Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第12話「二人の龍虎、再び……」part 5

翌日 0700 佐世保鎮守府 グラウンドにて

 

柏木「柏木隊集合!」

 

「「「はっ!」」」

 

勇人「ふぁ~……朝から元気だな」

 

赤城「ええ……全くです……」

 

柏木の掛け声で柏木隊の全員が集結する。

 

柏木「あぁ、点呼始め!」

 

「「「1!」」」

 

神通に似た女性憲兵「2……」

 

柏木「よし!」

 

勇人「よくねぇ!全員1じゃねぇか!」

 

柏木「……え?」

 

柏木は勇人の言葉に”なにか問題でもあったか?”といったような顔をしている。

 

勇人「いや、え?じゃなくて、どう考えても可笑しいだろ!お前ら何時もこうか?」

 

柏木「あ、うん。そう言えば、お前は初めてだったな……いっつもこの暗号で通してる」

 

勇人「暗……号?」

 

柏木の言葉に勇人は思い切り困惑している。

 

柏木「そう。これ、結構便利なんだよ。これで、困惑する奴いたら諜報員もしくは深海側の野郎……ってね!」

 

そう言って、一人の隊員の喉元に向け手刀を入れる。

 

神通に似た憲兵「がぁっ!?」

 

その隊員は思い切り後方へ飛び、更に擬装も解け姿を現す。

 

「「「深海棲艦!?」」」

 

憲兵改め『軽巡棲鬼』「くっ……まさか、こんな簡単なものでばれるとは……だが、そう簡単に捕まるわけにはいかん」

 

そう言って近くにいた柏木側吹雪を人質に取る。それを見た柏木は……。

 

柏木「……軽巡棲鬼、ご愁傷様です……」

 

軽巡棲鬼「貴様は何を言っている……?ぐはっ!」

 

柏木側吹雪「まさか、深海棲艦が潜り込んでいるとは……しかも、私を人質に取るとは舐められたものですね」

 

吹雪は軽巡棲鬼に冷徹な眼差しを向ける。

 

勇人(……さっそく二ヶ月前に俺が教えた技をやってやがるぜ♪さぁどうする?軽巡棲鬼ちゃんよ♪)

 

軽巡棲鬼(くっ……なんだこの殺気は……駆逐艦の出す殺気じゃないぞ……)

 

柏木側吹雪「司令官、こいつどうしますか?」

 

柏木「捕まえろ。少し用がある」

 

大龍「柏木、まさかだとは思うけど、軽巡棲鬼を捕まえてベッドウェー海戦でもする気かい?」

 

柏木「おい、人聞きの悪い事を言うな……。あと、心臓に悪いから大龍、背後から急に声をかけるのをやめろ」

 

大龍「えぇ……楽しいからいいじゃないか」

 

大龍に反省の顔色はなく、むしろいたずら好きの子供の様な笑顔を見せている。

 

勇人「柏木、ベッドウェー海戦が違うならアンアンキシムサウンドか?」

 

柏木「勇人、お前も止めろ……。しかも、実際両方とも意味は同じじゃないか!ってか吹雪にビックボス顔負けのCQCを叩き込みやがって!!」

 

吹雪「司令官!後で私にもCQCを教えてください!」

 

勇人「おう!」

 

柏木は疲れたように溜め息を吐く。現状、柏木達は軽巡棲鬼を取り囲むように立っている。そして、柏木側の吹雪が軽巡棲鬼を捕まえる為に格闘中だ。

 

大龍「君、そろそろ諦めたらどうだい?君だけじゃ私達には勝てないよ」

 

軽巡棲鬼「誰が、諦めるものか。私は此処から逃げさせてもらう」

 

勇人「……赤城、弓を構えろ、標的は奴のケツの穴だ」

 

赤城「……分かりました」

 

吹雪「え!?ちょ!司令官!」

 

柏木「はぁ……大龍、攻撃許可。ある程度傷をつけてくれ。その後入渠施設に放りこむ」

 

大龍「分かったよ。艤装展開。第一次攻撃隊発艦始め!」

 

カカカッ!ブーン!

 

ガシャーン!

 

勇人「ちょっ?!柏木!お前なぁ!佐世保鎮守府を破壊する気か!?」

 

柏木「大丈夫だろ。あと、提督室の窓、直した方がいいぞ。あれ、窓ガラス割ってるからな」

 

勇人「はぁ!?お前、いつ割ったんだよ!そんな後なかったぞ!」

 

柏木「当たり前だ。ちょっとした大龍印の迷彩使ってんだから。そう簡単にばれてたまるか!」

 

勇人「開き直るなよ………あっ……」

 

ヒュゥゥン

ドーン!ドーン!ドーン!………

 

攻撃隊の爆撃は14発当たり、軽巡棲鬼は中破となる。

 

柏木「吹雪!そいつを捕まえろ!」

 

柏木側吹雪「了解!」

 

ガシッ

ダーン!

 

軽巡棲鬼「ぐっ……」

 

柏木側の吹雪はCQCの要領で軽巡棲鬼の腕を掴み、床に叩きつける。そして、軽巡棲鬼が気絶すると、柏木側の吹雪は持っていた手錠で軽巡棲鬼の手にそれをつけ、赤城は構えを解いた

 

柏木側吹雪「司令官、捕獲完了です!」

 

柏木「分かった。大龍、あいつ運べるか?」

 

大龍「任せてくれ。それと、これが改造案だ。実際お前は今、改二だと思っているが、実際はまだ改のままだからな。だから、こいつをここの妖精に見せてくれ。そうすれば、あとはやってくれる」

 

柏木「どういう事だ?改二じゃないって……」

 

大龍「あの時の改造は改造じゃなくてただの改修。だけど、これゲームと違うから改修しても、色々とそのままだったよ。だから、56cm砲が残ったってわけさ」

 

柏木「メタイ!お前らはメタ発言しかできんのか!」

 

大龍「柏木も大概人の事言えないよ」

 

柏木は自分の事を棚に上げられ”うぐっ”と声を洩らす。

 

柏木「と、とにかく、軽巡棲鬼を入渠施設まで運ぶぞ……」

 

柏木は、軽巡棲鬼を担ぐその時に胸の膨らみが体に当たって”柔らかい”と思ったのは言うまでもない。

そして、柏木が戻ってくると皆何事もなかったかの様に朝食を摂っていた。柏木も急いで朝食を食べると、外に向かい、永木達が来るのを待っていた。

 

1000 執務室にて

 

勇人「で……なんでお前らが此処にいるんだよ!!」

 

大龍「なんでって、そりゃぁ此処は冷房が効いてるからに決まってるよ。それに、柏木は部下の訓練で忙しいからね」

 

三笠元帥「私は、昼の演習まで暇だからいるだけだけど?」

 

雲龍「此処でお菓子を食べながら、お茶を飲む為にいます」

 

勇人はそんな気まぐれな人達にイライラしながら執務をこなしていた。

 

勇人「……全く、こいつらがいるのにどうやってあいつは執務を終わらせてるんだよ……」

 

大鯨「提督は基本、ヘッドホンをして執務をしてましたよ。その方がうるさくないって言ってました」

 

勇人「へぇ、今度やってみるか」

 

赤城「ところで、大龍さんって姉妹艦いるんですか?」

 

大龍「いるにはいるよ。特令部は名前を決めてから建造するってよく分からない事をしてたからね」

 

大鯨「へぇ、どんな名前なんですか?」

 

大鯨は、体を前のめりにしながら大龍に聞いてくる。

 

大龍「確か……『黒龍』と『白龍』だったよ」

 

大鯨「そうなんですか。会えますかね?」

 

大龍「さぁ?それは、作者の都合じゃないかな?」

 

勇人「だから、メタイわ!」

 

赤城「それで、作者のナガツキさんどうなんですか?」

 

あぁ、出す予定はあるよ。ただ、出す時が問題だけどね。まぁ、あまり期待せずに居てくれ私からしても、出せる確証はないからね by 霧島ナガツキ

 

赤城「そうですか。わざわざありがとうございました」

 

それぐらい、いいさ(*´∀`) by 霧島ナガツキ

 

勇人「メタイって!しかも、なんでコラボ相手先の作者様が普通に出てくるんだよ!」

 

気にするんじゃあない。いつもの事だろ?by うp主

 

勇人「あ、さいですか……」

 

その後、勇人は執務を終わらせ昼食まで暇を潰していた。

 

14:00 海上演習場

 

勇人(体調、艤装、共に異常は無し!弾薬、燃料補給完了……)

 

勇人「ウシッ!始めるか!抜錨!」

 

ガシャーン!

 

明石 夕張「キャー!!提督の艤装がぁ!!」

 

勇人は気合いの入った声で言うと、艤装が工房から飛んできて、そのまま勇人に吸い付く様に装着した

勿論、工房から数日前に救助した明石や夕張の叫び声が聞こえたのは言うまでも無かったが……

 

勇人「金剛型特殊戦艦『三笠』!モード『Aegis ver.2』!『control mode calling mikasa!(意識モード三笠!)you have control! (身体預けるぜ!)

 

三笠「I have control!(任せて!)さて!あのグータラな三笠(柏木の彼女)には格の違いを見せてあげるわ!」

 

三笠元帥「ッ!?誰がグータラですって!?親バ艦娘!」

 

三笠「あぁ?やるのか?」

 

三笠元帥「上等よ!潰してあげるわ!」

観客席から……

 

金剛「wow!これがテートクの艤装デスカ!?It's cool!」

 

比叡「ヒェェェェ!三笠お姉様達!?これは演習なので殺気を出さないで下さーーーい!!」

 

長門「なっ!?アイツも……私達と同じ……ってか何故三笠教官に……まさかアイツは吹雪が言ってた……」

 

吹雪「はい!あの訓練生です♪」

 

長門「……そうか」

 

川内(……ってことはアイツが前任が言ってた『蒼白龍』……いや『戦場の狂龍』と言われてた訓練生だったのか……私達……)

 

勇人(人間)を恨んでいた艦娘達「……死んだな……私達……」←絶望に満ちた目に……

 

他の艦娘達&柏木側の艦娘達「自業自得よ!」

 

榛名「はぁ~♪一瞬でしたが提督の凛々しいお姿……素敵です♪(提督は仕返しなんか考えていません!しっかりしてください!)」

 

W霧島「榛名!本音と建前が逆になっているわよ!ってか貴女が一番しっかりして!」

 

榛名「あっ………」

 

赤城「気持ちは分かりますが、そろそろ始まりますよ♪」

 

三笠は意気揚々に演習場に入り、柏木はマイクを持ち、試合宣言をし始めた

 

柏木「マイクチェックの時間だゴルアァァァァァ!三笠教官対三笠総司令の演習を始める!演習……始めぇぇ!!」

 

W霧島「それ私達の台詞!」

 

ドーン!

 

シューン!

 

お互い初撃を与えるべく、開始を同時に三笠元帥は主砲を、三笠はトマホークを発射した。

 

三笠元帥「対空射撃始め!」

 

ダダダダダダッ!

バーン!

 

三笠「CIWS撃ち方始め!」

 

ドドドドドド!

 

W三笠「全主砲、放て!」

 

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

三笠元帥は対空射撃でトマホークを撃ち落とすと、全主砲を発射した。対し三笠はCIWSを撃ちつつ次のトマホーク発射のタイミングをうかがっている。ちなみに、三笠元帥の主砲は全て、41cm砲となっておりその他の対空火器もそれに合わせ近代化されている。

 

柏木「どっちが勝つと思う?」

 

大龍「そりゃぁ、三笠教官だよ」

 

柏木「俺は、彼女の方、信じてみるさ。だけど、勝つかどうか微妙なんだよねぇ」

 

大龍「相変わらずだね。まぁ、昔から知ってるけどさ」

 

今回の演習でただ見ているだけの柏木と大龍の二人はそんなことを言っている。

 

三笠「魚雷発射!トマホーク発射!ハープーン発射用意!」

 

シューン!

 

三笠元帥「対空戦闘始め!主砲、前方のミサイルに目標定め!撃ち方始め!」

 

ダダダダダダッ!

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

三笠「ハープーン発射!」

 

シューーン!

 

三笠元帥「くっ……だが!副砲、放て!」

 

ドーン!ドーン!

 

バーン!

 

三笠元帥は対空砲火と主砲、副砲の合わせ技でミサイルを迎撃していく。そして、それを見た三笠は刀を抜き副砲を捌きながら一気に三笠元帥に接近する。

 

カン!

 

三笠「まさか、主砲で防ぐとはな。だが、この刀には勝てん!パージ!」

 

カン!ガン!キーン!

 

三笠元帥「甘いわね。疾風からこれを借りてよかったわ」

 

三笠元帥の手には圧切長谷部が握られている。

 

三笠「柏木め、余計なことをしよって……」

 

カン!ガキィン!ブン!パシッ!

 

三笠「セイッ!」

バァアン!ガン!

 

三笠元帥「くぅ……結構痛いわね。でも、ここで負けるわけには……」

 

三笠元帥は斬撃を防ぎ殴りかかるが防がれ、横腹を蹴られる。

 

大龍「あぁあ~三笠総司令押されてるね」

 

柏木「まぁ、無理もないか。あいつ、執務ばっかりやってたからな。それに比べて向こうは……」

 

三笠元帥を見た後、三笠に目を向け溜め息を吐く柏木。その先には、刀を平然と振り三笠元帥にダメージを与えようとする三笠の姿が目に映る。三笠元帥は完全に防戦一方だ。

 

三笠「そろそろ、負けを認めたらどうだ?」

 

三笠元帥「ふふふ、そう簡単には認めないわ。認めるなら、そうね。私の艤装が全部なくなった時かしら」

 

三笠「そうか。なら、そうしてやろう」

 

三笠(何を企んでいる。可笑しい、防戦一方なのは何か不自然だ)

 

三笠元帥(やっぱり、訓練くらいはやっておくべきだったわね。でも、あの訓練はひどいわね。私はきついから最近やってないな……)

 

完全に深読みをしている三笠と、防ぐので精一杯な三笠元帥だった。だが、その二人の決着もつこうとしている。

 

W三笠「はぁぁぁぁ!!」

 

ザン!

 

両者とも同時に踏み込み、斬りかかる。そして、決着は……。

 

バタン

 

柏木「演習終了!勝者、三笠教官!」

 

三笠元帥が倒れると同時に、演習終了の合図をする柏木。そして、三笠元帥を起こしに行く。

 

柏木「三笠、大丈夫か?」

 

三笠元帥「きゅ………」

 

柏木「あぁ、駄目だ。気絶してる。はぁ……仕方ない運ぶか」

 

柏木は、三笠元帥を持ち上げると、陸に向かう。そして、陸に着くと医務室まで運び、自分は永木達の訓練を始めた。訓練が終わり、その後晩飯を食べに行くと何故か、艦娘達に囲まれた。

 

1900 食堂

 

夕立「柏木さん!柏木さんって艦種の中でどれが一番好きっぽい?」

 

その瞬間食堂の空気が微妙に固まるのを感じた。

 

柏木「空母が一番好きかな。次に駆逐、軽巡」

 

柏木側時雨「重巡は重巡はどうなの?」

 

柏木「重巡はジャーナリストがいるからNG。それを除けば基本は問題なし」

 

三笠「そういえば、柏木少将は昔、本部所属の青葉に捏造記事書きたてられてたな……勇人、身体返すわ……後、腰を治療して!腰が痛かったから!」

 

ピカーッ!

 

勇人「はいよ……」

 

三笠が思い出したように言うと勇人に身体を返した

 

柏木「あれは誇張がひど過ぎだ!何が、柏木大佐は巨乳好きで、戦艦が好きだ。俺は空母が一番好きだ。それに、空母運用主義は正義!」

 

柏木は、記事の内容を言ったあと、自分の主義について喋った。

 

時雨「柏木さんは駆逐艦の中では誰が好きなのかな?」

 

柏木は、時雨の一言で食堂内の駆逐艦の周りの空気が固まるのを感じた。

 

柏木「……え?それ聞くの?食堂の空気がやばいんだけど……」

 

柏木側時雨「いいから、早く言ってくれないかな?」

 

柏木(まずいまずいまずい!これ、場合によって俺死ぬぞ!どうする!どうやって切り抜ける……逃げる?いや駄目だ。捕まったら絶対に吐かされる……なら、一体どうすれば……いや、これは場合によってロリコン判定を食らう。なら、別の事を考えないと……は!いいじゃないか。もう素直に言えば。それなら、別に問題ない!)

 

柏木「……陽炎型かな」

 

柏木側時雨「なら、その中で好きなのは?」

 

柏木「2、9、11、12、13番艦……って、は!?」

 

柏木(しまった。つい、口が滑った……)

 

柏木「は、勇人……助けて」

 

勇人「柏木、お前の事は忘れない………」

 

柏木「この、薄情者ぉぉぉ!」

 

その後柏木は滅茶苦茶質問攻めにあった。

 

 

 

 

 

2000 旧『前任専用の娯楽室』改め『艦娘用の多目的部屋兼勇人のガレージ』にて

 

カーン!

 

カーン!

 

ウィーン!

 

ジジジジ……

 

部屋には溶接や鉄材を変形させる為に熱したり、色んな物を加工している勇人、明石そして夕張がいた

 

勇人「……ふぅ、何とか消毒と改装は終わったな♪手伝ってくれてありがとうな♪明石に夕張♪」

 

明石「いえいえ♪しかしよく思い付きましたね♪執務室の縮小、そしてここを多目的部屋兼ガレージにするなんて♪」

 

夕張「全くです♪普通なら、さっさと壊すのに……」

 

勇人「元々、此処は『艦娘用の娯楽室』だったからな♪メンタルケアしていく上で壊す訳には……ッ!?抜錨!誰だ!?」

 

明石 夕張「!?」

 

勇人は一息入れ、懐から煙草を取りだし、口にくわえると後から人気を感じ、艤装を装着し、CIWSを構えると明石と夕張は勇人の背中の後ろに隠れる様にしがみつくと、扉から艦娘達が入ってきた

 

長門「……私だ」

 

川内「……ここが奴の秘密部屋か……いや今はアンタのガレージ兼私達の多目的部屋か……」

 

鹿島「……たった数日でここまで……」

 

蒼龍「……異常だ」

 

陸奥「ヒッ!?ちょっと!?機関銃(CIWS)を向けないで!?」

 

入ってきたのは長門と川内、陸奥、鹿島に蒼龍……そう前任のせいで人間を恨んでいる艦娘達だったのだ

 

勇人「……俺を殺しに来たのか?」

 

明石「ッ!?提督を殺すのは……」

 

夕張「私達が許しません!!」

 

二人は慌てて艤装を着けると長門は二人を宥める様に伝えた

 

長門「違う!私達は、みんなの代表として謝りに来たのだ!貴様……いえ提督……着任してから今まで……」

 

川内「数々の御無礼や反抗、そして影口を叩き……」

 

川内 長門 陸奥 鹿島 蒼龍「すみませんでした!!」

 

勇人 明石 夕張「……へ?どういう事?」

 

勇人達は五人が土下座しているのを見て混乱していると五人の後ろから一馬と柏木に大鯨、それに金髪でアメリカの国境を模した模様が入った露出の高い艦娘が入ってきた

 

一馬「よぉ勇人……調子はどうだ?」

 

柏木「お前……なにしてんだ?艦娘達に土下座させてよ……場合によっては逮捕するぞ」

 

大鯨「多分提督が思っている様な事では無いと思いますよ……上城中佐に明石さんに夕張さん♪改装御疲れです♪差し入れのオニギリを持ってきました♪」

 

明石 夕張「ありがとう大鯨さん♪」

 

金髪の露出の高い艦娘改め『アイオワ』「Hi♪Jr♪お久し振りデース♪」

 

勇人「アイオワまで!?……柏木や大鯨はともかく、何で親父とアイオワがいるんだ!?それにアイオワ!Jrは止めろ!後、大鯨、オニギリありがとう♪」

 

大鯨「いえいえ♪ってか何故長門さん達は土下座を?」

 

明石「さぁ?」

 

夕張「分かりません……」

 

勇人「俺らが聞きてぇよ……長門、何故土下座なんかするんだ?」

 

長門「……吹雪から聞きました!貴方が本来、吹雪の……提督だと……そして提督の御父様とアイオワから貴方の経緯を聞き、私達は今までの行動に情けなく思い、自分自身のケジメの為、今に至ります!」

 

川内「……勿論許して貰えるとは思っていません!着任して早々、貴方を殺すつもりで魚雷を発射したり大和さん達を使って暗殺しようとしてましたので……」

 

陸奥「……いかなる罰も受けます!解体だって喜んで……勇人「……んじゃ!早速『罰』を受けてもらおうか?まずは陸奥!お前からだ!」……ッ!?分かりました……お願いします」

 

柏木(勇人……ッ!?なるほどな♪生易し過ぎる罰だな♪)

 

大鯨(クスッ♪そうですね♪)

 

勇人は、怖がり震え、目を瞑っている陸奥に近付き、そして陸奥の頭に……

 

 

パチン!!

 

陸奥の頭に何かを弾いた様な音が響いた

 

陸奥「……へ?デコピン?」

 

そう、勇人は陸奥の額にデコピンをしたのだ

 

勇人「最初の罰……自分自身の命を粗末に扱った事だ……それに俺はテメェらに『俺自ら、前任を捕まえて、目の前でケジメをつけさせる』と言った筈だ……だから……」

 

陸奥「だから……」

 

勇人「オメェラが俺に詫び入れる必要なんて無ぇよ……お前達は前任の行為によく我慢した!そんなオメェらに俺は……罰を与える事が出来ねぇし、するつもりも無い!」

 

勇人は五人に優しく諭す様に続けて答えると、五人は納得出来ず、声を荒げて言った

 

 

長門「……私達は提督を殺そうとしたのだ!!提督は私達に……不問と……これじゃ私達が……罰を受ける価値の無い兵k……アイオワ「stop!長門!そのwordはJrが一番嫌うwordデース!」……しかし……」

 

鹿島「本来の提督では有り得ない発言……いえ処分を言ったのですよ……ヒック……こんなに汚れに汚れた私達を……ヒック……」

 

勇人「……鹿島、ちょっと来い……」

 

鹿島「はい……」

 

ギュッ……

 

 

鹿島「ッ!?提督さん!?」

 

柏木「お!?大胆な事をする……大鯨「提督は黙って下さい」……アッハイ」

 

明石 夕張(羨ましい……イケメンで、あの肉体美に抱擁は……狡いです!!)

 

鹿島は自分自身の情けなさや悔しさ、そして勇人に見捨てられたと思ったのか、泣きながら言うと勇人は鹿島に抱擁し、優しく言った

 

勇人「確かに俺は本来の提督では有り得ない発言をした……だがそれは俺の『信念』……いや俺自身に嘘をつきたく無かったからだ。それに俺からしてみれば、他の艦娘達を守る為にお前達は自ら汚れ役しに行ったんだろ?そんなお前達に『汚れてる』とは思ってねぇよ♪だから今までの事は不問(チャラ)だ!これは『命令』だ!分かったか?」

 

蒼龍 長門 陸奥 川内「上城中佐……いえ提督!ありがとうございます!」

 

鹿島「提督さん……うわーーーーん!!」

 

ミシミシミシ……

 

勇人「!?」

 

明石 夕張 大鯨(あ……何か……)

 

一馬 柏木(勇人の腰から……)

 

アイオワ(とてつもなく『嫌な音』がシマース……)

 

勇人の言葉に五人は嬉し泣きをし頭を下げた

鹿島は勇人の腰を強く抱きしめ、勇人の胸に埋める様に号泣した

 

 

勇人「気にすんな……ってイテテテテテ!ちょ!?鹿島!腰が!腰が!」

 

鹿島「うわーーーーん!」

 

ゴキッ!!

 

勇人「腰………が!」

 

ガクッ……

 

アイオワ「ねぇカッシー……Jrが……落ちているわ」

 

鹿島「え!?嘘!?御免なさい提督さん!?起きて下さい!」

 

一馬 柏木(うわ……ひょっとして勇人の運の数値って……)

 

明石 夕張(……この姿ですと艦娘の中では史上最悪の数値『1』です……)

 

……泣けるわね by 三笠

 

勇人は先日の件で腰を痛めており、鹿島の強い抱擁がトドメになり腰の激痛に耐えきれずに気を失ったのは言うまでも無かった

 


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