?大和hotel!?テートクは?」

 

大和「……ぶっ飛ばしますよ?」

 

金剛「……sorry……所で大和、テートクは?」

 

大和「あちらです」

 

勇人「……ふぅ、回避成功」

 

金剛「避けないで下サーイ!折角のburning loveが……」

 

勇人「一昨日の出撃で肩と腰を痛めたんだよ!!」

 

金剛「I see……大和に武蔵、少しはdietして下サーイ!」

 

大和 武蔵「……正論過ぎて何も言えない……」

 

勇人「金剛、一応言うが重いのは大和達の艤装だ……彼女達自身は、そんなに重くねぇから……それに、あの時は仕方が無かったんだ、目を瞑ってやれ」

 

金剛「understand……テートクがそこまで言うのなら……」

 

鹿島(ってかフル装備の二人を持ち上げ、鎮守府に持ち帰るって……化け物ですか!?)

 

金剛が渋々納得し、勇人は提督用の椅子に座ると……

 

ガチャ……

 

柏木「勇人、戻ったぞ」

 

勇人「おう、お疲……はっ!?なんで深海棲艦ここに連れてきてんだ!」

 

柏木「あぁ、軽巡ちゃん、今日から極秘に呉所属だから。報告したら、金銭援助の件で上層部にチクるよ」

 

勇人「分かって……って、なんでそんなことも知ってんだ!どこ情報だ!」

 

柏木「柏木隊を馬鹿にしちゃいけない。柏木隊には相模というハッキングのプロがいるから、そいつの趣味で、大規模な組や暴力団関係者のとこもハッキングしてるからな。これがバレたことは一度もない!」

 

柏木は自分でやったことではないのに、何故かドヤ顔で言う。

 

勇人「という事は……神城会にも……」

 

柏木「もちろんだ!ハッキングはされている。言ってもいいが異常は見つからないと思うぞ。どこぞの近隣諸国にもふざけてハッキングして軍や政府の機密情報盗み見て大々的にネットで暴露したからな」

 

勇人(柏木隊って化け物だらけじゃねぇか!)

 

柏木「それを言ったら、勇人も大概化け物じゃねぇか。お前今、何だと思ってるの?神城会のトップの孫で艦息だろ。なら、お前もじゃねぇか」

 

勇人「柏木、人の心読むのやめろ!」

 

柏木の心を読んでの返答に、苛立ったのか、先程より声を大きくして言う。

 

柏木「まぁ、いいじゃないか。ところで、今日暇か?組や暴力団関係者潰しに行くんだけど」

 

勇人「いいぜ♪今仕事を終わらして、ちょうど暇だったんだ」

 

それを、聞いて柏木がニヤリと笑った。

 

柏木「なら、よかった。じゃぁ、昼から行くから。準備してろ」

 

そして、柏木達は返答も聞かず部屋を出ていく。

 

バン!!

 

勇人「ん?どうした鹿島?」

 

鹿島「提督さん!?一体どういう事ですか!?世界最強の極道組織の神城会から金銭援助を受けているなんて!?」

 

大和「……鹿島さん、提督の経歴はご存じですか?」

 

鹿島「経歴?いえ知りませんが?」

 

大和「実は……」

 

柏木の発言に怒り狂った鹿島に大和は優しく諭す様に説明した

 

大和「……と言う訳です」

 

鹿島「……提督さんが上城財閥の御曹司で会長の孫ですか……まさか給料問題が解決したのは!?」

 

武蔵「ああ……会長自ら鹿島達に振り込んだのだ」

 

鹿島「……柏木さんだけではなく、違うベクトルで提督さんも化け物ですね」

 

勇人「……否定出来ないな……」

 

大和「そこは否定して下さい!!」

 

勇人「……大和、普通に考えたら提督が艦娘と一緒に戦場に行くわ、身内が海軍のスポンサーでもあり世界最強の財閥兼極道組織なら否定したくても出来ねぇぞ!」

 

大和「……そうですね」

 

ちなみに、数分後、柏木の妖精が工廠から持って来た改装報告書を見て、勇人は……

 

勇人「ブッ!?……嘘だろ……資材が半分も減っているし……」

 

ガシャーン!

 

大和 金剛「提督(テートク)!?しっかりして下さい(サーイ)!」

 

武蔵「ん?どれどれ……ッ!?嘘……だろ……」

 

鹿島「……只でさえ佐世保鎮守府(私達の所)の資材が少ないのに……泣けますね」

 

資材が半分も減っている事に立ち眩みが起き、椅子から落ちたのは言うまでも無かった

 

数時間後 0930 執務室 

 

柏木「そういえば、吹瀬。組と暴力団関係者の人間処分どうする?応戦したら射殺や刺殺も止む無しと思ってるが……」

 

吹瀬「分かりました。では、無抵抗なら捕縛してください。まぁ、できるなら死者0でいきたいですが……。頼みます」

 

柏木「はいよ。じゃぁ、俺は永木達に言ってくるから、報告書はでき次第そっちに送るよ」

 

吹瀬「はい、では気をつけて」

 

勇人「ちょっと待て」

 

柏木は執務室から出て行こうとする。しかし、それを勇人が阻止する。

 

柏木「何だ、俺は忙しいんだ。用件は早くしてくれ」

 

勇人「一つ聞きたい。資材は何に使った?」

 

柏木「改装に決まってるだろ。報告書見なかったのか?」

 

勇人「見たわ!何だよこの弾薬5000に鋼材6200ってなんだよ!資材半分解けたじゃねぇか!」

 

柏木「気にするな!後日、資材10000送るから気にすんな」

 

起こる勇人に、柏木は後日資材を送るという事で落ち着かせる。

 

勇人「はぁ……今度、無断で資材を使ったらぶっ殺すぞ」

 

柏木「君に、そんな事ができるのかな?」

 

勇人「心底、腹の立つ奴だ……」

 

柏木「その『腹の立つ奴』について行くんだろ?なら、諦めろ」

 

そして、柏木は部屋から出て行った。

 

勇人「チッ……という訳で、お前ら……昼から席を外すから何かあったら連絡しろよ……スズッ……あ!?この珈琲……旨いな……この味わいから察するに『コスタリカ産』の珈琲豆を使っているだろ?」

 

鹿島「フフッ♪正解です♪柏木さんの所の大鯨さんに珈琲豆をお裾分けをしてもらったのですよ♪よく分かりましたね♪」

 

金剛「what!?テートクは紅茶派じゃなかったのデスか!?」

 

勇人「俺は基本、紅茶だけではなく珈琲もイケるクチなんだよ♪」

 

鹿島「なら、今仕事が無いのなら香取姉ぇと珈琲タイムを過ごしまs……金剛「何を言っているのですか!テートクは半艦息ですが私と同じ『金剛型』なので比叡達とティータイムをする予定デース!さぁ青年向け雑誌のヒロイン(薄い本でヤりまくっている艦娘)get out here now(退場デース)!」……少しは黙って下さい『似非外国人』の金剛さん♪最近アイオワさんみたいな『海外の軍艦』が出てきて影が薄くなっているそうじゃない♪それに青年向け雑誌のヒロイン(薄い本でヤりまくっている艦娘)に関しては貴女も人の事が言えないのでは?」

 

金剛「なんだと……」

 

鹿島「あら?殺りますか?」

 

ゴゴゴゴ……

 

バン!!

 

金剛 鹿島「!?」

 

勇人「……オメェラ!喧嘩するんなら外でやれ!大和と武蔵!こいつらを摘まみ出せ!」

 

大和「分かりました」

 

武蔵「了解した」

 

ガシッ!

 

金剛「ッ!?大和hotelに武蔵旅館!離して下サーイ!!」

 

鹿島「そうです!箱入り娘は箱入り娘らしく黙っていて下さい!」

 

ブチッ!

 

勇人(あ!?あの馬鹿!?大和達を怒らせやがって……知ーらないっと)←大和達を武力で止めれる唯一の艦息

 

大和「……どうやら」

 

武蔵「お仕置きが必要みたいだな……提督、私達も席を外すぞ」

 

勇人「程々にな……」

 

金剛「テートク!?」

 

鹿島「助けて下さーい!死にたくないですぅぅぅ!」

 

その後、演習場で金剛と鹿島は大和と武蔵に大破状態にさせられた(ボコボコにされた)のは言うまでも無かった

 

1300 鎮守府正門

永木達と話をした結果、近いところから遠いところにといった具合だった。そして、永木達も抵抗する者は始末する予定だったらしい。そして、結局話し合いは完全にオタク達の話と化していった。

そして、今に至る。

 

柏木「じゃぁ、行くか。全員89式と刀、そして閃光発音筒、最後に本全員持ったな?」

 

「「「はい!」」」

 

勇人「なんだよ、本って?」

 

柏木「あぁ、お前は読まないと思って渡してなかったな。いるか?」

 

勇人「一応貰っとくぜ」

 

柏木「はい。作戦終了後に返せよ」

 

勇人「サンキュー♪って、何だこれ!?」

 

柏木から受け取った本はラノベで、表紙には艦娘がでかでかと書かれていた。

 

柏木「何だって、ラノベだけど?後、薄い本もあるぞ♪」

 

勇人「なんで、ラノベ渡すんだよ!他にねぇのか?!ってか憲兵がエロ本を持参しても問題無いのか!?」

 

「「「無いよ」」」

 

柏木達は顔を見合わせた後、同時に勇人の問いに”無い”と返す。

 

勇人「はぁ……。もういいわ。諦める……」

 

柏木「よし、なら行くぞ!」

 

そして、柏木達は5台用意した車に乗り込み鎮守府を出た。

 

数分後 佐世保市内 極道組織『回天組』付近にて

 

柏木「さて、回天組佐世保にある中の一つ。此処潰すぞ」

 

勇人「なぁ、柏木。佐世保はどれくらいこの手の組織があんだ?」

 

柏木「3つかな。此処とお馴染み、桜花連合、そして、上層部に潰すなと言われた神城会。まぁ、神城会はお前の祖父が会長だし、軍も色々世話になってるから潰すわけにはいかないし潰すと後々怖いからな」

 

勇人「大変だな。憲兵も……」

 

柏木「まぁな。でも、柏木隊は特別で給料高いぞ」

 

柏木は軽く笑いながら言った。

 

勇人「どれくらいなんだ?」

 

柏木隊隊員「……月120万ですよ。上城中佐」

 

勇人「ひゃく……120万!?……いてっ」

 

勇人は驚き、声を上げる。だが、五月蝿かったのか柏木に無言で頭を叩かれる。

 

柏木「声がでかい。後、そろそろいくぞ。此処を制圧する」

 

「「「了解」」」

 

勇人(俺の倍じゃねぇか……)

 

そして、事務所のある2階まで行くと、インターホンを鳴らす。ちなみに、3人程1階で組員を待ち構えている。すると、ドアが開いて組員が出てくる。

 

組員「あ?誰だてめぇら?」

 

柏木「憲兵だ。大人しくしろ」

 

組員「憲兵だ?調子乗ってんじゃねぇ!」

 

ブン!パシッ!バン!

 

柏木は組員のパンチを防ぐとその組員の腹を殴る。

 

柏木「はぁ……憲兵に抵抗するなと教わらなかったのか?まぁ、いい。憲兵だ!こいつが抵抗したんで今から制圧を開始する!」

 

柏木が殴った相手の頭を掴み持ち上げると、事務所に入り、声を張り上げて言った。

 

組長「なっ!?馬鹿野郎!憲兵に手ぇ出すなつったろうが!ってか何故、神城会の若造がいるのだ!?」

 

柏木「……全員、突入開始。抵抗して刃物や拳銃出してくる奴は殺せ」

 

「「「了解!」」」

 

柏木隊が突入を開始すると、10分後に制圧が完了した。

ちなみに、怪我人だけで死者は0。皆、自分の愛刀を組員の血で汚すのは嫌なのか、服に返り血は着いていなかった

 

柏木「さて、次行くか」

 

勇人「おい、こいつらどうすんだ」

 

柏木「あ?あぁ、そいつらは直に他の隊が来るから放置。それに、あれじゃぁ逃げようとは思わんだろ」

 

そして、柏木隊は次に向かう。

 

数時間後 桜花連合本部

 

柏木「さて、絶対抵抗してくるから、全員銃を携帯しろ。いい加減、神城会に迷惑かけるやつらを潰すぞ」

 

「「「了解!」」」

 

そして、先ほどと同じ様に人が出てくるのを待つ。

 

組員「誰だ?」

 

柏木「はい。私は、憲兵ですがお宅の事務所の家宅捜索に参りました」

 

組員「何だと、てめぇ。此処が何処だか分かって言ってんのか?」

 

組員がドアを開けてその様な事を聞いてくる。

 

柏木「分かってますよ。桜花連合の本部ですよね?」

 

組員「だったら、痛い目見ない内にさっさと帰れ!」

 

柏木(はぁ……未だに憲兵と警察をなめている組があるとは……)

 

勇人(……やれやれ)

 

柏木「そうか。だったら、やってみろよ」

 

組員「いいぜ、やってやるよ」

 

そして、相手は懐にしまっていた拳銃を取り出す。

 

柏木(へぇ、拳銃出すんだ。死にたいんだ。俺は別にどうでもいいけどさ。少しは憲兵の恐さを知って貰わないと、桜花連合の支部を憲兵本部が全力で潰してた意味無いんだよね)

 

柏木「拳銃を出すのかぁ。そうなのかぁ」

 

組員「何だよ?怖くなったから逃げるのか?」

 

柏木「まさか、そんな訳ねぇだろ!」

 

グシャッ

 

組員「……!?こい……つ……」

 

バタリ

 

柏木「安心しろ。峰打ちだ」

 

勇人「明らかに、峰じゃない方で斬ってなかったか?」

 

柏木「大丈夫、これ逆刃刀だから」

 

勇人「あ、そう」

 

勇人(……お前はどこぞの抜刀斎か……)

 

柏木「突入だ!久しぶりの殺し合いになるかも知れんぞ!それと、一人も逃がさず捕まえろ!」

 

「「「了解!」」」

 

柏木の合図で永木始め全員が中に入る。発砲音も聞こえるが、防弾チョッキと永木の剣術で問題はないだろう。

 

柏木「勇人、行くぞ」

 

勇人「分かった!抜錨、金g……柏木「オイコラ!艤装は着けるな!」……悪い、つい癖で……」

 

柏木達も後を追うように、中に入っていく。すると、抵抗したのか数体の死体が転がっていた。残りは負傷しているが生存者ばかりだ。

 

勇人「無残だな」

 

柏木「何言ってる。暴力団とかは抗争なんてやったらこんなもんだろ。それに、吹瀬からは抵抗したら殺してもいいと許可はもらってるんだ。徹底的にやるさ。桜花連合を潰す為に、生存者も死者も関係ねぇ。どちらも等しく憲兵、国家、神城会、軍に喧嘩を売った連中だ。情けなんていらねぇ。それは、そうとそろそろ組長の部屋だぞ」

 

中を適当に走り、最上階を目指していた。基本組長などは最上階で敵襲にあった時に、逃げ切る確率を上げる為、組員に時間稼ぎをしながら非常用階段などから、逃げる。

 

 

勇人「そうか。なら、そこのドア。同時に蹴破るぞ」

 

柏木「いいねぇ。面白そうだ。……そうれ!」

 

勇人「オラァ!」

 

柏木の合図で同時にドアに向かって蹴りを入れ壊す。すると、部屋の中に居た組長と思われる者が驚く。

 

桜花連合会長「貴様らは何者だ!?」

 

柏木「通りすがりの憲兵だ。お前もそろそろ年貢の納め時だな。大人しくしろ」

 

桜花連合会長「ふん。そっちの若造は神城会の会長の孫か……」

 

勇人「そうだが。なんだ?」

 

桜花連合会長「まさか、色々と邪魔をした報復か?」

 

勇人(……まぁぶっちゃけ半分は身内の報復だが黙っておくか……)

 

勇人「まさか。俺は軍人だ。それに、これは憲兵への上層部からの命令だからな。神城会は関係ねぇ」

 

桜花連合会長「そうか。最後に一つ聞くが。下はどうなってる?」

 

組員を心配しているのかそんな事を聞いてきた。もちろん、答えるのは柏木だ。

 

柏木「下の人間は数人死者が出てるよ。他はよくて打撲だろう。生きているので一番ひどいのが切断だな。申し訳ない事をしたな」

 

桜花連合会長「構わんよ。いつかは、こうなると覚悟はできていただろう。儂を捕まえるなら捕まえろ」

 

柏木「そうですか。……では、失礼。なるべく刑は軽くなるよう言っておきますので、次会う時は定食屋かどこかで酒でも飲みましょう」

 

柏木は近寄り、手錠をかけながら言った。

 

桜花連合会長「そうだな、会えたら一度飲んでみたいな。ところで、お前はどこの出身だ?」

 

柏木「自分は岡山の出身です。そして、久しぶりですね」

 

桜花連合会長「……!?はは、そうか。君だったか。でかくなったな」

 

勇人(なっ!?柏木と知り合いだったのか!?何か悪い事をしたな……)

 

会長は少し驚き、二人称を”お前”から”君”に直して言う。

 

柏木「えぇ、あの時は感謝していますよ。ですが、恩人に手錠をかけさせるのは嫌ですね。それでは、行きましょうか」

 

柏木は、誘導して外の車に乗せる。その後、残りは駆け付けた他の憲兵隊が処理をしていった。ちなみに、他の憲兵隊は救急車と一緒に現場に到着したとか。

 

数時間後 輸送車内にて

 

勇人「……『桜花 繁』あんたに聞きたい事がある」

 

桜花連合会長改め『桜花』「なんだ?藪から棒に……」

 

勇人は手錠に掛けられている桜花に聞いた

 

勇人「……何故深海棲艦そして龍光会と手を組んでいるんだ?」

 

桜花「………言えんな」

 

桜花はぶっきらぼうに答えると勇人は溜め息をつき質問を変えた

 

勇人「頑固ジジイだな……なら質問を変えよう……深海棲艦と龍光会に何を『脅された』のか?アンタの事だ、余程『大事なもの』を取られたり見付かったりしない限り、憲兵や軍、堅気、神城会には手を出さない組織だった筈だが」

 

桜花「ッ!?」

 

勇人が桜花に鎌をかけるように聞くと桜花は悔し涙を流し答えた

 

桜花「流石、神城会のジジイの孫だな……そうじゃ……儂の孫娘が龍光会と深海棲艦に誘拐されたのじゃ……孫娘を助ける条件が……」

 

勇人「軍と神城会を潰す事……だったんだな」

 

桜花「そうじゃ……だがアンタ達がカチコミをかけたせいで、桜花連合は終わりじゃ……なぁ!アンタを神城会の人間としてはなく、『海軍の人間』としてお願いしたい……孫娘『優花』を助けてはくれないか!どうか!この老いぼれの願いを聞いてくれませんか!」

 

組員達「お願いします!どうか……お嬢を助けて下せぇ!」

 

勇人「……」

 

勇人は深々と頭を下げている桜花や負傷した桜花連合の組員達に負けたのか溜め息をつき答えた

 

勇人「……ったく変に頑固になりやがってよ!」

 

桜花「ッ!?まさか……」

 

勇人「……あくまで『桜花連合会長』としては無く『柏木の友人』として聞いてやるよ……俺もアイツには恩があるしな♪」

 

桜花「ありがとう……本当にありがとう……」

 

組員達「ありがとうございます!兄貴!」

 

勇人「……勝手に兄貴扱いしても困るんだけどな……対立組織的な意味で……まぁ佐世保鎮守府についたら全部吐けよ」

 

桜花「勿論じゃ!桜花連合は解散したが、この若造……いや『神城の救済龍(きゅうさいりゅう)』に全面協力するぞ!分かったかテメェラ!!」

 

組員達「分かりました!親父!宜しくお願いします!龍の兄貴!」

 

勇人「……やれやれだな……勝手にしろ」

 

勇人は諦めた口調で了承すると桜花や組員達は歓喜した

 

ただひたすら海軍や『優しき黒虎徹(柏木疾風)』そして『神城の救済龍(上城勇人)』に感謝するように……


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